鉄道事業者の運賃比較
(2015年10月版)

鉄軌道事業者の旅客運賃体系には、短距離の運賃が安く、長距離が高い事業者(路線)と、その逆の事業者とがある。初乗り運賃レベルと運賃上昇勾配の二つの要素に分けて各事業者の運賃構造を分析する。その結果事業者ごとのコスト構造や価格政策をうかがい知ることができる。また事業者間の運賃の高低を比較する方法を検討し、ランク付けを試みる。
2014年4月の消費税率変更に伴う運賃改定で、JR東日本と首都圏の私鉄・公営事業者は1円刻みのIC運賃を導入したが、本稿においては乗車券の運賃を比較の対象としている。
目次
鉄道旅客運賃体系
対キロ制と対キロ区間制 図1 対キロ制と対キロ区間制(1)
図2 対キロ制と対キロ区間制(2)
鉄道旅客運賃の構成要素 図3 鉄道旅客運賃の構成要素
コスト構造と価格政策 表1 競合区間の運賃設定
対キロ区間制の2タイプ 図4 東葉高速・北総鉄道・京成空港線の運賃カーブ
図5 対キロ区間制の遠距離逓減運賃
遠距離逓減度の指標 表2 遠距離逓減度の指標(1)
表3 遠距離逓減度の指標(2)
表4 各指標間の相関係数
運賃の高低を評価する"ものさし" 表5 直接運賃比較の方法
運賃が安い事業者・高い事業者 表6 運賃ランキング(1)得点順
表7 運賃ランキング(2)勝率順
別表 事業者(路線)別データ


鉄道旅客運賃体系

日本の鉄軌道事業者が採用している鉄道旅客運賃の計算方法は、対キロ制、対キロ区間制、区間制と均一制の4種類がある[1]。均一制運賃を除き、乗車区間に応じて運賃が変化する。

対キロ制は、キロ当りの賃率(対キロ賃率)に乗車区間の営業キロを乗じて運賃を算出する。対キロ区間制は、営業キロに基づき区間を分け(キロ地帯区分)、キロ地帯ごとに運賃を定める。区間制は、路線をほぼ等距離の区間に区分し、通過する区間の数に応じて運賃を定める。対キロ区間制と同様に、運賃が階段状に上昇する。鉄軌道事業者が一般路線で採用しているのは、叡山電鉄、土佐電鉄(中心部の均一運賃と併用)、筑豊電鉄の三社[2]だけである。

筑豊電鉄のウェブページに掲載されている運賃表によると、黒崎駅前・筑豊直方間を7区間(黒崎駅前・熊西間0.6キロを除き、各区間は2.2キロから3.4キロ)に分割し、1区(同一区間内)が200円(黒崎駅前・熊西間は180円)、2区250円、3区300円、4区330円、5区370円、6区400円、7区430円と上昇する。乗車区間の営業キロを基準とする対キロ区間制と異なり、短距離の運賃が長距離よりも高くなる逆転現象が生じる(たとえば、西黒埼・萩原間1.5キロの運賃は2区250円、木屋瀬・筑豊直方間3.4キロは1区200円)。

なお、欧州を中心に広く採用されているゾーン制も一種の区間制である。都市圏の中心からほぼ同心円で区切ってゾーンを定め、通過するゾーン数によって運賃を決めるものだが、都市圏の鉄道、地下鉄、路面電車、バスなど公共交通をになう全事業者に共通に適用する運賃制度の意味で使われることが多い。

均一制は、北神急行や芝山鉄道など1駅間だけの路線のほか、運賃収受の簡便さから路面電車を中心に採用されている。最長の均一運賃路線は、東京都電荒川線の12.2キロ(160円)である。

この中で最も古いのは区間制で、1872年京浜間の鉄道開業時に採用された。その後関西私鉄の多くが採用したが、ほとんどが対キロ区間制に移行し、現在も採用しているのは、上記の三社だけである。かつてバス運賃に多く見られたが、対キロ区間制に移行した事業者が多い。

1874年後に開業した阪神間は、1マイルあたりの賃率による距離比例運賃を採用した。1889年7月の新橋・神戸間全通時に官鉄の運賃は対マイル制に統一され、鉄道国有化法によって買収された私鉄にも適用された。1930年メートル法施行により対キロ制となり、JR各社に継承されている。

その後開業した私鉄は、鉄道・関東系が主として対キロ制を、軌道・関西系が区間制を採用した。現在多くの私鉄が採用している対キロ区間制は、最も新しい運賃計算方法であり、1960年代以降他の制度から移行した[3]


対キロ制と対キロ区間制

対キロ制は、本来1キロごとに賃率を乗じて運賃が計算される。国鉄も1966年3月5日の制度改定でキロ地帯制を採用するまでは、1キロごとに運賃が定められていた。1958年10月1日施行の旅規の運賃計算規定を紹介する。

(鉄道の大人普通旅客運賃の賃率)
第77条 鉄道の大人普通旅客運賃の賃率は、次の通りとする。
3等 2等 1等
150キロメトール以下のキロ程 1キロメートルにつき 2円40銭 4円80銭 9円60銭
150キロメトールをこえ500キロメートル以下のキロ程 1円65銭 3円30銭 6円60銭
500キロメートルをこえ1,000キロメートル以下のキロ程 85銭 1円70銭 3円40銭
1,000キロメートルをこえるキロ程 55銭 1円10銭 2円20銭
(鉄道の3等大人片道普通旅客運賃)
第78条 鉄道の3等大人片道普通旅客運賃は、旅客の乗車する発着区間のキロ程を前条の規定によるキロ程にしたがつて区分し、これを各その賃率に乗じた額を合計し、150キロメートルまでのものについては10円未満のは数を円位において四捨五入して10円単位とし、乗車区間が150キロメートルをこえるものについては10円未満のは数を10円に切り上げて計算した額とする。

1キロごとに賃率を乗じて運賃を計算したが、当時は対キロ賃率が低く、10円刻みで運賃を定めていたため、1-6キロが10円、7-10キロが20円と複数のキロ程が同一運賃となっていた。

1966年3月の旅規改定で、51キロ以上に一定の間隔でキロを刻み、同一の運賃を適用するキロ地帯制を採用した。51キロから100キロまでは5キロ刻み(運賃の増加は、10-20円)、101キロから400キロまでは10キロ刻み(同、30-40円)、401キロ以上は20キロ刻みだった[4]。「JRの運賃計算ルールは複雑すぎる」の分割購入の問題で書いたように、キロ地帯制を併用した対キロ制運賃というルール自体がJRの区間分割購入問題の原因である。

なお、現在も、弘南電鉄、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道、小湊鉄道、箱根登山鉄道(鉄道)、上田電鉄、アルピコ交通、しなの鉄道、黒部峡谷鉄道、北陸鉄道、大井川鐵道、遠州鉄道、豊橋鉄道(鉄道)、紀州鉄道、島原鉄道、熊本電気鉄道は、初乗り区間を除き[5]キロ地帯制を併用せず、1キロ刻みで運賃を定め、階段の高さが低くなっている。

JRの現行運賃体系は、JR九州の100キロまでの対キロ区間制を除き、1966年以来のキロ地帯制併用対キロ制である。キロ地帯制を併用しても、対キロ制旅客運賃計算の基本が対キロ賃率であることはかわらない。旅規は、本州三社幹線の運賃について、次のように規定している。

  1. 発着区間の営業キロを300キロまで、600キロまで、601キロ以上に3区分し、それぞれの営業キロに対する賃率を乗じた額を合計し、発着区間の営業キロが100キロメートル以下のときは、10円未満の端数を10円単位に切り上げ、100キロメートルを超えるときは、100円単位に四捨五入する(第77条第1項第1号)。
  2. 算出した額に消費税5%を乗じ、10円単位に四捨五入する(第77条第1項第2号)。
  3. 発着区間の営業キロは、各キロ地帯(11キロから50キロまでは5キロ刻み、51キロから100キロまでは10キロ刻み、101キロから600キロまでは20キロ刻み、601キ以上は40キロ刻み)の中央値を適用する(第77条第2項)。
  4. 営業キロが10キロメートルまでの運賃は、賃率によらず特定する(第84条第1号)。
一方、対キロ区間制の東京メトロの旅客営業規程の運賃規定は次のように単純である。

(大人片道普通旅客運賃)
第51条 大人片道普通旅客運賃は旅客の乗車する発着区間のキロ程により、次によって区分した額とする。
1区 1キロメートルから6キロメートルまで 170円
2区 6キロメートルから11キロメートルまで 200円
3区 12キロメートルから19キロメートルまで 240円
4区 20キロメートルから27キロメートルまで 280円
5区 28キロメートルから40キロメートルまで 310円

図1は対キロ制のJR(東京地区電車特定区間)と対キロ区間制の東京メトロの対キロ運賃をプロットしたグラフである。

図1 対キロ制と対キロ区間制(1)

JRの対キロ制運賃も、営業キロが10キロまでの初乗り運賃を賃率によらず特定し、キロ地帯ごとの運賃を中央値に対キロ賃率を乗じて定額にしているので、対キロ区間制と同様に階段状に上昇している。しかし対キロ区間制が乗車距離に比例しないコスト(ターミナルコスト)をすべての旅客に負担させるため、固定額+距離比例額という構造になっているのと比べると、対キロ比例的である。

図1のグラフに近似直線を加えた図2によって、この傾向はより明確になる。

図2 対キロ制と対キロ区間制(2)

近似直線は、一次関数[y = a + bx]で表され、切片[a]は初乗り運賃のレベルを、傾き[b]は運賃上昇勾配を示す。対キロ制は、初乗り運賃が低く、運賃上昇勾配が高く、対キロ区間制はその逆であることがわかる。


鉄道旅客運賃の構成要素

図2の近似直線は、エクセルのグラフツールで挿入したものだが、キロ(要因)と運賃(結果)との関係を回帰分析して得られた近似関数である。キロと運賃の関係を一次の近似関数で表すこと(線形回帰)によって、運賃を初乗り運賃レベルと運賃上昇勾配の二つの要素に分解することができた。線形回帰は、近似関数の値と実際の値との差の二乗和が最小となる係数を決定する方法(最小二乗法)で行うが、難しい計算式を知らなくても、エクセルの分析ツールを用いて簡単に算出できる。

乗車キロと運賃が対応する対キロ制と対キロ区間制運賃の事業者(運賃体系の異なる路線は路線ごと)について、それぞれ1キロから運賃表の最長キロ(最長キロが100キロ超の事業者は、100キロまで)までのキロと運賃の関係を線形回帰し、[a]、[b]を求めた[6]。なお、対キロ運賃に対する加算運賃や特定割引運賃[7]は無視して算出した。また名鉄が名古屋本線以外のローカル線に擬制キロ[8]を設定し、運賃を割増ししているが、これも名古屋本線の運賃により計算した。これをグラフにプロットしたのが図3である。

図3 鉄道旅客運賃の構成要素

プロットの色は、事業者の種別(:JR、:大手私鉄、水色:準大手・中小私鉄、黄緑:国鉄転換第三セクター、:路面電車、:地下鉄、ピンク:モノレール・新交通システム)を、形状は路線の開業時期(▲1960年以降、◆1960年以前、■前後にまたがる)を示す。

対キロ制のJR各社が中央部の下段に、対キロ区間制の大手私鉄が左側の中段に並んでいる。JR九州は、100キロまで対キロ区間制を採用しているが、初乗り運賃及び100キロ以上の対キロ運賃との整合性を取るため、対キロ賃率で計算した運賃を若干調整しているだけで、JR四国とほとんど差がない。その中でJR東日本の山手線内は対キロ区間制の大手私鉄に囲まれた位置にいる。実質20キロまでの山手線内などの運賃のうち、10キロまでの初乗り運賃(電車特定区間と同額)が回帰分析範囲の50%を占めているため、初乗り運賃レベルが高い対キロ区間制的な運賃構造になっている。JR西日本の大阪環状線内の運賃も同様の構造で、グラフで山手線内の左上にある。


コスト構造と価格政策

図3のグラフの左上に新設路線が、右下に既設路線がプロットされている。地下鉄とモノレール・新交通システムの新路線は、左中段(運賃勾配小、初乗り運賃中高)に並んでいる。一方右下(運賃勾配大、初乗り運賃低)に、開業時期が古く、初期投資の償却が終わった中小私鉄が並んでいる。新規に建設された路線(事業者)は初乗り運賃レベルが高く、上昇勾配が小さい。これに対し高度成長期以前に開業した路線は、その逆の傾向を示している。

新規開業路線は、路線建設の初期投資を旅客から満遍なく回収するため、初乗り運賃の下駄を高く設定した対キロ区間制を採用し、償却が完了した路線では、運賃でカバーする通常経費が距離比例的なコスト構造になっているものと推定できる。既存事業者が新設路線に加算運賃を課しているのに対し、新規事業者は、運賃表自体に加算運賃を含めているといえる。地下鉄とモノレール・新交通システムを比較すると、運賃勾配上昇はモノレール・新交通システムの方が大きい。初乗り運賃レベルは地下鉄のほうが高いが、その差は運賃上昇勾配の差ほどではない。これは、絶対額が大きい地下鉄の初期投資の運賃負担が大量輸送によって軽減されているためだろう。

1964年開業の東京モノレールと1995年開業のゆりかもめを比べると、早期に開業した東京モノレールの方が初乗り運賃が低く、運賃上昇勾配が大きいことも、両者のコスト構造の違いを示している。また、土佐くろしお鉄道の2路線、中村・宿毛線とごめん・なはり線を比較しても、開業時期の遅いごめん・なはり線の初乗り運賃レベルがかなり高い。中村線は国鉄時代の1963年に土佐佐賀まで、70年に中村まで開業した。宿毛線の開業は1997年である。2002年のごめん・なはり線とそれほど大きな差がない。しかし、中村・宿毛線にはJR四国の特急が乗り入れ、土佐くろしお鉄道線内でも特急料金を徴収しているので、その分初乗り運賃レベルを低く設定しているという見方もできる。

この傾向に反しているのが2007年開業の仙台空港鉄道である。対キロ制を採用しており、初乗り運賃レベルが低く、上昇勾配が大きい。これは、空港アクセス鉄道という性格から、空港までの全区間を乗車する旅客が多いことから可能な運賃体系といえる。一方、2010年7月に開業した京成成田空港線は、初乗り運賃レベルが極端に高い。これについては、次項で検討する。

大手私鉄では、京急と京阪の差が興味深い。京急が運賃上昇勾配が大きく、京阪は初乗り運賃レベルが高い遠距離逓減制である(新設の鴨東・中之島線の加算運賃は考慮していない)。ともにJRとの競合路線であり、対JRの価格政策が運賃に対照的に現れている。これを表1に示す。

表1 競合区間の運賃設定
京急vsJR東 京阪vs阪急vsJR西
区間 京急 JR東
品川から キロ キロ
久里浜(京急久里浜) 56.8 56 790 63.6 74 1,080→920
横須賀(横須賀中央) 49.9 44 640 55.6 64 920→800
逗子(新逗子) 46.8 52 640 48.1 53 800→720
横浜 22.2 19 310→300 22.0 17 390→290
川崎(京急川崎) 11.8 11 240→230 11.4 220
区間 京阪 阪急 JR西
大阪(梅田・淀屋橋)から キロ キロ キロ
京都(河原町・三条) 49.3 43 410 47.7 43 400 42.8 29 710→560
枚方市 21.8 24 330
寝屋川市 15.0 18 310
高槻(高槻市) 23.0 21 280 21.2 18 390→260
茨木(茨木市) 17.2 18 270 14.6 14 220
赤字は特定区間割引運賃

京急とJRとは、京浜間と対三浦半島間の二つの競合関係がある。後者、とくに対横須賀・久里浜では京急の方が距離が短く時間的にも有利であるため、JRにあわせて短距離区間の運賃を安く(京浜間には特定運賃も)設定し、対キロ制に近い運賃体系をとっている。一方、京阪とJRとは、路線が離れており、競合は京阪間だけであるため、極端な遠距離逓減運賃を採用し、不利な線形による所要時間の長さを安い運賃で対抗している。もともと運賃が安い阪急は、京阪間だけでなく途中の高槻や茨木との間でもJRと競合しており、京阪のような極端な遠距離逓減運賃をとっていない。その結果、高槻、茨木とほぼ等距離にある京阪の枚方、寝屋川に比べて安い運賃となっているが、JRの特定運賃によって運賃面でも不利な戦いを強いられている。


対キロ区間制の2タイプ

図3では、北総鉄道と東葉高速鉄道のプロットが離れており、北総(256.2, 19.96)が初乗り運賃レベルが高く、東葉(164.9, 19.96)が運賃勾配が大きい傾向を示している。ところが、東葉の路線長18キロまでは北総と東葉の運賃は同様のパターンを示している。これを図4のグラフに示す。

図4 東葉高速・北総鉄道・京成空港線の運賃カーブ

北総は、5次にわたって路線を延伸した(1979年3月新鎌ヶ谷・小室間7.1キロ、88年4月小室・千葉ニュータウン中央間4.0キロ、91年3月京成高砂・新鎌ヶ谷間12.7キロ、95年4月千葉ニュータウン中央・印西牧の原間4.7キロ、印西牧の原・印旛日本医大間3.8キロ)。グラフに表示したのは、東葉高速鉄道と北総鉄道の1次(7.1キロ)、3次(23.8キロ)、5次(32.3キロ)開業時、北総鉄道を延伸する京成空港線の運賃である。北総は、延伸のつどキロ程の運賃上昇カーブを寝かせていったことがわかる。各延伸時点で全開業区間の運賃を線形回帰した近似直線で示すと、そのつど近似直線が実際の運賃から乖離し、切片(初乗り運賃レベル)が実際の初乗り運賃より高くなっていったことがわかる。京成空港線の運賃は、北総鉄道の運賃と京成本線の運賃との整合性をとるために、さらに極端な遠距離逓減制となっている。

対キロ区間制は対キロ制と比較すると初乗り運賃レベルが高いが、その中に、初乗り運賃の下駄を履いてほぼ直線的に運賃が上昇する大多数のタイプと、下駄をはいた上に上昇勾配が屈曲し、遠距離逓減運賃となっているタイプとがある。後者は線形回帰すると、初乗り運賃レベル[a]が実際の初乗り運賃よりもよりも高く、運賃上昇勾配[b]が低く表示されることがわかる。したがって、遠距離逓減制を採用している事業者の運賃を比較するときは、勾配が同一のキロ帯で比較しないとミスリードされる。ここに線形回帰により運賃構造を二つの要素に分けて分析する上での限界がある。

図3のグラフを見ると、神戸電鉄、秩父鉄道、近江鉄道など、開業時期が古いのにもかかわらず、運賃勾配小、初乗り運賃中高という特異な傾向を示す事業者がある。これら各社の対キロ運賃を図5のグラフにプロットした。

図5 対キロ区間制の遠距離逓減運賃

いずれも北総鉄道のように、徐々に階段の高さが低く、奥行きが長くなる遠距離逓減運賃を採用しており、線形回帰による近似直線は実際の運賃から大きく乖離している。一方、グラフに示した近似曲線は原点を通る指数関数[y = mxn]である。ここで[n]は遠距離逓減度を示す。n = 1であれば対キロ比例であり、nが0に近くなるほど遠距離逓減度が増し、均一運賃はn = 0となる。このような運賃上昇勾配が徐々に寝てゆく遠距離逓減制運賃を採用している事業者(路線)では、近似曲線のほうが近似直線よりもよりも実際の運賃カーブに近い(測定値に対する誤差が小さい)。


遠距離逓減度の指標

全事業者(路線)について、[y = mxn]の測定値に対する誤差の二乗和が最小になる[m]及び[n]を、エクセルソルバーで求めた。[n]の値が小さい遠距離逓減度の大きい事業者と、[n]が大きく(遠距離逓減度小)キロ比例的運賃の事業者のそれぞれ上位15位までを表2に掲げた。

表2 遠距離逓減度の指標(1)
遠距離逓減度大 遠距離逓減度小
事業者y=a+bxy=mxn誤差
係数
[a][b][m][n]
神戸高速122.0 5.14 125.0 0.102 1.329
横浜高速165.0 9.00 172.5 0.110 1.512
函館市電209.3 4.67 193.2 0.116 1.914
阿佐海岸178.9 9.64 192.1 0.134 1.332
横浜シーサイド228.0 8.82 219.6 0.151 0.594
北大阪急行82.76.8686.1 0.190 1.022
沖縄都市210.5 10.70 202.1 0.190 2.416
四日市あすなろう176.0 15.43 184.9 0.193 1.274
神戸新交通195.0 13.00 194.4 0.198 1.522
京都市215.2 7.22 182.9 0.215 0.744
名古屋市223.4 5.10 161.4 0.235 0.477
名古屋臨海183.59.66166.10.237 2.809
福岡市205.3 8.68 174.3 0.243 0.643
新京成141.8 4.82 114.1 0.245 2.423
泉北159.1 9.11 144.4 0.246 4.050
事業者y=a+bxy=mxn誤差
係数
[a][b][m][n]
黒部峡谷-1.7 81.21 80.6 1.028 0.972
JR北(地)28.2 20.70 21.7 0.994 1.069
JR本(地)26.4 18.71 19.9 0.990 1.074
大井川(本)21.9 44.62 47.6 0.986 1.346
大井川(井川)24.7 49.54 54.0 0.980 1.354
しなの46.3 21.07 24.2 0.975 1.560
大阪電特34.3 16.00 18.9 0.968 1.118
東京電特37.0 16.02 19.2 0.9661.133
えちご43.9 16.80 20.4 0.964 1.190
JR北(幹)50.1 18.52 22.8 0.961 1.174
鹿島臨海48.6 24.66 30.2 0.9601.591
青い森鉄道61.0 23.02 28.6 0.959 1.165
JR(本州幹)46.8 16.74 21.0 0.957 1.182
あいの風とやま59.2 18.63 24.7 0.9451.185
いわて銀河79.3 25.74 34.7 0.940 1.324

表に見るように、遠距離逓減度小([n]大)の事業者はJR等の対キロ運賃制の事業者である。一方[n]が小さい事業者は、初乗り運賃レベルが高く、運賃上昇勾配が小さい短距離路線が上位を占める。表の誤差係数は、線形関数と指数関数の実測値との誤差を比較したものである(線形回帰関数の誤差の二乗和を1としたときの[y=mxn]関数の誤差の比率)。誤差係数が1以下であれば、指数関数のほうが近似となるが、名古屋市、横浜シーサイドライン、福岡市及び京都市以外は1以上で、線形回帰のほうが実測値に近似している。

これまで遠距離逓減運賃として取り上げた各社は、秩父鉄道0.167(1位)、京阪0.174(2位)、京成空港線0.194(6位)、神戸電鉄0.219(10位)、北総鉄道0.274(13位)、近江鉄道0.289(15位)と誤差係数が小さい事業者である。しかし、各社の[n]は、京阪0.281(21位)、神戸電鉄0.382(49位)、京成空港線0.418(59位)、秩父鉄道0.482(68位)、北総鉄道0.482(69位)、近江鉄道0.543(78位)とそれほど小さくないのだ。運賃カーブが徐々に寝てゆく形の遠距離逓減運賃の指標として[n]を用いるのは、適切ではない。

次に原点を通過しない指数関数[y = p + q xr]で回帰分析してみた。これは、線形回帰関数[y = a + bx]を一般化した(線形関数はr=1の特殊形)ものである。どのような運賃パターンでも線形回帰及び原点通過の指数関数と比べ、実測値との誤差が小さくなり、運賃カーブにより近似する。表3にこの指数関数の[r]を指標とした遠距離逓減度大及び小の順にそれぞれ15位まで掲げた。

表3 遠距離逓減度の指標(2)
遠距離逓減度大 遠距離逓減度小
事業者(路線)[a][b][m][n][p][q][r]
名古屋市223.4 5.10 161.4 0.235 -3801.3 3924.9 0.017
多摩都市172.5 17.50 146.0 0.391 -5316.7 5423.1 0.020
京阪217.3 4.35 139.6 0.281 -185.0 304.6 0.173
若桜鉄道165.3 13.31 131.2 0.380 -311.6 420.9 0.176
函館市電209.3 4.67 193.2 0.116 149.2 58.0 0.250
甘木鉄道138.8 17.78 123.0 0.417 -154.8 265.4 0.255
京成(空港)359.0 14.04 196.4 0.418 -394.7 506.0 0.258
神戸電鉄303.8 9.18 161.9 0.382 -203.4 325.3 0.272
阪神161.3 5.38 116.6 0.290 -13.7 128.7 0.273
弘南鉄道218.7 14.85 185.6 0.312 -13.1 197.6 0.300
福井鉄道187.5 13.13 155.4 0.330 -28.3 181.1 0.300
横浜シーサイド228.0 8.82 219.6 0.151 138.0 85.0 0.312
ゆりかもめ196.4 15.04 171.4 0.316 -0.7 172.0 0.315
秩父鉄道305.2 11.47 135.5 0.482 -196.3 260.1 0.366
山陽電鉄245.6 11.12 117.7 0.486 -138.2 207.2 0.382
事業者(路線)[a][b][m][n][p][q][r]
横浜高速165.0 9.00 172.5 0.110 176.0 1.2 2.152
仙台空港93.2 36.79 106.2 0.611 154.4 4.0 2.011
阿佐海岸178.9 9.64 192.1 0.134 205.2 1.2 1.864
静岡鉄道73.5 19.73 71.0 0.574 109.3 3.2 1.720
名古屋臨海179.0 9.31 163.3 0.231 201.2 1.4 1.646
JR東(山手)120.17.04101.20.295140.41.0 1.643
流鉄91.3 17.71 102.3 0.349 109.8 5.0 1.635
ひたちなか55.3 33.00 54.3 0.855 117.5 8.1 1.495
IRいしかわ144.811.0 121.9 0.337168.4 2.71.462
東京モノレール136.8 21.62 147.8 0.334 158.3 7.8 1.449
京急66.9 12.06 20.0 0.899 150.2 1.9 1.427
くま川鉄道115.9 22.13 71.4 0.687 174.8 5.5 1.416
豊橋鉄道64.425.04 52.30.787 107.8 8.7 1.348
上田電鉄80.2 41.26 86.0 0.759 129.5 16.7 1.339
伊豆箱根78.9 21.11 57.6 0.714 115.0 8.2 1.301

遠距離逓減度大([r]小)の15社の中にこれまで取り上げた運賃カーブが徐々に寝てゆく遠距離逓減運賃の各社がすべて含まれている。一方[r]が大きい、遠距離逓減度小の各社は、初乗り運賃キロ帯以降距離比例的な運賃体系となっている事業者が多く、かならずしも遠距離逓減度小というわけではない。表2の遠距離逓減度大2位の横浜高速、4位の阿佐海岸が、表3の遠距離低限度小の1位と3位になっているように、回帰分析範囲の小さい、距離の短い事業者については逆転している。

各指標間の相関係数は表4のとおりであるが、[n]と[r]の相関係数は0.2744で、ほとんど相関がない。また切片[a]と[p]の相関係数はマイナスである。一方、[a]と[m]とは高い相関があり、[m]と[n]、[p]と[q]は逆相関度が高い。

表4 各指標間の相関係数
[b][m][n][p][q][r]
[a]-0.46640.7090-0.6245-0.15000.1753-0.5742
[b]-0.27280.56350.0655-0.08480.2391
[m]-0.8844-0.12300.1661-0.3701
[n]0.0945-0.13460.2740
[p]-0.99730.3760
[q]-0.3694

距離比例的な運賃の指標として[n]大が、遠距離逓減的な運賃の指標として[r]小が有効であることがわかったが、その逆の[n]小と[r]大には有意な傾向を見出せなかった。これらの各指標を含む事業者・路線ごとのデータは、別表に掲載している。


運賃の高低を評価する"ものさし"

どの鉄道の運賃が安いか、高いかという話題は、多くのウェブページで取り上げられているが、一本の"ものさし"で運賃の高低を評価したものはないようだ。本稿で用いた回帰分析も、初乗り運賃レベルと運賃上昇勾配という二つの要素に分解したものであるから、一本の"ものさし"にはならない。

そこで、各事業者(路線)の運賃を比較しうる範囲で直接比較することにした。この方法を(1)アルピコ交通と上田電鉄と(2)紀州鉄道とJRの比較を例に説明する。

表5 直接運賃比較の方法
(1)アルピコ交通と上田電鉄
123456789101112累計運賃キロ運賃得点
アルピコ交通1701701701902503103604004504905405804,08052.31-1.28
上田電鉄1701701702202703303704104504905405904,18053.591.28

(2)紀州鉄道とJR
123累計運賃キロ運賃キロ運賃差
紀州鉄道120150180450750
JR本(幹)14014014042070-5
JR北(幹)1701701705108510
JR四160160160480805
JR九160160160480805
東京電特14014014042070-5
大阪電特12012012036060-15
JR本(地)14014014042070-5
JR北(地)160160160480805

アルピコ交通の運賃表の最長キロは15キロ、上田電鉄は12キロである。対応する12キロまでの累計運賃を比較すると、アルピコ交通が4,080円、上田電鉄が4,180円でアルピコのほうが100円安い。12キロまでの累計キロ、78(=12x13/2)キロで除して、キロ当たりに換算するとアルピコ交通が1.28円安くなり、アルピコに-1.28、上田に+1.28の得点を与える。運賃表キロが3キロの紀州鉄道と100キロのJR各社との対戦は、対応する3キロまでの運賃の比較で行う。表にはキロ運賃差のみを示したが、紀州鉄道とJR本(幹)の対戦の得点は、紀州鉄道が5、JR本(幹)が-5となる。

この方法で、均一運賃制を含む175事業者(路線)[9]の総当りリーグ戦を行い、各事業者(路線)ごとにキロ当たりの運賃差額の得点の合計を運賃の高低の"ものさし"とすることにした。アルピコ交通と上田電鉄の場合は、15キロ対12キロと路線距離の差が少なく、運賃パターンも近い。しかし、JRと紀州鉄道の対戦はわずか3キロまで比較である。後述するように、直接対戦による"得点"の有効性に限界があり、総当たりリーグ戦の"勝率"と併用することにした。


運賃が安い事業者・高い事業者

表6と表7に、上述した"得点"と"勝率"を"ものさし"として運賃を比較した事業者(路線)を安い順に掲げる。黄色の網掛けは205年10月1日に運賃を改定した事業者を示す。

表6 運賃ランキング(1)得点順   表7 運賃ランキング(2)勝率順
順位 事業者(路線) キロ 得点 旧順位 変動
1 北大阪急行 6 4987.0 1 0
2 長崎電軌 7 4192.6 2 0
3 岡山電軌 5 3339.0 4 1
4 神戸高速 6 3288.0 3 1
5 広電(宮島) 16 3003.0 7 2
6 熊本市電 9 2892.5 20 14
7 京王 52 2782.3 6 1
8 東急(世田谷) 5 2750.7 4 4
9 豊橋鉄道(軌道) 5 2750.7 16 7
10 JR西(大環) 20 2711.1 10 0
11 流鉄 6 2653.6 13 2
12 JR東(山手) 20 2567.4 9 3
13 東急 44 2527.4 8 5
14 広電(市内) 9 2517.5 11 3
15 紀州鉄道 3 2515.8 12 3
16 新京成 27 2506.2 26 10
17 東京都電 13 2427.1 14 3
18 小田急 83 2330.4 15 3
19 阪急 76 2247.3 23 4
20 相鉄 25 2185.2 21 1
21 西武 81 2184.5 22 1
22 阪神 33 2182.4 25 3
23 伊予鉄道(市内) 5 2162.3 16 7
24 東京メトロ 40 2162.2 18 6
25 札幌市電 9 2142.5 32 7
26 鹿児島市電 9 2142.5 19 7
27 京急 67 2109.7 24 3
28 JR西(大阪電特) 100 2086.4 28 0
29 静岡鉄道 11 2039.9 29 0
30 JR東(東京電特) 100 1971.4 27 3
31 東武 100 1970.7 30 1
32 京成 70 1936.5 31 1
33 京阪 54 1635.3 34 1
34 北越急行 60 1618.5 35 1
35 えちごトキめき 97 1605.9
36 JR本(幹) 100 1605.6 33 3
37 JR本(地) 100 1479.9 36 1
38 東京都 35 1402.7 38 0
39 遠州鉄道 18 1348.5 34 5
40 IRいしかわ 18 1266.6
41 泉北高速 15 1195.4 39 2
42 南海 100 1183.0 42 0
43 西鉄 75 1182.2 41 2
44 近鉄 100 1170.0 43 1
45 伊豆箱根 20 1105.4 45 0
46 JR四 100 1100.7 46 0
47 京阪(京津) 15 1086.7 40 7
48 JR北(幹) 100 1051.0 44 4
49 あいの風とやま 100 1033.7
50 JR九 100 1013.3 47 3
51 大阪市 29 986.2 52 1
52 JR北(地) 100 906.1 49 3
53 名鉄 100 859.1 51 2
54 横浜市 47 854.9 50 4
55 名古屋市 25 854.5 55 0
56 豊橋鉄道(鉄道) 18 844.8 48 8
57 富山ライトレール 8 837.9 60 3
58 三岐鉄道 27 781.7 53 5
59 能勢電鉄 13 673.3 57 2
60 神戸市 31 662.2 56 4
61 京都丹後 90 658.2 58 3
62 京福電鉄 9 645.2 54 8
63 伊勢鉄道 23 621.5 61 2
64 富山地鉄(軌道) 7 575.5 72 8
65 山陽電鉄 60 520.2 63 2
66 しなの鉄道 100 501.3 59 7
67 名古屋臨海 16 472.9 64 3
68 札幌市 21 461.6 62 6
69 京都市 22 373.0 65 4
70 愛知環状 46 366.6 67 3
71 鹿島臨海 53 325.2 68 3
72 横浜高速 5 297.7 77 5
73 福岡市 20 287.2 70 3
74 和歌山電鉄 15 270.4 71 3
75 つくばエクスプレス 59 261.7 66 9
76 甘木鉄道 14 252.6 74 2
77 若桜鉄道 20 241.5 64 13
78 熊本電鉄 11 221.8 75 3
79 山万 6 213.3 94 15
80 くろしお(中・宿) 67 155.9 77 3
81 万葉線 13 130.9 117 36
82 高松琴平 46 123.1 78 4
83 養老鉄道 58 55.3 81 2
84 函館市電 10 54.7 88 4
85 水島臨海 11 50.8 85 0
86 青い森鉄道 100 36.1 83 3
87 秋田内陸 95 33.1 89 2
88 秩父鉄道 72 55.8 86 2
89 智頭急行 57 74.4 96 7
90 くま川 25 98.0 90 0
91 福井鉄道 18 99.0 79 12
92 一畑電車 38 107.2 95 3
93 阿佐海岸 9 125.6 111 18
94 南阿蘇鉄道 18 142.1 99 5
95 仙台市 15 150.8 96 1
96 阿武隈急行 55 152.7 93 3
97 ひたちなか 15 153.3 110 13
98 埼玉新都市 13 185.1 92 6
99 福島交通 10 194.8 100 1
100 伊賀鉄道 17 208.2 102 2
101 肥薩おれんじ 100 218.2 98 3
102 明知鉄道 26 242.1 97 5
103 岳南電車 10 270.5 113 10
104 北条鉄道 14 281.8 118 14
105 東京モノレール 18 296.2 98 7
106 江ノ島電鉄 10 314.1 91 15
107 松浦鉄道 94 341.6 109 2
108 真岡鉄道 42 356.5 104 4
109 神戸電鉄 58 373.6 112 3
110 わたらせ渓谷 45 386.6 105 5
111 広島高速 19 396.0 107 4
112 錦川鉄道 33 449.6 108 4
113 由利高原 24 467.5 82 31
114 京成(千原) 11 520.8 114 0
115 伊予鉄道 25 532.0 122 7
116 多摩都市 16 532.5 128 12
117 のと鉄道 34 553.2 116 1
118 平成筑豊 43 555.7 73 45
119 えちぜん 52 560.5 115 4
120 日暮里舎人 10 593.2 119 1
121 樽見鉄道 35 648.4 120 1
122 北九州高速 9 659.9 106 16
123 いわて銀河 82 681.9 130 7
124 いすみ鉄道 27 697.8 124 0
125 沖縄都市 12 747.0 80 45
126 三陸鉄道 71 767.9 125 1
127 湘南モノレール 7 770.9 137 10
128 大阪高速 24 796.1 127 1
129 天竜浜名湖 68 814.1 87 42
130 ゆりかもめ 15 816.7 126 4
131 関東鉄道 52 949.1 129 2
132 東京臨海 13 1032.1 131 1
133 箱根登山 15 1035.0 134 1
134 近江鉄道 48 1036.4 123 11
135 島原鉄道 44 1044.1 132 3
136 北陸鉄道 14 1053.1 101 35
137 小湊鉄道 40 1072.5 135 2
138 神戸新交通 9 1073.7 136 2
139 山形鉄道 31 1079.5 133 6
140 横浜シーサイド 11 1124.7 139 1
141 井原鉄道 42 1182.8 138 3
142 信楽高原 15 1195.6 159 17
143 埼玉高速 15 1202.0 141 2
144 仙台空港 8 1215.5 143 1
145 長野電鉄 34 1251.8 140 5
146 弘南鉄道 17 1257.1 121 25
147 四日市 6 1257.6
148 上毛電鉄 26 1320.0 144 4
149 愛知高速 9 1351.1 142 7
150 くろしお(阿佐) 43 1514.5 147 3
151 会津鉄道 58 1536.4 148 3
152 水間鉄道 6 1611.8 149 3
153 伊豆急行 46 1630.2 150 3
154 北神急行 8 1660.9 152 2
155 千葉都市 14 1746.6 153 2
156 長良川鉄道 73 1767.2 155 1
157 京成(空港) 52 1769.6 157 0
158 津軽鉄道 21 1792.5 158 0
159 上信電鉄 34 1823.7 154 5
160 芝山鉄道 3 1854.2 146 14
161 北総鉄道 33 2022.5 156 5
162 上田電鉄 12 2037.9 160 2
163 アルピコ交通 15 2047.4 161 2
164 大井川(本線) 40 2138.2 163 1
165 東海交通 12 2294.5 162 3
166 銚子電鉄 7 2356.3 145 21
167 野岩鉄道 31 2399.1 164 3
168 富山地鉄 68 2475.6 166 2
169 富士急行 27 2517.4 151 18
170 東葉高速 17 2532.5 165 5
171 大井川(井川) 26 2784.3 167 4
172 舞浜リゾート 5 3721.0 168 4
173 黒部峡谷 21 7723.9 169 4
174 門司港レトロ 3 10604.2 170 4
175 嵯峨野観光 8 16332.1 171 4
 
順位 事業者(路線) 勝率 旧順位 変動
1 北大阪急行 174 0 1 1.000 2 1
2 長崎電軌 173 1 1 0.994 1 1
3 広電(宮島) 172 2 1 0.989 3 0
4 京王 170 4 1 0.977 3 1
5 JR西(大環) 168 5 2 0.971 8 3
6 神戸高速 166 5 4 0.971 5 1
7 熊本市電 165 6 4 0.965 24 17
8 岡山電軌 165 9 1 0.948 13 5
8 JR東(山手) 165 9 1 0.948 6 2
10 新京成 161 10 4 0.942 7 3
11 東急 162 12 1 0.931 9 2
12 東京都電 157 15 3 0.913 11 1
13 流鉄 157 16 2 0.908 20 7
14 広電(市内) 156 16 3 0.907 10 4
15 小田急 155 18 2 0.896 12 3
16 東京メトロ 155 19 1 0.891 16 0
17 阪神 153 19 3 0.890 17 0
18 東急(世田谷) 150 19 6 0.888 13 5
18 豊橋鉄道(軌道) 150 19 6 0.888 30 12
20 京急 154 20 1 0.885 15 5
21 阪急 153 20 2 0.884 17 4
21 相鉄 153 20 2 0.884 21 0
23 西武 150 21 4 0.877 19 4
24 札幌市電 146 23 6 0.864 22 2
24 鹿児島市電 146 23 6 0.864 25 1
26 東武 149 24 2 0.861 32 6
27 京成 149 25 1 0.856 22 5
28 JR西(大阪電特) 148 25 2 0.855 27 1
29 京阪 147 26 2 0.850 28 1
30 静岡鉄道 145 26 4 0.848 29 1
31 JR東(東京電特) 146 28 1 0.839 26 5
32 紀州鉄道 129 27 19 0.827 37 5
33 東京都 143 30 2 0.827 33 0
34 伊予鉄道(市内) 139 30 6 0.822 30 4
35 えちごトキめき 136 36 3 0.791
35 JR本(幹) 136 36 3 0.791 34 1
37 北越急行 136 37 2 0.786 35 2
38 西鉄 135 38 2 0.780 36 2
39 南海 134 38 3 0.779 38 1
40 近鉄 132 40 3 0.767 39 1
41 IRいしかわ 132 41 2 0.763
42 JR本(地) 131 42 2 0.757 40 2
43 泉北高速 130 43 2 0.751 41 2
44 横浜市 129 45 1 0.741 43 1
45 京阪(京津) 127 45 3 0.738 44 1
46 大阪市 128 46 1 0.736 46 0
47 遠州鉄道 126 47 2 0.728 42 5
48 JR北(幹) 125 48 2 0.723 45 3
49 名古屋市 124 48 3 0.721 49 0
50 名鉄 124 50 1 0.713 47 3
51 JR四 123 51 1 0.707 48 3
52 富山ライトレール 116 50 9 0.699 57 5
53 あいの風とやま 121 53 1 0.695
53 JR九 121 53 1 0.695 49 4
55 伊豆箱根 118 56 1 0.678 50 5
55 神戸市 118 56 1 0.678 54 1
57 JR北(地) 117 56 2 0.676 54 3
58 京福電鉄 112 60 3 0.651 52 6
59 能勢電鉄 113 61 1 0.649 55 4
60 豊橋鉄道(鉄道) 111 62 2 0.642 56 4
61 京都丹後 110 62 3 0.640 60 1
62 三岐鉄道 111 63 1 0.638 58 4
63 札幌市 109 63 3 0.634 61 2
64 名古屋臨海 107 65 3 0.622 59 5
65 山陽電鉄 108 66 1 0.621 63 2
66 伊勢鉄道 107 66 2 0.618 65 1
67 富山地鉄(軌道) 105 65 5 0.618 64 3
68 しなの鉄道 106 68 1 0.609 62 6
69 京都市 103 69 3 0.599 68 1
70 函館市電 103 70 2 0.595 68 2
71 甘木鉄道 100 73 2 0.578 72 1
72 和歌山電鉄 99 74 2 0.572 71 1
73 福岡市 97 73 5 0.571 69 4
74 愛知環状 98 74 3 0.570 70 4
75 鹿島臨海 97 77 1 0.557 73 2
76 横浜高速 95 78 2 0.549 77 1
77 若桜鉄道 95 79 1 0.546 76 1
77 熊本電鉄 95 79 1 0.546 78 1
79 山万 89 75 11 0.543 92 13
80 つくばエクスプレス 94 80 1 0.540 74 6
81 青い森鉄道 93 80 2 0.538 82 1
82 万葉線 90 80 5 0.529 114 32
83 水島臨海 91 82 2 0.526 80 3
84 くろしお(中・宿) 89 84 2 0.514 78 6
85 阿佐海岸 85 82 8 0.509 102 17
86 高松琴平 87 86 2 0.503 81 5
87 養老鉄道 85 87 3 0.494 84 3
88 くま川鉄道 85 89 1 0.489 85 3
89 埼玉新都市 84 88 3 0.488 87 2
90 秋田内陸 83 91 1 0.477 90 0
91 仙台市 82 91 2 0.474 83 8
92 福井鉄道 82 92 1 0.471 90 2
93 肥薩おれんじ 80 94 1 0.460 94 1
94 南阿蘇鉄道 79 94 2 0.457 99 5
95 伊賀鉄道 78 94 3 0.453 89 6
96 智頭急行 77 95 3 0.448 98 2
97 江ノ島電鉄 76 95 4 0.444 100 3
98 明知鉄道 75 96 4 0.439 95 3
99 秩父鉄道 74 97 4 0.433 96 3
100 一畑電車 74 99 2 0.428 101 1
101 福島交通 71 98 6 0.420 104 3
102 阿武隈急行 71 102 2 0.410 97 5
102 ひたちなか 71 102 2 0.410 115 13
104 北条鉄道 70 102 3 0.407 117 13
105 岳南電車 69 101 5 0.406 113 8
106 広島高速 69 102 4 0.404 103 3
107 神戸電鉄 69 105 1 0.397 110 3
108 東京モノレール 68 105 2 0.393 85 23
109 松浦鉄道 65 108 2 0.376 110 1
110 わたらせ渓谷 65 109 1 0.374 112 2
111 京成(千原) 63 107 5 0.371 109 2
112 真岡鉄道 64 109 2 0.370 106 6
113 平成筑豊 63 111 1 0.362 111 2
114 錦川鉄道 62 111 2 0.358 107 7
115 多摩都市 60 114 1 0.345 128 13
116 のと鉄道 59 113 3 0.343 116 0
117 日暮里舎人 59 114 2 0.341 118 1
118 由利高原 58 115 2 0.335 88 30
119 北九州高速 57 116 2 0.329 105 14
120 沖縄都市 56 117 2 0.324 67 53
120 湘南モノレール 56 117 2 0.324 132 12
122 大阪高速 53 120 2 0.306 123 1
123 伊予鉄道 52 122 1 0.299 125 2
124 いわて銀河 51 122 2 0.295 130 6
125 樽見鉄道 51 123 1 0.293 119 6
126 えちぜん 50 124 1 0.287 127 1
127 ゆりかもめ 48 125 2 0.277 121 6
128 いすみ鉄道 48 126 1 0.276 126 2
129 天竜浜名湖 44 129 2 0.254 93 36
130 神戸新交通 42 130 3 0.244 132 2
131 島原鉄道 42 131 2 0.243 139 8
132 小湊鉄道 41 132 2 0.237 135 3
132 横浜シーサイド 41 132 2 0.237 137 5
134 三陸鉄道 41 133 1 0.236 129 5
135 関東鉄道 40 133 2 0.231 130 5
135 東京臨海 40 133 2 0.231 132 3
137 箱根登山 37 137 1 0.213 136 1
138 四日市 35 132 8 0.210
139 信楽高原 36 136 3 0.209 160 21
140 埼玉高速 36 137 2 0.208 141 1
141 北陸鉄道 35 139 1 0.201 107 34
141 弘南鉄道 35 139 1 0.201 120 21
143 芝山鉄道 31 124 20 0.200 144 1
144 愛知高速 34 138 3 0.198 138 6
145 仙台空港 34 139 2 0.197 143 2
146 山形鉄道 34 140 1 0.195 140 6
147 近江鉄道 33 141 1 0.190 124 23
148 長野電鉄 32 140 3 0.186 144 4
149 井原鉄道 31 143 1 0.178 145 4
150 上毛電鉄 29 145 1 0.167 147 3
151 水間鉄道 28 146 1 0.161 145 6
152 会津鉄道 26 146 3 0.151 150 2
153 伊豆急行 26 148 1 0.149 148 5
154 くろしお(阿佐) 25 149 1 0.144 151 3
155 京成(空港) 24 150 1 0.138 153 2
156 北神急行 23 151 1 0.132 149 7
157 大井川(本線) 22 151 2 0.127 157 0
158 上信電鉄 22 152 1 0.126 151 7
159 津軽鉄道 21 152 2 0.121 159 0
160 千葉都市 21 153 1 0.121 155 5
161 長良川鉄道 20 153 2 0.116 156 5
161 アルピコ交通 20 153 2 0.116 158 3
163 北総鉄道 18 155 2 0.104 154 9
164 上田電鉄 14 160 1 0.080 163 1
165 大井川(井川) 13 160 2 0.075 161 4
166 銚子電鉄 12 161 2 0.069 141 25
167 東海交通 11 161 3 0.064 162 5
168 野岩鉄道 10 163 2 0.058 167 1
169 富士急行 9 164 2 0.052 164 5
170 東葉高速 9 165 1 0.052 165 5
171 富山地鉄 8 165 2 0.046 165 6
172 舞浜リゾート 4 170 1 0.023 168 4
173 黒部峡谷 3 171 1 0.017 169 4
174 門司港レトロ 1 173 1 0.006 170 4
175 嵯峨野観光 0 174 1 0.000 171 4

赤字はマイナスを示す。順位変動は、旧版(2014年4月消費税率変更以前)の順位との差異である。順位を上げている(順位マイナス=赤字)のは、消費税率アップにかかわらず運賃を値上げしなかった事業者である。熊本市電は130円から200円の対キロ区間運賃を150円の均一運賃に変更し順位を上げた。順位を大きく下げたのは、初版時点から消費税率アップの改定時までに一度値上げし、それが旧版に反映されていなかった事業者である。

どちらの表でも、運賃が安い事業者の1位は、2キロまでの初乗り運賃が90円の北大阪急行、2位は120円の均一運賃(7キロ)の長崎電軌で、174位と175位には門司港レトロライン(均一運賃300円)と嵯峨野観光鉄道(均一運賃620円)が並ぶ。このほか黒部峡谷鉄道、大井川鉄道井川線と本源的需要[10]の観光鉄道も下位にいる。

得点順位の上位には長崎電軌のほかに、岡山電軌(3位)、熊本市電(6位)、東急世田谷線(8位)、豊橋鉄道軌道線(9位)と短距離の均一運賃の路面電車が並んでいて、大手私鉄のなかで運賃が安い京王(7位)や東急(13位)より上位にある。しかし直接対決では、京王はこれらの全事業者(路線)に、東急は岡山電軌以外に勝っている。紀州鉄道の15位も、直接対決で負けているJRの大阪電車特定区間(28位)、東京電車特定区間(30位)、JR本州の幹線(36位)・地方交通線(37位)より上位にある。逆に芝山鉄道(160位)は、直接対決で勝っている神戸市営地下鉄(60位)、京都市営地下鉄(69位)、千葉都市モノレール(155位)よりも下位にある。距離が短い路線の事業者は、狭い範囲で比較するため、プラスマイナスともに得点が過大になる傾向がある。

名鉄(前述のとおり名古屋本線の運賃で計算)は100キロ同士の直接対決ではJR各社(東京・大阪の電車特定区間を除く)のいずれにも勝っているが、得点順位では53位と、JR本州幹線(36位)、JR本州地方交通線(37位)、JR四国(46位)、JR北海道幹線(48位)、JR九州(50位)、JR北海道地方交通線(52位)の後塵を拝している。対キロ区間制の名鉄は、低中キロ帯で対キロ制のJR各社(JR九州は対キロ区間制だがほとんど比例的)よりも運賃が高い。このキロ帯の対戦が半数近くあり、ここでJR各社に比べて得点できていないのだ。遠距離逓減運賃の京成空港線(157位)が直接対決で勝っている関東鉄道(131位)や伊豆急行(153位)よりも下位にいるのも同様である。

このように得点順位は、短距離の事業者が二極化し、対キロ区間制事業者(とくに遠距離逓減運賃事業者)が不利になるという点で、必ずしも実態を反映していない。そこで直接対決の結果を反映する勝率を"ものさし"として使用することを考えた。

勝率順位では、得点順位の逆転現象がかなり解消された。京王は7位から4位、東急は14位から11位と上昇し、岡山電軌(3→8位タイ)、東急世田谷線(8→18位タイ)、豊橋鉄道軌道線(9→18位タイ)は後退した。紀州鉄道の順位も15位から32位に後退し、大阪電車特定区間と東京電車特定区間よりも下位になった。 名鉄は53位から50位タイとなり、あいかわらずJRの本州幹線(36→35位)、本州地方交通線(37→42位)、JR北海道幹線(48位)よりも下位だが、JR四国(46→50位タイ)と並び、JR九州(50→53位タイ)、JR北海道地方交通線(52→57位)より上位になった。京成空港線は156位から155位と順位を若干上げたが、関東鉄道(131→135位タイ)、伊豆急行(154→153位)との逆転を解消するにいたらなかった。芝山鉄道は160位から143位と大きく順位を上げ、千葉都市モノレール(155→160位)との逆転を解消した。完璧な"ものさし"はあり得ないが、勝率順位のほうが、得点順位よりも実態を反映しているようだ。


[1] それぞれの運賃計算方法を採用している鉄道事業者は次の通り。
運賃計算法 適用事業者
対キロ制 JR6社(JR九州の100キロまでは対キロ区間制)、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道、しなの鉄道、大井川鐵道、島原鉄道
対キロ区間制 JR九州(100キロまで)、大手私鉄15社、東京地下鉄、札幌市(地下鉄)、仙台市、東京都(地下鉄)、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、福岡市、弘南鉄道、津軽鉄道、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、三陸鉄道、福島交通、阿武隈急行、会津鉄道、山形鉄道、仙台空港鉄道、北越急行、由利高原鉄道、秋田内陸縦貫鉄道、長野電鉄、アルピコ交通、上田電鉄、富山地方鉄道(鉄道)、のと鉄道、黒部峡谷鉄道、万葉線、北陸鉄道、野岩鉄道、関東鉄道、上信電鉄、わたらせ渓谷鐵道、上毛電気鉄道、秩父鉄道、埼玉新都市交通、埼玉高速鉄道、流鉄、新京成電鉄、銚子電気鉄道、小湊鉄道、北総鉄道、東葉高速鉄道、首都圏新都市鉄道、東京臨海高速鉄道、横浜高速鉄道、箱根登山鉄道、江ノ島電鉄、富士急行、いすみ鉄道、真岡鐵道、伊豆箱根鉄道、岳南電車、伊豆急行、静岡鉄道、遠州鉄道、天竜浜名湖鉄道、豊橋鉄道(鉄道)、名古屋臨海高速鉄道、三岐鉄道、伊勢鉄道、樽見鉄道、明知鉄道、長良川鉄道、愛知環状鉄道、東海交通事業、福井鉄道(鉄道)、養老鉄道、伊賀鉄道、えちぜん鉄道、近江鉄道、信楽高原鐵道、北大阪急行電鉄、泉北高速鉄道、水間鉄道、和歌山電鐵、紀州鉄道、能勢電鉄、北条鉄道、神戸電鉄、山陽電気鉄道、WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)、大阪高速鉄道、水島臨海鉄道、若桜鉄道、一畑電車、広島電鉄(鉄道)、広島高速交通、錦川鉄道、智頭急行、井原鉄道、高松琴平電気鉄道、伊予鉄道(鉄道)、阿佐海岸鉄道、土佐くろしお鉄道、甘木鉄道、熊本電気鉄道、南阿蘇鉄道、松浦鉄道、くま川鉄道、肥薩おれんじ鉄道、平成筑豊鉄道、東京モノレール、多摩都市モノレール、湘南モノレール、千葉都市モノレール、大阪高速鉄道、北九州高速鉄道、沖縄都市モノレール、埼玉新都市交通、ゆりかもめ、横浜シーサイドライン、名古屋ガイドウェイバス、神戸新交通、広島高速交通、愛知高速交通、函館市
区間制 叡山電鉄、とさでん交通、筑豊電気鉄道
均一制 関西電力(トロリーバス)、富山地方鉄道(軌道)、富山ライトレール、立山黒部貫光(トロリーバス)、芝山鉄道、豊橋鉄道(軌道)、福井鉄道(軌道)、京福電気鉄道、北神急行電鉄、阪堺電気軌道、嵯峨野観光鉄道、広島電鉄(軌道)、岡山電気軌道、伊予鉄道(軌道)、とさでん交通(中心部)、長崎電気軌道、舞浜リゾートライン、スカイレールサービス、山万、札幌市(軌道)、東京都(軌道)、熊本市、鹿児島市
「数字で見る鉄道2014」(国土交通省鉄道局監修、運輸政策研究機構刊)の掲載順に記載し、事業者名の変更を反映した。その後開業した、えちごトキめき鉄道、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道、四日市あすなろう鉄道は、掲載していない。なお2006年、この分類表をJRの運賃計算ルールは複雑すぎるに掲載した当時に参照した旧版にあった鋼索鉄道と神戸高速鉄道などは記載がなく、アルピコ交通、上田電鉄、箱根登山鉄道、熊本電気鉄道が対キロ制から対キロ区間制に変更になっている。JR東日本の運賃体系を踏襲した青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道が対キロ区間制に分類されているのをみると、約款で対キロ賃率を定めているか否かが対キロ制と対キロ区間制の差異のように思われる。
[2] 阪堺電気軌道は均一制となっているが、大阪市内又は堺市内の乗車が均一運賃の1区、両市にまたがって乗車するとき及び阪堺線と上町線を住吉又は我孫子道で乗り換えるときは2区という特殊な区間制である。なお鋼索鉄道のうち中間駅がある箱根登山鉄道(鋼索線)、近鉄(生駒鋼索線)も区間制であるが、「数字で見る鉄道2014」では鋼索鉄道は削除された。
[3] 主要私鉄の対キロ区間制への移行時期は次のとおり。
事業者移行日以前の制度備考
東京メトロ1961/11/01線区別均一制荻窪線新中野・南阿佐ヶ谷間延伸開業線時
都営地下鉄1963/02/28均一制人形町・東銀座間開業時
大阪市営地下鉄1964/09/24均一制梅田・新大阪間開業時に1、3号線が移行。64/10/31全線に適用
新京成1965/09/01対キロ制
東急1966/01/20対キロ制
名古屋市営地下鉄1966/02/01均一制
神戸電鉄1972/06/25区間制
山陽電鉄1972/06/25区間制
広島電鉄1973/01/15区間制鉄道線。軌道線は均一運賃
京王1974/07/20対キロ制
名鉄1974/07/20区間制
近鉄1974/07/20区間制(対キロ制)対キロ制は「一部区間」
南海1974/07/20区間制(対キロ制)対キロ制区間は高野線河内長野・極楽橋間
京阪1974/07/20区間制大津線は95/09/01移行
阪急1974/07/20区間制
阪神1974/07/20区間制
西鉄1974/07/20区間制
相鉄1974/08/03対キロ制
小田急1975/12/13対キロ制多摩線は開業時(74/06/01)から対キロ区間制
東武1979/01/08対キロ制
京成1981/05/06対キロ制
大手私鉄の中で、西武と京急の移行時期が不明。京急の対キロ区間制移行は79年1月以降
[4] キロ刻みの変遷については、「JRの運賃計算は複雑すぎる」表7参照
[5] 鹿島臨海鉄道は3キロまでの170円区間と8キロまでの210円区間以降、しなの鉄道は11キロまでの180-240円区間以降が1キロ刻み。逆に銚子電鉄は5キロまで、松浦鉄道は25キロまでを1キロごとに刻み、これを超えた部分にキロ地帯制を採用している。
[6] 回帰分析した対キロ運賃表は、2014年4月1日の消費税率アップに伴う運賃改定のリリースに掲載された対キロ運賃表である。これが得られなかった事業者については、時刻表と運賃検索サイトを利用して各事業者の対キロ運賃表を作成した。各事業者とも、1キロ未満の端数は切り上げて運賃を算出しているが、水間鉄道の初乗り運賃は1.5キロまで、以下運賃区界は3.0キロ、4.5キロである。万葉線は、認可された上限運賃の区界は2キロまでの初乗り運賃以降、1.5キロ刻み(11キロ超13キロまで同額)であるが、実施運賃は8キロまで2キロ刻み、8キロ超13キロまで同額である。
[7] JRの区間特定運賃は「JRの運賃計算ルールは複雑すぎる」の表2に、加算運賃は表3-1表3-2に記載している。私鉄の加算運賃・特定割引運賃には次のものがある。
加算運賃 特定割引運賃
事業者 路線・区間 加算額
京成 本線(空港第2ビル・成田空港) 140円
東成田線(東成田) 70円
京王 相模原線(京王多摩川・橋本間) 10-80円
京急 空港線(羽田空港) 170円
相鉄 いずみ野線 20-70円
名鉄 知多新線 20-70円
豊田線 20-60円
羽島線 30円
空港線 30-80円
近鉄 吉野・湯の山・志摩線 20-40円
山田線⇔鳥羽線 10-30円
けいはんな線 40-130円
南海 空港線 120-230円
京阪 鴨東線 60円
中之島線(渡辺橋・中之島) 60円
泉北高速 光明池・和泉中央間 20円
事業者 路線・区間 特定額
京成 *京成成田・成田空港間 **280→260円
*京成幕張本郷・千葉中央間 260→230円
京急 *品川・京急川崎間 240→230円
京急川崎・横浜間 240→230円
*品川・横浜間 310→300円
*京急蒲田・羽田空港国国際線ターミナル間 **320→300円
*大鳥居・羽田空港国国際線ターミナル間 **300→290円
*京急蒲田・羽田空港国内線ターミナル間 **360→340円
*糀谷・羽田空港国内線ターミナル間 **320→310円
秋田内陸縦貫鉄道 4キロ超の隣接駅間 240-300→170円
西明寺・角館間 300→210円
上毛電鉄 *西桐生・赤城間 300→280円
新京成 京成津田沼・北習志野間 180→170円
多摩モノレール 隣接駅間及び立川南・高松、立川北・柴崎体育館間 210→100円
砂川七番・立川南間 260→210円
桜街道・立川南、立川北・高幡不動間 310→260円
北陸鉄道 野町、北鉄金沢から2.1〜4.0キロ 220→170円
野町、北鉄金沢から4.1〜6.0キロ 290→250円
野町、北鉄金沢から6.1〜7.0キロ 350→320円
野町、北鉄金沢から10.1〜12.0キロ 450→410円
名鉄 金山・名鉄一宮間 450→440円
名鉄名古屋・名鉄一宮間 400→370円
名鉄一宮・名鉄岐阜間 350→300円
新木曽川・名鉄岐阜間 300→240円
南海 りんくうタウン・関西空港間 **370円
大阪市 新大阪・谷町四丁目間 280→240円
西中島南方・西長堀間 280→240円
中津・弁天町間 280→240円
中津・緑橋間 280→240円
* 最遠区間(内方区間にも適用あり)**含む加算運賃
なお、駅の移設が行われた場合、運賃計算に従来の営業キロを適用する特定運賃として、京成・八広(四ツ木方面)、小田急相模大野(小田急相模原方面・東林間方面)等の例がある。
[8] 名鉄各線の擬制キロ換算率は次の通り。
換算率 適用路線
1.00 名古屋本線
1.15 西尾線、蒲郡線、築港線、常滑線、河和線、津島線、犬山線、各務原線、小牧線、瀬戸線、豊田線
1.25 豊川線、三河線、知多新線、尾西線、竹鼻線、羽島線、広見線、空港線(?)
[9] 対応サンプルが少なく運賃区界となるキロ区分が不明な黒部峡谷鉄道と阿佐海岸鉄道、また1駅間だけの芝山鉄道と北神急行については、欠落しているキロの対応運賃を内外挿または傾向が一致する他事業者の例により補い、計算した。次表の斜体の数字が補った箇所である。黒部峡谷鉄道については、国土交通省北陸信越運輸局の2014年1月21日付局報に掲載された運賃改定の公示に2キロまでの初乗り運賃が160円と記載されているとの情報を得て、これを使用した。またあいの風とやま鉄道の認可上限運賃は、2014年12月22日付同局報に初乗り運賃(3キロまで)が190円と記載されているが、これが適用される区間がない。認可運賃と実施運賃の比率にあわせて3キロまでの運賃を160円とした。
事業者 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
黒部峡谷 160 160 250 330 410 490 570 650 730 810 890 970 1050 1140 1210 1300 1380 1460 1540 1620 1710
阿佐海岸 210 210 210 210 240 240 240 270 270
芝山鉄道 200 200 200
北神急行 210 210 210 260 260 310 310 360
[10] 乗車そのものが目的となる交通需要をいう。"乗り鉄"先駆者たちの足跡参照


改訂履歴
2010/04/12 北総の割引運賃を本文、図3図5表2に追記。図3を偏差値表示から絶対値表示に変更。誤記の訂正
2010/05/08 表1、脚注5(現7)に京急の特定運賃を記載(読者から指摘を受けました)
2010/07/31 運賃の遠距離逓減度の指標として指数関数を導入し、「遠距離逓減度の指標」を挿入、「対キロ区間制の2タイプ」の構成を変更。運賃の高低を比較する"ものさし"を総当りリーグ戦方式による直接比較に変更し、「運賃の高低を評価する"ものさし"」に追記、「運賃が安い事業者・高い事業者」を全面改稿。脚注5(現7)に各社の特定運賃を追加。なお、計算に使った運賃表の誤り(いすみ鉄道、伊予鉄道等)を訂正し、北総鉄道の運賃を7月17日実施の届出運賃に変更した。
2010/12/09 青い森鉄道の路線延長による新運賃体系を反映し、図3表2表3表6表7を変更。「運賃が安い事業者・高い事業者」本文中の名鉄の順位の変動を改訂
2011/02/07 脚注5(現7)の特定運賃に名鉄及び大阪市営地下鉄を追加
2011/07/01 2011年4月1日の松本電鉄のアルピコ交通への社名変更を反映
2012/10/06 2012年4月1日の十和田電鉄の廃止、2012年10月1日の福井鉄道の運賃改定を反映、えちぜん鉄道の計算の誤り(最長27キロで計算していたが、勝山永平寺線と三国芦原線相互間の最長キロは52キロ)を訂正し、図3表3表6表7を変更。表5に「(2)紀州鉄道とJR」を追加し、総当たり方法について加筆。脚注5(現7)に福井鉄道の軌道区間特定運賃を追記。表が大きすぎて見難い別表2の星取表を削除し、別表1を別表に変更
2013/04/01 2013年3月16日の東急の最長運賃キロ変更(渋谷駅のノーラッチ化に伴い環状線全線に最短営業キロ適用)及び4月1日のIGRいわて銀河鉄道の運賃改定(50キロ超の運賃を5キロ刻み)に対応、図3表2表6表7を変更(表6、表7についてはえちぜん鉄道の計算の誤りを訂正)。「鉄道旅客運賃体系」に運賃制度の歴史を加筆、脚注2を追加
2014/05/26 JRの運賃計算ルールは複雑すぎるの更新にあたり、同ページから脚注1の表を移管。名鉄の運賃計算が名古屋本線の運賃であることを明記し、「JRの運賃計算ルールは複雑すぎる」から脚注8の擬制キロ換算率表を移管。脚注10(2015/04/10改訂時に削除)の北総鉄道運賃について追記。2014年4月の消費税率変更に伴う運賃改定には未対応
2015/04/11 2014年4月の消費税率変更等に伴う2015年4月1日までの運賃改定を反映、2015年3月14日北陸新幹線開業により経営分離された並行在来線の各事業者及び4月1日近鉄内部・八王子線を継承した四日市あすなろう鉄道を追加し、全面的に改稿
2015/04/20 運賃データが誤っていたあいの風とやま鉄道及び2キロまでの初乗り運賃が判明した黒部峡谷鉄道を再計算。脚注6及び9を改訂
2015/10/01 銚子電鉄、遠州鉄道、名古屋臨海高速鉄道、若桜鉄道及び北九州高速鉄道の運賃改定に対応し、図3表2表6表7及び別表を改訂。脚注1の表を「数字で見る鉄道2014」により更新し、追記。脚注2を改訂

初出 2010/02/07
最終更新 2015/10/01
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