多様な賃率、地方交通線の運賃計算方法の差異、区間特定運賃など複雑なJRの運賃計算体系は、2014年4月の消費税増税に伴う運賃改定にあたり、JR東日本が1円単位のIC運賃を導入し、ますます複雑になった。JRの運賃計算ルールは、乗車券を目的地まで購入せず途中で分割したほうが運賃が安くなる逆転現象の原因にもなっている。この複雑な体系は簡素化すべきであると思う。特急料金も運賃にまして複雑で、分割購入の問題がある。
なお、従来旅客営業規則(旅規)と旅客営業取扱基準規程(基準規程)とに分かれていた急行券と急行料金規定は、2021年5月27日の改定で旅規に統一された。
運賃計算のルール | |
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表1 対キロ賃率
表2 運賃計算の方法 表3-1 適用運賃表(旅行がJR各社内または本州三社内で完結するとき) 表3-2 適用運賃表(旅行が本州三社と三島会社にまたがるとき) 表4-1 加算運賃適用区間 表4-2 加算運賃区間特定運賃 表5 特定運賃設定区間 |
複雑化のルーツ | |
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表6-1 賃率の推移(1949-1984)
表6-2 賃率の推移(1984-) |
分割購入の問題 | |
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表7 キロ刻みの推移
図1 東京都区内・山手線内発着乗車券の分割例 |
運賃計算の簡素化への試案 | |
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表8 営業キロから擬制キロへの換算率
表9 現行運賃との比較 |
急行料金体系はもっと複雑だ | |
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表10-1 特定の特別急行券・普通急行券
表10-2 特定の特別急行券発売区間 表10-3 特定の普通急行券発売区間 表11 急行料金体系 表12 新幹線の対キロ特急料金(指定席通常期) 表13 新幹線の分割購入が有利な区間 表14 在来線の分割購入が有利な区間 |
脚注 | |
参考文献 | |
改訂履歴 |
これに対して、多くの私鉄は、対キロ区間制を採用している。これは、一定の距離を基準とした区間を定め、区間が1ランクあがるごとに階段状に運賃を加算してゆくものである。一般的には、乗車距離に比例しない出札や改札などのコスト(ターミナルコスト)をすべての旅客に負担させるため、固定額+距離比例額という構造の遠距離逓減制運賃となっている。
鉄道事業者の運賃比較で述べているように、JRの対キロ運賃が距離比例的であるのに対し、私鉄の対キロ区間制運賃では、距離比例部分の勾配が小さくなっている。JRの本州幹線は300キロまで同一の賃率で遠距離逓減効果が働かず、距離が伸びるにつれて私鉄との運賃格差が拡大する。このためJRは、私鉄との競合区間を狙い撃ちして、後述する区間特定運賃を設定している。
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* | 電車特定区間及び山手線内の賃率は、当該区間内相互発着の乗車に適用される。区間外にまたがる場合は、全区間について幹線の賃率で計算される。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
** | JR四国・JR九州の地方交通線の運賃は、当該区間の擬制キロに幹線の賃率をかけて計算するので、地方交通線の賃率は存在しない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
*** | 三島会社は、100キロ以下(JR北海道の地方交通線は91キロ以下)について対キロ賃率を定めず、対キロ区間制を採用している。 |
営業キロ | 本州3社 (幹・地交) |
JR西日本 (電特) |
JR北海道 (幹・地交) |
JR四国 | JR九州 | JR東日本 (電特・山手) |
JR東日本 IC (幹・地交・電特・山手) |
1-10 | 特定 | ||||||
11-50 | 5キロ刻み、10円単位切り上げ、消費税10円単位四捨五入 | 特定 | 5キロ刻み、10円単位切り上げ、消費税10円単位円位において切上げ | 5キロ刻み、10円単位切り上げ、消費税1円単位切下げ | |||
51-100 | 10キロ刻み、10円単位切上げ、消費税10円単位四捨五入 | 特定 | 10キロ刻み、10円単位切り上げ、消費税10円単位円位において切り上げ | 10キロ刻み、10円単位切り上げ、消費税1円単位切り下げ | |||
101-600 | 20キロキロ刻み、100円単位四捨五入、消費税10円単位四捨五入 | 20キロ刻み、100円単位四捨五入、消費税、10円単位円位において切り上げ | 20キロ刻み、100円単位四捨五入、消費税1円単位切り下げ | ||||
601- | 40キロ刻み、100円単位四捨五入、消費税10円単位四捨五入 | 40キロ刻み、100円単位四捨五入、消費税10円単位円位において切り上げ | 40キロ刻み、100円単位四捨五入、消費税1円単位切り下げ |
JR東日本は、2014年4月の運賃改定で電車特定区間内と山手線内の運賃計算方法を変更した。従来は、税前運賃に消費税を加算する際10円単位で四捨五入していたが、これを「円位において切り上げ」としたのである(旅規78条1号イ、2号イ)すなわち、税前運賃のは数が1円未満のときは切り下げ、1円以上のときは10円単位で切り上げる。消費税を1円単位で加算するIC運賃の導入にあたって、電車特定区間内と山手線内ではつねにIC運賃が乗車券の運賃よりも安くなるようにしたためである。
営業キロが10キロ以下の区間の運賃は、6社とも賃率計算によらない特定額(対キロ区間制運賃)である(旅規84条)。JR九州は、1996年1月の三島会社運賃改定時に、この対キロ区間制運賃を100キロまでの区間に拡大した(旅規77条の4)。JR北海道とJR四国は、それぞれ2019年10月、2023年5月の運賃改定にあたり、100キロまで特定額とした(JR北海道:旅規77条の2、77条の6、JR四国:77条の3)。また、本州3社の地方交通線運賃は、特定のキロ帯について、対キロ賃率計算によらない特定額となっている(旅規77条の5、3項)。これは三島会社の幹線・地方交通線運賃も同じで、賃率計算によらない特定額を旅規の別表で定めている(JR北海道幹線:別表2号イ、JR九州:別表2号イの3、JR北海道地方交通線:別表2号イの5、JR四国は2023年5月の運賃改定時に廃止)。JR九州は対キロ制を採用している101キロ以上のほとんどのキロ帯において特定額となっている。JRの運賃が対キロ制といっても、11キロ以上の運賃がすべて対キロ賃率で計算されているのは、本州三社の幹線、電車特定区間内、山手線内の運賃だけである。別表の運賃表Table 1から4において網掛けしている運賃は、賃率計算によらない特定額である。このように、地方交通線と三島会社において、対キロ運賃は有名無実化している。
またJR九州は、地方交通線の擬制キロを幹線の賃率に当てはめる際、キロ帯区分を細かくして特定運賃を設けている(別表Table 5、別表Table 6)。キロ帯区分の刻みが大きいため、一段階上のキロ帯の運賃が大きく上昇するのを緩和する措置である(JR四国は2023年5月の運賃改定時に廃止)。
地方交通線と幹線とにまたがる乗車の場合は、地方交通線の賃率換算キロ(本州三社・JR北海道)または擬制キロ(JR四国・JR九州)と幹線の営業キロを加算して運賃計算キロを求め、これに幹線の賃率を乗じて運賃を計算する。また本州三社と三島会社にまたがる乗車については、全行程の営業キロまたは運賃計算キロに本州三社の賃率を乗じて得られた基準額に、三島各社内の乗車区間について三島各社と本州三社との賃率差に相当する加算額(別表Table 7)を加えて計算する。
JR東日本 | 同(IC) | JR西日本 | JR東海 | JR北海道 | JR四国 | JR九州 | |
幹線 | 別表1A (営業キロ) |
別表1B (営業キロ) |
別表1A (営業キロ) |
別表1A (営業キロ) |
別表1C (営業キロ) |
別表1D (営業キロ) |
別表1E (営業キロ) |
地方交通線 | 別表2A (営業キロ) |
別表2B (営業キロ) |
別表2A (営業キロ) |
別表2A (営業キロ) |
別表2C (営業キロ) |
別表1D (擬制キロ) |
別表1Eまたは別表5B (擬制キロ) |
電車特定区間 | 別表3A (営業キロ) |
別表3B (営業キロ) |
別表3C (営業キロ) |
- | - | - | - |
山手・大阪環状線 | 別表4A (営業キロ) |
別表4B (営業キロ) |
別表4C (営業キロ) |
- | - | - | - |
幹線+地方交通線
*営業キロ>=10km |
別表1A* (運賃計算キロ) |
別表1B* (運賃計算キロ) |
別表1A* (運賃計算キロ) |
別表1A* (運賃計算キロ) |
別表1C* (運賃計算キロ) |
別表1D (運賃計算キロ) |
別表1Eまたは別表6B (運賃計算キロ) |
JR北海道 | JR四国 | JR九州 |
別表1A (基準額:営業キロまたは運賃計算キロ) + 別表7A(加算額:営業キロまたは運賃計算キロ) | 別表1A (基準額:営業キロまたは運賃計算キロ) + 別表7B(加算額:営業キロまたは運賃計算キロ) | 別表1A (基準額:営業キロまたは運賃計算キロ) + 別表7C(加算額:営業キロまたは運賃計算キロ) |
瀬戸大橋の100円(2014年4月運賃改定時)の加算額に対し、青函トンネルには加算額がなかった。これは、本四備讃線が幹線であるのに対し、地方交通線の津軽線・江差線にはさまれる津軽海峡線が地方交通線に指定され、賃率そのものが高くなっていたため(中小国・木古内間87.8キロの幹線と地方交通線の運賃差は、当時200円)と思われる(2016年3月の北海道新幹線の開業にあたり、新青森・新函館北斗間は幹線となった)。
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特定運賃が設定されている最遠区間のみをあげた。
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営業キロ | 49/06 | 50/04 | 51/11 | 53/01 | 57/04 | 60/07 | 61/04 | 66/03 | 69/05 | 74/10 | 76/11 | 78/07 | 79/05 | 80/04 | 81/04 | 82/04 |
1-150 | 1.45 | 1.45 | 1.85 | 2.10 | 2.40 | 2.40 | 2.75 | 3.65 | 4.20 | 5.10 | 7.90 | 9.35 | 10.70 | 11.35 | 12.40 | 13.25 |
151-300 | 1.05 | 1.05 | 1.30 | 1.45 | 1.65 | |||||||||||
301-400 | 1.20 | 1.35 | 8.55 | 9.05 | 9.90 | 10.55 | ||||||||||
401-500 | 1.80 | |||||||||||||||
501-600 | 0.60 | 0.70 | 0.75 | 0.85 | 2.05 | |||||||||||
601-800 | 2.50 | 3.90 | 4.60 | 4.60 | 4.95 | 5.40 | 5.75 | |||||||||
801-1000 | 0.45 | |||||||||||||||
1001- | 0.40 | 0.50 | 0.55 | |||||||||||||
初乗り運賃 | 5 | 5 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 20 | 30 | 30 | 60 | 80 | 100 | 100 | 110 | 120 |
種別 | 営業キロ | 84/04 | 85/04 | 86/09 | 96/01 | 19/10 | 23/05 | 25/04 | |
本州三社 | 幹線 | 1-300 | 14.50 | 15.30 | 16.20 | 16.20 | 16.20 | 16.20 | 16.20 |
301-600 | 11.55 | 12.15 | 12.85 | 12.85 | 12.85 | 12.85 | 12.85 | ||
601- | 6.30 | 6.65 | 7.05 | 7.05 | 7.05 | 7.05 | 7.05 | ||
地方交通線 | 1-273 | 15.95 | 16.80 | 17.80 | 17.80 | 17.80 | 17.80 | 17.80 | |
274-546 | 12.70 | 13.35 | 14.10 | 14.10 | 14.10 | 14.10 | 14.10 | ||
547- | 6.90 | 7.25 | 7.70 | 7.70 | 7.70 | 7.70 | 7.70 | ||
東京電車特定(国電)区間 | 1-300 | 14.50 | 15.30 | 15.30 | 15.30 | 15.30 | 15.30 | 15.30 | |
301-600 | 11.55 | 12.15 | 12.15 | 12.15 | 12.15 | 12.15 | 12.15 | ||
大阪電車特定(国電)区間 | 1-300 | 14.50 | 15.30 | 15.30 | 15.30 | 15.30 | 15.30 | 15.50 | |
301-600 | 11.55 | 12.15 | 12.15 | 12.15 | 12.15 | 12.15 | 12.30 | ||
山手線(・大阪環状線)内 | 1-300 | 13.25 | 13.25 | 13.25 | 13.25 | 13.25 | 13.25 | 13.25 | |
JR北海道 | 幹線 | 1-100 | - | 17.85 | - | - | - | ||
101-200 | - | 17.85 | 19.70 | 19.70 | 21.16 | ||||
201-300 | - | 16.20 | 16.20 | 16.20 | 16.36 | ||||
301-600 | - | 12.85 | 12.85 | 12.85 | 12.83 | ||||
601- | - | 7.05 | 7.05 | 7.05 | 7.05 | ||||
地方交通線 | 1-100 | - | 19.60 | 21.60 | - | - | |||
101-182 | - | 19.60 | 21.60 | 21.60 | 23.11 | ||||
183-273 | - | 17.80 | 17.80 | 17.80 | 18.35 | ||||
274-546 | - | 14.10 | 14.10 | 14.10 | 14.02 | ||||
547- | - | 7.70 | 7.70 | 7.70 | 7.72 | ||||
JR四国 | 1-100 | - | 18.21 | 18.21 | - | - | |||
101-200 | - | 16.20 | 16.20 | 19.20 | 19.20 | ||||
201-300 | - | 16.20 | 16.20 | 16.20 | 16.20 | ||||
301-600 | - | 12.85 | 12.85 | 12.85 | 12.85 | ||||
601- | - | 7.05 | 7.05 | 7.05 | 7.05 | ||||
JR九州 | 1-100 | - | - | - | - | - | |||
101-300 | - | 17.75 | 17.75 | 17.75 | 19.75 | ||||
301-600 | - | 12.85 | 12.85 | 12.85 | 12.85 | ||||
601- | - | 7.05 | 7.05 | 7.05 | 7.05 |
1984年4月、地方交通線[1]に幹線よりも割高な賃率が採用され、このとき同時に、山手線・大阪環状線内相互発着の乗車に適用する賃率も制定された。この規則改定で1種類しかなかった賃率を3種類とし、さらに1986年9月の運賃改定の際、当時の国電区間の賃率を据え置いて幹線と区分し、4種類としたことが、現在の複雑な運賃体系をもたらしたルーツといえる。
国鉄の分割民営化によりJRが発足した1987年4月にはこの4種類の賃率が継承された(国電区間は電車特定区間に改称)。1996年1月、三島会社の運賃が改定され、営業キロ300キロまでの区間に本州三社と比べ割高な賃率を採用した。三島会社各社の賃率とその適用キロ帯の区分は一律ではなく、各社間に微妙な差が生じた。この結果、賃率は現行の9種類まで拡大したのである。 なお、賃率の改定は表6-2のとおりであるが、1989年4月の消費税導入時、1997年4月、2014年4月、2019年10月の消費税率の変更時に、これに伴う運賃改定が行われた。2019年10月の増税にあたっては、JR北海道は200キロ以下の賃率を改訂し、100キロ以下の運賃を特定した。
1984年の地方交通線賃率の導入以前にも、1960年に開業した指宿線、岩日線(現錦川鉄道)、能登線(のと鉄道に転換後廃止)及び越美北線で、それぞれの開業日から1961年5月20日まで、他の路線よりも割高な運賃を適用していた。このときは、賃率を変更するのではなく擬制キロ方式を採用し、営業キロに一定の換算率をかけた旅客営業キロ程を設け、これにより運賃を計算していた[2]。1996年1月の運賃改定にあたって、JR四国・JR九州が地方交通線に擬制キロを採用し、運賃表を一本化したのは、この方法にルーツがある。私鉄では、名鉄が名古屋本線以外のローカル線に15%、25%増の擬制キロを設定し、運賃格差をつけている。なお、東武も小泉線に擬制キロを設定しているが、これは伊勢崎線の館林−太田間の営業キロと一致させるためのものである。
この区間特定運賃は、運賃計算を複雑にするとともに、区間を分割して乗車券を購入したほうが、目的地まで購入するより安いという逆転現象を拡大する原因となった。
1円単位運賃は、「消費税をより正確に転嫁する」ために国土交通省が認めたもので、2013年10月29日付プレスリリースにおいては、
なおバリアフリー料金は、乗車距離にかかわらず区間ごとに10円収受されるので、後述する分割購入のメリットを減少させる効果を持つ。
例えば、田端から横浜までの運賃は、35.9キロ、660円(電車特定区間運賃+バリアフリー料金)であるが、これを品川で分割すると、
この場合、田端駅で品川までの乗車券(210円)を購入し、横浜駅で乗り越し精算をすると発駅計算(差額精算)となり、450円が徴収される。乗車券を分割する駅で下車して乗車券を買いなおすか、前もって2枚の乗車券を準備しておく必要がある。駅では原則として他駅発の乗車券を販売しないので、事前にJTBなどの旅行会社で購入する必要があった。現在は指定券券売機で、指定券と併用しない設置駅以外の駅発の普通乗車券を購入できる場合がある。
山手線内から興津までの運賃は、164.3キロ、3,080円(幹線)であるが、これを一駅手前の由比まで購入し、乗り越すと
池袋などから乗車するのでなく、乗車区間が東京から興津までのときは、次のように新子安で分割すれば、
運賃計算ソフトには分割区間を探索する機能を組み込んでいるものがある。定期券ではとくに大きな差が出るので、社員に分割定期券を支給している企業もある。しかし、自動改札の普及に伴い、鉄道各社は入場記録がない乗車券では出場できないフェアライドシステムを採用しており、分割購入した2枚の定期券では、自動改札を通れないという事態が発生する。このため、JRは、連続する2枚の定期券を使った時にも自動改札を通れるように、旅客の求めに応じて定期券の磁気操作をしている[4]。しかし、このような分割購入への対応は本末転倒である。 旅客が損をしないように自衛手段を検討をせざるをえないという事態は異常であり、常に目的地まで通して購入するほうが安くなるように、ルールの矛盾を解消すべきである。
旧国鉄が不正乗車防止のため、「乗車券は目的地まで」というキャンペーンを行っていた1960年代にも、この問題は指摘されていた。漢文学者で、国鉄のモニターも務めていた長澤規矩也氏は、「大改正 旅の入れぢえ」(真珠書院、1967年)で次のように書いている。
この逆転現象は、これまで述べた運賃計算ルールに内在する矛盾なのだ。分割購入は、このようなルールの矛盾により割高な運賃が課される旅客の自衛手段である。
このような分割購入が有利となるという矛盾をもたらす運賃計算のルールとは次の諸点である。
表6に運賃のキロ刻みの推移を示した。1951年11月の運賃改定で初乗り運賃が10円となった以降、運賃区分は10円刻みとし、同一運賃ごとにこれに対応するキロ帯が定められていた。1966年3月の運賃改定で、50キロまでは従来どおり10円刻みの運賃区分に対応して2-3キロごとに区分したが、51キロ以上には一定のキロ帯に同一の運賃を適用するキロ地帯制を採用し、51キロから100キロまでは5キロ刻み(運賃の増加は、10-20円)、101キロから400キロまでは10キロ刻み(同、30-40円)、401キロ以上は20キロ刻みとした。さらに、1969年5月改定を経て、1974年10月改定以降、10キロ以下の区分は何度か変更されたが、11キロ以上の区分は現行どおりとなった。
営業キロ | 1951/11 | 1966/03 | 1969/05 | 1974/10 | 1978/07 | 1986/09 |
1-10 | 運賃10円刻み | 運賃10円刻み | 5キロ刻み | 1-3,4-5,7-10 | 1-3,4-10 | 1-3,4-6,7-10 |
11-50 | 5キロ刻み | 5キロ刻み | 5キロ刻み | |||
51-100 | 5キロ刻み | 10キロ刻み | 10キロ刻み | 10キロ刻み | 10キロ刻み | |
101-400 | 10キロ刻み | 20キロ刻み | 20キロ刻み | 20キロ刻み | 20キロ刻み | |
401-500 | 20キロ刻み | |||||
501-600 | 40キロ刻み | |||||
601- | 40キロ刻み | 40キロ刻み | 40キロ刻み |
キロ帯区分の刻みが粗いことによって運賃の逆転が発生する。とくにキロ帯区分が20キロ刻みとなる営業キロ100キロ超300キロまでの区間(本州幹線)では、一段階上のキロ帯との運賃差額が330円から440円であり、初乗り運賃(150円)の2-3倍となっている。目的駅が1段階下のキロ帯の最遠駅から20キロ以内(330円)にあれば、乗車券を当該最遠駅で分割したほうが確実に安くなる。440円上昇するキロ帯では、分割したほうが安くなる距離は25キロ(420円)までとなり、ほぼ全ての区間が該当する。同様に運賃上昇が220円から330円の301キロ超の区間でも、最遠駅から10キロ以内(330円上昇のキロ帯は20キロ以内)であれば、分割したほうが確実に安くなる。そしてこれらの場合は、あらかじめ2枚の乗車券を購入する必要がなく、乗り越し精算をすればよい(大都市近郊区間相互発着を除く)。
この矛盾を解消するため、61年4月改定で四捨五入をやめて、切り上げとした。しかし66年3月改定でキロ地帯制を採用し、キロ刻みを大きくし中央値を使って運賃計算をする方法としたため、現在のような矛盾が生じることとなった。
1978年7月から100キロ超の運賃の四捨五入を100円単位ですることとした。これによりキロ帯が一段階あがるごとに、運賃が100円または200円上昇するようになり、上昇額に2倍の格差が生じることとなった。 現在の101キロから300キロまでのキロ帯区分ごとの格差は、税前運賃が300円と400円である。これに消費税を加えて四捨五入すると、格差は、330円と440円になる。1989年4月の消費税導入に際し、税前運賃はこれまでどおり100円単位で四捨五入し、これに消費税率をかけ、税込み運賃は10円単位で四捨五入するというおかしな方法をとった結果であるが、最終的に10円単位とするなら、税前運賃の計算を100円単位で四捨五入する必要はない。
特定運賃が設定されている区間も、同様に、これを超えると割引がなくなるので、この区間で乗車券を分割することが有効である。先の田端−横浜間における、品川駅での分割は、田端−品川間の山手線・大阪環状線内の低廉賃率と品川−横浜間の特定運賃を組み合わせた例である。
特定運賃設定区間においても分割したほうが安くなる例がある、京都・神戸間は、電車特定区間の運賃1,270円に対し1,100円の特定運賃が設定されているが、大阪で分割すると980円となる(割引率11.0%)。京都・大阪間と大阪・神戸間は同じ特定運賃区間であるが、それぞれ21.9%、27.8%と割引率が高いためである。
このような乗車券の分割にはデメリットもある。特定都区市内・山手線内発着の乗車券で認められている列車乗継のための折り返し乗車ができなくなる。また、都区内(旅規第70条特定区間)通過の乗車券に認められている、迂回経路での途中下車もできない(熱海・松岸間は東京近郊区間相互発着のため、もともと途中下車不可である)。
分割民営化の趣旨から言えば、各旅客会社は独立した会社であり、会社ごとに運賃設定の自由度をもつべきであるという見方もあるだろう。だからといって、現在の複雑な体系を維持することに意味があるのか。需要に応じた運賃設定の必要性という観点からは、各種の企画乗車券で既に独自の対応がなされている。また、旅客会社間にまたがる運賃通算制は、JRの分割民営化時の公約である。会社及び路線ごとに運賃格差をつけるために賃率を多様化する必要はなく、擬制キロ方式を採用すれば賃率の一本化が可能である。これは、単に複雑な体系を旅客にとってわかりやすいシンプルなものにするだけでなく、分割購入の問題を解決するためにも必要である。
以下で複雑なルールを簡素化し、分割購入の運賃逆転現象を解消する具体案を検討する。
また個別に設定されている特定運賃と加算運賃についても、一律に擬制キロで対応し、全体として割高になっている電車特定区間については、私鉄との競合区間のみを狙い撃ちする現行の区間特定運賃にかえて、競合私鉄の賃率にみあった擬制キロを全体に適用する。
営業キロから擬制キロへの換算率については、以下のとおり設定したが、これはあくまでも一例であり、換算率をさらに多様化し、線区の経営状況に応じてフレキシブルに対応すべきであろう。
換算率 | 区分 | 該当路線・区間 |
0.8 | 電車特定区間A | 山手線内、大阪環状線内、品川−大船(西大井経由を含む)、大船−久里浜、新宿−高尾、立川−拝島、日暮里−我孫子、東京−西船橋、京都−神戸、尼崎−宝塚、天王寺−奈良、天王寺−和歌山 |
0.9 | 電車特定区間B | 岡崎−岐阜、名古屋−四日市、京都−奈良及び現行の電車特定区間のうち、電車特定区間A以外の区間 |
1.0 | 本州幹線、JR九州下関−博多間 | 本州三社の幹線(除く、電車特定区間A、B) |
1.1 | 本州地方交通線 | 現行どおり |
1.1 | 三島幹線 | 除く下関−博多間(換算率1.0) |
1.21 | 三島地方交通線 | 現行区間及び児島−宇多津 |
2.0 | 空港路線 | 南千歳−新千歳空港、日根野−関西空港、田吉−宮崎空港 |
なお、新幹線については、並行在来線と同一の営業キロとみなす現在の運賃体系を維持する限り、並行在来線と同じ擬制キロで運賃を計算することとする。東京−大船間、岡崎−岐阜間、京都−西明石間、東京−大宮間に、換算率1.0以下の擬制キロを採用したため、新幹線の運賃計算キロも、その区間の営業キロと擬制キロの差相当分だけ短くなる。なお、96年1月の三島会社の運賃改定で、新下関−博多間の運賃が新幹線と在来線とで異なることになったが、JR九州の並行区間は、本州三社の賃率を維持すべきであったと思う。この区間は、企画乗車券で割引運賃が設定されているJR九州のドル箱区間であり、割増運賃を徴収する必要がない。ここでは、本州幹線と同じく、営業キロとの換算率を1.0に戻してみた。
300キロまでは、営業キロ、擬制キロに賃率と消費税率をかけて10円単位で切り上げる。遠距離逓減運賃が適用される301-600キロ(運賃逆転回避のため303キロから)は、50円単位で四捨五入(二捨三入、七捨八入)、601キロ以上は100円単位で四捨五入する。その結果、同一運賃帯は、300キロまで1キロ刻み、303-600キロは3-4キロ刻み、601キロ以上は13-14キロ刻みとなる。こうすれば、運賃の逆転現象は解消する。
なお、10キロ以下の初乗り運賃は、地域の事情に応じて各社ごとに、路線区分ごとに個別に設定すべきかもしれない。
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*を付した金額は、鉄道駅バリアフリー料金を含む |
しかし、大井町−新子安や東京−国立のように、特定運賃設定区間から外れ、分割によって大きな削減が難しい区間では、割安になる。天王寺−関西空港においても、日根野−関西空港の擬制キロを加算運賃を反映して2倍にしたにもかかわらず、天王寺−和歌山間の特定区間を考慮して阪和線を0.8倍としたため、全体として割安になった。これは、むしろ、競合区間のみを狙い撃ちする現行の特定区間設定が問題なのであり、大都市圏全体について別の体系を考える必要がある。こうすれば、分割購入の運賃逆転問題を解決し、個別に区間特定運賃を設定せずに、私鉄との運賃格差を是正することが可能となる。ただし、会社全体の収支構造や需要動向がわからないので、基準賃率や区間(キロ帯)の設定、上昇幅などについての具体的な提案は、見送らざるを得ない。
乗車区間の距離(擬制キロ)を計算すれば、一本の対キロ運賃表から運賃が得られるというのは、非常にわかりやすい。上記の提案のうち、地方交通線の運賃計算におけるJR四国、JR九州の擬制キロ方式の採用と、キロ帯区分の小刻み化は、すぐにでも実施できるだろう。また、分割による運賃逆転現象の是正は急務であり、制度変更により現行運賃に比べ割高になる区間については、過渡的に企画乗車券等による救済策が必要かもしれない。
抜本的な対策としては、300キロまで一律の対キロ賃率をみなおすとともに、国鉄・JRが伝統的に採用してきた対キロ制運賃を大都市圏ではやめて、私鉄と同様の対キロ区間制を採用することだろう。参考になるのは、ヨーロッパで行われている大都市圏内運賃とインターシティ(都市間)運賃との分離である。大都市圏内運賃は地下鉄や路面電車なども含めたゾーン運賃で、速達列車に適用されるインターシティ運賃は急行料金を含めた運賃となっている。
(1) | 特別急行券 | |
イ | 指定席特急券 | |
ロ | 立席特急券 | |
ハ | 自由席特急券 | |
ニ | 特定特急券 | |
(2) | 普通急行券 |
第1号ニの「特定特急券」は、乗車できる列車及び乗車区間を指定し、特定の特別急行料金によつて、座席の使用を条件としないで発売されるものであり、以下の区間に設定されている。
(イ) | 新幹線 | |
a. | 隣接駅間(九州新幹線及び郡山・福島間を除く。)及び以下の区間
東京・新横浜間 三島・静岡間 静岡・浜松間 豊橋・名古屋間 福山・三原間 三原・広島間 新山口・新下関間 東京・大宮間 古川・一ノ関間 一ノ関・北上間 北上・盛岡間 熊谷・高崎間 博多・久留米間 新大村・長崎間 |
|
b. | 東京・新下関間の新幹線停車駅と新鳥栖駅又は久留米駅の相互間 | |
c. | 小倉駅と筑後船小屋・鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間 | |
d. | 小倉・新鳥栖間及び小倉・久留米間 | |
e. | 東京・博多間を運転する特別急行列車のぞみ号(以下「のぞみ号」という。)又は新大阪・鹿児島中央間を運転する特別急行列車みずほ号(以下「みずほ号」という。)に乗車する場合(第7項の規定により特別急行券を発売する場合を含む。)の新幹線停車駅相互間(博多・鹿児島中央間の新幹線停車駅相互間及びaからdまでに定める区間を除く。) | |
f. | 東京・八戸間の新幹線停車駅と奥津軽いまべつ駅との相互間 | |
g. | 七戸十和田・木古内間及び七戸十和田・新函館北斗間 | |
h. | 七戸十和田・奥津軽いまべつ間 | |
i. | 盛岡・新函館北斗間の各駅相互間(a、f、g及びhに定める区間を除く。) | |
(ロ) | 新幹線以外の線区 | |
鳥取・出雲市間(100キロ以内の区間を除く。) | ||
米子・益田間(100キロ以内の区間を除く。) | ||
盛岡・秋田間(田沢湖線・奥羽本線経由に限る。) | ||
(ハ) | (イ)及び(ロ)の規定にかかわらず、別に定める区間において特定特急券を発売することがある。 |
特定特急券は、近距離区間の新幹線利用を促進するために、新幹線の隣接駅間の自由席用に設定されたものであるが、後述する新幹線特急券の分割購入問題の元凶となっている。なお、(イ)aの「九州新幹線」は、旅規的には、新八代・川内間を意味する。博多・新八代間及び川内・鹿児島中央間は、鹿児島本線(新幹線)という位置づけであり、この区間内の隣接駅間には特定特急券が発売される。
この「特定特急券」と紛らわしいのが、旅規第57条の3に定められている「特定の特別急行券」である。同条に「特定の特別急行料金による特別急行券」の発売が、第57条の4に「特定の普通急行料金による普通急行券」の発売が、表10のとおり定められている(57条の3第2項各号及び57条の4各号は、2021年5月27日の旅規改定でそれぞれ基準規程97条の2及び97条の4から移行した)。
条項 | 内容 | 発売する急行券 |
第57条の3第1項 | 繁忙期(最繁忙期)・閑散期 | 指定席特急券 |
第57条の3第2項 | 新幹線以外の線区で次の各号に定める区間 | 指定席特急券・立席特急券・自由席特急券・特定特急券 |
第57条の3第3項 | 指定席特別車両券(A)、寝台券又はコンパートメント券との同時発売 | 指定席特急券 |
第57条の3第4項 | 新在直通区間(山形・秋田「新幹線」) | 指定席特急券・立席特急券・自由席特急券・特定特急券 |
第57条の3第5項 | 新大阪・小倉間と新鳥栖・鹿児島中央間の新幹線停車駅相互間 | 指定席特急券 |
第57条の3第6項 | 東京・七戸十和田間と奥津軽いまべつ・新函館北斗間の新幹線停車駅相互間 | 指定席特急券 |
第57条の3第7項 | 門司港・武雄温泉間の在来線特急と西九州新幹線の乗継 | 指定席特急券・立席特急券・自由席特急券・特定特急券 |
第57条の4 | 次の各号に定める区間 | 普通急行券 |
第57条の3には、異質な項目が脈絡なく記載されている。 第1項の繁忙期(最繁忙期)・閑散期に発売する特急券を「特定の特別急行券」として記載する意味がわからない。単に第125条で、料金をそれぞれ200円、400円増し、200円引きで発売すると規定すればすむことである。また、第3項の指定席特別車両券(A)、寝台券又はコンパートメント券と同時に、自由席特急料金で発売する特急券についても、同様に530円引きと規定すればよい。第5項は、2011年3月12日の九州新幹線全通時に、第6項は2016年3月26日の北海道新幹線開業に登場したものだが、同時に登場した特定特急券(第57条第1号ニ(イ)のbからi)と紛らわしい。第2項、第4項、第5項の個別線区ごとに発売される「特定の特別急行料金による特別急行券」と第57条第1項第1号ニの「特定特急券」をあわせて、特定特急券としてまとめたほうがすっきりする。第7項は、2022年9月23日の西九州新幹線開業に伴い、在来線特急と新幹線との武雄温泉駅での乗継について、1個の急行列車とみなす急行券発売を規定したもの(2004年3月の九州新幹線部分開業時の新八代乗継を踏襲)。
第57条の3第2項第1号の区間は、一般にB特急料金適用区間[8]といわれているもので、普通急行の快速と特急への二分化によって格上げされた走行区間の短い、車両設備の劣る特急列車に適用されたのが始まりである。その区間は、基準規程第97条の2に「規則第57条の3第2項の規定による特別急行券の発売区間」として定められていたが、2021年5月27日の改定で旅規に移行した。2023年4月1日の改定でJR西日本の関西地区の路線が削除された。
条項 | 該当線区・列車 | 指定 | 立自 | 特定 |
1号イ | 山手線、赤羽線、南武線、武蔵野線、東北本線(東京・黒磯間)、常磐線(日暮里・勝田間)、日光線、高崎線、上越線(高崎・石打間)、両毛線(新前橋・前橋間)、吾妻線(渋川・万座・鹿沢口間)、総武本線、京葉線、外房線、内房線、成田線、鹿島線、横須賀線、根岸線、横浜線、中央本線(東京・竜王間)、東海道本線(東京・三島間)、伊東線(除成田エクスプレス、サフィール踊り子) | ○ | ○ | |
1号ロ | 仙山線、北上線、奥羽本線(秋田・青森間) | ○ | ○ | |
1号ハ | 磐越西線(郡山・喜多方間) | ○ | ○ | |
1号ニ | 白新線、羽越本線(新発田・秋田間) | ○ | ○ | |
1号ホ | 大阪環状線、関西本線(新今宮・天王寺間)、阪和線(天王寺・和歌山間)、関西空港線、紀勢本線(和歌山・新宮間) | ○ | ○ | ○ |
1号ヘ | 奈良線、関西本線(木津・天王寺間) | ○ | ○ | ○ |
1号ト | 東海道本線(京都・神戸間)、山陽本線(神戸・姫路間)、福知山線、播但線、山陰本線(京都・浜坂間)、舞鶴線 | ○ | ○ | ○ |
1号チ | 七尾線 | ○ | ○ | |
1号ホ | JR九州各線 | ○ | ○ | |
2号 | 宇野線(岡山・茶屋町間)、本四備讃線及び予讃線(50キロ以内) | ○ | ||
3号 | JR四国各線(50キロ以内) | ○ | ○ | |
4号イ | 関西本線(名古屋・亀山間)、紀勢本線(亀山・新宮間。伊勢鉄道含む)、身延線、飯田線、高山本線(岐阜・猪谷間)又は中央本線(多治見・塩尻間)(50キロ以内) | ○ | ||
4号ロ | 御殿場線(松田・沼津間)(30キロ以内) | ○ | ○ | |
4号ハ | 東海道本線(三島・静岡間、静岡・浜松間、豊橋・名古屋間)(51キロ以上) | ○ | ||
5号 | 博多南線 | ○ | ○ | |
6号 | 上越線(越後湯沢・ガーラ湯沢間) | ○ | ○ | |
7号 | JR北海道各線(150キロ以内) | ○ | ○ | |
8号 | 七尾線(51キロ以上) | ○ | ○ | |
9号 | 別表1号の2第1項に定める列車群(ひたち・ときわ、あかぎ、あずさ・かいじ・はちおうじ・おうめ・富士回遊、踊り子・湘南) | ○ |
また第57条の4の特定の普通急行券の発売区間は、表10-3のとおり。2016年3月のダイヤ改正で「はまなす」が運転を終了し、現在JRに定期普通急行列車はないが、特定の特急券の発売区間との整合性をとるための規定だろう。
条項 | 該当線区 |
1号 | JR北海道各線(50キロ以内) |
2号 | JR四国各線(50キロ以内) |
3号 | JR九州各線(50キロ以内) |
4号 | 門司港/下曽根・博多間、吉松・鹿児島中央間、宮崎・南郷間(除50キロ以内) |
5号 | 鹿児島本線(博多・吉塚間)、篠栗線、筑豊本線(桂川・直方間)(除25キロ以内) |
6号 | 国分・鹿児島中央間、霧島神宮・重富間、吉松・隼人間(除25キロ以内) |
7号 | 関西本線(名古屋・亀山間)、紀勢本線(亀山・新宮間。伊勢鉄道含む)、御殿場線(松田・沼津間)、身延線、飯田線、高山本線(岐阜・猪谷間)、中央本線(多治見・塩尻間)(30キロ以内) |
8号 | 山手線、赤羽線、南武線、武蔵野線、東北本線(東京・黒磯間)、常磐線(日暮里・勝田間)、日光線、高崎線、上越線(高崎・石打間)、両毛線(新前橋・前橋間)、吾妻線(渋川・万座・鹿沢口間)、総武本線、京葉線、外房線、内房線、成田線、鹿島線、横須賀線、根岸線、横浜線、中央本線(東京・竜王間)、東海道本線(東京・熱海間)、伊東線、白新線、羽越本線(新発田・秋田間)、仙山線、北上線、磐越西線(郡山・喜多方間)、奥羽本線(秋田・青森間)(50キロ以内) |
9号 | 七尾線(除50キロ以内) |
区分 | 料金 | |
指定席特急料金 | 東海道・山陽新幹線(除「のぞみ」・「みずほ」) | 別表第2号ツの料金 a1) b)(125条1項1号イ(イ)a、d(a)) |
東海道・山陽新幹線(「のぞみ」・「みずほ」) | 別表第2号ネの料金 a1) b)(125条1項1号イ(イ)b、d(b)) | |
東海道・山陽新幹線(「のぞみ」・「みずほ」と「のぞみ」・「みずほ」以外の乗継) | 全区間に対する別表第2号ツの額+(「のぞみ」・「みずほ」の指定席を使用する区間に対する別表第2号ネの額−同区間に対する別表第2号ツの額) a1) b)(125条1項1号イ(イ)d(c)) | |
東北新幹線(除「はやぶさ」・「こまち」) | 別表第2号ナの料金 a2) b)(125条1項1号イ(イ)a、g(a)) | |
東北新幹線(「はやぶさ」・「こまち」) | 別表第2号ナの2の料金 a2) b) (125条1項1号イ(イ)c、g(b)) | |
東北新幹線(「はやぶさ」・「こまち」と「はやぶさ」・「こまち」以外の乗継) | 全区間に対する別表第2号ナの額+(「はやぶさ」・「こまち」の指定席を使用する区間に対する別表第2号ナの2の額−同区間に対する別表第2号ナの額) a2) b)(125条1項1号イ(イ)g(c)) | |
上越新幹線 | 別表第2号ラの料金 a2) b)(125条1項1号イ(イ)a) | |
北陸新幹線 | 別表第2号ムの料金 a2) b)(125条1項1号イ(イ)a) | |
九州新幹線(含「みずほ」、「みずほ」と「みずほ」以外の乗継) | 別表第2号ウの料金 a1) b)(125条1項1号イ(イ)a、e) | |
東海道新幹線(山陽新幹線経由)と九州新幹線の乗継 | 別表第2号ツまたはネの料金と別表第2号ウの料金の合算額 a1) b)(125条1項1号イ(イ)f(a)) | |
山陽新幹線と九州新幹線の乗継(57条の3、5項、新大阪・小倉間と新鳥栖・鹿児島中央間との相互間) | 別表第2号ツまたはネの料金と別表第2号ウの料金の合算額から530円低減 a1) b)(125条1項1号イ(イ)f(b)@) | |
同上(57条の3、5項、新大阪・新下関間の新幹線停車駅と新鳥栖駅又は久留米駅との相互間) | 別表第2号ツまたはネの料金と別表第2号ウの料金の合算額から1,050円低減 a1) b) (125条1項1号イ(イ)f(b)A(@)) | |
同上(57条の3、5項、小倉駅と筑後船小屋・鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間) | 別表第2号ツまたはネの料金から770円低減した額と別表第2号ウの料金から1,050円低減した額の合算額 a1) b)(125条1項1号イ(イ)f(b)A(A)) | |
同上(57条の3、5項、小倉駅と新鳥栖駅又は久留米駅との相互間) | 別表第2号ツまたはネの料金から770円低減した額と別表第2号ウの料金から1,050円低減した額の合算額 a2) b)(125条1項1号イ(イ)f(b)A(B)) | |
北海道新幹線 | 別表第2号ノの料金 a2) b)(125条1項1号イ(イ)a、h) | |
東北新幹線と北海道新幹線の乗継(57条の3、6項、東京・七戸十和田間と奥津軽いまべつ・新函館北斗間との相互間) | 別表第2号ナまたはナの2の料金と別表第2号ノの料金の合算額から530円低減 a2) b)(125条1項1号イ(イ)i(a)) | |
同上(57条の3、6項、東京・八戸間の新幹線停車駅と奥津軽いまべつ駅との相互間) | 別表第2号ナまたはナの2の料金と別表第2号ノの料金の合算額から1,230円低減 a2) b)(125条1項1号イ(イ)i(b)@) | |
同上(57条の3、6項、七戸十和田・木古内間及び七戸十和田・新函館北斗間) | 別表第2号ナまたはナの2の料金から990円低減した額と別表第2号ノの料金から530円低減した額の合算額 a2) b)(125条1項1号イ(イ)i(b)A) | |
同上(57条の3、6項、七戸十和田駅と奥津軽いまべつ駅との相互間) | 別表第2号ナまたはナの2の料金から990円低減した額と別表第2号ノの料金から1,230円低減した額の合算額 a2) b)(125条1項1号イ(イ)i(b)B) | |
西九州新幹線 | 別表第2号オの料金 a2) b)(125条1項1号イ(イ)a) | |
立席特急料金 | 各新幹線(以下の乗継を除く) | 指定席特急料金−530円(125条1項1号イ(ロ)a) |
東海道・山陽新幹線(「のぞみ」・「みずほ」と「のぞみ」・「みずほ」以外の乗継) | 全区間に対する別表第2号ツの額+「のぞみ」・「みずほ」に立席扱いで乗車する区間に対する別表第2号ネの額−同区間に対する別表第2号ツの額−530円(125条1項1号イ(ロ)b(b)) | |
東北新幹線(「はやぶさ」・「こまち」と「はやぶさ」・「こまち」以外の乗継) | 全区間に対する別表第2号ナの額+「はやぶさ」・「こまち」に立席扱いで乗車する区間に対する別表第2号ナの2の額−同区間に対する別表第2号ナの額−530円(125条1項1号イ(ロ)e) | |
東海道・山陽新幹線と九州新幹線の乗継 | それぞれの立席特急料金の合算(125条1項1号イ(ロ)d) | |
東北新幹線と北海道新幹線の乗継 | それぞれの立席特急料金の合算(125条1項1号イ(ロ)g) | |
自由席特急料金 | 各新幹線(以下の乗継を除く) | 指定席特急料金−530円(125条1項1号イ(ハ)a) |
東海道・山陽新幹線(「のぞみ」・「みずほ」と「のぞみ」・「みずほ」以外の乗継) | 全区間に対する別表第2号ツの額+「のぞみ」・「みずほ」の自由席に乗車する区間に対する別表第2号ネの額−同区間に対する別表第2号ツの額−530円(125条1項1号イ(ハ)b(b)) | |
東海道・山陽新幹線と九州新幹線の乗継 | それぞれの自由席特急料金の合算(125条1項1号イ(ハ)d) | |
特定特急料金 | 隣接駅間(除く九州新幹線)、新駅設置以前の隣接駅間、博多・久留米間、新大村・長崎間(57条1項1号ニ、(イ)a) | 50キロメートル以下:880円(JR東海・西日本・九州:870円、東京・大宮間:1,090円、JR北海道:1,330円)
50キロメートル超:1,000円(JR東海・西日本:990円、JR北海道:1,520円)(125条1項1号イ(ニ)a) |
東京・新下関間⇔新鳥栖又は久留米(57条1項1号ニ、(イ)b) | 東海道・山陽新幹線の指定席特急料金−530円+九州新幹線の特定特急料金(125条1項1号イ(ニ)b) | |
小倉⇔筑後船小屋・鹿児島中央間(57条1項1号ニ、(イ)c) | 山陽新幹線の特定特急料金+九州新幹線の立席(自由席)特急料金(125条1項1号イ(ニ)c) | |
小倉・新鳥栖間、小倉・久留米間(57条1項1号ニ、(イ)d) | 山陽新幹線の特定特急料金+九州新幹線の指定席特急料金−530円(125条1項1号イ(ニ)d) | |
東海道・山陽新幹線の「「のぞみ」・「みずほ」」の停車駅相互間(57条1項1号ニ、(イ)e) | 自由席特急料金−(「「のぞみ」・「みずほ」」の自由席に乗車する区間に対する別表第2号ネの額−同区間に対する別表第2号ツの額)(125条1項1号イ(ニ)e) | |
東京・八戸間⇔奥津軽いまべつ間(57条1項1号ニ、(イ)f) | 東北新幹線の指定席特急料金−530円+北海道新幹線の特定特急料金(125条1項1号イ(ニ)f) | |
七戸十和田・木古内間、七戸十和田・新函館北斗間(57条1項1号ニ、(イ)g) | 東北新幹線の特定特急料金+北海道新幹線の指定席特急料金−530円(125条1項1号イ(ニ)g) | |
七戸十和田・奥津軽いまべつ間(57条1項1号ニ、(イ)h) | 東北新幹線の特定特急料金+北海道新幹線の特定特急料金(125条1項1号イ(ニ)h) | |
盛岡・新函館北斗間各駅相互間(57条1項1号ニ、(イ)i) | 立席特急料金(125条1項1号イ(ニ)i) |
(1-2)新幹線以外
区分 | 料金種別 | 料金 | 「A特急料金」:下記以外の特別急行料金
適用区間・列車:JR北海道(150キロ超)、JR東海、JR西日本、JR四国(以下に特定されている区間を除く)及び「成田エクスプレス」、「サフィール踊り子」 |
指定席特急料金 | (表A) a1) b)(125条1項1号ロ(イ)a(a)@)
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立席(自由席)特急料金 | 表Aの料金−530円(125条1項1号ロ(イ)a(b)) | |||||||||||||||||||
特定特急料金 | 150キロまで1,560円、200キロまで1,800円(第125条第1号ロ(イ)a(c):鳥取・出雲市間、米子・益田間の100キロ以内の区間を除く) | |||||||||||||||||||
津幡・和倉温泉間の停車駅相互間(51キロ以上の区間)(57条の3、2項2号) | 指定席特急料金 | 1,290円 a3) b)(125条1項1号ロ(イ)b(a)) | ||||||||||||||||||
立席(自由席)特急料金 | 760円(125条1項1号ロ(イ)b(b)) | |||||||||||||||||||
JR四国内(25キロ以内)(第57条の3、第2項第3号) | 立席(自由席)特急料金 | 450円(125条1項1号ロ(イ)c) | ||||||||||||||||||
名古屋・亀山・新宮間、富士・甲府間、豊橋・辰野間、岐阜・猪谷間、多治見・塩尻間(57条の3、2項4号イ) | 立席(自由席)特急料金(JRの特急料金) | 30キロまで330円、50キロまで660円(125条1項1号ロ(イ)d(a)) | ||||||||||||||||||
松田・沼津間(57条の3、2項4号ロ) | 指定席特急料金 | 860円 a1) b)(125条1項1号ロ(イ)d(b)@) | ||||||||||||||||||
立席(自由席)特急料金 | 330円(125条1項1号ロ(イ)d(b)A) | |||||||||||||||||||
東海道本線三島・静岡間、静岡・浜松間、豊橋・名古屋間(51キロ以上)(57条の3、2項4号ハ) | 立席(自由席)特急料金 | 990円(125条1項1号ロ(イ)d(c)) | ||||||||||||||||||
博多・博多南間(57条の3、2項5号) | 指定席・自由席特急料金 | 100円(125条1項1号ロ(イ)e) | ||||||||||||||||||
越後湯沢・ガーラ湯沢間(57条の3、2項6号) | 指定席・自由席特急料金 | 100円(125条1項1号ロ(イ)f) | ||||||||||||||||||
JR北海道の150キロ以内の区間(57条の3、2項7号) | 指定席特急料金 | (表B) b)(125条1項1号ロ(イ)g(a))
|
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立席(自由席)特急料金 | 表Bの料金−530円(125条1項1号ロ(イ)g(b)) | |||||||||||||||||||
「ひたち」・「ときわ」、「あかぎ」、「あずさ」・「かいじ」・「はちおうじ」・「おうめ」・「富士回遊」、「踊り子」・「湘南」(57条の3、2項8号) | 指定席特急料金(JR東日本内相互発着、乗車前発売) | (表C) b)(125条1項1号ロ(イ)h(a))
|
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指定席特急料金(JR東日本内相互発着、車内発売) | 表Cの料金+260円 b)(125条1項1号ロ(イ)h(b)) | |||||||||||||||||||
指定席特急料金(JR東海内相互発着、乗車前発売) | 表C(200キロまで)の料金 b)(125条1項1号ロ(イ)h(c)) | |||||||||||||||||||
指定席特急料金(JR東海内相互発着、車内発売) | 表C(200キロまで)の料金+260円 b)(125条1項1号ロ(イ)h(d)) | |||||||||||||||||||
指定席特急料金(JR東日本・JR東海間、乗車前発売) | 表C(200キロまで)の料金 b)(125条1項1号ロ(イ)h(e)) | |||||||||||||||||||
指定席特急料金(JR東日本・JR東海間、車内発売) | 表C(200キロまで)の料金+260円 b)(125条1項1号ロ(イ)h(f)) | |||||||||||||||||||
「成田エクスプレス」の渋谷・千葉間 | 指定席特急料金 | 1,290円 b)(125条1項1号ロ(イ)h(g)) | ||||||||||||||||||
新在直通区間(山形・秋田「新幹線」) | 指定席特急料金 | (表D) a2) c)(125条1項1号ロ(イ)i)
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立席(自由席)特急料金 | 表Dの料金−530円 | |||||||||||||||||||
「B特急料金」:57条の3、2項1号の規定により発売する場合で下記以外の特別急行料金 | 指定席特急料金 | (表E) a1) b)(125条1項1号ロ(ロ)a(a)@)
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立席(自由席)特急料金 | 表Eの料金−530円(125条1項1号ロ(ロ)b) | |||||||||||||||||||
特定特急料金 | 1,320円(125条1項1号ロ(ロ)c) | |||||||||||||||||||
「B特急料金」:JR東日本線内相互発着(除く「サフィール踊り子」、「成田エクスプレス」、「ひたち」・「ときわ」、「あかぎ」、「あずさ」・「かいじ」・「はちおうじ」・「おうめ」・「富士回遊」、「踊り子」・「湘南」)(57条の3、2項1号イロハニ) | 指定席特急料金 | (表F)a2) b)(125条1項1号ロ(ハ)a(a))
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立席(自由席)特急料金 | 表Fの料金−530円(125条1項1号ロ(ハ)a(b)) | |||||||||||||||||||
東武鉄道線と直通運転する特急列車 | 指定席特急料金(JRの特急料金) | 表F(150キロまで)の料金 b)(125条1項1号ロ(ハ)b(a))
渋谷・栗橋間及び東京・栗橋間1,050円 b) (125条1項1号ロ(ハ)b(b)) |
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「B特急料金」:JR九州線内相互発着(57条の3、2項1号ホ) | 指定席特急料金 | (表H) a4) b)(125条1項1号ロ(ホ)、a(a))
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立席(自由席)特急料金 | 表Hの料金-530円。門司港又は行橋・博多間及び博多・佐賀間の停車駅相互間車内発売(除くかいおう) (表I)(125条1項1号ロ(ホ)a(b))
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門司港/下曽根・博多間、吉松/霧島神宮・鹿児島中央/宮崎・南郷間(除く「ななつ星in九州」、「或る列車」、「36ぷらす3」、「かんぱち」、「いちろく」及び25キロ以内) | 指定席特急料金 | 1,130円 b)(125条1項1号ロ(ホ)b(a)@) | ||||||||||||||||||
立席(自由席)特急料金 | 600円(「かいおう」を除く車内発売は+200円)(125条1項1号ロ(ホ)b(a)A) | |||||||||||||||||||
博多・吉塚間、篠栗線、桂川・直方間、国分・鹿児島中央間、霧島神宮・重富間、吉松・隼人間(除く「ななつ星in九州」、「或る列車」、「36ぷらす3」、「かんぱち」、「いちろく」及び25キロ以内) | 指定席特急料金 | 1,030円 a4) b)(125条1項1号ロ(ホ)b(b)@) | ||||||||||||||||||
立席(自由席)特急料金 | 500円(125条1項1号ロ(ホ)b(b)A) |
(1-3)新幹線と在来線の乗継
区分 | 料金種別 | 料金 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
西九州新幹線と在来線特急の乗継(57条の3、7項) | 指定席特急料金 | (表J)a4) b)(125条1項1号ハ(イ))
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立席(自由席)特急料金 | 表Jの料金−530円(125条1項1号ハ(ロ)) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
特定特急料金 | (嬉野温泉発着)表Jの料金−880円(125条1項1号ハ(ハ)) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北陸新幹線と在来線特急の乗継(57条の3、8項) | 指定席特急料金 | (表K)a2) b)(125条1項1号ニ(イ)別表第2号ク)
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立席(自由席)特急料金 | 表Kの料金−530円(125条1項1号ニ(ロ)) |
(2)普通急行
区分 | 料金 | ||||||||||||
下記を除く区間 | (表K)(125条1項2号イ)
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JR北海道の50キロ以内(57条の4、1号) | 25キロまで320円、50キロまで520円(125条1項2号ロ(イ)) | ||||||||||||
七尾線(除50キロ以内)(57条の4、2号) | 560円(125条1項2号ロ(ロ)) | ||||||||||||
JR九州の50キロ以内(57条の4、3号) | 25キロまで310円、50キロまで520円(125条1項2号ロ(ハ)) | ||||||||||||
門司港/下曽根・博多間、吉松・鹿児島中央間、宮崎・南郷間(除50キロ以内)(57条の4、4号) | 520円(125条1項2号ロ(ニ)) | ||||||||||||
鹿児島本線(博多・吉塚間)、篠栗線、筑豊本線(桂川・直方間)(除25キロ以内)(57条の4、5号) | 420円(125条1項2号ロ(ホ)) | ||||||||||||
国分・鹿児島中央間、霧島神宮・重富間、吉松・隼人間(除25キロ以内)(57条の4、6号) | 310円(125条1項2号ロ(へ)) | ||||||||||||
関西本線(名古屋・亀山間)、紀勢本線(亀山・新宮間。伊勢鉄道含む)、御殿場線(松田・沼津間)、身延線、飯田線、高山本線(岐阜・猪谷間)、中央本線(多治見・塩尻間)(30キロ以内)(57条の4、7号) | 330円(125条1項2号ロ(ト)) | ||||||||||||
山手線、赤羽線、南武線、武蔵野線、東北本線(東京・黒磯間)、常磐線(日暮里・勝田間)、日光線、高崎線、上越線(高崎・石打間)、両毛線(新前橋・前橋間)、吾妻線(渋川・万座・鹿沢口間)、総武本線、京葉線、外房線、内房線、成田線、鹿島線、横須賀線、根岸線、横浜線、中央本線(東京・竜王間)、東海道本線(東京・熱海間)、伊東線、白新線、羽越本線(新発田・秋田間)、仙山線、北上線、磐越西線(郡山・喜多方間)、奥羽本線(秋田・青森間)(50キロ以内)(57条の4、8号) | 520円(125条1項2号ロ(チ)) |
a1) | 閑散期(57条の3、第1項第1号の規定により発売するもの)は200円引き、繁忙期(同条同項第2号の規定により発売するもの)は200円増し。 |
a2) | 閑散期(57条の3、第1項第1号の規定により発売するもの)は200円引き、繁忙期(同条同項第2号の規定により発売するもの)は200円増し、最繁忙期(同条同項第3号の規定により発売するもの)は400円増し。 |
a3) | 閑散期(57条の3、第1項第1号の規定により発売するもの)は200円引き。 |
a4) | 繁忙期(57条の3、第1項第2号の規定により発売するもの)は200円増し。 |
b) | 指定席特別車両券(A)、寝台券又はコンパートメント券と同時に(57条の3、3項の規定により)発売するものは、530円引き |
c) | 閑散期(57条の3、1項1号の規定により発売するもの)は140円引き、繁忙期(同条1第2号の規定により発売するもの)は140円増し。 指定席特別車両券(A)、寝台券又はコンパートメント券と同時に(同条第3項の規定により)発売するものは、380円引き(新在直通に適用されていたが、2022年3月12日の改定で廃止) |
旅規は、新幹線の特急料金を「別表第2号の各表の料金」として三角表で区間ごとに個別に定め、計算の一般ルールを明記していない[9]。三角表の区間の営業キロと特急料金との関係をプロットし、指定席特急料金を営業キロ地帯ごとに区分すると、おおむね表12のとおりになる。しかし、表に示すように、多くの例外が存在する。なお、JR西日本は2023年4月「のぞみ」・「みずほ」の特急料金を値上げし、JR東海とまたがる区間の料金も値上げとなった。
営業キロ 地帯 |
東海道・山陽 | 東北・上越・北陸 | 北陸(JR東西に跨る区間) | 九州 | 西九州 | 北海道 | 例外 | |||
除のぞみ /みずほ |
JR海西 のぞみ |
JR西のぞみ/みずほ | 除はやぶさ/こまち | はやぶさ /こまち |
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1-50 | 2,290 | 2,500 | 2,610 | a) 2,400 | b) 2,500 | 3,070 | 1,920 | 1,790 | 2,540 | a) 東京〜大宮、東京・上野間〜小山、熊谷〜本庄早稲田:2,570円 b) 東京〜大宮:2,610円、東京〜上野、上野〜大宮、盛岡〜いわて沼宮内・二戸間、いわて沼宮内〜八戸、二戸〜八戸・七戸十和田間、八戸〜七戸十和田・新青森間:2,400円 |
51-100 | 2,540 | 2,290 | 2,560 | |||||||
101-150 | c) 3,060 | d) 3,270 | 3,380 | e) 3,170 | f) 3,380 | g) 4,160 | 3,420 | - | h) 3,380 | c) 東京〜熱海・三島間、品川〜三島:2,290円、d) 京都〜姫路:3,490円、 e) 上野〜宇都宮、高崎:2,830円、東京〜宇都宮、高崎:3,040円、東京〜那須塩原・新白河間、上毛高原〜越後湯沢、軽井沢〜上田:3,320円、f) 一ノ関〜いわて沼宮内・八戸間、水沢江刺・新花巻間〜二戸・七戸十和田間:3,270円、盛岡・いわて沼宮内間〜七戸十和田・新青森間、二戸〜新青森:3,170円、g) 安中榛名・上田間〜糸魚川、飯山〜黒部宇奈月温泉・金沢間:3,830円、h) 新青森・新函館北斗間:4,530円 |
151-200 | i) 4,230 | - | - | i) 博多〜新八代:3,420円 | ||||||
201-250 | 3,930 | j) 4,140 | 4,460 | k) 4,060 | l) 4,960 | m) 5,390 | 4,400 | - | - | j)京都〜岡山・福山間:4,250円、名古屋〜姫路:4,350円、k) 東京〜郡山・福島間、浦佐・燕三条間、長野:4,270円、l) 一ノ関〜七戸十和田・新青森間、水沢江刺・新花巻間〜新青森:4,160円、m) 大宮・高崎間〜糸魚川:4,730円、熊谷・軽井沢間〜黒部宇奈月温泉、長野〜金沢:5,050円 |
251-300 | 5,680 | - | - | |||||||
301-400 | 4,710 | n) 4,910 | 5,230 | o) 5,230 | p) 5,250 | - | q) 5,820 | - | - | n) 京都〜広島:5,340円、名古屋〜岡山:5,230円、o) 東京〜仙台・古川間、新潟:5,040円、p) 東京〜仙台・古川間:5,360円、上野・大宮間〜仙台・古川間:5,150円、仙台〜七戸十和田・新青森間、古川〜新青森:5,040円、q) 上野〜糸魚川:5,490円、東京〜糸魚川:5,700円、東京〜黒部宇奈月温泉:6,030円、東京〜富山:6,360円 |
401-500 | 5,150 | r) 5,470 | 5,890 | s) 5,370 | t) 5,790 | u) 6,690 | - | - | - | r) 名古屋〜福山:5,890円、京都〜徳山:6,000円、s) 東京〜くりこま高原・新花巻間:5,580円、t) 東京〜くりこま高原・新花巻間:6,000円、u) 東京〜新高岡・金沢間:6,900円 |
501-600 | 5,490 | v) 5,810 | 6,230 | w) 5,700 | x) 6,220 | 7,020 | - | - | - | v) 名古屋〜広島:6,230円、京都〜新山口・小倉間:6,340円、w) 東京〜盛岡・二戸間:5,910円、x) 東京〜盛岡・二戸間:6,430円 |
601-700 | 5,920 | y) 6,560 | (6,230) | z) 6,070 | aa) 6,590 | - | - | - | - | y) 京都〜博多:6,770円、z) 東京〜八戸・七戸十和田間:6,280円、aa) 東京〜八戸・七戸十和田間:6,800円 |
701-800 | 6,460 | 7,100 | - | ab) 6,600 | ac) 7,120 | - | - | - | - | ab) 東京〜新青森:6,810円、ac) 東京〜新青森:7,330円 |
801-900 | 7,030 | 7,880 | - | - | - | - | - | - | - | |
901-1000 | 7,570 | 8,630 | - | - | - | - | - | - | - | |
1001-1100 | 8,130 | 9,190 | - | - | - | - | - | - | - | |
1101-1200 | 8,670 | 9,730 | - | - | - | - | - | - | - |
これらの例外については、次のような調整の結果であると推定できる。
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* 他の分割例が存在する区間 |
東海道・山陽新幹線では、特定特急券が発売される隣接2区間のほとんどで、分割したほうが得になる。とくに営業キロが100キロを超える場合は、分割購入による節減額は、550円から670円となり、運賃の分割購入以上に大きな金額になる。
東北・上越・北陸新幹線では、100キロまでの非隣接駅間の特急料金が50キロまでの特定特急料金と比べ高く設定されているため、隣接する2特定区間を乗車するほとんどのケースで、中間駅で分割したほうが安くなる。また、3,530円の22区間と3,740円の2区間は、それぞれ880円区間と2,850円区間、880円区間と2,800円区間に分割したほうが10円安くなる。さらに、北陸新幹線は上越妙高をはさんでJR東日本とJR西日本に跨る区間の特急料金が高く設定されているので、東京・糸魚川間など7区間は、上越妙高で分割したほうが得になる。なお九州・西九州新幹線の特急料金は50キロきざみになっており、並行在来線が第3セクターに経営分離された新八代・川内間に特定特急料金が設定されていないことから、分割による逆転現象は、新玉名・新八代の1区間だけだが、2025年4月の料金改定で隣接駅間の特定特急料金870円を据え置いたことから、節約額が20円から270円に拡大した。
東海道・山陽新幹線では、自由席特急料金を東京・三島間のように100キロまでの料金にあわせるべきである。新幹線の特急料金は、区間ごとに個別に設定しているのだから、フレキシブルに対応できるはずだ。東北・上越・北陸新幹線でも、100キロ以内の自由席特急料金を見直すべきである。
在来線にも、次のように分割購入が有利となる区間がある。
ケース | 分割例 |
A. 遠距離逓増の特急料金 | 札幌・旭川(150キロまで、1,830円)>札幌・岩見沢(50キロまで、630円)+岩見沢・旭川(100キロまで、1,150円)
柏・いわき(200キロまで、2,240円)>柏・水戸(100キロまで、1,020円)+水戸・いわき(100キロまで、1,020円) 八王子・松本(200キロまで、2,240円)>八王子・韮崎(100キロまで、1,020円)+韮崎・松本(100キロまで、1,020円) |
B. 不適切なキロ刻み | 新得・池田(100キロまで、1,150円)>新得・帯広(50キロまで、630円)+帯広・池田(25キロまで、320円)
尾鷲・新宮(100キロまで、1,200円)>尾鷲・熊野市(50キロまで、660円)+熊野市・新宮(30キロまで、330円) 下呂・飛騨古川(100キロまで、1,200円)>下呂・高山(50キロまで、660円)+高山・飛騨古川(30キロまで、330円) |
ここに分割例として取り上げた区間は、多くの旅行者が利用すると思われる区間で、決して特殊な区間ではない。料金体系の矛盾によってこのような事態が発生するのである。
ケースAのJR北海道の自由席特急料金は、50キロまで620円、100キロまで1,130円に対し、150キロまでが1,800円と遠距離逓増になっていて、100キロと50キロで分割するほうが安くなる[11]。自由席特急料金は営業キロに関係なく指定席特急料金から一律に530円を差し引いているため、遠距離逓減になっていないことが分割による料金逆転が起こる理由である。2015年3月14日の旅規改定で、指定席特急料金にも分割が有利な事態が発生した。自由席特急券を廃止した常磐線の新料金体系(2019年中央本線にも適用)は、200キロまでが100キロまでの2倍以上と、遠距離逓増になっている。 ケースBでは、25キロ、30キロまでの自由席特急料金設定が、50キロ以上のキロ刻みと対応していないことによる料金逆転である。
新幹線・在来線とも、分割による逆転現象の矛盾解消には、急行料金体系の全面的な見直しが必要だろう。
[1] | 地方交通線は、1980年12月公布・施行された国鉄経営再建促進特別措置法に基づき、「適切な措置を講じても収支の均衡が困難な路線」として指定されたものである(その中で廃止してバスに転換する路線=特定地方交通線を選定することも定められた)。1981年3月の国鉄経営再建促進特別措置法施行令によって、地方交通線の基準は、キロ当たりの旅客輸送密度が1日8000人未満の路線とされ、81年4月175路線10,166.5キロが指定された。その結果、1984年4月の運賃改定から地方交通線に割増運賃を徴収することになったのである。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[2] | 擬制キロが適用された路線・区間・換算率は次のとおり。 換算率1は開業当初の、換算率2は1961年4月6日から適用されたもの。
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[3] | 旅規第78条に「別表第1号に掲げる駅相互間の2等大人片道普通旅客運賃は、前条の規定にかかわらず、同表に掲げる額とする。」と定められ、従来擬制キロが適用されていた東京・大阪付近の賃率による運賃が30円から80円の区間で10円割引いた。別表1による割引運賃制度は、1966年3月の運賃改定時に、特定運賃を廃止すると2倍以上の値上げになる28区間だけに限定して2倍相当額に低減した。割引運賃の適用区間を以下に示す。この区間特定割引運賃は、1969年5月の運賃改定時に廃止されが、1978年7月京阪神の私鉄に対抗する区間特定運賃として復活した。
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[4] | JR東日本が分割購入した通勤定期券について連続定期の処置をするのは、磁気定期券だけあり、Suicaには対応していない。一方、JR西日本は、2区間分割購入のICOCA定期券を発行している。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[5] | 実際には下表のとおり、分割が有利となる他の要素(11-15キロのキロ当たり最低運賃、区間特定運賃など)を加えた小刻みの分割(B)が最低廉となる(乗車券分割プログラムによる)。
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[6] | 京浜急行は、天空橋・羽田空港間を経路に含む場合140円から180円の加算運賃を設定していたが、天空橋・羽田空港間の運賃との整合性が取れていないため、天空橋で分割すると安くなった。とくに、新逗子(現逗子・葉山)・羽田空港間など、通しで買うとキロ地帯が1段階上がるケースでは、分割による運賃差額は90円にもなった。2019年10月1日から加算運賃を50円に引き下げたため、この矛盾は解消された。また対キロ区間制で、特定運賃がない東武にも分割による逆転区間が存在する(例えば船橋・下今市(1730円)を新船橋で分割すると1540円)。100キロ超のキロ刻みが20キロで、段差が120キロ前後で170円、140キロ前後で190円と初乗り運賃150円より大きいためである。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[7] | 鉄道事業法16条で、鉄道事業者は上限運賃について国土交通大臣の認可を受ける必要があり、その上限の範囲内で実際に適用する運賃を国土交通大臣に届け出なければならないと定めている。これに対し料金は届け出制であるが、新幹線鉄道の特急料金だけは、運賃と同様上限額の認可手続きが必要とされている(鉄道事業法施行規則32条)。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[8] | 旅規第187条第10号に「第57条の3第2項第1号の規定による場合の特別急行券の標記は、「B自由席特急券」の例により「B」を冠記して表示する。」と定められていることによる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[9] | 新幹線特急料金を区間制(三角表方式)としたのは、1972年3月の岡山開業時からである。在来線の特急料金は、1960年7月1日施行の旅規改定時に区間制としたが、1966年3月キロ地帯制に戻った。1964年10月から1966年3月までは、新幹線がキロ地帯制、在来線が区間制と現在とは逆だった。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[10] | 2014年4月までは86区間あった。東海道・山陽新幹線では、3,250円区間を830円区間と2,410円区間に分割したほうが10円得する区間が名古屋・新神戸間など14区間あったが、直通3,340円、分割2,480円+860円と同額になった。また東京・郡山、浦佐、長野の3区間も直通料金と分割料金が同額になり、17区間が「分割購入が有利な区間」から外れ、69区間になった。2015年3月北陸新幹線開業により21区間が追加、90区間となった。2019年10月消費税率改定に伴う改定で、2014年4月に外れた区間の復活があり121区間、2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸で計127区間になった。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[11] | JR北海道は2024年3月16日「北斗」、「すずらん」、「おおぞら」、「とかち」の自由席を廃止、全車指定席としたため、特急券の分割が有利な区間は減少した。 |
2003/10/28: | 運賃計算簡素化への試案に、擬制キロへの換算率等を追加 |
2003/11/10: | 乗車券分割プログラムにより検索した東京−興津間の新子安分割例を追加 |
2003/12/20: | 誤記の訂正(大阪付近の区間特定運賃の設定は1981年ではなく、1979年5月) |
2004/02/26: | 対キロ制運賃と対キロ区間制運賃の比較を詳述し、大幅に改稿 |
2004/07/02: | 脚注を新設、関連データを追加し、全面的に改稿 |
2004/08/28: | 表5-2(1984年以降の賃率推移)を追加 |
2004/12/11: | 表のスタイルを変更。脚注を追加。路線の開廃等を反映 |
2005/08/15: | 急行料金体系も複雑だを追記、掲載 |
2005/11/09: | 2005年10月1日のJR東海の特急料金改定を反映して追記 |
2006/06/03: | 東京・大阪の擬制キロ廃止後の区間特定運賃について追記。キロ地帯制とキロ刻み、中央値による運賃計算の記述を再構成 |
2006/10/22: | 目次を設置。「急行料金体系も複雑だ」を急行料金体系はもっと複雑だに改題、2006年1月1日現行の「旅客営業取扱基準規程」を参照し、表10などを大幅に改訂。1960年開業の新線の擬制キロについて本文及び脚注4に追記。東京・大阪の短縮擬制キロ廃止後の区間特定運賃の記載を脚注6に移動。脚注8(現脚注9)を挿入、京急の分割購入について記載。全体を推敲し、誤記を訂正、一部の構成を入れ替え |
2007/02/10: | 脚注6に、東京・大阪の擬制キロ廃止後の特定運賃適用区間を記載。脚注11(現脚注12)を追加、以降番号を変更。全体を推敲し、誤記を訂正 |
2007/12/23: | 「賃率の多様化」の誤記を訂正(1984年4月の賃率は、山手線・大阪環状線内、幹線、地方交通線の3種類。1986年9月の運賃改定で、当時の国電区間の賃率が据え置かれ、4種類となった。) |
2011/03/08: | 東北新幹線新青森延伸(2010/12/04)、「はやぶさ」の運転開始(2011/03/05)、九州新幹線全通開業(2011/03/12)による急行料金制度の改定を反映し、急行料金体系はもっと複雑だを大幅に改訂。表2に私鉄の特定運賃を明記。分割購入の問題に、指定券券売機による乗車券の発売を追記。参考文献に、利用している乗車券分割プログラムのサイトを追加。脚注1の表を更新 |
2011/07/01: | 2011年4月1日の松本電鉄のアルピコ交通への社名変更を反映。上田交通を上田電鉄に訂正(2005年10月鉄道事業を分社化) |
2011/11/02: | 乗車券の分割購入が有利となる運賃計算ルールとして、特定都区市内発着制度を追加(図3及び脚注8を挿入。以降番号を変更)。10月15日施行の旅規改定を反映し、表10(2)(現11(2))の「あそぼーい!」の特急料金を改訂。表12(現13)の新幹線の特急券分割区間を訂正・追加(読者より情報提供を受けました)。脚注9(現6)に東武の乗車券分割例を追記 |
2011/11/03: | 誤記の訂正(大阪付近の区間特定運賃の設定は1979年5月ではなく、1978年7月) |
2014/05/26: | 2014年4月1日の消費税増税に伴う運賃・急行料金改定に対応して全面的に改稿し、副題(2014年運賃・料金改定版)を追加。「JR東日本の1円単位のIC運賃」を記載。脚注1、2の「鉄道事業者の運賃計算方法」、「名鉄各線の擬制キロ換算率」を鉄道事業者の運賃比較に移管、ダブりを整理してJR運賃問題に特化。 |
2014/05/27: | 「スワローあかぎ」についての記載を削除、「あかぎ」・「スワローあかぎ」指定席料金の通年適用について表11の注a) に記載。表の附番の誤りを訂正。脚注5の新運賃対応漏れを訂正 |
2014/10/25: | 表2及び本文中のJR東日本(電特・山手)の運賃計算方法を「円位において切り上げ」に訂正(読者から指摘を受けました)。別表のTable 3の31-35キロ帯運賃及びTable 4の26-30キロ帯運賃を訂正 |
2015/03/16: | 2015年3月14日実施の「ひたち」・「ときわ」の新特急料金を表11(2)に追加 |
2015/05/03: | 2015年3月14日実施の北陸新幹線及び「ひたち」・「ときわ」の特急料金を反映して、表12、表13、表14を改訂 |
2019/11/06: | 2019年10月1日の消費税増税に伴う運賃・急行料金改定に対応して全面的に改稿し、副題を2019年運賃・料金改定版に変更。50年以上前に分割購入問題を指摘した長澤規矩也氏の著書から該当部分を引用。「急行料金体系はもっと複雑だ」の項に北海道新幹線、中央線特急等を記載し見直し。 |
2019/11/11: | JR北海道の100キロまでの運賃を対キロ区間制としたが、対キロ制運賃に基づく特定額に変更。表13の路線別に区間数を記載し、脚注10に追記 |
2019/11/20: | 11月6日改訂の表11の(2)で、JR各社サイトの「おトクな特急料金」に記載されている宮崎・南郷間と津幡・和倉温泉間を水色の網掛けで挿入したが、宮崎・南郷間は「門司港または下曽根・小倉〜博多間」に含まれ、津幡・和倉温泉間はJR西日本のB特急料金と同じなので削除。基準規程第97条の2の特定の特別急行券の発売区間及び第97条の4の特定の普通急行券の発売区間から廃止された江差線及び北陸本線(金沢・津幡間)を削除 |
2019/11/26: | 表11の(2)を再改訂(成田エクスプレスの立席特急券の削除(取消線)等) |
2020/04/11: | 表4の新逗子を逗子・葉山に変更。表11(1)新幹線の東海道新幹線と九州新幹線の乗継を山陽新幹線と九州新幹線の乗継と区分し、合算額(530円減額なし)に変更。表13の分割購入が有利な区間に19区間追加、北海道新幹線を削除(以上読者から指摘を受けました) |
2020/04/21: | 脚注5の分割運賃を2019年10月1日改定の新運賃に訂正するなど、読者から指摘を受けた誤記を訂正 |
2021/06/22: | 従来基準規程に規定していた特定の特別急行券・普通急行券が5月27日の旅規改定で旅規に規定されたことに伴い、前文、「急行料金体系はもっと複雑だ」の本文、表10(10-1から10-3に分割)、表11を全面改訂 |
2021/07/05: | 6月22日更新時等の誤記を訂正(読者から指摘を受けました) |
2022/09/22: | 3月12日(「山形・秋田」新幹線の特急料金改定)、4月1日(最繁忙期の設定及びJR九州の在来線の特急料金改定)及び9月23日(西九州新幹線開業)の旅規改定を反映し、「急行料金体系はもっと複雑だ」の本文、表10-1、表11、表12を改訂。副題の「2019年運賃・料金改定版」を削除 |
2023/03/18: | 3月18日新設の「鉄道駅バリアフリー料金」を記載。「スワローあかぎ」の廃止及び「あかぎ」の指定席特急料金通年化に伴い、表11(1-2)から「あかぎ」を削除、「スワローあかぎ」を「あかぎ」に変更 |
2023/04/12: | 3月18日及び4月1日の運賃・料金改定を反映。新設の「鉄道駅バリアフリー料金」について記載し、表4、表9及び「分割購入の問題」の項の運賃をバリアフリー料金を加算した額に変更。3月18日の東急の運賃改定並びに4月1日の近鉄の運賃改定及びJR西日本の区間特定運賃改定に伴い表4を改訂。JR東海等の繁閑期区分の変更及びシーズン別特急料金のグリーン車・寝台車への適用に伴い、表11を改訂。JR西日本の「のぞみ」・「みずほ」特急料金の値上げに伴い、表12の東海道・山陽新幹線の「のぞみ・みずほ」をJR東海とJR西日本に分割 |
2023/05/27: | 5月20日のJR四国の運賃・料金改定を反映。表1、2、3-1、5-2、6-2を変更し、運賃改定による変更を追記。表11(1-2)の宇野線岡山・茶屋町間、本四備讃線及び予讃線(50キロ以内)の特定特急料金を削除、JR四国内の特定特急料金を変更。 |
2024/04/01: | 3月16日の京成電鉄のバリアフリー料金加算、4月1日のJR東海の鉄道駅バリアフリー料金加算及び名鉄の運賃改定に伴い、表4をバリアフリー料金加算額・改定運賃に変更。JR北海道の一部特急列車の自由席廃止に伴い、表14 分割購入が有利な区間(在来線)の札幌・東室蘭(南千歳分割)を札幌ー旭川(岩見沢分割)に変更(読者の指摘を受けました)し、脚注11を追加 |
2024/04/29: | 3月16日の北陸新幹線敦賀延伸開業に伴い、表12 新幹線のキロ地帯別特急料金(指定席通常期)の北陸(JR東西に跨る区間)の501-600キロ地帯を追加し、表13 分割購入が有利な区間(新幹線)に北陸新幹線6区間を追加(「デスクトップ鉄の雑記帳」のコメントで読者から指摘を受けました)。脚注10に追記 |
2024/05/04: | 表4 特定運賃設定区間の南海難波・和歌山市間の運賃を2023年10月改定運賃に変更(読者の指摘を受けました) |
2025/01/21: | 1月19日の神戸高速鉄道の鉄道駅バリアフリー料金の導入により、表4 特定運賃設定区間の阪急及び阪神の大阪梅田−高速神戸間の運賃を460円から470円に変更 |
2025/04/13: | JR北海道、JR九州の運賃・料金改定、JR西日本の電車特定区間運賃改定及び路線区分の変更を反映し、表1、表2、表4、表6−2、表12、表13を改訂。 |
2025/04/23: | 表11の誤記を訂正し、あわせて漏れていた「山形」・「秋田」新幹線の料金改定(2022/03/12)、JR西日本のB特急料金廃止(2023/04/01)、北陸新幹線乗継運賃制定(2024/03/16)等の特急料金の変更をアップデート |