「*市」駅

−駅名接頭・接尾語考(1)−

難読駅名、珍しい駅名、長い・短い駅名など、駅名に関するうんちくは、多くの鉄道雑学本が取り扱う鉄道趣味の一分野である。基本的に駅の名前は地名から名づけられるが、同じ地名に由来する他の駅と区別するため、接頭語・接尾語を加えることがある。このような、駅名における接頭・接尾語として、「*市」駅について考察する。「*市」駅は隣接する「*」駅と区別するために、または広域・抽象地名を市名として採用した場合に、命名されるようだ。
目次
市町村名と駅名の関係 表1 市町村名と駅名の関係
接尾語としての「市」駅 表2 全国の*市駅
先輩に敬意を表す 表3 「*市」駅と隣接*駅
市制施行による改称 表4 市制施行による駅名改称
その他のパターン
まとめ 表5 「*市」駅の分類
改訂履歴


市町村名と駅名の関係

全国の基層自治体(東京都23区を除く市町村)のうち、自治体名と域内の鉄道駅名との関係が「平成の大合併」によりいかに推移したかを表1に示す(各年3月31日現在)。

表1 市町村名と駅名の関係
199920002001200220032004200520062007200820092010201120122013201420152016201720182019202020212022
A:駅名=市町村名505505503504505504504494497496497498498497498499499499499499499497 495495
B:市町村名+[市町村]303030303030282828282828282827272727272727272727
C:市町村名+他の接頭・接尾語343535343435353636373736363636363636363636363636
D:市町村名の一部を含む地名202020212124293637373739404243434547474747505050
E:市町村名と駅名が不一致36363737384581125126126124125124124124124122120120120120120121121
小計625626625626628638677719724724723726726727728729729729729729729730729729
F:駅なし454545464751555858596060606061616161626263626363
合計670671670672675689732777782783783786786787789790790790791791792792792792
A80.8%80.7%80.5%80.5%80.4%79.0%74.4%68.7%68.6%68.5%68.7%68.6%68.6%68.4%68.4%68.4%68.4%68.4%68.4%68.4%68.4%68.2%68.0%68.0%
A+B85.6%85.5%85.3%85.3%85.2%83.7%78.6%72.6%72.5%72.4%72.6%72.5%72.5%72.2%72.1%72.2%72.2%72.2%72.2%72.2%72.2%71.8%71.6%71.6%
A+B+C91.0%91.1%90.9%90.7%90.6%89.2%83.8%77.6%77.5%77.5%77.7%77.4%77.4%77.2%77.1%77.1%77.1%77.1%77.1%77.1%77.1%76.7%76.5%76.5%
A+B+C+D94.2%94.2%94.1%94.1%93.9%92.9%88.0%82.6%82.6%82.6%82.8%82.8%82.9%82.9%83.0%83.0%83.3%83.5%83.5%83.5%83.5%83.6%83.4%83.4%
E5.8%5.8%5.9%5.9%6.1%7.1%12.0%17.4%17.4%17.4%17.2%17.2%17.1%17.1%17.0%17.0%16.7%16.5%16.5%16.5%16.5%16.4%16.6%16.6%
駅あり93.3%93.3%93.3%93.2%93.0%92.6%92.5%92.5%92.6%92.5%92.3%92.4%92.4%92.4%92.3%92.3%92.3%92.3%92.2%92.2%92.0%92.2%92.0%92.0%
駅なし6.7%6.7%6.7%6.8%7.0%7.4%7.5%7.5%7.4%7.5%7.7%7.6%7.6%7.6%7.7%7.7%7.7%7.7%7.8%7.8%8.0%7.8%8.0%8.0%
町村A:駅名=市町村名677674674666669654512301286286281263263262261260256257256256256256254252
B:市町村名+[市町村]1616161616161055554444444444444
C:市町村名+他の接頭・接尾語145145145145144133895353525249494848484848484847464544
D:市町村名の一部を含む地名565656575857534343434239403837373738383838383837
E:市町村名と駅名が不一致390388388387386374298198195192187178178175174173174171171171169170169168
小計128412791279127112731234962600582578567533534527524522519518517517514514 510505
F:駅なし127812791278128012641209827444440432427408407405406407409410410410412412 416421
合計2562255825572551253724431789104410221010994941941932930929928928927927926926926926
A52.7%52.7%52.7%52.4%52.6%53.0%53.2%50.2%49.1%49.5%49.6%49.3%49.3%49.7%49.8%49.8%49.3%49.6%49.5%49.5%49.8%49.8%49.8%49.9%
A+B54.0%53.9%53.9%53.7%53.8%54.3%54.3%51.0%50.0%50.3%50.4%50.1%50.0%50.5%50.6%50.6%50.1%50.4%50.3%50.3%50.6%50.6%50.6%50.7%
A+B+C65.3%65.3%65.3%65.1%65.1%65.1%63.5%59.8%59.1%59.3%59.6%59.3%59.2%59.6%59.7%59.8%59.3%59.7%59.6%59.6%59.7%59.5%59.4%59.4%
A+B+C+D69.6%69.7%69.7%69.6%69.7%69.7%69.0%67.0%66.5%66.8%67.0%66.6%66.7%66.8%66.8%66.9%66.5%67.0%66.9%66.9%67.1%66.9%66.9%66.7%
E30.4%30.3%30.3%30.4%30.3%30.3%31.0%33.0%33.5%33.2%33.0%33.4%33.3%33.2%33.2%33.1%33.5%33.0%33.1%33.1%32.9%33.1%33.1%33.3%
駅あり50.1%50.0%50.0%49.8%50.2%50.5%53.8%57.5%56.9%57.2%57.0%56.6%56.7%56.5%56.3%56.2%55.9%55.8%55.8%55.8%55.5%55.5%55.1%54.5%
駅なし49.9%50.0%50.0%50.2%49.8%49.5%46.2%42.5%43.1%42.8%43.0%43.4%43.3%43.5%43.7%43.8%44.1%44.2%44.2%44.2%44.5%44.5%44.9%45.5%

平成の大合併は1999年4月1日の篠山市(2019年5月1日丹波篠山市に改称)の誕生で始まったが、その前日の1999年3月31日現在、市域内に駅が存在した625市のうち、市名と一致する駅名は505市に存在し、80.8%にのぼっていた。このほかに、「*市」駅が30あり、これに旧国名等他の接頭・接尾語をつけたもの(34)、市名の一部または全部が駅名に使われているもの(20)を加えると94.2%であった。これに対して、町村の場合は、町村名と一致した駅名がある自治体は52.7%。 町や旧国名等の接頭・接尾語をつけたもの、町村名の一部または全部が駅名に使われているものを加えても69.6%で、約3割が町の中心部の字(大字)名など町名と一致しない名称がつけられていた。このことから、市への昇格により市名と駅名を一致させる傾向があることがわかる。

平成の大合併が完了した2010年3月31日までの推移は、表1に示したとおり、「駅名=市名」が504から498に減少した[1]。一方、市名と駅名がまったく一致しない市が36から125と3倍以上となり、シェアも5.8%から17.2%と11.4ポイント増加した。合併により誕生した多くの市が、旧国名、郡名などの広域地名や合成地名などを新市名として採用したためである。一方町村は、2005年度までは、いずれのタイプも満遍なく減少したため、比率は大きく変わらなかった。その後合併が進むにつれて、市と同様「駅名=町村名」の比率が低下し、駅名と一致しない町村名が相対的に増加した。しかし、市町村名と域内の駅名が一致するケースは、町村よりも市のほうが多いという傾向は変わっていない。


接尾語としての「市」駅

さて、接尾語としての「市」駅を考察する。表2に1999年4月以降現在まで存在した「*市」駅44市、46駅(事業者別には50駅)[2]とその駅名の変遷を示す。この間2010年3月14日阪急京都線に摂津市駅が、2020年3月14日JR東日本常磐線に龍ケ崎市駅が開業した。一方2004年11月1日上野市が周辺町村と合併し伊賀市になり、2005年3月22日平田市が出雲市と合併して消滅。2012年4月1日十和田電鉄の廃止により十和田市駅が、2019年10月1日石清水八幡宮への改称により八幡市駅が市駅から外れた。
 
表2 全国の*市駅
市名 駅名 事業者 開業日 改称日 備考
十和田市 十和田市 十和田観光電鉄 1922/09/04 三本木 1969/05/15 十和田市 2012/04/01廃止
龍ケ崎市 龍ケ崎市 JR東日本 1900/08/14 佐貫 2020/03/14 龍ケ崎市
足利市 足利市 東武 1907/08/27 足利町 1924/08/25 足利市
佐野市 佐野市 東武 1914/08/02 佐野町 1943/04/01 佐野市
川越市 川越市 東武 1914/05/01 六軒町 19??/??/?? 川越町
1922/12/01 川越市
行田市 行田市 秩父鉄道 1921/04/01 行田 1966/06/01 行田市
狭山市 狭山市 西武 1895/03/21 入間川 1979/03/25 狭山市
入間市 入間市 西武 1915/04/15 豊岡町 1967/04/01 入間市
和光市 和光市 東武 1934/02/01 新倉 (ニイグラ) 1934/07/12 新倉 (ニイクラ)
1951/10/01 大和町
1970/12/01 和光市
和光市 営団 1987/08/25 和光市
野田市 野田市 東武 1911/05/09 野田町 1950/05/30 野田市
東大和市 東大和市 西武 1950/05/15 青梅橋 1979/03/25 東大和市
都留市 都留市 富士山麓鉄道 1929/06/19 谷村横町 1965/03/01 都留市
山梨市 山梨市 JR東日本 1903/06/11 日下部 1962/01/15 山梨市
伊那市 伊那市 JR東海 1912/05/14 伊那町 1954/11/10 伊那市
美濃市 美濃市 長良川鉄道 1923/10/05 美濃町 1954/11/10 美濃市
土岐市 土岐市 JR東海 1902/12/21 土岐津 1965/07/01 土岐市
瀬戸市 瀬戸市 愛知環状鉄道 1988/01/31 瀬戸市
刈谷市 刈谷市 名鉄 1914/02/05 刈谷町 1952/03/01 刈谷市
豊田市 豊田市 名鉄 1920/11/01 挙母 1959/10/01 豊田市
伊勢市 伊勢市 JR東海 1897/11/11 山田 1959/07/15 伊勢市
伊勢市 近鉄 1930/09/21 山田 1959/07/15 伊勢市
上野市伊賀市 上野市 近鉄 1916/08/08 上野町 1941/09/10 上野市 2004/11/01合併により上野市消滅
鈴鹿市 鈴鹿市 近鉄 1925/12/20 伊勢神戸 1963/04/08 鈴鹿市
熊野市 熊野市 JR東海 1940/08/08 紀伊木本 1959/07/15 熊野市
八幡市 八幡市 京阪 1910/04/15 八幡 1939/12/25 岩清水八幡宮前
1948/01/01 八幡町
1977/11/01 八幡市
2019/10/01 岩清水八幡宮
堺市 堺市 JR西日本 1937/09/03 阪和堺 1940/12/01 境金岡
1944/05/01 金岡
1965/03/01 堺市
高槻市 高槻市 阪急 1928/01/16 高槻町 1943/01/01 高槻市
守口市 守口市 京阪 1910/04/15 守口 1971/06/20 守口市
枚方市 枚方市 京阪 1910/04/15 枚方東口 1949/10/01 枚方市
茨木市 茨木市 阪急 1928/01/16 茨木町 1948/01/01 茨木市
寝屋川市 寝屋川市 京阪 1910/04/15 寝屋川 1951/08/20 寝屋川市
門真市 門真市 京阪 1971/06/20 新門真 1975/03/23 門真市
門真市 大阪モノレール 1997/08/22 門真市
摂津市 摂津市 阪急 2010/03/14 摂津市
交野市 交野市 京阪 1929/07/10 交野 1977/11/01 交野市
大阪狭山市 大阪狭山市 南海 1898/01/26 狭山遊園前 2000/12/23 大阪狭山市
西脇市 西脇市 JR西日本 1913/10/22 野村 1990/04/01 西脇市
大和高田市 高田市 近鉄 1929/03/29 高田町 1948/01/01 高田市
和歌山市 和歌山市 JR西日本 1903/03/21 和歌山市
和歌山市 南海 1903/03/21 和歌山市
出雲市 出雲市 JR西日本 1910/10/10 出雲今市 1957/10/01 出雲市
電鉄出雲市 一畑電鉄 1914/04/29 出雲今市 1957/10/01 出雲市
1964/04/01 電鉄出雲市
大田市 大田市 JR西日本 1915/07/11 石見大田 1971/02/01 大田市
平田市 平田市 一畑電鉄 1914/04/29 雲州平田 1970/10/01 平田市 2005/03/22出雲市に合併
2005/03/22 雲州平田
倉敷市 倉敷市 水島臨海鉄道 1948/08/20 倉敷市
長門市 長門市 JR西日本 1924/11/03 正明市 1962/11/01 長門市
松山市 松山市 伊予鉄道 1888/10/28 松山 1889/07/20 外側
1902/06/01 松山
1927/03/01 松山市
伊予市 伊予市 JR四国 1930/02/27 南郡中 1957/04/01 伊予市
日向市 日向市 JR九州 1921/10/11 富高 1963/05/25 日向市


先輩に敬意を表す

この「*市」駅のうち、接尾語の「市」がつかない駅名(旧国名等の接頭語を冠している駅名を含む)が隣接して存在するケースが次の19駅ある。
 
表3 「*市」駅と隣接*駅
駅名 事業者 開業日 改称日 同名駅 事業者 開業日 備考
龍ケ崎市 JR東日本 1900/08/14 2020/03/14 竜ヶ崎 関東鉄道 1900/08/14
足利市 東武 1907/08/27 足利 JR東日本 1888/05/22
佐野市 東武 1914/08/02 佐野 JR東日本・東武 1888/05/22
川越市 東武 1914/05/01 川越 JR東日本・東武 1915/04/01 東武所属
行田市 秩父鉄道 1921/04/01 1966/06/01 行田 JR東日本 1966/07/01
瀬戸市 愛知環状鉄道 1988/01/31 尾張瀬戸 名鉄 1905/04/02
刈谷市 名鉄 1914/02/05 刈谷 JR東海 1888/09/01
上野市 近鉄 1916/08/08 伊賀上野 JR西日本 1897/01/15
鈴鹿市 近鉄 1925/12/20 1963/04/08 鈴鹿 伊勢鉄道 1973/09/01
堺市 JR西日本 1937/09/03 1965/03/01 南海 1888/05/15
高槻市 阪急 1928/01/16 高槻 JR西日本 1876/07/26
守口市 京阪 1910/04/15 1971/06/20 守口 大阪市交通局 1983/02/08
茨木市 阪急 1928/01/16 茨木 JR西日本 1876/08/09
摂津市 阪急 2010/03/14 摂津 大阪モノレール 1997/08/27
大阪狭山市 南海 1898/01/26 2000/12/23 狭山 南海 1898/01/26
高田市 近鉄 1929/03/29 高田 JR西日本 1891/03/01
和歌山市 JR西日本・南海 1903/03/21 和歌山 JR西日本 1898/05/04 現紀和
倉敷市 水島臨海鉄道 1948/08/20 倉敷 JR西日本 1891/04/25
松山市 伊予鉄道 1888/10/28 1927/03/01 松山 JR四国 1927/04/03
注) 市駅への改称日(「*町」駅から「*市」駅への改称を除く)

地名のみの駅が存在し、その隣接地に新たに駅を設置するときは、既存駅に敬意を表して「新」、「本」や事業者名など、既存駅名に接頭・接尾語を加えた駅名をつけるのが一般的である。「*市」駅はその一つの命名法であり、この範疇に該当するのが、足利市、佐野市、刈谷市、上野市、高槻市、茨木市、高田市(以上開業当時は「*町」)及び瀬戸市、和歌山市、倉敷市の各駅である。とくに、先行して開業した国鉄駅が市街地から離れた場所にあり、その後私鉄が市の中心部に駅を設置するようなときに、このような命名法が採られた。摂津市駅も先行開業の摂津があるが、旧国名市については後述する。

これに対して、後に国鉄駅が開業したため、先行して設置されていた私鉄の駅が改称を余儀なくされたケースがある。これに該当するのが伊予鉄道・松山市と秩父鉄道・行田市駅で、もともと市をつけない駅名を名乗っていたが、国鉄の同名駅開業にほぼ1ヶ月先行して、それぞれ「*市」に改称した。 川越市は、川越駅よりも早く開業したが、六軒町から川越町への改称日(不明)が川越駅の開業よりも遅かったものと思われる。

龍ケ崎市駅はこれらとは逆で、市の中心部の関東鉄道の竜ヶ崎駅に対し、市の玄関口にある。改称前の佐貫駅は日本鉄道磐城線時代の1900年8月14日、竜崎鉄道(鹿島参宮鉄道を経て現関東鉄道)竜ヶ崎線の開業と同時に、稲敷郡馴柴村字佐貫に設置された。馴柴村は1954年龍ケ崎町が市制施行した際龍ケ崎市に編入され、佐貫駅は龍ケ崎市内の駅になった。龍ケ崎市が「市内唯一のJR駅なのに市の名前がない」からと改称を主導し、改称に伴うシステム改修などのコストを全額負担することをJR水戸支社と合意して改称に至ったが、従来の命名法からいえば、龍ケ崎口または龍ケ崎佐貫である。関東鉄道は、佐貫も竜ヶ崎も改称しない。

鈴鹿市は伊勢神戸からの改称であるが、当時伊勢鉄道(旧国鉄伊勢線)の鈴鹿は開業していなかったにもかかわらず鈴鹿市と名乗った。これは、町村合併による新市名に広域地名を採用したグループ(後述)に属する。京阪の守口市駅も、従来単に守口と称していたが、守口市に改称後、大阪市地下鉄の守口駅が開業したもので、この分類にはあてはまらない。京阪の「*市」駅については後で触れる。


市制施行による改称

前述したとおり、町村合併等により市に昇格したときに市名を駅名に一致させるという傾向がある。市制施行による「*市」駅の改称の経緯を表4に示す。
 
表4 市制施行による駅名改称
駅名 事業者 駅名改称日 旧駅名 市制施行日 旧市町村名
十和田市 十和田観光電鉄 1969/05/15 三本木 1956/10/10 三本木市 (1955/2/1、三本木町、大深内村、藤坂村、四和村合併により市制施行)
足利市 東武 1924/08/25 足利町 1921/01/01 足利町
佐野市 東武 1943/04/01 佐野町 1943/04/01 佐野町、植野村、界村、犬伏町、堀米町、旗川村
川越市 東武 1922/12/01 川越町 1922/12/01 川越町、仙波村
行田市 秩父鉄道 1966/06/01 行田 1949/05/03 忍町
狭山市 西武 1979/03/25 入間川 1954/07/01 入間川町、入間村、堀兼村、奥富村、柏原村、水富村
入間市 西武 1967/04/01 豊岡町 1966/11/01 武蔵町 (1956/9/30、豊岡町、金子村、宮寺村、藤沢村、西武町の一部が合併)
和光市 東武 1970/12/01 大和町 1970/10/31 大和町
野田市 東武 1950/05/30 野田町 1950/05/03 野田町、梅郷村、旭村、七福村
東大和市 西武 1979/03/25 青梅橋 1970/10/01 大和町
都留市 富士山麓鉄道 1965/03/01 谷村横町 1954/04/29 谷村町、宝村、禾生村、盛岡村、東桂村
山梨市 JR東日本 1962/01/15 日下部 1954/07/01 加納岩町、日下部町、八幡村、山梨村、日川村、後屋敷村、岩手村
伊那市 JR東海 1954/11/10 伊那町 1954/04/01 伊那町、手良村、美篶村、富県村、東春近村、西箕輪村
美濃市 長良川鉄道 1954/11/10 美濃町 1954/04/01 美濃町、大矢田村、上牧村、下牧村、洲原村、藍見村、中有知村
土岐市 JR東海 1965/07/01 土岐津 1955/02/01 土岐津町、駄知町、曽木村、鶴里村、下石町、妻木町、肥田村、泉町
瀬戸市 愛知環状鉄道 1988/01/31 瀬戸市 1929/10/01 瀬戸町
刈谷市 名鉄 1952/03/01 刈谷町 1950/04/01 刈谷町
豊田市 名鉄 1959/10/01 挙母 1959/04/01 挙母市 (1951/3/1、挙母町が昇格市制施行)
伊勢市 JR東海・近鉄 1959/07/15 山田 1955/01/01 宇治山田市 (1906/9/1、宇治山田町が昇格市制施行)
上野市 近鉄 1941/09/10 上野町 1941/09/10 上野町、小田村、三田村、城南村、新居村、長田村、花之木村
鈴鹿市 近鉄 1963/04/08 伊勢神戸 1942/12/01 国府村、庄野村、高津瀬村、牧田村、石薬師村、白子町、神戸町、稲生村、飯野村、河曲村、一ノ宮村、箕田村、玉垣村、若松村
熊野市 JR東海 1959/07/15 紀伊木本 1954/11/03 木本町、荒阪村、新鹿村、有井村、神川村、五郷村、飛鳥村、泊村
八幡市 京阪 1977/11/01 八幡町 1977/11/01 八幡町
堺市 JR西日本 1965/03/01 金岡 1889/04/01
高槻市 阪急 1943/01/01 高槻町 1943/01/01 高槻町
守口市 京阪 1971/06/20 守口 1946/11/01 守口町、三郷町
枚方市 京阪 1949/10/01 枚方東口 1947/08/01 枚方町
茨木市 阪急 1948/01/01 茨木町 1948/01/01 茨木町、三島村、春日村、玉櫛村
寝屋川市 京阪 1951/08/20 寝屋川 1951/05/03 寝屋川町
門真市 京阪 1975/03/23 新門真 1963/08/01 門真町
交野市 京阪 1977/11/01 交野 1971/11/03 交野町
大阪狭山市 南海 2000/12/23 狭山遊園前 1987/10/01 狭山町
西脇市 JR西日本 1990/04/01 野村 1952/04/01 西脇町、日野村、重春村、比延庄村
高田市 近鉄 1948/01/01 高田町 1948/01/01 高田町
天理市* JR西日本 1963/05/26 丹波市 1954/04/01 丹波市町、朝和村、福住村、二階堂村、柳本町、櫟本町
和歌山市 JR西日本 1903/03/21 和歌山市 1889/04/01
出雲市 JR西日本 1957/10/01 出雲今市 1941/11/03 出雲町
大田市 JR西日本 1971/02/01 石見大田 1954/04/01 大田町、久手町、波根東村、鳥井村、長久村、川合村、久利村、静間村
平田市** 一畑電鉄 1970/10/01 雲州平田 1955/01/01 平田町、佐香村、北浜村
倉敷市 水島臨海鉄道 1924/11/03 倉敷市 1928/04/01 倉敷町
長門市 JR西日本 1962/11/01 正明市 1954/03/31 仙崎町、深川町、通村、俵山村
松山市 伊予鉄道 1927/03/01 松山 1889/04/01
伊予市 JR四国 1957/04/01 南郡中 1955/01/01 郡中町、南伊予村、北山崎村、南山崎村
日向市 JR九州 1963/05/25 富高 1951/04/01 富島町、岩脇村
* 1965/09/01 天理に改称、**2005/03/22 雲州平田に再改称

市制施行にあたって旧町名を使用したか、別の名前をつけたか(その後の市名の改称を含む)によって、「*市駅」の性格が異なる。町名のまま市に昇格した (市制発足と同時に市制施行した堺、和歌山、松山を含む)のは、

足利、佐野、川越、野田、伊那、美濃、瀬戸、刈谷、上野、八幡、堺、高槻、守口、枚方、茨木、寝屋川、門真、交野、大阪狭山、西脇、(大和)高田、和歌山、出雲、大田、平田、倉敷、松山
の27市、新市名を付けたのは、表で網掛けした
十和田、行田、狭山、入間、和光、東大和、都留、山梨、土岐、豊田、伊勢、鈴鹿、熊野、長門、伊予、日向
の16市である。

町名のまま市に昇格したグループは、隣接して同名駅があるためにもともと「*町」駅であったものがほとんどである。このような「*町」駅から「*市」駅への改称は、市制施行と同時または直後に行われることが多い(同一町名からの昇格でもまだ改称されていない向日町のような例外もある)。逆に、新市名に従来の市町村名と異なった名前を採用した場合は、隣接同名駅の有無にかかわらず(このグループで隣接同名駅が存在するのは、行田市のみである)「*市」駅とすることがある[3]。このケースでは、市制施行の直後に改称という例は和光市しかなく、10年程度経過して新市名がこなれてから改称される例が多い。

合併による市制施行にあたって旧町名を変更する場合、広い地域をカバーする地名や抽象的な名称が市名に採用される。広域地名の中で多く使われるのは旧国名である。市昇格にあたって旧国名を採用した伊勢市、長門市、伊予市、日向市の4市は、代表駅名も「*市」駅に改称した。このほかに、町名のまま市に昇格した美濃市と出雲市も、「*市」駅である。美濃市は市名・駅名ともに美濃町からの改称であり、出雲市は出雲町時代の駅名の出雲今市が出雲市に改称された。なお、北海道の北見、釧路、根室の各駅は、旧国名が市名となっているが、駅名に「市」をつけていない[4]

旧国名市が「*市」駅を称するのは、旧国名が接頭語となっている他の駅と紛らわしくなるのを避けるためだろう。たとえば出雲を接頭語とする駅は6駅ある。旧大阪高速鉄道の摂津駅は、モノレール路線なので、「摂津」を冠した他の駅と混同されることはないと判断したためか。その後2010年に開業した阪急京都線の新駅は、摂津市駅となった。なお、いわき市のようにひらがなの市は、このルールにあてはまらない。旧国名の磐城を冠した駅は多数あるが、合併により誕生したいわき市は、「平」を「いわき」に改称した。大湊(むつ市)や志度(さぬき市)も、将来改称されることがあれば、市をつけずに「むつ」や「さぬき」になるだろう[5]

入間市、都留市、山梨市、土岐市、鈴鹿市は、郡名を新市名に採用した。同名の伊那町から昇格した伊那市も、伊那松島など9駅の接頭語に使われている郡名であり、町時代の駅名も伊那町だった。山梨市は郡名=県名を採用したものだが、他に山梨を冠した駅名がなくとも、単に山梨とすると紛らわしい。入間市は旧国名の武蔵町からの改称であるが、駅名は武蔵町の前身である豊岡町からの改称となった。

十和田市は三本木からの改称であるが、十和田は十和田湖として有名な地名(十和田湖町も存在したが、2005/01/01十和田市と合併した)であるので、市をつけたのだろう。豊田市は挙母が市名をトヨタ自動車に合わせて改称したときに、「*市」駅として誕生した。和光市は公募された抽象市名である。

狭山市は、市制施行に伴う入間川からの改称であるが、狭山が広域地名であることと同時に、南海高野線に狭山駅が存在したことも影響していると思われる。逆に、大阪の狭山町が後に市に昇格したときに、既に狭山市が存在したために、大阪狭山市と名乗ることになった。そして、狭山ではなく狭山遊園前が大阪狭山市に改称され、「*市」駅となった。


その他のパターン

以上のルールに当てはまらないのが、京阪の「*市」駅と野田市、西脇市、平田市(出雲市への合併によりもとの雲州平田に戻った)、大田市である。これらは、開業(改称)当時隣接地に同名駅もなく、同名町からの市昇格であるが「*市」を名乗っている。

京阪の「*市」駅6駅のうち、八幡市、守口市、寝屋川市、交野市の4駅は、単に「*」駅だったのをわざわざ「*市」駅に改称したものである。なお門真市は新門真から、枚方市は枚方東口からの改称である。京阪には、かつて存在した駅名を再使用しないというルールがあるようだ。八幡市は1910年の開業時には「八幡=はちまん」であったが、その後「石清水八幡宮前」、「八幡町」に改称され、1977年の市制施行に伴い「八幡市」となった。門真市の場合は、門真駅が西三荘と新門真とに分駅され、その後新門真が門真市となった。かつて存在した枚方駅は現在の枚方公園駅であり、枚方市駅は枚方東口からの改称である。守口市、寝屋川市、交野市は、枚方市、八幡市の改称時にそろえて変更になったもの。その結果京阪線の市代表駅はすべて「*市」駅となった(前述のとおりその後八幡市は石清水八幡宮に再改称)。

野田市は野田町から、平田市は雲州平田から改称された(平田市は出雲市への合併によりもとに戻った)。これは、遠隔地にある同名駅(国鉄西成線野田駅、近江鉄道の平田駅)と区別するためだろうか。西脇市は、西脇町からの昇格であるが、駅名は西脇市を名乗っている。1990年4月鍛冶屋線「西脇」駅の廃止に伴い、代わりに野村を西脇市に改称し、市代表駅名ととしたものである。1971年2月石見大田から改称した大田市は、このルールから外れている。1955年に同名の大田町からの昇格であり、隣接地にも遠隔地にも同名駅はないが、「*市」駅となっている。


まとめ

さて、以上考察したように、「*市」駅は隣接する「*」駅と区別するために、または広域・抽象地名を市名として採用した場合に、命名されるようだ。これを市制施行(改称)にあたって旧町名のままか、異なった名前を採用したかという二つの視点から分類すると表5のようになる。
 
表5 「*市」駅の分類
隣接駅との区別 広域・抽象地名の市名 その他・不明
町名のまま市に昇格 足利市、佐野市、川越市、瀬戸市、刈谷市、上野市、堺市、高槻市、茨木市、大阪狭山市、(大和)高田市、和歌山市、倉敷市、松山市 美濃市、出雲市(国名)、伊那市(郡名) 八幡市、守口市、枚方市、寝屋川市、門真市、交野市(京阪)、野田市、平田市(遠隔同一駅名?)、西脇市(旧隣接同一駅名)、大田市(不明)
旧町村名と異なった市名 行田市 摂津市、伊勢市、長門市、伊予市、日向市(国名)、入間市、都留市、山梨市、土岐市、鈴鹿市(郡名)、十和田市、狭山市、入間市、熊野市(その他広域地名)、和光市、東大和市、豊田市(抽象地名等) /td>

[1] 詳細は、市名と駅名の関係(市代表駅)町村名と駅名の関係(町村代表駅)を参照。1999年4月以降に誕生した市で、駅を有する市のうち、Aタイプに属するのは、潮来、白井、栗東、守谷、千曲(後に市名と同名の駅が開業)、本巣、下呂、養父、甲賀、野洲、常陸大宮、那須塩原、菊川、阿蘇、上野原、米原、小城、うきは、にかほ(駅名は、仁賀保)、伊達(福島)、志布志、神埼、香取、弥富、岩出、本宮、姶良、野々市、白岡、滝沢の30市である(鹿島鉄道の廃止により鉾田市はAからCとなった)。一方従来のAタイプの市のうち、合併により消滅または市名が変更となった田無、保谷、清水、大宮、浦和、与野、徳山、新南陽、川之江、伊予三島、川内、黒磯、松任、八日市、新津、豊栄、大曲、小野田、下館、岩槻、新井、中村、浜北、上福岡、武生、串木野、塩山、国分、原ノ町、水海道、久居、八日市場、水沢、今市、甘木、佐原、古川の37市がAタイプから外れた。また、輪島市と珠洲市がのと鉄道の廃止により外れ、つくば市と八潮市がつくばエクスプレス開業により加わった。
[2] 上野市は、2004/11/01他の5町村と合併し、伊賀市となったが、上野市駅は存続している。平田市は、2005/03/22、佐田町、多伎町、湖陵町、大社町とともに出雲市に合併し、平田市駅はもとの雲州平田に戻った。
[3] ただし、市制施行で従来の市町村名と異なった名前を採用した市が駅名を市名にあわせて改称する場合は、「*市」駅とせず、単独市名駅とする方が多く、次の各市が該当する。
市名 市制施行日 旧市町村名 駅名 事業者 駅改称日 旧駅名
海南市 1934/05/01 黒江町、内海町、日方町、大野村 海南 JR西日本 1936/07/01 日方町
館山市 1939/11/03 館山北条町、那古町、船形町 館山 JR東日本 1946/03/01 安房北条
能代市 1940/10/01 能代港町、東雲村、榊村 能代 JR東日本 1909/11/01 能代町
泉大津市 1942/04/01 大津町 泉大津 南海 1942/07/0 大津
富士宮市 1942/06/01 大宮町、富丘村 富士宮 JR東海 1942/10/01 大宮町
春日井市 1943/06/01 勝川町、鷹来村、篠木村、鳥居松村 春日井 JR東海 1946/05/01 鳥居松
泉佐野市 1948/04/01 佐野町 泉佐野 南海 1948/04/01 佐野
碧南市 1948/04/05 新川町、大浜町、棚尾町、旭村 碧南 名鉄 1954/04/01 大浜港
日南市 1950/01/01 飫肥町、吾田町、油津町、東郷村 日南 JR九州 1952/01/01 吾田
男鹿市 1954/03/31 船川港町、脇本村、五里合村、男鹿中村、戸賀村 男鹿 JR東日本 1968/04/01 船川
相馬市 1954/03/31 中村町、大野村、飯豊村、八幡村、山上村、玉野村、日立木村、磯部村 相馬 JR東日本 1961/03/20 中村
美祢市 1954/03/31 大嶺町、伊佐町、於福村、東厚保村、西厚保村、豊田前町 美祢 JR西日本 1963/10/01 吉則停留場→吉則
北上市 1954/04/01 黒沢尻町、飯豊村、鬼柳村、二子村、更木村、相去村、福岡村 北上 JR東日本 1954/11/10 黒沢尻
黒部市 1954/04/01 桜井町、生地町 黒部 JR西日本・富山地鉄 1956/04/10 三日市
羽島市 1954/04/01 竹ヶ鼻町、足近村、小熊村、正木村、福寿村、江吉良村、堀津村、上中島村、下中島村、桑原村 羽島* 名鉄 1959/04/01 竹鼻→西竹鼻
恵那市 1954/04/01 大井町、長島町、東野村、三郷村、武並村、笠置村、中野方村、飯地村 恵那 JR東海・明知鉄道 1963/11/01 大井
昭島市 1954/05/01 昭和町、拝島村 昭島 JR東日本 1959/10/01 昭和前(仮)→昭和前
江南市 1954/06/01 古知野町、布袋町、宮田町、草井村 江南 名鉄 1981/11/10 古知野
駒ヶ根市 1954/07/01 上赤穂町、宮田町、 中沢村、 伊那村 駒ヶ根 JR東海 1959/10/01 赤穂
村山市 1954/11/01 楯岡町、西郷村、大倉村、大久保村、富本村、戸沢村 村山 JR東日本 1999/12/04 楯岡
串間市 1954/11/01 福島町、大束村、本城村、都井村、市木村 串間 JR九州 1959/10/01 福島仲町
松浦市 1955/01/01 新御厨町、志佐町、調川町 松浦 松浦鉄道 1959/10/01 志佐
阿南市 1958/05/01 富岡町、橘町 阿南 JR四国 1966/11/01 阿波富岡
三沢市 1958/09/01 大三沢町 三沢 JR東日本 1961/03/20 古間木
いわき市 1966/10/01 平市など5市、4町、5村 いわき JR東日本 1994/12/03
尾張旭市 1970/12/01 旭町 尾張旭 名鉄 1971/11/01 新居→旭新居
二戸市 1972/04/01 福岡町、金田一村 二戸 JR東日本 1987/02/01 福岡→北福岡
大野城市 1972/04/01 大野町 大野城 JR九州 1989/03/11 白木原
長岡京市 1972/10/01 長岡町 長岡京 JR西日本 1995/09/01 神足
秋川市(旧) 1972/05/05 秋多町 秋川 JR東日本 1987/03/31 西秋留
京田辺市 1997/04/01 田辺町 京田辺 JR西日本 1997/03/08 田辺
*1982/12/11羽島市役所前駅に改称
[4] 北海道の国名は明治になってから1869年に制定されたものである。釧路と根室は、国名制定以前の江戸時代に交易が行われた「場所」名である。「場所」名が広域地名の国名に使用されたものであって、国名が市名に採用されたわけではない。一方、北見は野付牛町からの市制施行時に国名の北見を市名に採用し、駅名も野付牛から北見に改称した。当時は北見を冠した国名接頭語駅も存在したので、内地の例に倣えば、北見市駅と称するところだった。
[5] 旧国名市駅の8市、ひらがな旧国名市の3市、北海道3市の他に、旧国名(通称の州名を含む)を名乗る市は、奥州市(水沢)、下野市(小金井)、加賀市(大聖寺)、越前市(武生)、甲斐市(竜王)、甲州市(塩山)、飛騨市(飛騨古川)、伊豆市(修善寺)、志摩市(鵜方)、伊賀市(伊賀上野)、和泉市(和泉府中)、丹波市(石生)、美作市(林野)、備前市(備前片上)、筑後市(羽犬塚)及び豊前市(宇島)がある。加賀市、和泉市、備前市、筑後市及び豊前市は、それぞれ市制施行後30年から50年となるのに改称されていない。その他の奥州市、甲斐市、飛騨市、伊豆市等は平成の大合併で市制施行したものであり、それぞれの市代表駅が市名にあわせて「*市」駅に改称されることがあるだろうか。なお、町村では2003年4月合併で誕生した熊本県あさぎり町の免田駅が6年後にあさぎり駅に改称した例がある。また、2010年3月25日、越前市の福井鉄道の武生新が越前武生に、2011年3月12日の九州新幹線開業に伴い、筑後市の船小屋が筑後船小屋にそれぞれ改称した。これらは、旧国名というよりも市名を冠したと解釈することもでき、これは旧国名市における新たな駅名命名法といえる。

改訂履歴
2004/08/11: 駅名接頭・接尾語考として掲載
2005/04/10: 2005年4月1日までの市町村合併による変化を注記(脚注2)
2005/09/30: その後の市町村合併による変化を記載、「*市」駅の分類(表5)の再構成など、大幅に改稿
2005/10/23: 脚注3に、北海道の旧国名について加筆
2005/11/03: 「*市」駅の旧国名市駅について(本文、脚注3、4)訂補
2006/05/28: 表1及び脚注1に、2006年4月1日までの市町村合併による変化を追加
2006/05/31: 脚注4に、2006年4月1日までの市町村合併による変化を追加
2010/09/18: 2010年3月31日の平成の大合併終了によりデータを更新。表1を1999年から2010年までの推移に変更。「*市駅」本文を改稿、加筆。脚注1、2、3、4の記載をアップデート
2010/10/06: 市町村名と駅名の関係を見直し、表1を変更
2011/03/31: 脚注のみに記述していた2010年3月開業の摂津市駅(阪急・京都線)について、表2、表3及び本文中に記載
2011/09/19: 駅名接頭・接尾語考から独立
2011/10/10: 表1の数字を訂正
2011/11/13: 表1の数字を訂正
2012/04/16: 表1に2012年3月31日時点の数字を追加
2013/03/25: 表1の数字を訂正、2013年3月31日時点の数字を追加。脚注3の表に、いわき市を追加
2013/12/31: 漏れていた2012年4月1日の十和田観光電鉄の廃止を反映し、表1を訂正、表2に備考欄を設け追記
2018/09/30: 10月1日付の那珂川町の市制施行を機に更新。表1をアップデートし、 脚注1にその後市制施行した野々市、白岡、滝沢を追加
2020/03/13: 昨年10月1日の八幡市駅の石清水八幡宮駅への改称及び3月14日の佐貫駅の龍ケ崎市駅への改称を反映し、表2、表3に記載、改稿。表1を2020年まで記載
2020/06/02: 6月1日改称の大阪高速鉄道を大阪モノレールに変更
2022/04/03: 表1の推移表に2021、2022年度末の数字を追加。4月1日の富士急行の鉄道部門分社化に伴い表2及び表4の都留市の事業者名を変更(デスクトップ鉄の雑記帳のコメントで指摘を受けました)