第1編 総則

(この規則の目的)
第1条 この規則は、日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)の旅客及び荷物の運送並びにこれに附帯する入場券の発売・携帯品の一時預り等の事業(以下「旅客及び荷物の運送等」という。)について合理的な取扱方を定め、もつて利用者の便利と事業の能率的な遂行を図ることを目的とする。

(適用範囲)
第2条 国鉄線による旅客及び荷物の運送等については、別に国鉄が公示する場合を除いて、この規則を適用する。

(用語の意義)
第3条 この規則におけるおもな用語の意義は、次の通りとする。
(1) 「国鉄線」とは、国鉄の経営する鉄道・航路及び自動車線をいう。
(2) 「駅」とは、旅客又は荷物の取扱をする停車場・営業所及び自動車営業所をいう。
(3) 「列車等」とは、旅客又は荷物の運送を行う列車・連絡船及び自動車をいう。
(4) 「急行列車」とは、特別急行列車・普通急行列車及び準急行列車をいう。
(5) 「乗車券」とは、乗車券・乗船券及び乗車船券をいう。
(6) 「乗車券類」とは、乗車券・急行券・指定券及び寝台券をいう。
(7) 「旅行開始」とは、旅客が旅行を開始する駅において、乗車券の改札を受けて入場することをいう。但し、駅員無配置駅から旅客が乗車する場合は、その乗車することをいう。
(8) 「荷物」とは、手荷物及び小荷物をいう。
(9) 「荷物切符」とは、手荷物切符及び小荷物切符をいう。
(10) 「荷物切符類」とは、有料手回り品切符・荷物切符・荷物さしず切符及び一時預り切符をいう。

(運賃・料金前払の原則)
第4条 旅客及び荷物の運送等の契約の申込を行おうとする場合、旅客・荷主等は、現金をもつて、所定の運賃・料金を提供するものとする。但し、国鉄において特に認めた場合は、後払とすることができる。
2 前項の規定にかかわらず、定期旅客運賃・団体旅客運賃・貸切旅客運賃並びに団体旅客及び貸切旅客に対する料金については、旅客は、国鉄において特に認めた小切手・郵便為替証書又は郵便振替貯金払出証書をもつて支払うことができる。

(契約の成立時期及び適用規定)
第5条 旅客及び荷物の運送等の契約は、その成立について別段の意思表示があつた場合を除き、旅客・荷主等が所定の運賃・料金を支払い、乗車券類・荷物切符類等その契約に関する証票の交付を受けた時に成立する。
2 前項の規定によつて契約の成立した時以後における取扱は、別段の定をしない限り、すべてその契約の成立した時の規定によるものとする。

(旅客及び荷物の運送等の制限又は停止)
第6条 旅客及び荷物の運送等の円滑な遂行を確保するため必要があるときは、次の各号に掲げる制限又は停止をすることがある。
(1) 乗車券類及び入場券の発売駅・発売枚数・発売時間・発売方法の制限又は発売の停止
(2) 乗車船区間・乗車船経路・乗車船方法・入場方法又は乗車船する列車等の制限
(3) 手回り品の長さ・容積・重量・個数・品目・持込区間又は持込の列車等の制限
(4) 荷物及び一時預り品の長さ・容積・重量・個数・品目・取扱時間の制限又は受託若しくは取扱の停止
2 前項の制限又は停止をする場合は、その旨を関係駅に掲示する。

(運行不能の場合の取扱方)
第7条 列車等の運行が不能となつた場合は、その不通区間内着となる旅客若しくは荷物又はこれを通過しなければならない旅客若しくは荷物の取扱をしない。但し、運輸上支障のない場合で、且つ、旅客が次の各号に掲げる条件を承諾するときは、その不通区間内着又は通過となる乗車券を発売し、又は手荷物の受託をすることがある。
(1) 不通区間については、任意に旅行する。
(2) 不通区間に対する旅客運賃の払いもどしの請求をしない。
(3) 手荷物は、開通後に運送する。
2 前項但書の規定は、急行券・座席指定券又は特別2等車券についてこれを準用する。但し、不通区間通過となる場合でその前後の区間の乗車列車について継続の手配を講じたときに限る。
3 列車等の運行が不能となつた場合であつても、国鉄において地方鉄道・軌道・自動車・船舶等の運輸機閉の利用又はその他の方法によつて連絡の措置をして、その旨を関係駅に掲示したときは、その不通区間は開通したものとみなして、旅客又は荷物の取扱をする。

(キロ程のは数計算方)
第8条 キロ程を用いて運賃・料金を計算する場合の1キロメートル未満のは数は、1キロメートルに切り上げる。

(期間の計算方)
第9条 期間の計算をする場合は、その初日は時間の長短にかかわらず、1日として計算する。荷物又は一時預り品の引渡しの日についてもまた同じ。

(乗車券類・荷物切符類等に対する証明)
第10条 国鉄において、乗車券類・荷物切符類等、旅客及び荷物の運送等の契約に関する証票に証明を行う場合は、当該証票にその証明事項を記入し、相当の証印を押す。
(旅客・荷主等の提出する書類)
第11条 旅客及び荷物の運送等の契約に関して、旅客・荷主等が国鉄に提出する書類は、墨又はインキをもつて記載し、且つ、特に定めるものについては、これに証印を押すものとする。
2 旅客・荷主等は、前項の規定による書類の記載事項の一部を訂正した場合は、その訂正箇所に、相当の証印を押すものとする。


第2編 旅客運送

第1章 通則

(列車等の等級及び表示)
第12条 列車又は連絡船の等級は、その設備によつて、列車にあつては1等・2等及び3等、連絡船にあつては2等及び3等とする。自動車はすべて3等として取り扱う。
2 1等又は2等の旅客運賃又は急行料金を収受する客車又は船室及び寝台料金等の特別の料金を収受する施設については、その客車又は船室入口等の旅客の見やすい箇所に相当の表示を行う。

(乗車券類の購求及び所持)
第13条 列車等に乗車船する旅客は、その乗車船する等級の客車又は船室に有効な乗車券を購求し、これを所持しなければならない。
2 前項の規定による外、旅客は、急行列車に乗車する場合は急行券を、特別2等車(特別急行列車及び普通急行列車に連結する特別2等車を除く。以下同じ。)に乗車する場合は特別2等車券を、特別2等船室を使用する場合は特別2等船室券を、指定車(座席指定料金を収受する列車又は客車をいう。)に乗車する場合は座席指定券を、寝台を利用する場合は寝台券をそれぞれ購求し、所持しなければならない。 
3 前各項の規定にかかわらず、駅員無配置駅から乗車する旅客又は係員の承諾を得て乗車券類を購求しないで乗車船した旅客は、列車等に乗車船後において、直ちに相当の乗車券類を購求するものとする。

(キロ程)
第14条 旅客の運送条件をキロメートルをもつて定める場合は、鉄道営業キロ程・航路営業キロ程又は自動車線キロ程による。
2 前項の規定にかかわらず、次の図に掲げる区間のキロ程は、次の図中に示したキロ程による。但し、通勤定期乗車券又は通学定期乗車券の場合を除く。

備考 図中の数字は、駅間のキロ程である。単位は、キロメートルとする。

(駅員無配置駅の旅客の取扱方)
第15条 駅員無配置駅から乗車する旅客の取扱は、列車又は自動車の乗務員が行う。

(連絡船旅客名簿)
第16条 青森・函館間の航路を運行する連絡船に乗船する旅客は、連絡船旅客名簿に必要事項を記入し、乗船の際、これを係員に提出しなければならない。旅客が随伴する幼児又は乳児についてもまた同じ。
2 連絡船旅客名簿の様式は、次の通りとする。
 第1種 大人・小児用
 第2種 幼児・乳児用
備考 (1)  この様式は、第1種のものとする。
(2)  第2種のものは、用紙の色を淡桃色とする外、「連絡線旅客名簿(大人・小児用)」を「連絡線旅客名簿(幼児・乳児用)」と、注意第2号を「この名簿は、6才未満の旅客用のものです。6才以上の旅客は、白色の用紙の名簿(大人・小児用)を御使用ください。」と印刷する。
(3)  連絡線旅客名簿は、必要によつて、表示事項を和英両文で表示することがある。
(4)  特別急行列車から接続の連絡線に乗り継ぐ旅客に対するものにあつては、表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線3条を印刷する。
3 団体旅客にあつては、代表者が便宜の用紙に旅客の氏名・年齢・住所及び乗船等級を連記したものを2通作成し、これをもつて、前各項の規定による連絡船旅客名簿に代えることができる。

(自動車線駅と鉄道駅との特殊取扱)
第17条 次の各号に掲げる自動車線の駅は、かつこ内の鉄道駅と同一の駅とみなして旅客の取扱をする。
(1)  沼宮内西本線   好摩口(東北本線好摩)
(2)  仙台南線   岩沼町(東北本線岩沼)
(3)  桶売線   夏井駅前(磐越東線夏井)
(4)  吾妻本線   小野上駅前(長野原線小野上)・中之条駅前(長野原線中之条)・川原湯駅前(長野原線川原湯)
(5)  宝達線   津幡駅前(北陸本線津幡)
(6)  敦賀線  塩津駅前(北陸本線近江塩津)
(7)  直方本線  筑前土井(香椎線土井)

第2章 乗車券類の発売

第1節 通則

(乗車券類の種類)
第18条 乗車券類の種類は、次の通りとする。
(1) 乗車券
 イ 普通乗車券 片道乗車券
         往復乗車券
         連続乗車券
 ロ 定期乗車券 普通定期乗車券
         通勤定期乗車券
         通学定期乗車券
 ハ 回数乗車券 普通回数乗車券
         特殊回数乗車券
         均一回数乗車券
         特殊均一回数乗車券
 ニ 団体乗車券
 ホ 貸切乗車券
(2) 急行券 特別急行券
      普通急行券
      準急行券
      自動車急行券
(3) 指定券 座席指定券
      特別2等車券
      特別2等船室券
(4) 寝台券 列車寝台券
      連絡船寝台券

(乗車券類の発売箇所)
第19条 乗車券類(特別2等船室券を除く。)は、別に定める場合を除いて、駅{急行券(乗車する列車又は自動車を指定した急行券に限る。)・座席指定券・特別2等車券又は寝台券は、国鉄の指定した駅に限る。}において発売する。但し、駅員無配置駅のものにあつては、その駅員無配置駅に隣接する駅員配置駅において発売する。
2 係員の承諾を得て乗車券類を所持しないで乗車船した旅客に対する普通乗車券、貸切乗車券(連絡船内において区分室の貸切の取扱をする場合に限る。)・急行券・座席指定券・特別2等車券又は寝台券は、前項の規定にかかわらず、列車等の車船内において発売する。
3 自動車線内の特殊均一回数乗車券は、第1項に規定する外、自動車内において発売する。
4 乗車券類は、第1項及び第2項に規定する外、国鉄が臨時に設置した乗車券類臨時発売所において発売することがある。
5 特別2等船室券は、旅客の乗船した連絡船内において発売する。

(乗車券類の発売範囲)
第20条 乗車券類(特別2等船室券を除く。)は、発売駅から有効なものに限つて発売する。但し、次に掲げる場合は、発売駅以外の駅から有効な乗車券類を発売することがある。
(1) 他駅から有効となる急行券(乗車する列車を指定した急行券に限る。)・座席指定券・特別2等車券又は寝台券と同時にこれに伴う必要な普通乗車券を発売する場合。
(2) 乗車券を所持する旅客に対して、その券面の未使用区間の駅(途中下車できる場合に限る。)を発駅とする普通乗車券を発売する場合。但し、第250条の規定による乗越の取扱ができる場合を除く。
(3) 駅員無配置駅から有効となる普通乗車券・定期乗車券又は回数乗車券を、その駅員無配置駅に隣接する駅員配置駅において発売する場合。
(4) 団体乗車券又は貸切乗車券を発売する場合。
(5) 急行券・座席指定券・特別2等車券又は寝台券を発売する場合。
2 特別2等船室券は、旅客の乗船した連絡船に有効なものを発売する。

(乗車券類の発売日)
第21条 乗車券類は、次の各号に定めるものを除いて、発売当日から通用開始となるものを発売する。
(1) 次に定める普通乗車券は、それぞれその定めるところによつて発売する。
イ 急行券(乗車する列車を指定した急行券に限る。)・座席指定券・特別2等車券又は寝台券と同時に発売する普通乗車券は、その通用開始の日の14日前(前々週の同曜日。以下同じ。)から発売する。
ロ 前条第1項第2号の規定によつて発売する普通乗車券は、原乗車券の通用期間内の日で旅客の希望する日を通用開始日として発売する。この場合、原乗車券が定期乗車券であるときは、通用開始の日の2日前から発売する。
(2) 定期乗車券は、通用開始の日の前日から発売する。
(3) 団体乗車券又は貸切乗車券は、運送引受後であつて旅客の始発駅出発日の14日前から発売する。
(4) 特別急行券・座席指定券・特別2等車券及び寝台券は、旅客が乗車船する駅を列車等が出発する日の14日前(3等寝台券にあつては、7日前)の日の9時から発売する。
(5) 普通急行券及び準急行券は、通用開始の日の14日前から発売する。
(6) 自動車急行券は、旅客の乗車する駅を急行自動車が出発する日の7日前(前週の同曜日)から発売する。
2 準急行券及び座席指定券(普通急行列車に対するものを除く。)の発売日は、列車の運転区間が350キロメートルまでのものにあつては、前項の規定にかかわらず別に定めることがある。

(異級の乗車券類の発売)
第22条 旅客が、継続する旅行区間中の一部を異なつた等級によつて旅行する場合は異級の乗車券を、同一の急行列車で異級乗車する場合は異級の急行券を発売する。但し、定期乗車券又は回数乗車券による場合は、上級車船室の設備がある区間とその他の区間とにまたがつて旅行するときに限る。

(伝染病患者に対し発売する乗車券)
第23条 伝染病予防法(明治30年法律第36号)第1条に規定する伝染病患者(以下「伝染病患者」という。)に対して発売する乗車券は、貸切乗車券に限る。

(割引乗車券等の不正使用の場合の取扱)
第24条 第28条若しくは第30条の規定による割引普通乗車券、第29条若しくは第31条の規定による旅客運賃割引証、第35条の規定による通勤定期乗車券若しくは通勤証明書又は第36条の規定による通学定期乗車券若しくは通学証明書を、使用資格者が不正使用し、又は使用資格者以外の者に使用させたときはその使用資格者に対して、これらの乗車券の発売を停止することがある。

(割引証が無効となる場合及びこれを使用できない場合)
第25条 旅客運賃割引証は、次の各号の1に該当する場合は、無効として回収する。
(1) 記載事項が不明となつたものを使用したとき。
(2) 表示事項をぬり消し、又は改変したものを使用したとき。
(3) 有効期間を経過したものを使用したとき。
(4) 有効期間内であつても使用資格を失つた者が使用したとき。
(5) 記名人以外の者が使用したとき。
2 旅客運賃割引証は次の、各号の1に該当する場合は、使用することができない。
(1) 発行者が記入しなければならない事項を記入していないもの及び発行者又は使用者が必要な箇所に押印していないもの。
(2)記入事項を訂正した場合で、これに相当の証印のないもの。

第2節 普通乗車券の発売

(普通乗車券の発売)
第26条 普通乗車券は、次の各号によつて発売する。
(1) 片道乗車券 
 旅客が普通旅客運賃計算経路の連続した区間を片道1回乗車船(以下「片道乗車」という。)する場合に発売する。但し、その経路が折返しとなる場合又は環状線を1周し、更にこれをこえる場合を除く。
(2) 往復乗車券
 旅客が片道乗車券を発売できる区間を往復1回乗車船(以下「往復乗車」という。)する場合に発売する。但し、往路と復路の区間・経路・等級又は旅客運賃が異なるものを除く。
(3) 連続乗車券
 旅客が前各号の乗車券を発売できない連続した区間をそれぞれ1回乗車船(以下「連続乗車」という。)する場合に発売する。

(普通乗車券の特殊発売)
第27条 旅客が列車又は自動車内において普通乗車券の発売を請求する場合、当該列車又は自動車の係員が携帯する普通乗車券ではその請求に応じられないときは、割引をしない普通旅客運賃を収受して、係員がその携帯する普通乗車券によつて乗車方向の最遠の駅又は乗継駅までのものを発売し、同乗車券の券面に、途中駅まで発売した旨を表示する。
2 前項の規定は、旅客が別に定める乗車券の発売区間に制限のある駅において、その発売区間外の普通乗車券の発売の請求があつた場合に準用する。
3 前各項の規定によつて発売した乗車券を所持する旅客に対しては、前途の駅又は車内において、これと引換に旅客の請求する区間の普通乗車券を発売する。この場合、既に収受した旅客運賃と旅客の請求する区間の普通旅客運賃(旅客運賃割引証を提出した場合は、割引の普通旅客運賃)とを比較して不足額を収受し、過剰額は駅(取扱箇所が車内の場合にあつては前途の駅)において払いもどしをする。

(学生割引普通乗車券の発売)
第28条 学校・救護施設指定取扱規程(昭和33年9月日本国有鉄道告示第326号)第2条に規定する学校(以下「指定学校」という。)の学生又は生徒が、普通旅客運賃の計算に使用するキロ程が片道100キロメートルをこえる区間を旅行する場合で、第29条の規定による学校学生生徒旅客運賃割引証を提出したときは、その旅客運賃割引証1枚について1人1回に限り、普通旅客運賃を割引した普通乗車券(以下「割引普通乗車券」という。)を発売する。

(学生割引証)
第29条 指定学校の学生又は生徒は、前条の規定によつて割引普通乗車券を購求する場合は、その在籍する指定学校の代表者から割引証の番号・学校種別又は指定番号(通信教育の学校にあつては「面接授業又は試験期間」)・部科及び学年(又は年次)・身分証明書番号・使用者の氏名及び年齢・発行年月日・学校所在地、学校名並びに学校代表者の氏名が記入され、発行台帳に対して契印の押された学校学生生徒旅客運賃割引証の交付を受け、それに乗車船区間並びに乗車券の等級及び種類を提出するものとする。
2 学校学生生徒旅客運賃割引証の様式は、次の通りとする。
一般学校用

備考 この割引証は、表面中央上部に国鉄の印を印刷する。
通信教育学校用

備考 この割引証は、赤色刷りとし、表面中央上部に国鉄の印を印刷する。
3 学校学生生徒旅客運賃割引証の有効期間は、一般学生用のものにあつては発行の日から3箇月間、通信教育学校用のものにあつては面接授業又は試験期間の初日の10日前から終了日の5日後までの期間とする。

(被救護者割引普通乗車券の発売)
第30条 学校・救護施設指定取扱規程第21条に規定する施設に保護され、又は救護される者(以下「被救護者」という。)が旅行する場合で、第31条の規定による被救護者旅客運賃割引証を提出したときは、その旅客運賃割引証を1枚について1人1回に限り、片道又は往復の割引普通乗車券を発売する。
2 被救護者が老幼・虚弱若しくは不具のため又は逃亡のおそれがあるため、被救護者に付添人をつける場合で、被救護者とその付添人とが同時に同一の等級及び区間の乗車券を購求するときは、被救護者1人について付添人1人を限つて、前項の規定を準用する。
3 前項の規定によつて付添人に対して割引普通乗車券を発売する場合は、被救護者が往路用の片道乗車券を購求するときであつても、付添人に対して往復乗車券を発売することがある。

(被救護者割引証)
第31条 被救護者は、前条の規定によつて割引普通乗車券を購求する場合は、その保護又は救護を受ける施設の代表者から割引証の番号・指定番号・乗車船区間・乗車券の等級及び種類・旅行証明書番号・被救護者の氏名及び年齢・付添人を必要とするときは付添人の氏名及び年齢・発行年月日・施設の所在地・名称並びにその代表者の氏名が記入され、発行台帳に対して契印の押された被救護者旅客運賃割引証の交付を受けて、提出するものとする。
2 被救護者旅客運賃割引証の様式は、次の通りとする。

備考 この割引証は表面中央上部に国鉄の印を印刷する。
3 被救護者旅客運賃割引証の有効期間は、発行の日から1箇月間とする。

(臨時特殊割引普通乗車券の発売)
第32条 国鉄が特に必要と認める場合は、旅行目的・割引を受ける者の資格・割引区間・割引証票等を特定し、又は季節により旅行目的地を特定して割引普通乗車券を発売することがある。
2 前項の規定によつて割引普通乗車券を発売する場合は、旅客が特定されるものを除いて、発売駅・発売区間・発売期間等を、その都度関係の駅に掲示する。

第3節 定期乗車券の発売

(普通定期乗車券の発売)
第33条 普通旅客運賃計算に使用するキロ程が100キロメートル以内の鉄道区間又は宇野・高松間航路、宮島口・宮島間航路、大畠・小松港間航路及び下関・門司港間航路を、又はこれらの区間にまたがつて、常時、区間・経路及び等級を同じくして乗車船する旅客が定期乗車券購求申込書に必要事項を記入して提出した場合は、2等(2・3等の異級となるものを含む。)又は3等の普通定期乗車券を発売する。
2 定期乗車券購求申込書の様式は、次の通りとする。

(均一普通定期乗車券の発売)
第34条 前条に規定する外、第87条に規定する東京電車環状線内の区間を3等によつて、常時、乗車する大人旅客が、前条第2項の規定による定期乗車券購求申込書に必要事項を記入(乗車船区間欄に「東京電環」の例によつて記入する。)して提出したときは、東京電車環状線の全区間に有効な均一普通定期乗車券を発売する。

(通勤定期乗東券の発売)
第35条 事業所の経営者又は被雇用者が、鉄道営業キロ程100キロメートル以内の鉄道区間、宇野・高松間航路、宮島口・宮島間航路、大畠・小松港間航路及び下関・門司港間航路又は自動車線キロ程50キロメートル以内の自動車線区間並びにこれらの区間にまたがつて通勤のため、常時、3等によつて区間及び経路を同じくして順路によつて乗車船する場合で、その事業所の代表者において必要事項を記入して発行した通勤証明書(乗車区間が自動車線区間相互間のものにあつては、第33条第2項に規定する定期乗車券購求申込書に必要事項を記入したもの。)を提出したときは、旅客の居住地もより駅と事業所もより駅との相互間について通勤定期乗車券を発売する。
2 通勤証明書の様式は、次の通りとする。
3 通勤証明書の有効期間は、発行の日から15日間とする。
4 指定学校以外の学生又は生徒が、その学校に通学する場合は、前各項の規定を準用する。この場合、証明書上部余白に「何県何年何号」の例によつて学校認可番号を記入する。

(通学定期乗車券の発売)
第36条 指定学校の学生・生徒・児童又は幼児が、鉄道営業キロ程100キロメートル以内の鉄道区間、宇野・高松間航路、宮島口・宮島間航路、大畠・小松港間航路及び下関・門司港間航路又は自動車線キロ程50キロメートル以内の自動車線区間並びにこれらの区間にまたがつて通学のため、常時、3等によつて区間及び経路を同じくして順路によつて乗車船する場合で、その在籍する指定学校の代表者において必要事項を記入して発行した通学証明書を提出したときは、旅客の居住地もより駅と在籍指定学校もより駅との相互間について通学定期乗車券を発売する。
2 前項に規定するものの外、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条の規定による保育所の児童が、自動車線キロ程50キロメートル以内の自動車線区間を通学のため、常時、区間及び経路を同じくして順路によつて乗車する場合は、前項の規定による指定学校の幼児に準じて、自動車線内の通学定期乗車券を発売する。
3 通学証明書の様式は、次の通りとする。
4 通学証明書の有効期間は、発行の日から15日間とする。

(制限距離をこえる定期乗車券の発売)
第37条 国鉄が特に必要と認める場合は、第33条第35条及び第36条の規定にかかわらず、乗車区間のキロ程が、鉄道区間にあつては100キロメートル、自動車線区間にあつては50キロメートルをこえる定期乗車券を発売することがある。

(特定の被救護者割引定期乗車券の発売)
第38条 児童福祉法第17条に規定する児童相談所附設の一時保護所又は同法の第41条から第44条までに規定する養護施設・精神薄弱児施設・盲ろうあ児施設・虚弱児施設・し体不自由児施設若しくは教護院に救護され、又は保護されている者が、自動車線区間内を常時、区間及び経路を同じくして順路によつて乗車する場合で、第31条第2項に規定する旅客運賃割引証に必要事項を記入して提出したときは、定期旅客運賃を割引した定期乗車券(第36条第3項に規定する通学証明書をあわせ提出したときは、通学定期乗車券)を発売する。

第4節 回数乗車券の発売

(普通回数乗車券の発売)
第39条 次の各号の1の区間を2等(2・3等の異級となるものを含む。)又は3等によつて乗車船する旅客に対して2等にあつては22券片、3等にあつては11券片の普通回数乗車券を発売する。
(1) 鉄道の普通旅客運賃の計算に使用するキロ程片道100キロメートル以内の各駅相互間
(2) 宇野・高松間航路、宮島口・宮島間航路、大畠・小松港間航路又は下関・門司港間航路
(3) 自動車線内各駅相互間
2 前項の規定によつて普通回数乗車券を発売する場合、1券片の区間は、片道乗車券を発売できるものに限るものとする。
3 第1項の規定にかかわらず、国鉄が特に必要と認める場合は、普通旅客運賃の計算に使用するキロ程片道100キロメートルをこえ200キロメートルまでの鉄道区間に対しても普通回数乗車券を発売することがある。

(特殊回数乗車券の発売)
第40条 第86条第1号に規定する東京都区内(吉祥寺を含む。以下第41条においても同じ。)各駅相互間で、3等の大人片道普通旅客運賃が20円の区間を乗車する旅客に対しては、10券片の3等特殊回数乗車券を発売する。

(均一回数乗車券の発売)
第41条 第86条第1号に規定する東京都区内の区間又は第87条に規定する東京電車環状線内の区間を乗車する大人旅客に対しては、東京都区内又は東京電車環状線内の全区間に有効な10券片の3等均一回数乗車券を発売する。

(特殊均一回数乗車券の発売) 
第42条 自動車線内の同一旅客運賃地帯内の区間を乗車する旅客に対しては、その区間内に有効な11券片の特殊均一回数乗車券を発売する。

第5節 団体乗車券の発売

(団体乗車券の発売)
第43条 等級・利用施設・発着駅及び経路を同じくし、且つ、次の各号の1に該当する団体の旅客で、国鉄が運送の引受をしたものに対しては、旅客運賃を割引した団体乗車券を発売する。
(1) 学生団体 
 指定学校の学生・生徒・児童若しくは幼児、児童福祉法第39条に規定する保育所の児童又は青年学級振興法(昭和28年法律第211号)第2条に規定する青年学級のうち文部省の指示により都道府県教育委員会が証明したものの学級生30人以上のものとその付添人、当該学校・保育所若しくは青年学級の教職員(嘱託している医師及び看護婦を含む。以下同じ。)又はこれと同行する旅行あつ旋人とによつて構成された団体で、その学校・保育所又は青年学級の教職員が引率するもの。但し、付添人は、大人とし、当該団体を構成する旅客が次の各号の1に該当する場合に限るものとし、その人員はその旅客1人につき1人とし、旅行あつ旋人は、当該団体を構成する人員(旅行あつ旋人を含む。)が100人までのときは1人、これをこえたときは2人以内とする。
イ 幼稚園の幼児・保育所の児童又は小学校第3学年以下の児童であるとき。
ロ 不具又は虚弱のため、国鉄において付添を必要と認めるとき。
(2) 訪日観光団体
 訪日観光客15人以上又はこれと同行する旅行あつ旋人(ガイドを含む。)とによつて構成された団体で、責任のある代表者が引率するもの。但し、訪日観光客は、日本国在外外交官・入国審査官又は運輸省観光局長において発行した訪日観光団体であることの証明書を所持するものに限る。
(3) 普通団体
 前各号以外の旅客によつて構成された30人以上の団体で、責任のある代表者が引率するもの。
2 前項に規定するものの外、国鉄において特に必要と認め、旅行目的・割引を受けるものの資格等特別の運送条件を定めた団体(以下「特殊団体」という。)の旅客で、国鉄が運送の引受をしたものに対して、旅客運賃の割引をした団体乗車券を発売することがある。

(客車専用団体)
第44条 前条の規定による旅客は、国鉄の承諾を受けてその全行程中の一部又は全部の区間を客車を専用して乗車することができる。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号の1に該当する場合は、これを客車専用団体とする場合に限り団体旅客としての取扱をする。
(1) 臨時列車の設定を必要とする場合。但し、旅行行程が、3日以上にわたるもので、全行程を同一の車種及び車数で旅行する場合に限る。
(2) 1等車、2等車又は寝台車を連結していない列車に対し、特にその車種の車両の増結を必要とする場合。
3 前各項の規定は、3等の学生団体及び特殊団体に対しては、これを適用しない。
4 座席指定料金を収受する客車を利用する団体旅客については客車専用団体としての取扱をしない。

(団体旅客運送の申込)
第45条 第43条の規定により団体乗車券を購求しようとする者は、あらかじめ、その人員・行程・乗車船すべき列車等・その他輸送計画に必要な事項を記載した団体旅客運送申込書を提出して、団体旅客運送の申込を行うものとする。但し、その乗車船区間が自動車線内の駅相互発着となる場合又は国鉄において特に認める場合は、団体旅客運送申込書の提出を省略することができる。
2 団体旅客運送申込書の様式は、次の通りとする。

備考 3片制とする。但し、必要により4片制又は5片制とすることがある。
3 第1項の規定による場合の申込者は、次の通りとする。
(1)  学生団体 教育長又は学校長(保育所又は青年学級の代表者を含む。以下この号において同じ。)。但し、数校連合の場合で学校長が申し込むときは、各学校長連名とし、代表学校長名を明示するものとする。
(2)  普通団体 代表者又は旅行あつ旋業者
(3)  訪日観光団体 代表者又は旅行あつ旋業者
(4)  特殊団体 代表者
4 前項第1号の場合で数校連合のときは、団体旅客運送申込書に関係学校別の人員を明示するものとする。

(団体旅客運送の予約)
第46条 旅客から前条の規定による団体旅客運送の申込を受けた場合で、国鉄において運輸上支障がないと認めたときは、当該団体旅客運送の引受をする。
2 前項の規定により、団体旅客運送の引受をしたときは、その申込者に次の様式による団体旅客運送引受書を交付する。但し、第48条に規定する責任人員をつけないものにあつては、前条の規定によつて収受した団体旅客運送申込書に引受をした旨を記載し、団体旅客運送引受書に代用し、又、前条第1項但書の規定により、団体旅客運送申込書の提出を省略したものにあつては、口頭による通知をもつて団体旅客運送引受書に代えることがある。
3 前項の規定によつて、団体旅客運送引受書の交付を受けた団体旅客運送申込者は、団体乗車券購求の際、これを呈示しなければならない。

(団体旅客申込人員等の変更)
第47条 団体旅客の運送引受後、旅客の都合による申込人員その他取扱条件の変更は、国鉄において運輸上支障がないと認めた場合に限り、これを行う。但し、当該団体(自動車線内相互発着のものを除く。)の始発駅出発日前14日以降(訪日観光団体にあつては、始発駅出発日前5日以降)においては、その取扱をしない。

(責任人員)
第48条 臨時列車の設定又は客車の増結等特別の手配を必要とする団体旅客に対しては、その団体旅客の申込人員の8割に相当する人員(1人未満のは数は、切り捨てる。)を責任人員とし、実際乗車人員がこれに満たない場合であつても、責任人員に相当する団体旅客運賃・料金を収受することを条件として運送の引受を行う。但し、第44条の規定による客車専用団体の場合にあつては、旅客運賃の収受定員をもつて責任人員とする。
2 団体旅客の運送引受後、前条の規定による団体申込人員の変更の承諾を行う場合は、同時に責任人員の変更を行う。

(団体旅客に対する保証金)
第49条 団体旅客の申込者は、次の各号の1に該当する場合は、その申込人員に対する団体旅客運賃・料金の、1割に相当する額(100円未満のは数は、100円単位に切り上げる。)を保証金として、国鉄に納付するものとする。
(1) 団体旅客に対して責任人員をつけた場合。
(2) 前号の外、国鉄において特に必要と認めた場合。
2 前項の規定による保証金は、国鉄において指定した日までに団体乗車券を購求する駅に納付するものとし、申込者が、その期日までに保証金を納付しなかつたときは、その申込が取り消されたものとみなす。
3 保証金の納付後において、国鉄の責に帰さない事由によつて申込者が、その申込を取り消したときは、これを返還しない。
4 第47条の規定による団体申込人員の変更の承諾を行つたときは、保証金の納付前の場合にあつては、変更後の人員・行程に対する保証金を納付させ、又、保証金の納付後の場合にあつては納付すべき保証金の額と既収の保証金の額とを比較し、不足額があるときはこれを収受し、過剰額は返還しない。
5 保証金の納付後において、国鉄の責任となる事由によつて引受条件の一部を変更する必要が生じ、これを申込者が承諾し、且つ、納付すべき団体旅客運賃・料金額が減じたときは、減額分相当の保証金を返還することがある。
6 保証金は、団体乗車券発売の際、団体旅客運賃・料金の一部に充当し、過剰額があつてもその過剰額は返還しない。
7 保証金は、次の各号の1に該当する場合に限り、その納付額全額の返還を行う。
(1) 国鉄の都合によつて解約した場合。
(2) 天災事変等の原因によつて、団体の旅行ができなくなつた場合。
8 保証金に対しては、利子は附さない。

(団体旅客の提出する請書)
第50条 第46条の規定によつて団体旅客運送引受書の交付を受けた団体申込者は、前条の規定による保証金を納付する際までに、次の様式による請書を国鉄に提出しなければならない。
2 団体申込者から前項の規定による請書の提出がなかつたときは、国鉄は、第46条の規定による団体旅客運送の引受を取り消すことがある。

(一部区間不乗の団体乗車券の発売)
第51条 旅行行程中の一部区間を乗車船しない団体旅客に対し、国鉄において特に承諾した場合は、当該区間を通した団体乗車券を発売することがある。

第6節 貸切乗車券の発売

(貸切乗車券の発売)
第52条 貸切乗車券は、次の各号の1に該当する単位をもつて客車又は連絡船等を貸し切る旅客に対して発売する。
(1) 全車貸切
 1車両(合造車を含む。)単位で貸し切る場合。
(2) 半車貸切 
 合造車を客車単位で貸し切る場合。但し、貸切部分以外の車室を国鉄において他に使用できる場合に限る。
(3) 区分室貸切
 客車又は連絡船の寝台の区分車船室を貸し切る場合。
(4) 列車貸切
 列車を単位として貸し切る場合。但し、客車5両以上の場合に限る。
(5) 汽船貸切
 1船全部を貸し切る場合。
(6) 自動車貸切
イ 自動車1車をキロ制によつて貸し切る場合。
ロ 自動車1車を貸切制によつて貸し切る場合。

(貸切旅客運送の申込)
第53条 前条の規定により貸切乗車券を購求しようとする者は、あらかじめ、その人員・行程その他輸送計画に必要な事項を記載した貸切旅客運送申込書を提出して、貸切旅客運送の申込を行うものとする。但し、区分室貸切りの場合又は自動車線内の駅相互発着となる場合は、貸切旅客運送申込書の提出を省略することができる。
2 貸切旅客運送申込書は、第45条第2項に規定する団体旅客運送申込書の「団体」の文字を「貸切」と訂正して使用する。

(貸切旅客運送の予約)
第54条 旅客から、前条の規定による貸切旅客運送の申込を受けた場合で、国鉄において運輸上支障がないと認めたときは、当該貸切旅客運送の引受をする。
2 前項の規定により貸切旅客運送の引受をしたときは、その申込人に、第46条第2項に規定する団体旅客運送引受書の「団体」の文字を「貸切」と訂正した貸切旅客運送引受書を交付する。但し、前条第1項但書の規定により貸切旅客運送申込書の提出を省略したものにあつては、口頭による通知をもつて貸切旅客運送引受書に代えることがある。

(貸切旅客に対する保証金等)
第55条 第44条第4項、第46条第3項、第47条及び第49条からの第51条までの規定は、貸切旅客の場合に準用する。但し、自動車貸切の場合を除く。

(横が患者の運送)
第56条 横が患者については、荷物車又は荷物車室を貸切としてこれを運送することがある。

第7節 急行券の発売

(急行券の発売)
第57条 急行券は、次の各号によつて発売する。
(1) 特別急行券
 特別急行列車に乗車する旅客に対して、乗車する日・列車・客車・座席及び区間を指定して発売する。
(2) 普通急行券
 普通急行列車に乗車する旅客に対して、乗車駅及び有効区間を指定して発売する。
(3) 準急行券
 準急行列車に乗車する旅客に対して、乗車駅及び有効区間を指定して発売する。
(4) 自動車急行券 
 急行自動車に乗車する旅客に対して、乗車する日・自動車及び駅を指定して発売する。
2 団体旅客又は貸切旅客に対する急行券は、団体乗車券又は貸切乗車券によつて発売する。

第8節 指定券の発売

(座席指定券の発売)
第58条 座席指定券は、国鉄が特に指定した列車又は客車に乗車する旅客に対して、乗車する日・列車・客車・座席及び乗車区間を指定して発売する。但し、運輸上の都合によつて乗車する列車の客車又は座席の指定は、省略することがある。
2 団体旅客に対する座席指定券は、団体乗車券によつて発売する。

(特別2等車券の発売)
第59条 特別2等車券は、特別2等車に乗車する旅客に対して、乗車する日・列車・客車・座席及び乗車区間を指定して発売する。但し、運輸上の都合によつて乗車する列車の客車又は座席の指定は、省略することがある。
2 団体旅客又は貸切旅客に対する特別2等車券は、団体乗車券又は貸切乗車券によつて発売する。

(特別2等船室券の発売)
第60条 特別2等船室券は、宇野・高松間航路を運航する連絡船の特別2等船室を使用する旅客に対して発売する。

第9節 寝台券の発売

(寝台の種類)
第61条 寝台の種類は、次の通りとする。
(1) 列車寝台
 2等にあつては、A室上段・下段・個室、B室上段・下段・及びC室上段・下段とし、3等にあつては、上段・中段及び下段とする。
(2) 連絡船寝台
 2等の上段及び下段とする。

(寝台券の発売)
第62条 寝台券は、寝台を使用する旅客に対して、乗車船する日・駅・列車又は連絡船、乗車船駅の出発時刻、寝台の種類及び寝台番号を指定して発売する。但し、連絡船寝台券にあつては、寝台番号を指定しないことがある。
2 列車又は連絡船内において発売する寝台券には、前項の指定事項の一部を省略する。
3 団体旅客又は貸切旅客に対する寝台券は、団体乗車券又は貸切乗車券によつて発売する。

第10節 指定乗車券類の同時発売

(寝台券及び特急券の同時発売)
第63条 特別急行列車の寝台を使用する旅客に対して発売する寝台券は、特別急行券と同時に購求する場合に限つて発売する。

(指定乗車券類の同時発売)
第64条 乗車船する列車等を指定して発売する乗車券類を必要とする列車等に乗車船する旅客に対して発売する乗車券類は、これらの乗車船に必要な乗車券類を同時に購求する場合に限つて、発売することがある。

第3章 旅客運賃・料金

第1節 通則

(旅客運賃・料金の等級)
第65条 旅客運賃・料金の等級は、次の通りとする。
(1) 旅客運賃の等級
 鉄道にあつては、1等・2等及び3等
 航路にあつては2等及び3等
(2) 急行料金の等級
 列車にあつては、1等・2等及び3等
(3) 座席指定料金の等級
 2等及び3等
(4) 寝台料金の等級
 列車にあつては、2等及び3等
 連絡船にあつては、2等

(通行税)
第66条 次の各号の旅客運賃・料金には、通行税法(昭和15年法律第43号)の規定による通行税を含むものとする。但し、第81条第85条第96条第126条第133条及び第137条に規定する場合を除く。
(1) 鉄道の1等及び2等の旅客運賃
(2) 1等及び2等の急行料金
(3) 特別2等車料金
(4) 特別2等船室料金
(5) 寝台料金

(旅客運賃・料金計算上の経路等)
第67条 旅客運賃・料金は、旅客の実際乗車船する経路及び発着の順序によつて計算する。

(鉄道の旅客運賃・料金の計算上のキロ程の通算又は打切り)
第68条 鉄道の旅客運賃・料金を計算する場合に使用するキロ程は、国鉄の線路が同一方向に連続する限り、これを通算する。
2 航路・自動車線又は国鉄と通過連絡運輸を行う地方鉄道・軌道・航路若しくは自動車線が国鉄の線路の中間に介在して通し運送する区間に対して鉄道の旅客運賃を計算する場合は、前後の鉄道区間は連続しているものとみなしてキロ程を通算する。
3 前2項の規定にかかわらず、普通旅客運賃を計算する場合、その計算経路が環状線1周となるときは、その1周となる駅において、旅客の乗車船経路が折返しとなるときは、その折返しとなる駅において、鉄道のキロ程は、打ち切つて計算する。
4 第1項又は第2項の規定により旅客運賃計算のキロ程の通算をする場合において、旅客運賃の計算経路が幡生・小倉間(山陽本線及び鹿児島本線経由)又は小月駅前・門司大阪町間(関門急行線経由)を通過するものについては、同項の規定にかかわらず、次の各号によつてキロ程の打切りを行う。
(1) 小月駅前・門司大阪町間(関門急行線経由)を通過した後、更に幡生・小倉間(山陽本線及び鹿児島本線経由)を通過する場合は、幡生又は小倉のいずれかのうち乗車方向に従つた最初の駅においてキロ程の打切りを行う。
(2) 小月駅前・門司大阪町間(関門急行線経由)を通過して鉄道区間を乗車した後、再び同区間を通過する場合は、再び通過となる関門急行線の前後の鉄道区間のキロ程は、接続駅で打切りを行う。
(3) 幡生・小倉間(山陽本線及び鹿児島本線経由)を通過した後、小月駅前・門司大阪町間(関門急行線経由)を通過する場合は、関門急行線の前後の鉄道区間のキロ程は、接続駅で打切りを行う。

(特定区間における旅客運賃・料金計算のキロ程)
第69条 第67条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる区間の普通旅客運賃・料金は、その旅客運賃・料金計算経路が当該各号末尾のかつこ内の両線路にまたがる場合を除いて、○印の経路のキロ程によつて計算する。この場合、各号の区間内については、経路の指定を行わない。
(1) 日暮里・田端又は赤羽以遠(上野・駒込又は十条方面)の各駅と、岩沼以遠(増田方面)の各駅との相互間
( 常磐線)
(○東北本線)
(2) 三原以遠(糸崎方面)の各駅と、海田市以遠(向洋方面)の各駅との相互間
( 呉線)
(○山陽本線)
(3) 岩国以遠(大竹又は岩日線方面)の各駅と、櫛ケ浜以遠(徳山方面)の各駅との相互間
( 山陽本線)
(○岩徳線)
(4) 肥前山口以遠(牛津方面)の各駅と、諫早以遠(喜々津方面)の各駅との相互間
( 佐世保線・大村線)
(○長崎本線)
(5) 軍川以遠(渡島大野方面)の各駅と、森以遠(石倉方面)の各駅との相互間
( 東森駅経由函館本線)
(○大沼駅経由函館本線)
(6) 岩切以遠(東仙台方面)の各駅と、品井沼以遠(鹿島台方面)の各駅との相互間
( 陸前山王駅経由東北本線)
(○利府駅経由東北本線)
(7) 赤羽以遠(川口方面)の各駅と、日暮里以遠(上野又は北千住方面)の各駅との相互間
( 尾久駅経由東北本線)
(○王子駅経由東北本線)
2 前項本文の規定は、同項の第5号から第7号までの区間に対する鉄道の定期旅客運賃の計算に準用する。

第70条 第67条の規定にかかわらず、旅客が次に掲げる図の太線区間を通過する場合の普通旅客運賃は、太線区間内の最も短いキロ程によつて計算する。この場合、太線内は、経路の指定を行わない。

(キロ程を定めていない区間の旅客運賃・料金の計算方)
第71条 キロ程を定めていない区間について旅客運賃・料金を計算する場合は、次の各号による。
(1) 駅と駅との中間に旅客の乗降を認めるときは、その乗降場の外方にある駅発又は着のキロ程による。
(2) 車船内において等級変更その他の取扱をする場合でその取扱場所が当該列車等の停車駅と停車駅との中間にあるときは、その取扱位置の外方にある停車駅を起点又は終点としたキロ程による。
2 前項の規定は、第83条別表に掲げる駅以外の自動車線駅又は別に定める自動車線の乗降場において乗降する旅客に対する旅客運賃の計算に準用する。但し、国鉄において指定した乗降場については、その乗降場の内方(特に定める場合は、その一方については、外方とすることがある。)にある駅発又は着のキロ程による。

(鉄道・航路又は自動車線の相互にまたがる旅客運賃)
第72条 鉄道・航路又は自動車線の相互にまたがつて乗車船をする場合の旅客運賃は、各その旅客運賃を合計したものとする。

(旅客の区分及びその旅客運賃・料金の収受方)
第73条 旅客運賃・急行料金又は特別2等車料金は、次に掲げる年齢別の旅客の区分によつて、この規則の定めるところにより、その旅客運賃・料金を収受する。
  大人 12才以上の者
  小児 6才以上12才未満の者
  幼児 1才以上6才未満の者
  乳児 1才未満の者
2 前項の規定による幼児であつても、次の各号の1に該当する場合は、これを小児とみなし、旅客運賃・料金を収受する。
(1) 幼児だけで旅行するとき。
(2) 団体旅客として乗車船するとき又は団体旅客に随伴されるとき。
(3) 団体乗車券以外の乗車券を使用する6才以上の旅客に随伴されている場合でも2人をこえた者であるとき。
(4) 割当発売をする座席又は寝台を幼児だけで使用するとき。
3 前項の規定は、乳児が前項第4号に該当する場合に準用する。
4 前2項以外の場合、幼児及び乳児に対しては、旅客運賃・料金は、収受しない。
5 座席指定料金・特別2等船室料金及び寝台料金は、旅客年齢によつて区別しない。

(小児の旅客運賃・料金)
第74条 小児の旅客運賃(回数旅客運賃及び団体旅客運賃を除く。)・料金は、その旅客運賃・料金を割引する場合を除いて、片道普通旅客運賃にあつては大人片道普通旅客運賃を、定期旅客運賃・急行料金又は特別2等車料金はそれぞれの大人旅客運賃・料金を折半して、その1円未満のは数はこれを円単位に切り上げて計算(以下このは数の計算方法を「は数計算」という。)したものとする。但し、自動車線内相互発着となる小児の普通旅客運賃は、大人普通片道旅客運賃を折半して、そのは数を5円・10円単位(中間は数は、上下いずれかの最近の単位に切り上げ、又は切り下げる。中間は数が上下単位のちようど中間にあるときは、これを上位の単位に切り上げる。)とする。

(旅客運賃・料金の概算収受)
第75条 車船内において乗車券類を発売する場合は、旅客運賃・料金の概算額を収受することがある。
2 前項の規定によつて収受した概算額は、前途の駅において旅客の申し出によつて精算する。

(旅客運賃・料金割引の重複適用の禁止)
第76条 旅客は、旅客運賃・料金について2以上の割引条件に該当する場合であつても、同一の乗車券類について、重複して旅客運賃・料金の割引を請求することができない。

第2節 普通旅客運賃

(鉄道の大人普通旅客運賃の賃率)
第77条 鉄道の大人普通旅客運賃の賃率は、次の通りとする。
     3等  2等  1等
150キロメトール以下のキロ程  1キロメートルにつき   2円40銭   4円80銭   9円60銭 
150キロメトールをこえ500キロメートル以下のキロ程  同  1円65銭   3円30銭   6円60銭 
500キロメートルをこえ1,000キロメートル以下のキロ程  同  85銭   1円70銭   3円40銭 
1,000キロメートルをこえるキロ程  同  55銭   1円10銭   2円20銭 

(鉄道の3等大人片道普通旅客運賃)
第78条 鉄道の3等大人片道普通旅客運賃は、旅客の乗車する発着区間のキロ程を前条の規定によるキロ程にしたがつて区分し、これを各その賃率に乗じた額を合計し、150キロメートルまでのものについては10円未満のは数を円位において四捨五入して10円単位とし、乗車区間が150キロメートルをこえるものについては10円未満のは数を10円に切り上げて計算した額とする。

(鉄道の2等及び1等の大人片道普通旅客運賃)
第79条 鉄道の2等及び1等の大人片道普通旅客運賃は、旅客の乗車する発着区間のキロ程を第77条の規定によるキロ程にしたがつて区分し、これに各その賃率を乗じた額を合計し、その合計額にこれの2割の通行税相当額を加え、次の各号によつて整理した額とする。
(1) 2等片道普通旅客運賃にあつては、20円から20円ごとの額には数整理するものとし、20円未満のは数の整理方は次による。
イ 乗車区間が150キロメートルまでのものについては、10円未満は切り捨て、10円以上は切り上げる。
ロ 乗車区間が150キロメートルをこえるものについては、20円未満は切り上げる。
(2) 1等片道普通旅客運賃にあつては、40円から40円ごとの額には数整理するものとし、40円未満のは数の整理方は次による。
イ 乗車区間が150キロメートルまでのものについては、20円未満は切り捨て、20円以上は切り上げる。
ロ 乗車区間が150キロメートルをこえるものについては、40円未満は切り上げる。

(鉄道の2等及び1等の大人片道普通旅客運賃の特定)
第80条 6キロメートル・9キロメートル及び10キロメートルの鉄道の2等及び1等の大人片道普通旅客運賃は、前条の規定にかかわらず、次の通りとする。
   2等   1等 
 6キロメートル  20円   40円 
 9キロメートル及び10キロメートル   40円   80円 

(免税の鉄道の2等及び1等の大人片道普通旅客運賃)
第81条 通行税が免除される場合の鉄道の2等及び1等の大人片道普通旅客運賃は、前2条に規定する普通旅客運賃からその120分の20の通行税額(1円未満のは数は、切り捨てる。)を差し引いた額とする。

(航路の大人片道普通旅客運賃)
第82条 航路の大人片道普通旅客運賃は、次の通りとする。
   3等  2等
 青森・函館間  250円   500円 
 宇野・高松間  60円   120円 
 仁方・堀江間  170円   340円
 宮島口・宮島間   20円   
 大畠・小松港間   30円   
 下関・門司港間   40円   
2 前項の旅客運賃には、食費を含まない。

(自動車線の大人片道普通旅客運賃)
第83条 自動車線の大人片道普通旅客運賃は、別表の通りとする。
2 前項の別表は、関係の駅に備えつける。

(片道普通旅客運賃の最低額)
第84条 片道普通旅客運賃の最低額は、第78条第79条及び第89条の規定にかかわらず、次の通りとする。
   3等  2等  1等
 大人  10円   20円   40円 
 小児  5円   10円   20円 
2 異級の片道普通旅客運賃の最低額は、上級等級における最低額とする。
3 鉄道・航路又は自動車線相互にまたがつて乗車船する場合の片道普通旅客運賃の最低額は、鉄道・航路又は自動車線ごとに前各項の規定を適用した額とする。

(免税の片道普通旅客運賃の最低額)
第85条 通行税が免除される場合は、前条第1項に規定する2等及び1等の普通旅客運賃の片道の最低額は、同条に規定する額からその120分の20の通行税額(1円未満のは数は、切り捨てる。)を差し引いた額とする。

(東京都区内又は大阪市内にある駅に関連する鉄道の片道普通旅客運賃の計算方)
第86条 東京都区内又は大阪市内にある駅に関連する次の各号の区間の鉄道の片道普通旅客運賃は、当該各号によつて計算する。
(1) 次の図に掲げる東京都区内にある駅と、東京駅から鉄道の普通旅客運賃の計算に使用するキロ程が、片道150キロメートルをこえる区間内にある駅との相互間の鉄道の片道普通旅客運賃は、東京駅を起点又は終点としたキロ程によつて計算する。
(2) 次の図に掲げる大阪市内にある駅と、大阪駅から鉄道の普通旅客運賃の計算に使用するキロ程が、片道150キロメートルをこえる区間内にある駅との相互間の鉄道の片道普通旅客運賃は、大阪駅を起点又は終点としたキロ程によつて計算する。

(東京電車環状線内にある駅に関連する鉄道の片道普通旅客運賃の計算方)
第87条 前条第1号に掲げる図中の太線区間(以下「東京電車環状線」という。)にある駅と、東京駅から鉄道の普通旅客運賃の計算に使用するキロ程が片道50キロメートルをこえ150キロメートル以下の区間内にある駅との相互間の鉄道の片道普通旅客運賃は、東京駅を起点又は終点としたキロ程によつて計算する。

(異級乗車の鉄道の大人片道普通旅客運賃の計算方)
第88条 異級乗車する場合の鉄道の大人片道普通旅客運賃の計算方は、次の通りとする。
(1) 2・3等の異級となる場合は、全区間の3等片道普通旅客運賃に、2等区間(2等の区間が2区間以上ある場合の2等区間の普通旅客運賃の計算に使用するキロ程は、その2区間以上の区間は連続したものとして前後の普通旅客運賃の計算に使用するキロ程は合計する。)に対する2・3等の片道普通旅客運賃の差額を加算した額とする。
(2) 1・2・3等の異級となる場合は、全区間の3等片道普通旅客運賃に、1・2等の区間(1・2等の区間が2区間以上ある場合の1・2等区間の普通旅客運賃の計算に使用するキロ程は、その2区間以上の区間は連続したものとして前後の普通旅客運賃の計算に使用するキロ程は合計する。)に対する2・3等の片道普通旅客運賃の差額を加算し、更に、1等区間(1等の区間が2区間以上ある場合の1等区間の普通旅客運賃の計算に使用するキロ程は、その2区間以上の区間は連続したものとして前後の普通旅客運賃の計算に使用するキロ程は合計する。)に対する1・2等の片道普通旅客運賃の差額を加算した額とする。
(3) 1・2等又は1・3等の異級となる場合は、第1号に準じて計算した額とする。
2 前項の場合、上級となる区間が東京都区内・大阪市内又は東京電車環状線内の駅に関連するものについては、第86条又は第87条の規定による計算方を適用する。

(割引の片道普通旅客運賃)
第89条 割引の片道普通旅客運賃は、次の通りとする。
(1) 割引の大人片道普通旅客運賃は、大人片道普通旅客運賃から割引額を差し引いて、は数計算した額とする。
(2) 割引の小児片道普通旅客運賃は、小児片道普通旅客運賃から割引額を差し引いて、は数計算した額とする。
2 鉄道・航路又は自動車線の相互にまたがる場合の割引の片道普通旅客運賃は、次の通りとする。
(1) 鉄道・航路又は自動車線の割引率が同じときは、各片道普通旅客運賃の合計額から割引額を差し引いて、は数計算した額とする。
(2) 鉄道・航路又は自動車線の割引率が異なるときは、割引率を同じくする片道普通旅客運賃の合計額からそれぞれの割引額を差し引いては数計算した額を合計した額とする。
3 異級乗車する場合の割引の鉄道片道普通旅客運賃は、次の通りとする。
(1) 上級と下級との割引率が同じときは、第88条の規定によつて計算した異級の片道普通旅客運賃から割引額を差し引いて、は数計算した額とする。
(2) 上級と下級との割引率が異なるときは、全区間に対する下級等級の割引率によつて計算した割引片道普通旅客運賃に、上級区間に対する上級等級の割引率によつて計算した割引片道普通旅客運賃と、同区間に対する下級等級の割引率によつて計算した割引片道普通旅客運賃との差額を加えた額とする。
(3) 上級と下級とのいずれか一方の等級に割引の適用がないときは、前号の計算中その割引の適用のない等級の片道旅客運賃を片道普通旅客運賃によつて計算した額とする。
4 鉄道・航路又は自動車線にまたがつて異級で乗車船する場合の割引片道普通旅客運賃は、次の通りとする。
(1) 鉄道・航路又は自動車線の割引率が同じときは、第72条の規定によつて計算した片道旅客運賃から割引額を差し引いては数計算した額とする。
(2) 鉄道・航路又は自動車線の割引率が異なるときは、第2項第2号によつて計算した額とする。

(往復乗車又は連続乗車の場合の普通旅客運賃)
第90条 往復乗車又は連続乗車する場合の普通旅客運賃は、次の通りとする。
(1) 往復乗車する場合の普通旅客運賃は、片道普通旅客運賃を2倍した額とする。
(2) 連続乗車する場合の普通旅客運賃は、各区間ごとに計算した片道普通旅客運賃を合計した額とする。
2 往復乗車又は連続乗車する場合の割引の普通旅客運賃は、各区間ごとの割引の片道普通旅客運賃を合計したものとする。この場合、乗車船区間のキロ程について割引の制限があるときは、その制限は各区間について適用する。

(異級の普通旅客運賃計算の特例)
第91条 旅客が、次に掲げる図の太線区間を通過する場合で図の太線区間に接続する前後の区間を1等又は2等によつて乗車する場合の鉄道の普通旅客運賃は、旅客から異級乗車の請求を特にしない限り、太線区間内の各列車には2等の設備のあるものとみなして計算する。

(学生割引)
第92条 第28条の規定により学生又は生徒に対して割引普通乗車券を発売する場合は、その3等区間について大人普通旅客運賃の5割(自動車線の普通旅客運賃にあつては、2割)を割引する。

(被救護者割引)
第93条 第30条の規定により被救護者又はその付添人に対して割引普通乗車券を発売する場合は、その3等区間について普通旅客運賃の5割を割引する。

(臨時特殊割引)
第94条 第32条の規定により割引の普通乗車券を発売する場合の普通旅客運賃の割引率は、その都度定める。

第3節 定期旅客運賃

(鉄道の大人定期旅客運賃)
第95条 鉄道の大人定期旅客運賃は、次の通りとする。この場合、2等大人普通定期旅客運賃にあつては、国有鉄道運賃法(昭和23年法律第112号)第5条の規定によつて定めたものに、2割の通行税相当額を加え10円未満のは数を10円に切り上げたものとする。
(1) 大人普通定期旅客運賃
 3等 別表第1号イに定める額
 2等 別表第1号ロに定める額
(2) 大人通勤定期旅客運賃
 別表第1号ハに定める額
(3) 大人通学定期旅客運賃
 別表第1号ニに定める額

(免税の鉄道の2等大人普通定期旅客運賃)
第96条 通行税が免除される場合の鉄道の2等大人普通定期旅客運賃は、別表第1号ロに定める額からその120分の20の通行税額(1円未満のは数は、切り捨てる。)を差し引いたものとする。

(定期旅客運賃の特定)
第97条 第14条第2項に規定する区間(総武本線御茶ノ水・秋葉原間を含む。)内に相互発着となり、又はこの区間にまたがる場合において、普通旅客運賃の計算に使用するキロ程が6キロメートル以下で、鉄道営業キロ程が9キロメートル・10キロメートル又は11キロメートルとなるときの大人通勤定期旅客運賃は、第95条の規定にかかわらず、次の通りとする。
   1箇月  3箇月  6箇月
鉄道営業キロ程が9キロメートルの場合  420円   1,150円   2,160円 
鉄道営業キロ程が10キロメートルの場合  500円   1,300円   2,400円 
鉄道営業キロ程が11キロメートルの場合  520円   1,400円   2,560円 

(3等均一普通定期旅客運賃)
第98条 第34条の規定による大人旅客に対する3等均一普通定期旅客運賃は、27キロメートル分の1箇月3等大人普通定期旅客運賃に相当する額とする。

(航路の大人定期旅客運賃)
第99条 航路の大人定期旅客運賃は、別表第1号ホに定める額とする。

(自動車線の大人定期旅客運賃)
第100条 自動車線の大人定期旅客運賃は、別表第1号ヘに定める額とする。

(制限距離をこえる場合の大人定期旅客運賃)
第101条 鉄道区間100キロメートルをこえる鉄道の大人定期旅客運賃は、100キロメートル分の定期旅客運賃と、100キロメートルをこえるキロ程に対する定期旅客運賃とを合計した額とする。
2 自動車線区間の50キロメートルをこえる自動車線の大人定期旅客運賃は、50キロメートル分の定期旅客運賃と、50キロメートルをこえるキロ程に対する定期旅客運賃とを合計した額とする。

(特定の被救護者割引定期旅客運賃)
第102条 第38条の規定により割引の通勤定期乗車券又は通学定期乗車券を発売する場合は、通勤定期旅客運賃又は通学定期旅客運賃の5割を割引する。

(異級乗車の大人普通定期旅客運賃の計算方)
第103条 2・3等の異級となる大人普通定期旅客運賃は、2等乗車船区間に対する2等大人普通定期旅客運賃と3等乗車船区間に対する3等大人普通定期旅客運賃とを合計した額とする。この場合、鉄道区間において同一等級の区間が2区間以上あるときは、同一等級区間は連続したものとし、前後の旅客運賃計算キロ程は合計して旅客運賃を計算する。
2 前項の場合において、全区間を、又は2等旅客運賃が同額のため3等区間の一部を2等区間とみなして計算した額が同項の規定により計算した額より低額となるときは、全区間又は3等区間の一部を2等旅客運賃によつて計算する。

(自動車線定期旅客運賃の計算方)
第104条 自動車線の定期旅客運賃は、自動車線が同一方向に連続する限り通算したキロ程によつて計算する。
2 鉄道又は航路が自動車線の中間に介在し通し運送する場合は、その前後の自動車線のキロ程は、連続しているものとみなして、定期旅客運賃を計算する。

(割引の定期旅客運賃)
第105条 割引の定期旅客運賃は、次の通りとする。
(1) 割引の大人定期旅客運賃は、大人定期旅客運賃から割引額を控除して、は数計算した額とする。
(2) 割引の小児定期旅客運賃は、小児定期旅客運賃から割引額を控除して、は数計算した額とする。

第4節 回数旅客運賃

(普通回数旅客運賃)
第106条 普通回数旅客運賃は、次の通りとする。
(1) 大人の普通回数旅客運賃は、3等にあつてはその区間の大人片道普通旅客運賃を10倍した額、2等にあつてはその区間の大人片道普通旅客運賃を20倍した額とする。
(2) 小児の普通回数旅客運賃は、3等にあつてはその区間の小児片道旅客運賃を10倍した額、2等にあつてはその区間の小児片道昔通旅客運賃を20倍した額とする。

(特殊回数旅客運賃)
第107条 第40条の規定により発売する特殊回数乗車券の旅客運賃は、大人150円、小児75円とする。

(均一回数旅客運賃)
第108条 第41条の規定により発売する均一回数乗車券の旅客運賃は、次の通りとする。
東京都区内均一回数旅客運賃  1冊   350円
東京電車環状線内均一回数旅客運賃   同  150円

(特殊均一回数旅客運賃)
第109条 第42条の規定により発売する特殊均一回数乗車券の旅客運賃は、次の通りとする。
(1) 大人の特殊均一回数旅客運賃は、その区間の大人片道普通旅客運賃を10倍した額とする。
(2) 小児の特殊均一回数旅客運賃は、その区間の小児片道普通旅客運賃を10倍した額とする。

(割引の回数旅客運賃)
第110条 割引の回数旅客運賃は、次の通りとする。
(1) 割引の大人回数旅客運賃は、大人回数旅客運賃から割引額を差し引いて、は数計算した額とする。
(2) 割引の小児回数旅客運賃は、小児回数旅客運賃から割引額を差し引いて、は数計算した額とする。

第5節 団体旅客運賃

(一般団体旅客運賃) 
第111条 第43条の規定によつて団体乗車券を発売する場合は、次の各号によつて普通旅客運賃の割引を行う。
(1) 学生団体
イ 3等
(イ)  学生・生徒・児童・幼児及び青年学級生
 大人 5割引(自動車線2割引)
 小児 3割引(   同   )
(ロ)  教職員・付添人及び旅行あつ旋人
 3割引(自動車線2割引)
ロ 2等
普通団体の割引率と同一とする。
(2) 訪日観光団体
イ 2等及び1等
   団体構成人員
 等級  15人以上  50人以上
 2等  2割引  2割5分引
 1等  2割5分引  3割引
ロ 3等
2等の割引率と同一とする。但し、2等又は1等の設備がない場合その他やむを得ず3等客車によつて乗車する場合に限り、これを適用する。
ハ イ又はロによる外、訪日観光団体旅客が、51人以上100人までのときは内1人、101人以上のときは内2人までの旅行あつ旋人(ガイドを含む。)に対しては、旅客運賃を収受しない。
(3) 普通団体
イ 鉄道及び航路の各等    
 輸送期間  団体構成人員
 30人以上  100人以上
 第1期  3月21日から5月31日まで
9月21日から10月31日まで
 5分引  5分引
 第2期  3月1日から3月20日まで
7月1日から9月20日まで
11月1日から11月30日まで
 1割2分引  1割5分引
 第3期  12月1日から2月末日まで
6月1日から6月30日まで
 2割引  2割5分引
ロ 自動車線 1割引
ハ イ又はロによる外、当該普通団体旅客が、51人以上100人までのときは内1人、101人以上のときは内2人までの旅行あつ旋人等に対しては、旅客運賃を収受しない。
2 前項第3号イの場合の割引率は、旅行開始駅において当該団体が乗車船する列車等の出発する日の属する期間のものを適用する。但し、当該団体の旅行行程中に2以上の旅客運賃計算の打切区間があるときは、その旅客運賃計算の打切区間の発駅から出発する日の属する期間の割引率をそれぞれ適用する。
3 特殊団体に対する割引率は、別に定める。

(団体旅客運賃の計算方)
第112条 団体旅客運賃の計算方は、次の通りとする。
(1) 大人の団体旅客運賃は、その全行程に対する1人当り大人普通旅客運賃から割引額を差し引いた額を、は数計算し、これに団体旅客運賃の収受人員を乗じた額とする。
(2) 小児の団体旅客運賃は、その全行程に対する1人当り小児普通旅客運賃から割引額を差し引いた額を、は数計算し、これに団体旅客運賃の収受人員を乗じた額とする。
(3) 大人と小児とが混乗する場合の団体旅客運賃は、大人、小児各別に、前各号の規定によつて算出した額を合計したものとする。
2 前項第1号及び第2号の場合において、1人当りの、普通旅客運賃から割引額を差し引いた額を計算する場合、区間によつて適用する割引率を異にするときは、同一割引率を適用するものごとに割引額を差し引いて、は数計算し、これを合計した額により、又、学生団体又は訪日観光団体で異級となるときは、第89条第3項及び4項の規定によつて計算した1人当りの額による。
3 第1項第1号の場合において、その構成人員中に割引率を異にするものがあるときは、その割引率を異にする人員ごとに同号の規定を適用する。

(客車専用団体旅客運賃)
第113条 第44条の規定による客車専用団体に対する旅客運賃は、第119条の貸切旅客運賃収受定員分に相当する大人の団体旅客運賃を収受する。
2 客車専用団体旅客の実際乗車人員が、旅客運賃収受定員を超過する場合であつても、設備定員まではその超過人員に対する旅客運賃を収受しない。但し、旅客運賃収受定員の1割(1人未満のは数は、切り捨てる。)を限度とする。
3 客車専用団体旅客の実際乗車人員が、旅客運賃収受定員と前項但書の人員との合計人員を超過する場合は、その超過人員に対しては、所定の大人団体旅客運賃を収受する。
4 客車専用団体旅客に対しては、第111条第1項第2号ハ及び同第3号ハの規定を適用しない。

(一部区間を客車専用とする場合の旅客運賃)
第114条 第44条の規定によつて、乗車船区間中の一部を客車専用とする場合の団体旅客運賃は、全区間の団体旅客運賃に、客車専用区問(客車専用区間が2以上ある場合で車種を同じくするときは、これらの区間のキロ程は通算する。)に対する客車専用団体旅客運賃と第111条の規定による団体旅客運賃との差額を加えた額とする。

(実際乗車人員が責任人員に満たない場合に収受する旅客運賃・料金)
第115条 第48条の規定による条件をもつて運送の引受をした団体旅客の実際乗車人員がその責任人員に満たなくなつた場合は、責任人員に相当する団体旅客運賃・料金を収受する。
2 前項の規定によつて責任人員に相当する団体旅客運賃・料金を収受する場合の不足人員に対する旅客運賃・料金の計算方は、次による。
(1) 申込人員が大人だけの団体の場合は、不足人員を大人として計算する。
(2) 申込人員が大人と小児との混合の団体の場合は、次の通りとする。
イ 大人だけが減少した場合は、不足人員を大人として計算する。
ロ 小児だけが減少した場合は、不足人員を小児として計算する。
ハ 大人と小児とがともに減少した場合は、各別の不足人員によつて計算する。
(3) 第1号の団体で小児が加わつた場合又は前号の場合で、大人又は小児の一方が減少し、他方が増加した場合は、大人1人を小児2人に、小児1人を大人0.5人にそれぞれ換算して、責任人員に対する不足人員を算出する。

(一部不乗団体の運賃計算方)
第116条 第51条の規定による団体旅客に対し団体旅客運賃を計算する場合の一部不乗区間の等級は、次の通りとする。
(1) 前後の区間の等級が同一のときは、その等級。但し、客車専用団体以外の団体で、その不乗区間に当該等級の客車を連結していない場合は、その区間の最上の等級とする。
(2) 異級の団体で、前後の区間の等級が異なるときは、下級等級

(団体旅客運賃を計算する場合のキロ程の通算)
第117条 団体旅客運賃を計算する場合のキロ程の通算は、第68条の規定による外、次の通りとする。
(1) 旅客が、第51条の規定により不乗区間の旅客運賃を支払うときは前後の区間及びその不乗区間のキロ程を通算する。
(2) 途中において、貸切区間が介在する場合は、その前後の区間のキロ程を通算する。
2 普通乗車券について途中下車を禁止している区間内において途中下車をする団体旅客に対しては、当該下車駅をもつて前後のキロ程を打ち切つて団体旅客運賃を計算する。

(団体旅客に対する最低運賃適用の特例)
第118条 団体旅客運賃計算に当つて1人当りの最低額は、第84条の規定にかかわらず、旅客運賃打切区間ごとに適用しないで、全行程について、これを適用する。

第6節 貸切旅客運賃

(貸切旅客運賃)   
第119条 第52条の規定によつて全車貸切・半車貸切又は列車貸切とする場合は、次の各号の人員に相当する大人普通旅客運賃を収受する。
(1) 1等客車
 1両につき20人
(2) 2等客車
イ  座席車 普通2等 1両につき44人
特別2等 同 44人
ロ  寝台車 A室は1両につき18人、B室は1両につき22人、C室は1両につき28人。但し、寝台を使用しないで座席車として使用する場合は、この5割増とする。
(3) 3等客車
イ  座席車 普通3等  1両につき 72人
レールバス 同     40人
ロ  寝台車 1両につき60人。但し、寝台を使用しないで座席車として使用する場合は、この2割増とする。
(4) 合造車
 各等各車室について、前各号の旅客運賃収受定員の1/2。但し、その客車区分が3区分となつているときは、1/3に相当する人員とする。
2 第52条の規定によつて列車又は連絡船の寝台の区分車船室を貸切とする場合は、寝台設備定員に相当する普通旅客運賃を収受する。但し、列車寝台区分室貸切の場合で、寝台を使用しないときは、寝台設備定員の5割増に相当する人員(1人未満のは数は1人に切り上げる。)分の普通旅客運賃を収受する。
3 汽船貸切の貸切旅客運賃は、その都度定める。
4 自動車貸切の貸切旅客運賃は、次の通りとする。
(1) キロ制の場合 別に定める。
(2) 貸切制の場合 別に定める。

(寝台区分室の旅客運賃の割引)
第120条 2等A室の寝台料金を適用する寝台車室の区分室を寝台利用旅客に対して貸切の取扱をする場合で、実際乗車人員がその旅客運賃収受定員に満たないときは、旅客運賃収受定員に対する普通旅客運賃から2割5分の割引をする。

(横が患者運送のための荷物車又は荷物車室の貸切旅客運賃)
第121条 横が患者の運送のため、第56条の規定により荷物車又は荷物車室を貸切とする場合は、1車について、次の各号に定める人員に相当する大人普通旅客運賃を収受する。
(1 荷物車 3等 30人
(2) 客室又は郵便車室との合造車の荷物車室 3等 15人

(貸切旅客運賃の最低額)
第122条 第119条第1項及び第2項又は第120条の規定による場合の貸切旅客運賃の最低額は、その全貸切区間の旅客運賃が50キロ分の旅客運賃に満たないときであつても、第119条又は第120条の規定によつて計算した50キロ分の旅客運賃とする。

(貸切旅客の運賃収受定員超過の場合の旅客運賃)
第123条 第113条第2項及び第3項の規定は、貸切旅客運賃(自動車貸切の場合を除く。)に準用する。

(貸切旅客運賃を計算する場合のキロ程の通算)
第124条 第117条の規定は、貸切旅客運賃の計算をする場合に準用する。
2 前項の場合、客車が異つている場合であつても、車種及び旅客運賃収受定員が同一のときは、これらのキロ程を通算する。

第7節 急行料金

(大人急行料金)
第125条 第57条の規定によつて発売する急行券の大人急行料金は、次の通りとする。
(1) 3等大人急行料金
イ 特別急行料金
 400キロメートルまで  800キロメートルまで  1,200キロメートルまで  1,200キロメートルをこえるもの
 600円  800円  1,000円  1,200円
ロ 普通急行料金
 300キロメートルまで  600キロメートルまで  900キロメートルまで  1,200キロメートルまで  1,200キロメートルをこえるもの
 230円  350円  460円  580円  690円
ハ 準急行料金
 150キロメートルまで  300キロメートルまで  600キロメートルまで  900キロメートルまで  900キロメートルをこえるもの
 70円  120円  180円  230円  290円
ニ 自動車急行料金  50円
(2) 2等・1等大人急行料金
 国有鉄道運賃法第6条に定める額に、これの2割の通行税相当額を加え、10円未満のは数のあるものはこれを円位において四捨五入した次のものとする。
イ 特別急行料金
    400キロメートルまで  800キロメートルまで  1,200キロメートルまで  1,200キロメートルをこえるもの
 2等  1,440円  1,920円  2,400円  2,880円
 1等  2,160円  2,880円  3,600円  4,320円
ロ 普通急行料金
    300キロメートルまで  600キロメートルまで  900キロメートルまで  1,200キロメートルまで  1,200キロメートルをこえるもの
 2等  550円  840円  1,100円  1,390円  1,660円
 1等  830円  1,260円  1,660円  2,090円  2,480円
ハ 準急行料金
    150キロメートルまで  300キロメートルまで  600キロメートルまで  900キロメートルまで  900キロメートルをこえるもの
 2等  170円  290円  430円  550円  700円
 1等  250円  430円  650円  830円  1,040円

(免税の大人急行料金)
第126条 通行税が免除される場合には、前条に規定する2等及び1等の大人急行料金は、次の通りとする。
(1) 大人特別急行料金
    400キロメートルまで  800キロメートルまで  1,200キロメートルまで  1,200キロメートルをこえるもの
 2等  1,200円  1,600円  2,000円  2,400円
 1等  1,800円  2,400円  3,000円  3,600円
(2) 大人普通急行料金
    300キロメートルまで  600キロメートルまで  900キロメートルまで  1,200キロメートルまで  1,200キロメートルをこえるもの
 2等  460円  700円  920円  1,160円  1,380円
 1等  690円  1,050円  1,380円  1,740円  2,070円
(3) 大人準急行料金
    150キロメートルまで  300キロメートルまで  600キロメートルまで  900キロメートルまで  900キロメートルをこえるもの
 2等  140円  240円  360円  460円  580円
 1等  210円  360円  540円  690円  870円

(異級乗車の列車急行料金の計算方)
第127条 同一急行列車で異級乗車する場合の列車急行料金には、第88条の規定による計算方を準用する。但し、全区間の上級急行料金がこれより低額の場合は、この上級急行料金による。

(団体旅客に対する急行料金)
第128条 第43条及び第44条の規定による団体旅客に対する急行料金は、その旅客運賃収受人員(乗車人員が、旅客運賃収受人員をこえる場合は、実際乗車人員)に相当する額とする。

(貸切旅客に対する急行料金)
第129条 第52条の規定による貸切旅客に対する急行料金は、その旅客運賃収受人員(乗車人員が、旅客運賃収受定員をこえる場合は、実際乗車人員)に相当する大人急行料金とする。

第8節 指定料金

(座席指定料金) 
第130条 第58条の規定によつて発売する座席指定券の座席指定料金は、2等200円、3等100円とする。

(大人特別2等車料金)
第131条 第59条の規定によつて発売する特別2等車券の大人特別2等車料金は、国有鉄道運賃法第6条の規定によつて定めた額に、その2割の通行税相当額を加えた次のものとする。
 300キロメートルまで  600キロメートルまで  900キロメートルまで  1,200キロメートルまで  1,200キロメートルをこえるもの
 300円  420円  540円  600円  720円

(特別2等船室料金) 
第132条 第60条の規定によつて発売する宇野・高松間航路特別2等船室券の特別2等船室料金は、国有鉄道運賃法第6条の規定によつて定めた額に、その2割の通行税相当額を加えた60円とする。

(免税の大人特別2等車料金及び特別2等船室料金)
第133条 通行税が免除される場合には、第131条に定める大人特別2等車料金及び前条に規定する特別2等車船室料金は、次の通りとする。
(1) 大人特別2等車料金
 300キロメートルまで  600キロメートルまで  900キロメートルまで  1,200キロメートルまで  1,200キロメートルをこえるもの
 250円  350円  450円  500円  600円
(2) 特別2等船室料金
宇野・高松間航路 50円

(団体旅客に対する座席指定料金及び特別2等車料金)
第134条 第43条及び第44条の規定による団体旅客に対する座席指定料金及び特別2等車料金は、その旅客運賃収受人員(乗車人員が、旅客運賃収受人員をこえる場合は、実際乗車人員)に相当する額とする。

(貸切旅客に対する特別2等車料金)
第135条 第52条の規定による貸切旅客に対する特別2等車料金は、その旅客運賃収受人員(乗車人員が、旅客運賃収受定員をこえる場合は、実際乗車人員)に相当する大人特別2等車料金とする。

第9節 寝台料金

(寝台料金)
第136条 第62条の規定によつて発売する寝台券の寝台料金は、国有鉄道運賃法第6条の規定によつて定めた額に、その2割の通行税相当額を加えた次のものとする。
(1) 列車寝台料金
3等  1夜につき1個   上段
中段
下段 
 720円
840円
960円
2等A室   同  上段
下段
個室 
 2,160円
2,760円
3,360円
2等B室   同  上段
下段 
 1,680円
2,160円
2等C室   同  上段
下段 
 1,200円
1,560円
(2) 連絡船寝台料金
2等(青森・函館間航路)1個  上段  720円
 下段  840円

(免税の寝台料金)
第137条 通行税が免除される場合には、第136条に規定する寝台料金は、次の通りとする。
(1) 列車寝台料金
3等  1夜につき1個   上段
中段
下段 
 600円
700円
800円
2等A室   同  上段
下段
個室 
 1,800円
2,300円
2,800円
2等B室  同  上段
下段
 1,400円
1,800円
2等C室  同  上段
下段
 1,000円
1,300円
(2) 連絡船寝台料金
2等(青森・函館間航路)1個  上段  600円
 下段  700円

(団体旅客に対する寝台料金)
第138条 第43条及び第44条の規定による団体旅客に対する寝台料金は、その旅客運賃収受人員(乗車人員が、旅客運賃収受人員をこえる場合は、実際乗車人員)に相当する額とする。

(貸切旅客に対する寝台料金)
第139条 第52条の規定による貸切旅客に対する寝台料金は、その旅客運賃収受人員(乗車人員が、旅客運賃収受定員をこえる場合は、実際乗車人員)に相当する額とする。

第10節 その他の料金

(航送料金)
第140条 国鉄において運輸上支障がないと認めた場合は、第44条の規定によつて客車を専用する旅客又は第52条の規定によつて客車を貸切とする旅客の申出により青森・函館間航路及び宇野・高松間航路に限り、その客車(食堂車・旅客輸送のための荷物車を含む。)の航送の取扱をする。
2 前項の規定による取扱をする場合の航送料金は、次の通りとし、団体乗車券又は貸切乗車券によつてあわせ収受する。
青森・函館間 1両1回につき 39,710円
宇野・高松間 11,140円
3 前項の規定によつて航送料金を収受する場合は、別に当該航路区間に対する第82条所定の旅客運賃を収受しない。

(食堂車の貸切料金)
第141条 国鉄において運輸上支障がないと認めた場合は、団体旅客又は貸切旅客の申出により食堂車を急行列車又は国鉄において特に認めた列車に連結し、次の各号の食堂車貸切料金を収受して貸切の取扱をする。
(1) 全車のもの 1両1キロメートルにつき 32円
(2) 半車のもの 同 21円
2 食堂車の貸切料金算出のキロ程は、普通旅客運賃の計算に使用する場合のキロ程による。
3 食堂車の貸切料金の最低額は、50キロメートルに相当する額とする。
4 食堂車の貸切料金は、団体乗車券又は貸切乗車券によつて、あわせ収受する。

(専用線料金)
第142条 専用線(特定旅客の専用する側線をいう。以下同じ。)に客車専用団体旅客の客車又は貸切車を連結した列車を運転する場合は、当該専用線のキロ程(往復の場合は、打ち切つて各別とする。)に対する貸切旅客運賃に相当する額を専用線料金として収受する。この場合、専用線のキロ程が50キロ未満であつても貸切旅客運賃の最低額を適用しないで、実際のキロ程による貸切旅客運賃に相当する額を専用線料金とする。
2 前項の規定による専用線料金は、団体乗車券又は貸切乗車券によつてあわせ収受する。

(車両の留置料金)
第143条 第44条の規定によつて客車を専用する旅客又は第52条の規定によつて客車を貸切とする旅客の申出によつて、その車両を指定して同一駅に滞留させる場合で、その滞留時間が6時間をこえるとき又は旅客の下車駅と異なる他駅に回送する場合で、下車駅の到着時刻から再び乗車する駅の出発時刻までに6時間をこえるときは、その超過時間について、次の各号の留置料金を収受する。
(1) 機関車 1両につき2時間までごとに 1,530円
(2) 客車・電車・気動車・レールバス・荷物車及び食堂車 同 510円
2 前項の規定による車両の留置料金を団体乗車券又は貸切乗車券の発売駅において収受する場合は、団体乗車券又は貸切乗車券によつて、あわせ収受する。
3 第1項の規定にかかわらず、機関車を留置して暖房を行う場合は、第144条の規定による機関車の暖房料金を収受する時間は、機関車の留置時間から差し引いて車両の留置料金を計算する。

(暖房料金)
第144条 国鉄において運輸上又は設備上支障がないと認めた場合は、旅客の申出により、滞留中の団体旅客の専用とする客車又は貸切車に対して機関車・暖房車又は定置暖房設備により暖房を行う。この場合の暖房料金は、2時間までごとに、機関車による場合は、1,680円、暖房車又は定置暖房設備による場合は840円とする。

(専用扱又は貸切扱取消の場合の回送料)
第145条 客車その他の車両を専用又は貸切とする場合であつて、これを他駅から回送した後、申込者の都合によつてその申込を取り消した場合は、その回送区間及び返送区間の全キロ程について、次の各号に定める車両回送料金を収受する。この場合、回送区間と返送区間のキロ程は、打ち切つて各別に計算する。
(1) 機関車 1両1キロメートルにつき 160円
(2) 客車・電車・気動車・レールバス・荷物車及び食堂車 同 50円
2 前項の規定による回送料は、保証金を収受したものにあつては、これを収受しない。

(暖房用機関車の回送料)
第146条 第144条の規定により機関車又は暖房車によつて暖房するため、機関車をもよりの機関区等から回送し、若しくはもより機関区等へ返送するとき又は暖房車けん引用機関車を運転するときは、その回送区間・返送区間又は運転区間の全キロ程について、1両1キロメートルにつき160円を収受する。この場合、回送区間・返送区間又は運転区間のキロ程は、打ち切つて計算する。

第4章 乗車券類の効力

第1節 通則

(乗車券類の使用条件)
第147条 乗車券類は、乗車人員を記載したものを除き、1券片をもつて1人が、1回に限り、その券面表示事項に従つて使用することができる。但し、定期乗車券については、その使用回数を制限しない。
2 第226条に規定する上級変更専用券及び区間変更専用券は、原乗車券又は原急行券とともに使用する場合に限つて変更された相当の乗車券類とする。但し、原乗車券が鉄道発自動車線着又は自動車線内各駅相互発着の場合の区間変更専用券については、原乗車券を必要としない。
3 同一旅客が、同一区間に対して有効な2枚以上の同種の乗車券類を所持する場合は、当該乗車船については、その1枚のみを使用することができる。同一旅客が、同一区間に対し有効な指定券と寝台券とを所持する場合についてまた同じ。
4 乗車券類は、乗車船以外の目的で乗降場に入出する場合には、使用することができない。

(効力の特例)
第148条 乗車券類は、次の各号に掲げる場合は、前条の規定にかかわらず、使用することができる。
(1) 上級等級の車船室に有効な乗車券類(乗車列車を指定したものを除く。)を使用して下級等級の車船室に乗車船する場合。
(2) 大人用の乗車券類を小児が使用して乗車船する場合。
(3) 乗車券類の券面に表示された発着区間内の途中駅から乗車船する場合。

(券面表示事項が不明となつた乗車券類)
第149条 乗車券類は、その券面表示事項が不明となつたときは、使用することができない。
2 前項の規定により使用できない乗車券類を所持する旅客は、これを駅(定期乗車券にあつては、発行駅)に差し出して書替を請求することができる。
3 前項の規定により旅客から書替の請求があつた場合は、旅客に悪意がないと認められ、且つ、旅客の申出その他の方法によりその不明事項が判別できるときに限つて、当該乗車券類と引換に再交付の取扱をする。

(不乗区間に対する取扱)
第150条 旅客は、第148条の規定により乗車券類の券面に表示された発着区間内の途中駅から旅行を開始し、又は同区間内の途中駅で下車した後に前途の駅から乗車船した場合の不乗区間については、乗車船の請求をすることができない。

(通用期間の起算日)
第151条 乗車券類の通用期間は、通用開始日を特に指定して発売したものを除き、当該乗車券類を発行した当日から起算する。

(小児用乗車券類の効力の特例)
第152条 小児用の乗車券類は、その通用期間中に、使用旅客の年齢がl2歳に達した場合であつても、第147条の規定にかかわらず、これを使用することができる。

(乗車券類不正使用未遂の場合の取扱方)
第153条 旅客が、当該乗車船について効力のない乗車券類を使用しようとした場合は、これを無効として回収する。但し、他の乗車船について使用できるものであつて、旅客に悪意がなく、その証明ができる場合は、この限りでない。

第2節 乗車券の効力

(通用期間)
第154条 乗車券の通用期間は、別に定める場合の外、次の各号による。
(1) 普通乗車券
イ 片道乗車券
(イ) 鉄道区間若しくは航路区間内各駅相互発着又はこれらの区間にまたがる乗車券の通用期間は、キロ程が20キロメートルまでのときは1日、20キロメートルをこえ200キロメートルまでのときは2日とし、200キロメートルをこえるものは、200キロメートルまでを増すごとに、200キロメートルに対する通用期間に1日を加えたものとする。但し、第156条第2号に規定する電車特定区間内各駅相互発着の乗車券の通用期間は、1日とする。
(ロ) 自動車線内各駅相互発着の乗車券の通用期間は、1日とする。
(ハ) 鉄道又は航路と自動車線との相互発着(自動車線を通過する場合を含む。)の乗車券の通用期間は、(イ)通用期間に(ロ)の通用期間を加えたものとする。但し、全区間のキロ程が20キロメートルまでのときは、1日とする。
ロ 往復乗車券 片道乗車券の通用期間の2倍とする。
ハ 連続乗車券 各券片について、片道乗車券の計算方法によつて計算した通用期間を合計した期間とする。
(2) 定期乗車券
イ 普通定期乗車券
 1箇月又は3箇月とする。但し、均一普通定期乗車券にあつては1箇月とする。
ロ 通勤定期乗車券及び通学定期乗車券
1箇月・3箇月又は6箇月とする。
(3) 回数乗車券
3等は、1箇月(自動車線内各駅相互間のものにあつては3箇月)、2等は、2箇月とする。
(4) 団体乗車券
その都度定める。
(5) 貸切乗車券
その都度定める。
2 第69条から第71条まで、第86条又は第87条の規定によつて、旅客運賃の計算をする普通乗車券の通用期間は、その旅客運賃を計算する場合のキロ程によつて計算する。

(継続乗車船)
第155条 乗車船中に通用期間を経過した当該使用乗車券は、下車船しないでそのまま乗車船する場合に限つて、その券面に表示された着駅までは、第147条の規定にかかわらず、これを使用することができる。この場合、接続駅において設備又は時間の関係上、旅客を一時出場させて、列車等に接続のため待合せをさせるときは、指定した列車等に乗り継ぐ場合に限り、継続乗車船しているものとみなす。

(途中下車)
第156条 旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によつて、その券面に表示された発着区間内の着駅以外の駅に下車して出場した後、再び列車等に乗り継いで旅行することができる。但し、次の各号に定める駅を除く。
(1) 全区間のキロ程が片道20キロメートルまでの区間に対する普通乗車券又は自動車線内の各駅相互間発着の普通乗車券を使用する場合は、その区間内の駅。但し、列車等の接続駅で、接続関係等の理由により、旅客が下車を希望する場合を除く。
(2) 電車特定区間(東京附近にあつては、東海道本線中東京・横浜間及び横浜・桜木町間、南武線、鶴見線、横浜線、中央本線中東京・浅川間、三鷹・武蔵野競技場前間及び国分寺・東京競馬場前間、東北本線中東京・大宮間及び日暮里・尾久・赤羽間、山手線、常磐線中日暮里・取手間並びに総武本線中御茶ノ水・千葉間、大阪附近にあつては、東海道本線中京都・神戸間、西成線、山陽本線中神戸・明石間及び明石・西明石間、片町線中長尾・片町間、城東線並びに阪和線)内の駅相互間発着の普通乗車券を使用する場合は、その区間内の駅
(3) 第86条又は第87条の規定によつて発売した乗車券を使用する場合は、乗車券面に表示された東京都区内、大阪市内又は東京電車環状線内にある駅
(4) 鉄道又は航路と自動車線とにまたがる普通乗車券で、全区間のキロ程が片道20キロメートルをこえるものを使用する場合は、自動車線区間内の駅。但し、国鉄が指定した駅を除く。
(5) 回数乗車券を使用する場合は、その券面に表示された区間内の駅
(6) 国鉄が特に途中下車できる駅を指定した場合は、その指定した駅以外の駅

(選択乗車船)
第157条 旅客は、次の各号に掲げる各駅相互間(略図中の〓線区間以遠の駅と━線区間以遠の駅若しくは◎印駅相互間)を、普通乗車券(併用となるものを含む。)によつて旅行する場合は、その所持する乗車券の券面に表示された経路にかかわらず、各号の末尾に記載した同一かつこ内の区間又は経路のいずれか一方を選択して乗車船することができる。但し、2枚以上の普通乗車券を併用して使用する場合は、他方の経路の乗車中においては途中下車をすることができない。
(1) 小樽築港以遠(朝里方面)の各駅と、小樽以遠(塩谷方面)の各駅又は手宮駅との相互間(南小樽・小樽間、南小樽・手宮間)
(2) 岩沼以遠(槻木又は亘理方面)の各駅又は羽前千歳以遠(北山形又は南出羽方面)の各駅と、塩釜又は本塩竈駅との相互間(仙台・塩釜間、仙台・本塩竈間)
(3) 仙台以遠(北仙台又は長町方面)の各駅と、松島、新松島又は松島海岸駅との相互間(仙台・松島間、仙台・新松島間、仙台・松島海岸間)
(4) 仙台以遠(長町又は北仙台方面)の各駅と、品井沼以遠(鹿島台方面)の各駅との相互間(仙台・松島間、仙台・新松島間、仙台・松島海岸間)(仙台・塩釜間、仙台・本塩竈間)(松島・品井沼間、新松島・品井沼間)
(5) 品井沼以遠(鹿島台方面)の各駅と、松島又は新松島駅との相互間(品井沼・松島間、品井沼・新松島間)
(6) 柏崎以遠(鯨波方面)の各駅と、新発田以遠(加治又は五十公野方面)の各駅との相互間(信越本線及び羽越本線経由、越後線及び白新線経由)
(7) 大宮以遠(日進又は与野方面)の各駅と、桐生以遠(相老方面)の各駅との相互間(井野及び前橋経由、小山経由)。この場合、乗車券面に表示された経路以外の区間内では、途中下車の取扱をしない。
(8) 日暮里以遠(鶯谷、田端又は尾久方面)の各駅又は両国以遠(浅草橋方面)の各駅と、成田以遠(久住方面)の各駅との相互間(三河島及び柏経由、錦糸町・四街道及び酒々井経由)
(9) 佐倉以遠(物井方面)の各駅と、松岸又は銚子駅との相互間(総武本線経由、成田線経由)。この場合、乗車券面に表示された経路以外の区間内では途中下車の取扱をしない。
(10) 千葉以遠(西千葉方面)の各駅と、成東以遠(松尾方面)の各駅との相互間(四街道経由、誉田経由)
(11) 戸塚以遠(保土ケ谷方面)の各駅と、藤沢以遠(辻堂方面)又は鎌倉以遠(逗子方面)の各駅との相互間(大船・藤沢間、大船・鎌倉間)
(12) 大府以遠(共和方面)の各駅と、刈谷又は緒川駅との相互間(大府・刈谷間、大府・緒川間)
(13) 木ノ本以遠(高月方面)の各駅と、敦賀以遠(新保又は粟野方面)の各駅との相互間(北陸本線経由、柳ケ瀬線経由)
(14) 拓植以遠(加太方面)の各駅と、大阪以遠(塚本又は福島方面)の各駅との相互間(草津線及び東海道本線経由、関西本線及び城東線経由)
(15) 奈良以遠(木津方面)の各駅と、大和新庄以遠(御所方面)の各駅との相互間(関西本線及び和歌山線経由、桜井線経由)
(16) 平野以遠(加美方面)の各駅と、大阪以遠(塚本又は東淀川方面)の各駅との相互間(天王寺・大阪間、天王寺・湊町間)
(17) 紀伊中ノ島以遠(田井ノ瀬又は六十谷方面)の各駅と、東和歌山以遠(紀三井寺方面)の各駅との相互間(紀伊中ノ島・和歌山・東和歌山間、阪和線経由紀伊中ノ島・東和歌山間)
(18) 大阪以遠(天満又は福島方面)又は尼崎以遠(立花又は金楽寺方面)の各駅と、綾部以遠(梅迫方面)の各駅との相互間(東海道本線・福知山線及び山陰本線経由、東海道本線及び山陰本線経由)
(19) 居能以遠(宇部方面)の各駅と、小野田以遠(厚狭方面)の各駅との相互間(宇部線及び山陽本線経由、小野田線経由)
(20) 中田以遠(地蔵橋方面)の各駅と、小松島駅又は南小松島駅との相互間(中田・小松島間、中田・南小松島間)
(21) 下関以遠(幡生方面)の各駅と、門司以遠(小倉方面)の各駅との相互間(ずい道線経由下関・門司間、鹿児島本線経由門司港・門司間)
(22) 香春以遠(採銅所方面)の各駅と、添田以遠(豊前桝田方面)の各駅との相互間(日田線経由、日田線及び田川線経由)
(23) 遠賀川以遠(海老津又は古月方面)又は中間以遠(筑前垣生又は新手方面)の各駅と、若松駅又は戸畑以遠(小倉方面)の各駅との相互間(折尾・若松間、折尾・戸畑間)
(24) 博多以遠(筑前箕島方面)又は吉塚以遠(原町又は御手洗方面)の各駅と、直方以遠(中泉方面)の各駅との相互間(折尾及び筑豊本線経由、原田及び筑豊本線経由)
(25) 金田以遠(赤池方面)の各駅と、後藤寺以遠(池尻又は船尾方面)の各駅との相互間(伊田線及び田川線経由、糸田線経由)
(26) 山本以遠(相知、肥前久保又は牟田部方面)の各駅と、唐津・西唐津又は東唐津以遠(虹ノ松原方面)の各駅との相互間(山本と唐津又は西唐津間、山本・東唐津間)
(27) 肥前山口以遠(牛津方面)の各駅と、岩松・竹松間各駅との相互間(早岐経由、諫早経由)
(28) 加治木以遠(帖佐方面)の各駅と、霧島神宮以遠(北永野田方面)の各駅又は牧園以遠(大隅横川方面)の各駅との相互間(隼人・牧園間、隼人・霧島神宮間)

(特定区間におけるう回乗車)
第158条 第69条の規定により発売した乗車券を所持する旅客は、同条第1項各号の規定の末尾に記載されたかつこ内の○印のない経路をう回して乗車する事ができる。
2 第69条第1項各号の区間内において2枚以上の普通乗車券を併用して乗車する旅客は、その券面に表示された経路にかかわらず、同号かつこ内の他方の経路を乗車することができる。但し、他方の経路の乗車中においては、途中下車をすることができない。

(特定区間を通過する場合のう回乗車)
第159条 旅客は、普通乗車券・回数乗車券又は団体乗車券によつて、第70条に掲げる図の太線区間を通過する場合には、この区間をう回して乗車することができる。

(特定区間発着の場合のう回乗車)
第160条 第70条に掲げる図の太線区間内にある駅発又は着の普通乗車券又は回数乗車券を所持する旅客は、その区間内においては、その乗車券の券面に表示された経路にかかわらず、う回して乗車するとができる。但し、う回乗車区間内では、途中下車をすることができない。
2 第70条に掲げる図の太線区間内にある駅発又は着の乗車券を所持する旅客が、前項の規定によりう回乗車した場合において、そのう回中の途中駅に下車したときは、方向変更又は経路変更として取り扱う。

(定期乗車券による急行列車等乗車の禁止)
第161条 旅客は、定期乗車券を使用して、急行券を必要とする列車若しくは自動車又は指定券若しくは寝台券を必要とする車船室に乗車船することはできない。

(大人用回数乗車券を小児が使用する場合の特例)
第162条 大人用の回数乗車券は、これを小児が同時に使用する場合は、第147条の規定にかかわらず、1券片をもつて小児2人が乗車船することができる。

(回数乗車券の同時使用)
第163条 回数乗車券は、同行する旅客のある場合には、3等用にあつては最終券片、2等用にあつては表紙を所持する旅客とその同行の旅客とをあわせて、4券片に相当する人員分まで同時に使用することができる。
2 前条又は前項の規定により乗車船する同行の旅客は、旅行を終了するまで、最終券片又は表紙を所持している旅客と同行しなければならない。

(改氏名の場合の定期乗車券の書替)
第164条 定期乗車券の使用者は、氏名を改めた場合は、これを発行駅に差し出して、その氏名の書替を請求しなければならない。

(乗車券が前途無効となる場合) 
第165条 乗車券(往復乗車券・連続乗車券又は回数乗車券については、その使用する券片)は、次の各号の1に該当する場合は、その後の乗車船については無効として回収する。
(1) 旅客が途中下車できない駅に下車したとき。
(2) 旅客が第312条第1項第1号・第313条又は第314条の取扱を受けたとき。
(3) 伝染病予防法第18条の規定によつて途中で下車させられたとき又は鉄道営業法(明治30年法律第65号)第42条の規定によつて車外に退去させられたとき。

(前途無効となる乗車券の特例)
第166条 旅客が第86条第87条又は第160条第70条に掲げる図の太線区間内の駅相互発着の場合を除く。)の場合の乗車券を使用して、発駅と同一の都区内・市内若しくは環状線内又は第70条に掲げる図の太線区間内にある駅に下車した場合であつて、実際の乗車駅と下車駅との区間に対する普通旅客運賃を支払つたときは、前条の規定にかかわらず、その乗車券を有効として取り扱う。

(定期乗車券以外の乗車券が無効となる場合)
第167条 定期乗車券以外の乗車券は、次の各号の1に該当する場合は、その全券片を無効として回収する。
(1) 旅客運賃割引証と引換に購求した割引の乗車券を割引証の記名人以外の者が使用したとき。
(2) 券面表示事項が不明となつた乗車券を使用したとき。
(3) 第25条第1項の規定により無効となる旅客運賃割引証で購求した乗車券を使用したとき。
(4) 身分又は資格を偽つて発行された各種割引証又は証明書で購求した乗車券を使用したとき。
(5) 券面表示事項(途中下車印[手]印等を含む。)を、ぬり消し、又は改変して使用したとき。
(6) 区間の連続していない2枚以上の回数乗車券を使用して、その各券面に表示された区間と区間との間を乗車船したとき。
(7) 旅行開始後又は手荷物託送後の乗車券を他人から譲り受けて使用したとき。
(8) 第171条の規定により身分証明書等の携行を必要とする乗車券を使用する旅客が、これを携行していないとき。
(9) 係員の承諾を得ないで、乗車券の券面に表示された区間外の区間を乗車船したとき又はその券面に表示された等級より上級等級の車船室に乗車船したとき。
(10) 大人が小児用の乗車券を使用したとき。但し、第152条に規定する場合を除く。
(11) 乗車船する列車等を指定した乗車券で、指定以外の列車等に乗車船したとき。
(12) 乗車券をその券面に表示された発着の順序に違反して使用したとき。
(13) その他乗車券を不正乗車船の手段として使用したとき。
2 前項の規定は、偽造(擬装を含む。以下同じ。)した乗車券を使用して乗車船した場合に準用する。

(定期乗車券が無効となる場合)
第168条 定期乗車券は、次の各号の1に該当する場合は、無効として回収する。
(1) 定期乗車券をその記名人以外の者が使用したとき。
(2) 券面表示事項が不明となつた定期乗車券を使用したとき。
(3) 使用資格・氏名・年齢・区間又は通勤若しくは通学の事実を偽つて購求した定期乗車券を使用したとき。
(4) 券面表示事項をぬり消し、又は改変して使用したとき。
(5) 区間の連続していない2枚以上の定期乗車券を使用して、その各券面に表示された区間と区間との間を乗車船したとき。
(6) 定期乗車券の区間と連続してない普通乗車券又は回数乗車券を使用して、その各券面に表示された区間と区間との間を乗車船したとき。
(7) 通勤定期乗車券又は通学定期乗車券を使用する旅客が、その使用資格を失つた後に使用したとき。
(8) 通用期間開始前の定期乗車券をその期間開始前に使用したとき。
(9) 通用期間満了後の定期乗車券をその期間満了後に使用したとき。
(10) 通勤定期乗車券又は通学定期乗車券を使用する旅客であつて、第170条の規定によつて身分証明書を携帯しなければならない者が、これを携帯していないとき。
(11) 係員の承諾を得ないで、定期乗車券の券面に表示された区間外の区間を乗車船したとき又はその券面に表示された等級より上級等級の車船室に乗車船したとき。
(12) その他定期乗車券を不正乗車船の手段として使用したとき。
2 前項の規定は、偽造した定期乗車券を使用して乗車船した場合に準用する。

(最終券片又は表紙から切り離された回数乗車券の券片等の効力)
第169条 回数乗車券の券片は、旅行開始前に切り離した場合は、無効として回収する。
2 回数乗車券の旅行開始後切り離した券片は、当該回数乗車券の最終券片又は表紙とともに所持しない場合は、無効として回収する。
3 第162条又は第163条の規定により同行する旅客の使用する回数乗車券の券片は、当該回数乗車券の最終券片又は表紙を所持する旅客と同行していない場合は、無効として回収する。

(通勤定期乗車券及び通学定期乗車券の効力)
第170条 通勤定期乗車券(自動車線内各駅相互発着となるものを除く。)は、勤務先又は在籍校代表者の、通学定期乗車券は、その通学する指定学校の代表者のそれぞれ発行した次の各号の様式による身分証明書を携帯する場合に限つて有効とする。但し、第35条第4項の規定により指定学校以外の学校の学生又は生徒に発売した通勤定期乗車券を使用する場合の身分証明書は、便宜、通学定期乗車券用身分証明書によることができる。
(1) 通勤定期乗車券用身分証明書
(2) 通学定期乗車券用身分証明書
備考(1) 内には、学校種別又は指定番号を表示する。
(2) この証明書に用いる写真は、証明書発効日前6箇月以内に撮影した縦4cm、横3cmの正面上半身のものとする。
(3) この証明書にはりつける写真は、証明書発行の日から1箇月間に限り、省略することができる。
(4) 中学校第3学年以下の生徒・自動及び幼児の身分証明書は、写真を省略したものとすることができる。
2 官公庁・会社・学校等においてその代表者が発行した身分証明書又は学生証で、前項に規定する様式に準ずるものは、同項の身分証明書に代用することができる。
3 通勤定期乗車券用身分証明書の有効期間は、発行の日から1箇年間とする。

(学生用割引乗車券等の効力)
第171条 学校学生生徒旅客運賃割引証を使用して購求した乗車券は、当該割引証に記入されている学生又は生徒が、その在学する指定学校の代表者の発行した前条所定の身分証明書を携帯する場合に限つて使用することができる。
2 被救護者旅客運賃割引証を使用して購求した普通乗車券は、当該割引証に記入されている被救護者又は付添人が、当該施設の代表者の発行した次の様式による旅行証明書を携帯する場合に限つて使用することができる。
備考(1) 内には、指定番号を表示する。
(2) 乗車船区間欄末尾のかつこ内には、片道・往復の別を表示する。
3 前項の旅行証明書の有効期間は、発行の日から1箇月間とする。
4 被救護者旅客運賃割引証を使用して購求した付添人用往復乗車券の往片は、第2項の規定による外、付添人が被救護者と同行する場合に限つて使用することができる。

第3節 急行券の効力

(急行券の効力)
第172条 乗車する列車又は自動車を指定した急行券を所持する旅客は、その券面に指定された急行列車又は急行自動車に限つて乗車することができる。
2 乗車する列車を指定しない急行券を所持する旅客は、その発売の日(通用開始日を指定して発売したものにあつては、通用開始の日)から2日以内の1個の急行列車に、1回に限つて、乗車することができる。
3 第222条又は第223条に規定する乗車券類(特別急行券・寝台券を除く。)を急行券のみの用に使用する旅客は、券面の表示事項にかかわらず、当該券面に表示されている乗車月日から2日以内の1個の急行列車に、1回に限つて、当該券面に表示されている相当のキロ程まで乗車することができる。

(座席指定急行券の指定駅から乗車しない場合の取扱)
第173条 座席又は客車を指定した急行券は、これを所持する旅客が、その指定の乗車駅で乗車しない場合は、他の旅客にその座席又は客車を指定して急行券の発売をすることがある。この場合、指定駅で乗車しなかつた旅客は、当該急行券に指定された座席を請求し、又は客車に乗車することができない。

(急行券が無効となる場合)
第174条 急行券は、次の各号の1に該当する場合は、無効として回収する。
(1) 券面表示事項が不明となつた急行券を使用したとき。
(2) 乗車する列車又は自動車を指定した急行券を指定以外の急行列車又は自動車に使用したとき。
(3) 券面表示事項をぬり消し、又は改変して使用したとき。
(4) 有効期間を経過した急行券を使用したとき。
(5) 使用を開始した急行券を他人から譲り受けて使用したとき。
(6) 大人が小児用急行券を使用したとき。
(7) その他急行券を不正乗車の手段として使用したとき。
2 前項の規定は、偽造した急行券を使用して急行列車又は急行自動車に乗車した場合に準用する。

第4節 指定券の効力

(指定券の効力)
第175条 座席指定券を所持する旅客は、その券面に指定された列車・客車又は座席に限つて乗車することができる。
2 特別2等車券を所持する旅客は、その券面に指定された特別2等車に限つて乗車することができる。
3 特別2等船室券を所持する旅客は、その券面に指定された特別2等船室に限つて乗船することができる。

(指定券の指定駅から乗車しない場合の取扱)
第176条 第173条の規定は、座席指定券又は特別2等車券に準用する。

(指定券が無効となる場合)
第177条 第174条の規定は、指定券に準用する。

第5節 寝台券の効力

(寝台券の効力)
第178条 寝台券を所持する旅客は、その券面に指定された寝台に限つて使用することができる。

(寝台券の指定駅から乗車しない場合の取扱)
第179条 第173条の規定は、寝台券に準用する。

(寝台券が無効となる場合)
第180条 第174条の規定は、寝台券に準用する。

(寝台の使用制限)
第181条 同一寝台券によつて、2人以上の旅客が、1個の寝台を同時に又は交互に使用することはできない。但し、大人が使用する場合は、小児・幼児又は乳児と合わせて2人まで、小児(第73条第2項及び第3項の規定により小児とみなした幼児及び乳児を含む。)が使用する場合は、小児・幼児又は乳児と合わせて2人まで使用することができる。

(寝台の使用時間)
第182条 寝台の使用時間は、次の通りとする。但し、季節によつて変更することがある。
(1) 列車の寝台 21時から翌日7時までの列車の運転時間中(寝台車の滞留時間中を含む。)
(2) 連絡船の寝台 連絡船の運航時間中

第5章 乗車券類の様式

第1節 通則

(乗車券類の表示事項)
第183条 乗車券類の券面には、次の各号に掲げる事項を表示する。
(1) 等級
(2) 旅客運賃・料金額
(3) 通用区間
(4) 通用期間
(5) 発売日付
(6) 発売箇所名
2 前項の規定にかかわらず、自動車線内各駅相互発着の乗車券にあつては、等級・発売日付及び発売箇所名等の表示事項の一部を省略し、又は発売箇所名を略字によつて表示することがある。
3 臨時に発売する乗車券類その他特殊の乗車券類にあつては、第1項に規定する表示事項の一部を省略することがある。この場合は、その旨を関係駅に掲示する。

(この章に規定する乗車券類の様式)
第184条 この章において規定する乗車券類の樣式は、印刷上の形式であつて、それぞれの乗車券類は、相当の事項を印刷するとともに、不足する事項については、発売の際に印章を押し、又は記載することによつて補うものとする。
2 乗車券類の様式は、必要によつて、表面に表示すべき発行箇所名を裏面に表示し、又は表示事項の排列の一部を変更することがある。

(乗車券類様式の補足)
第185条 乗車券類の様式については、次の各号によつて、これを補う。
(1) 小児用・学生用の専用の乗車券類等には、各券片の表面に、次の記号を影文字等をもつて印刷する。
イ 小児用 「小」
ロ 学生用 「学」又は「学小」
ハ 自動車線内特殊均一回数乗車券 「回数」
(2) 乗車券類のうちで、旅客運賃・料金に通行税法による通行税が課せられるものにあつては、通行税を含めた額を旅客運賃・料金額表示の箇所に「¥何円税2割共」のように表示する。この場合、旅客賃・料金額表示の箇所にこれを表示できないときは、表面の他の箇所又は裏面に「運賃は税2割共」の例により表示する。

(字模様の印刷)
第186条 この章に規定する乗車券類には、表面に次の字模樣を印刷する。

(乗車券類の駅名等の表示方)
第187条 乗車券類の駅名及び旅客運賃・料金の表示方は、次の通りとする。
(1) 乗車券の発駅名及び着駅名は、旅客運賃の計算方に従つて表示する。但し、第71条第2項但書の規定により内方駅を発又は着のキロ程により旅客運賃を計算する乗降場揖については、その乗降場名を、又、団体乗車券及び貸切乗券の乗車船区間については、乗車船する列車等の発駅名及び駅名を表示する。
(2) 電車特定区間内各駅相互発着及び発着区間のキロ程が片道20キロメートル以下の乗車券にあつては、発駅名及び着駅名を略図をもつて表示することがある。
(3) 車内乗車券及び車内補充券については、表示事項をこれに入鋏することによつて表示することがある。
(4) 自動車線内各駅相互発着の乗車券にあつては、駅名を簡記し、又は着駅名を「10円区間」の例により金額で表示することがある。
(5) 第86条又は第87条の規定により旅客運賃を東京駅又は大阪駅からのキロ程によつて計算する場合の乗車券の駅名は、次により表示する。但し、団体乗車券及び貸切乗車券の乗車船区間については、実際に乗降する駅名を示す。
 (和文)  (英文)
第86条の場合  東京都区内
 大阪市内
 TOKYO CITY ZONE
 OSAKA CITY ZONE
第87条の場合  東京電環  TOKYO LOOP ZONE
(6) 前号本文の規定による駅名の表示は、特別補充券等にあつては、「都区内」又は「[都]新宿」の例により簡記し、又は略図をもつて表示することがある。
(7) 旅客運賃が同額地帯のため2駅以上を共通の着駅とした場合の乗車券の着駅名又はその方向の表示は、「笠寺・枇杷島間ゆき」、「」又は「」の例によつて表示する。
(8) 常備片道乗車券第1種・第2種、補充片道乗車券、往復乗車券及び連続乗車券の1等・2等用のものは、着駅名を「」と、旅客運賃額を「\何円」のように表示し、又、常備片道乗車券第8種・第9種、普通定期乗車券及び普通回数乗車券の2等用のものは、発着駅名を「」と、旅客運賃額を「\何円」のように表示する。

(旅客運賃・料金の割引等に対する表示)
第188条 旅客運賃・料金の割引等を行う乗車券類には、その証として、関係券片の表面に、ゴム印の押なつ等により、次の各号に定める記号の表示を行う。但し、特に設備する乗車券類及び第8号に規定する記号については、これと異なる表示方をし、又はこの表示を省略することがある。
(1) 旅客運賃・料金を割引するもの
第92条の規定による学生割引
 
第93条の規定による被救護者割引
(イ) 被救護者用
 
(ロ) 付添人用
 
第94条の規定による臨時特殊割引
(イ) 割引率の明らかなもの
 
(ロ) 国鉄線と社線との割引率が異なるもの
 
(ハ) (イ)及び(ロ)以外のもの
 
(2) 旅客運賃・料金を後払とするもの
 
(3) 通行税が免除されるもの
 
(4) 乗車船等級を異級とするもの
 
(5) 再交付するもの
 
(6) 期間満了前の定期乗車券を回収して、期間の継続する新たな定期乗車券をその通用開始日前から通用させるもの
 
(7) 通用開始日を発売日後の日とするもの
  月 日から通用 但し、表面に表示しがたいときは裏面に表示し、表面には「」と表示する。
(8) 使用資格者であることの証明書類の携行を必要とするもの
 
(9) 片道乗車券2枚を発行し、往復乗車券に代用するもの
 

第2節 乗車券の様式

第1款 普通乗車券の様式

(常備片道乗車券の様式)
第189条 常備片道乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 大人小児用
備考
(1) 旅客運賃は、大人の額を印刷し、旅客に交付する券片は、大人に発売する場合は、乙片をつけたままとし、小児に発売する場合は、旅客運賃額を訂正しないで小児断線の箇所から乙片を切断した甲片だけとする。以下、常備片道乗車券第9種及び車内片道乗車券の第2種から第5種までのものを除き、この章に規定する大人小児用の乗車券類についてもまた同じ。
(2) 割引普通乗車券として発売する場合は、旅客運賃を訂正しない。以下、常備片道乗車券第3種及び常備往復乗車券第3種のものを除き、この章に規定する旅客運賃・料金額を印刷した常備式及び準常備式の乗車券類についてもまた同じ。
(3) この乗車券は、第4種を発売する区間用のものにあつては、縦の寸法を2.5cmとする。
第2種 小児用
第3種 学生用

備考 この乗車券は、第4種を発売する区間用のものにあつては、縦の寸法を2.5cmとする。
第4種 矢印式大人小児用
備考
(1) この乗車券は、発着区間のキロ程が20キロメートル以内の区間、電車特定区間内および自動車線内の各駅相互発着の区間に発売する。
(2) 必要に応じ経由欄を設ける。
第5種 矢印式小児用 第4種のもののうち第2種の例によつて乙片を設けないものとする。
第6種 地図式大人用
第7種 地図式小児用

備考 この乗車券は、発着区間のキロ程が20キロメートル以内の区間、電車特定区間内および自動車線内の各駅相互発着の区間に発売する。
第8種 相互式大人小児用
備考
(1) この乗車券は、発着区間のキロ程が20キロメートル以内の区間、電車特定区間内および自動車線内の各駅相互発着の区間に発売する。
(2) この乗車券は、便宜2枚を発行して往復乗車券として発売することがある。第9種についてもまた同じ。
第9種 相互式小児用 第8種のもののうち第2種の例によつて乙片を設けないものとする。
第10種 自動車線大人小児用
備考
(1) 発行駅名の表示は、発駅と同一駅となる場合は省略し、発駅と異なる場合に限って裏面に行う。
(2) 乗車方向は、上り方向については「 (上) 」、下り方向については「 (下) 」の箇所に入鋏する。
(3) 旅客運賃は、大人の額を印刷し、小児に発売する場合は「(小)」の箇所に入鋏し、小児旅客運賃に相当する金額のものを発行する。
(4) 必要に応じ、発駅名を印刷しないで記入式とする外、番号を省略する。
(5) 必要に応じ、寸法等を第8種に準じたものとする。
(6) 各券片の表面左方上部に、自動車営業所名又は同支所名を所名又は支所名の頭文字をもつて表示する。以下この章において規定する自動車線用の車内片道乗車券についてもまた同じ。

(準常備片道乗車券の様式)
第190条 準常備片道乗車券の様式は、次の通りとする。
大人小児用
備考
(1) 着駅名は、同一方向のもののみを、旅客運賃額の小さなものを上部として駅順に表示する。
(2) 表面上部に、区間及び経由ごとに、い・ろ・は順の符号を表示する。
(3) 必要に応じ、縦の寸法を5.75cmとし、又、着駅名の数を変更する。
(4) 旅客運賃は、大人の額を印刷し、旅客に交付する券片は相当着駅名の下部から切断した甲片とする。以下この章において規定する準常備式の乗車券類についてもこの例による。

(補充片道乗東券の様式)
第191条 補充片道乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 大人用
第2種 小児用
備考
(1) 1等又は2等用のものにあつては、表面右方の金額区分欄に、1,000円まで、2,000円まで、2,001円以上と印刷する。
(2) 東京都区内・大阪市内又は東京電車環状線内にある駅において発売するものには、甲片の金額別表示の左方に、乗降についての注意事項を、「都区内各駅乗車随意但し、都区内下車禁止」の例によつて印刷し、注意事項を必要としないときには、この部分を乙片に含めて切断する。
(3) 旅客に交付する券片は、乙片を切断した甲片とする。以下この章において規定する補充式の乗車券類についてもまた同じ。

(車内片道乗車券の様式)
第192条 車内片道乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 常備片道鉄道大人用

 備考 各券片の表面上部に、車掌区名又は同支区名を、区名又は支区名の頭文字をもつて表示する。
第2種 準常備片道鉄道大人小人用
イ 金額入鋏式
備考
(1) 必要に応じ、縦・横の寸法を変更する。
(2) 手回り品料金欄及び第27条第1項の規定による[ム]の欄は、設けないことがある。
(3) この乗車券は、乗車券の販売数の少ない駅で発売することがある。
ロ 周辺入鋏式
備考
(1) 必要に応じ、縦・横の寸法を変更する。
(2) 必要に応じ、手回り品料金欄及び第27条第1項の規定による[ム]の欄を設ける。
ハ 駅名入鋏式
備考
(1) 必要に応じ、縦・横の寸法を変更する。
(2) 手回り品料金欄及び第27条第1項の規定による[ム]の欄は、設けないことがある。
(3) この乗車券は、乗車券の販売数の少ない駅で発売することがある。
第3種 補充片道鉄道大人小児用
備考
(1) 必要に応じ、縦・横の寸法を変更する。
(2) 必要に応じ、手回り品料金欄及び第27条第1項の規定による[ム]の欄を設ける。
第4種 補充片道自動車線大人小児用
備考
(1) 必要に応じ、縦・横の寸法を変更する。
(2) 必要に応じ、改札欄・経由欄・急行料金欄・手回り品料金欄・第27条の第1項の規定による[ム]の欄・往復欄及びその入鋏欄を設ける。
(3) 必要に応じ、縦様式又は地図式とする。
(4) この乗車券は、自動車線に接続する鉄道区間の駅名及び通用期間を表示して、自動車線及び鉄道区間用のものとし、発売することがある。
第5種 特殊片道自動車線大人小児用
イ 駅名入鋏式
備考
(1) 必要に応じ、縦・横の寸法を変更する。
(2) 必要に応じ、番号を省略する。
ロ 金額式

 備考 必要に応じ、番号を省略する。
2 前項に規定する車内片道乗車券は、旅客運賃の割引等を行う場合には、便宜2枚を発行して往復乗車券として発売する。

(常備往復乗車券の様式)
第193条 常備往復乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 大人小児用
備考 発着区間のキロ程が片道20キロメートル以内の区間、電車特定区間内及び自動車線内の各駅相互発着の区間のものにあつては、横の寸法を5.75cm(往片2.42cm・復片3.33cm)とし、小児断線を「」形のものとすることがある。
第2種 小児用
第3種 学生用
備考 発着区間のキロ程が片道20キロメートル以内の区間、電車特定区間内及び自動車線内の各駅相互発着の区間のものにあつては、横の寸法を5.75cm(往片2.42cm・復片3.33cm)とする。

(準常備往復乗車券の様式)
第194条 準常備往復乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 大人用
第2種 小児用
第3種 学生用
備考
(1) 駅名(往片は着駅名、復片は発駅名)は同一方向のもののみを、旅客運賃額の小額のものを上部として駅順に表示する。
(2) 表面上部に着区間及び経由別ごとにい・ろ・は順の符号を表示する。
(3) 必要に応じ、表示駅名の数を変更する。

(補充往復乗車券の様式)
第195条 補充往復乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 大人用
第2種 小児用
備考
(1) 1等用及び2等用のものにあつては、表面右方の金額区分欄に、1,000円まで、2,000円まで、2,001円以上と印刷する。
(2) 東京都区内・大阪市内又は東京電車環状線内にある駅で発売するものには、甲片金額別表示の左方に、乗降についての注意事項を、往片には「都区内各駅乗車随意」、復片には「都区内下車前途無効」の例によつて印刷し、注意事項を必要としないときは、この部分を乙片に含めて切断する。

(常備連続乗車券の様式)
第196条 常備連続乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 大人用
第2種 小児用

 備考 必要に応じ、券片数を増加する。

(準常備連続乗車券の様式)
第197条 準常備連続乗車券の様式は、次の通りとする。

(補充連続乗車券の様式)
第198条 補充連続乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 大人用
第2種 小児用

第2款 定期乗車券の様式

(常備定期乗車券の様式)
第199条 常備定期乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 普通大人用
第2種 普通小児用
備考 表面中央に上部及び下部からそれぞれ1cmの箇所まで幅0.1cmの赤色縦線を、2等用のものにあつては1条、3等用のものにあつては2条印刷する。以下、均一以外の普通定期乗車券(乙片のあるものは、同片を含む。)についてもまた同じ。
第3種 通勤大人用
第4種 通学大人用
第5種 通学小児用

(準常備定期乗車券の様式)
第200条 準常備定期乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 普通(期間指定式)大人用

 備考 裏面は、甲片の裏面に常備定期乗車券第1種裏面の注意事項を印刷する。
第2種 通勤(期間指定式)大人用
第3種 通学(期間指定式)大人用

 備考 裏面は、甲片の裏面に常備定期乗車券第3種裏面の注意事項を印刷する。
第4種 普通(区間指定式)大人用
第5種 通勤(区間指定式)大人用
第6種 通学(区間指定式)大人用
備考
(1) 着駅名は、同一方向のもののみを、旅客運賃額の小さなものを左方とし駅順に表示する。
(2) 必要に応じ、着駅名の数を変更する。
(3) 裏面は、甲片の裏面に、第4種にあつては常備定期乗車券第1種裏面の注意事項を、第5種及び第6種にあつては常備定期乗車券第3種裏面の注意事項を印刷する。

(補充定期乗車券の様式)
第201条 補充定期乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 普通大人用
第2種 普通小児用
備考
(1) 1箇月のものにあつては、表面右方の金額区分欄に、800円まで、1,500円まで、1,501円以上と印刷する。
(2) 必要に応じ、発駅名及び発行駅名を印刷する。
(3) 裏面は、甲片の裏面に常備定期乗車券第1種裏面の注意事項を印刷する。
第3種 通勤大人用
第4種 通学大人用
第5種 通学小児用
備考
(1) 3箇月用及び6箇月用のものにあつては、表面右方の金額区分欄に、2,000円まで、3,500円まで、3,501円以上と印刷する。
(2) 必要に応じ、発駅名及び発行駅名を印刷する。
(3) 裏面は、甲片の裏面に常備定期乗車券第3種裏面の注意事項を印刷したものとする。

(均一普通定期乗車券の様式)
第202条 均一普通定期乗車券の様式は、次の通りとする。

 備考 裏面には、常備定期乗車券第1種裏面の注意事項を印刷する。

第3款 回数乗車券の様式

(常備普通回数乗車券の様式)
第203条 常備普通回数乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 3等大人用
第2種 3等小児用
第3種 2等大人用
第4種 2等小児用

(補充普通回数乗車券の様式)
第204条 補充普通回数乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 3等大人用
第2種 3等小児用
第3種 2等大人用
第4種 2等小児用


 備考 必要に応じ、発駅名を印刷しない。

(常備特殊回数乗車券の様式)
第205条 常備特殊回数乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 大人用
第2種 小児用

(補充特殊回数乗車券の様式)
第206条 補充特殊回数乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 大人用
第2種 小児用

(均一回数乗車券の様式)
第207条 均一回数乗車券の様式は、次の通りとする。
第1種 東京都区内均一
第2種 東京電車環状線内均一
第3種 自動車線内特殊均一

 備考 必要に応じ、各券片の縦横の寸法を変更することがある。

第4款 団体乗車券の様式

(団体乗車券の様式)
第208条 団体乗車券の様式は、次の通りとする。

第5款 貸切乗車券の様式

(普通貸切乗車券の様式)
第209条 普通貸切乗車券の様式は、前条に規定する団体乗車券の様式の団体の文字を貸切と訂正したものとする。

(自動車貸切乗車券の様式)
第210条 自動車貸切乗車券の様式は次の通りとする。

第3節 急行券の様式

(常備急行券の様式)
第211条 常備急行券の様式は次の通りとする。
(1) 特別急行券
第1種  400キロメートルまで大人小児用
第2種  800キロメートルまで大人小児用
第3種 1,200キロメートルまで大人小児用
第4種 1,201キロメートル以上大人小児用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線3条を印刷する。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。
(3) 必要に応じ、乗車駅名及び列車名を印刷しないで、記入式とする。
(2) 普通急行券
第1種  300キロメートルまで大人小児用
第2種  600キロメートルまで大人小児用
第3種  900キロメートルまで大人小児用
第4種 1,200キロメートルまで大人小児用
第5種 1,201キロメートル以上大人小児用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線2条を印刷する。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。
(3) 必要に応じ、乗車駅名を印刷しないで、記入式とする。
(3) 準急行券
第1種 150キロメートルまで大人小児用
第2種 300キロメートルまで大人小児用
第3種 600キロメートルまで大人小児用
第4種 900キロメートルまで大人小児用
第5種 901キロメートル以上大人小児用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線1条を印刷する。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。
(3) 必要に応じ、乗車駅名を印刷しないで、記入式とする。
(4) 自動車急行券

(準常備急行券の様式)
第212条 準常備急行券の様式は、次の通りとする。
第1種 特別急行大人用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線3条を印刷する。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。
(3) 必要に応じ、キロ地帯の数を変更する。
第2種 普通急行大人用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線2条を印刷する。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。
(3) 必要に応じ、キロ地帯の数を変更する。
第3種 準急行大人用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線1条を印刷する。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。
(3) 必要に応じ、キロ地帯の数を変更する。

(車内急行券の様式)
第213条 車内急行券の様式は次の通りとする。
第1種 特別急行大人用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線3条を印刷する。
(2) 必要に応じ、キロ地帯の数及び縦の寸法を変更する。
(3) この急行券は、駅で発売することがある。
第2種 普通急行大人用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線2条を印刷する。
(2) 必要に応じ、キロ地帯の数及び縦の寸法を変更する。
(3) 乗車駅名を「神戸―名古屋」の例により印刷することがある。
(4) この急行券は、駅又は他の線区の列車内で販売することがある。この場合には、「この列車1回限り有効です。」を「発売日とも2日以内の同一列車1回限り有効です。」の例により印刷する。
第3種 準急行大人用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線1条を印刷する。
(2) 必要に応じ、キロ地帯の数及び縦の寸法を変更する。
(3) 乗車駅名を「」の例により印刷することがある。
(4) この急行券は、駅又は他の線区の列車内で発売することがある。この場合には「この列車1回限り有効です。」を「発売日とも2日以内の同一列車を1回限り有効です。」の例により印刷する。

第4節 指定券の様式

(常備座席指定券の様式)
第214条 常備座席指定券の様式は、次の通りとする。
備考
(1) 必要に応じ、乗車駅名・発車時刻及び列車名を印刷する。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。

(車内座席指定券の様式)
第215条 車内座席指定券の様式は、次の通りとする。

(常備特別2等車券の様式)
第216条 常備特別2等車券の様式は、次の通りとする。
第1種  300キロメートルまで大人小児用
第2種  600キロメートルまで大人小児用
第3種  900キロメートルまで大人小児用
第4種 1,200キロメートルまで大人小児用
第5種 1,201キロメートル以上大人小児用

備考 必要に応じ、乗車駅名・発車時刻及び列車名を印刷する。

(準常備特別2等車券の様式)
第217条 準常備特別2等車券の様式は、次の通りとする。
大人用

備考 必要に応じ、キロ地帯の数を変更する。

(車内特別2等車券の様式)
第218条 車内特別2等車券の様式は、次の通りとする。
大人用

備考 必要に応じ、キロ地帯の数及び縦の寸法を変更する。

(特別2等船室券の様式)
第219条 特別2等船室券の様式は、次の通りとする。

第5節 寝台券の様式

(常備寝台券の様式)
第220条 常備寝台券の様式は、次の通りとする。
(1) 列車寝台券
第1種 2等A上段用
第2種 2等A下段用
第3種 2等A個室用
第4種 2等B上段用
第5種 2等B下段用
第6種 2等C上段用
第7種 2等C下段用

備考 必要に応じ、乗車駅名・発車時刻及び列車名を印刷する。
第8種 3等上段用
第9種 3等中段用
第10種 3等下段用

備考 必要に応じ、乗車駅名・発車時刻及び列車名を印刷する。
(2) 連絡船寝台券
イ 連絡船内発売用
第1種 2等上段用
第2種 2等下段用

備考 必要に応じ、船名を印刷する。
ロ 駅発売用
第1種 2等上段用
第2種 2等下段用

備考 必要に応じ、発駅及び便名を印刷する。

(準常備寝台券の様式)
第221条 準常備寝台券の様式は、次の通りとする。
第1種 2等用

備考 必要に応じ、寝台の種類の数を変更する。
第2種 3等用
第3種 2等外人用

第6節 急行券・座席指定券及び急行券・寝台券の様式

(急行券・座席指定券の様式)
第222条 急行券・座席指定券は、乗車列車を指定しない急行券と座席指定券からなるものとし、その様式は次の通りとする。
(1) 普通急行券・座席指定券
第1種  300キロメートルまで大人小児用
第2種  600キロメートルまで大人小児用
第3種  900キロメートルまで大人小児用
第4種 1,200キロメートルまで大人小児用
第5種 1,201キロメートル以上大人小児用
備考
(1) 必要に応じ、乗車駅名・発車時刻及び列車名を印刷する。また、座席番号欄を設けない。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。
(3) 画面中央に、幅0.1cmの赤色縦線2条を印刷する。
(2) 準急行券・座席指定券
第1種 150キロメートルまで大人小児用
第2種 300キロメートルまで大人大人小児用
第3種 600キロメートルまで大人小児用
第4種 900キロメートルまで大人小児用
第5種 901キロメートルまで大人小児用
備考
(1) 必要に応じ、乗車駅名・発車時刻及び列車名を印刷する。また、座席番号欄を設けない。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。
(3) 画面中央に、幅0.1cmの赤色縦線2条を印刷する。
2 前項に規定する急行券・座席指定券は、次の特殊様式のものとすることがある。
(1) 常備式
(2) 指定式
備考
(1) 必要に応じ、号車番号及び座席番号欄を設けないことがある。
(2) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線を、普通急行券、座席指定券にあつては2条、準急行券・座席指定券にあつてはあつては1条印刷する。
(3) 号車番号及び座席番号は、乗券車類としての番号に代用する。

(急行券・寝台券の様式)
第223条 急行券・寝台券は、特別急行券又は乗車列車を指定しない普通急行券と寝台券とからなるものとし、その様式は次の通りとする。
(1) 特別急行券・寝台券
第1種 2等A上段用
第2種 2等A下段用
第3種   A個室用
第4種 2等B上段用
第5種 2等B下段用
第6種 2等C上段用
第7種 2等C下段用
第8種 3等上段用
第9種 3等中段用
第10種 3等下段用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線3条を印刷する。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。
(3) 必要に応じ、キロ地帯の数を変更する。
(2) 普通急行券・寝台券
第1種 2等A上段用
第2種 2等A下段用
第3種 2等B上段用
第4種 2等B下段用
第5種 2等C上段用
第6種 2等C下段用
第7種 3等上段用
第8種 3等中段用
第9種 3等下段用
備考
(1) 表面中央に、幅0.1cmの赤色縦線2条を印刷する。
(2) 3等用のものにあつては、裏面の英文を印刷しない。
(3) 必要に応じ、キロ地帯の数を変更する。

第7節 特別補充券の様式

(特別補充券の発行)
第224条 特別補充券は、この章の第1節から第6節までに規定する乗車券として発行する外、下級変更等の取扱をした場合に、その取扱をした証として発行する。
2 特別補充券は、出札補充券・車内補充券及び改札補充券の3種類とする。

(出札補充券の様式)
第225条 出札補充券の様式は、次の通りとする。

備考 必要に応じ、発行駅名を印刷しないで記入式とする。

(車内補充券の様式)
第226条 車内補充券の様式は、次の通りとする。
(1) 一般用
第1種

備考 必要に応じ、事由欄に印刷されている事由を、他の事由に変更する。
第2種
備考
(1) 必要に応じ、冊番号の右欄に、線区別の符号を「 [1] 」の例によつてつける。
(2) 必要に応じ、手回り品料金欄を設ける。
(3) 必要に応じ、東京付近の電車特定区間に接続する一部の汽車区間においても発行する。
第3種
備考
(1) 必要に応じ、表示事項中次のように変更する。
イ 通用期間中「2日」を「1日」とする。又、1欄削除する。
ロ 事由欄中の事由を削除し、又は追加する。
ハ 経由欄を設ける。
ニ 裏面注意事項中「通用発売当日限り」を「通用発売日とも2日間」とする。又、「経由欄に入鋏していないものは何々経由です。」を追加する。
(2) 必要に応じ、手回り品料金欄を設ける。
(3) 必要に応じ、汽車区間においても発行する。
(4) 必要に応じ、縦・横の寸法を変更する。
(2) 上級変更専用
イ 乗車券用
第1種 (列車内上級変更用)
備考
(1) 必要に応じ、乗車券名右側に、線区別の符号を「 [1] 」の例によつてつける。
(2) 表示駅名が、電車特定区間内の駅だけのものについては、通用期間欄を設けないで上部余白に「通用当日限り」と表示する。
(3) 必要に応じ、太線の欄を設けない。
(4) この乗車券は、無札の旅客に発売することがある。
第2種 (列車内上級変更用)

備考 この乗車券は、駅で販売することがある。
第3種 (連絡船内上級変更用)
ロ 急行券用
第1種 普通急行大人用

備考 この急行券は、駅で販売することがある。
第2種 準急行大人用

備考 この急行券は、駅で販売することがある。
(3) 区間変更専用券
 区間変更専用券は、第192条の車内片道乗車券第4種のものを使用する。但し、区間変更専用券に使用する車内乗車券には、方向変更・経路変更・手数料共・原券番号等の相当欄を設ける。

(改札補充券の様式)
第227条 改札補充券の様式は次の通りとする。
(1) 一般用

備考 必要に応じ、発行駅名を印刷しないで記入式とする。
(2) 復路専用

第6章 乗車券類の改札及び引渡し

第1節 通則

(乗車券類の改札)
第228条 乗車船の目的で乗降場に入場し、又は乗降場から出場しようとする者は、所定の乗車券類を所持して、係員の改札を受け、定められた場所から入出場しなければならない。
2 前項の規定による外、旅客は、係員の請求があるときは、いつでもその所持する乗車券類の改札を受けなければならない。当該乗車券類の使用が身分証明書等の携帯を必要とするものであるときの身分証明書等についてもまた同じ。

(乗車券類の引渡し)
第229条 旅客は、その所持する乗車券類が効力を失い、若しくは不要となつた場合又はその乗車券類を使用する資格を失つた場合は、当該乗車券類を係員に引き渡すものとする。

第2節 乗車券の改札及び引渡し

(普通乗車券の改札及び引渡し)
第230条 普通乗車券を使用する旅客は、旅行を開始する際に、当該乗車券を係員に呈示して入鋏を受け、途中下車をする際に、これに途中下車印の押なつを受け、又、乗継をする際に、これを係員に呈示して改札を受けるものとする。
2 普通乗車券を使用する旅客は、旅行を終了した際に、当該乗車券を係員に引き渡すものとする。

(定期乗車券の改札及び引渡し)
第231条 定期乗車券を使用する旅客は、旅行を開始する際及び旅行を終了した際に、当該乗車券を係員に呈示してその改札を受けるものとする。
2 定期乗車券を使用する旅客は、当該乗車券の通用期間が満了した際に、直ちに、これを係員に引き渡すものとする。

(回数乗車券の改札及び引渡し)
第232条 回数乗車券を使用する旅客は、旅行を開始する際に、当該乗車券を係員に呈示して入鋏を受け、旅行を終了した際に、これを係員に引き渡すものとする。

(団体乗車券及び貸切乗車券の改札及び引渡し)
第233条 団体乗車券又は貸切乗車券を使用する旅客の引率者は、旅行を開始する際及び途中下車をする際に、当該乗車券を係員に呈示してその改札を受けるものとする。
2 前項の引率者は、団体旅客又は貸切旅客が全行程の旅行を終了した際に、その所持する乗車券を係員に引き渡すものとする。

第3節 急行券の改札及び引渡し

(急行券の改札及び引渡し)
第234条 急行券を使用する旅客は、急行列車又は急行自動車に乗車する際に、その使用する急行券を係員に呈示して入鋏を受け、又、下車した際に、使用ずみの急行券を係員に引き渡すものとする。

第4節 指定券の改札及び引渡し

(指定券の改札及び引渡し)
第235条 指定券を使用する旅客は、当該客車又は船室に乗車船したときは、直ちに、これを係員に呈示してその改札を受け、又、使用を終えたときは、これを係員に引き渡すものとする。

第5節 寝台券の改札及び引渡し

(寝台券の改札及び引渡し)
第236条 寝台券を所持する旅客は、当該客車又は船室に乗車船したときは、直ちに、乗車券又は急行券とともにこれを係員に呈示してその改札を受け、又、その使用を終えたときは、これを係員に引き渡すものとする。

第7章 乗車変更等の取扱

第1節 通則

(乗車変更等の取扱箇所)
第237条 乗車変更その他この章に規定する取扱は、駅又は車船内において行う。但し、旅客運賃・料金の払いもどしは、旅行中止駅等所定の駅に限つて取り扱う。
2 前項の規定にかかわらず、駅員無配置駅における乗車変更等の取扱は、その隣接の駅員配置駅において取り扱う。

(払いもどし請求権行使の期限)
第238条 旅客は、旅客運賃・料金について払いもどしの請求をすることができる場合であつても、当該乗車券類が発行の日の翌日から起算して1箇年を経過したときは、これを請求することができない。

(手荷物託送乗車券の旅客運賃の払いもどし)
第239条 旅客は、手荷物を託送した乗車券について、方向変更・経路変更又は旅客運賃の払いもどしを請求する場合は、その請求に先だつて、当該手荷物について、第430条の規定による取扱を受けるものとする。

(乗車変更をした乗車券類について旅客運賃・料金の収受又は払いもどしをする場合の既収額)
第240条 乗車変更の取扱をした乗車券類について、旅客運賃・料金の収受又は払いもどしをする場合は、旅客が現に所持する乗車券類を発駅で購求した場合の旅客運賃・料金額を収受しているものとして収受又は払いもどしの計算をする。但し、払いもどしの場合は、旅客の実際に支払つた旅客運賃・料金の額を限度として取り扱う。

第2節 乗車変更の取扱

第1款 通則

(乗車変更の種類)
第241条 旅客が、その所持する乗車券類に表示された運送条件と異なる条件の乗車船を必要とする場合に国鉄が取り扱う変更(この変更を「乗車変更」という。)の種類は、次の通りとする。
(1) 上級変更
(2) 乗越
(3) 方向変更
(4) 経路変更
(5) 種類変更
(6) 列車変更
(7) 定期乗車券変更

(乗車変更の取扱範囲)
第242条 乗車変更の取扱は、その変更の開始される駅の属する券片に限つて取り扱う。但し、回数乗車券については、その使用する券片に限る。
2 前項の場合において、方向変更又は経路変更については非変更区間と変更区間とを通じた経路が、乗越については原乗車券区間と変更区間とを通じた経路がそれぞれ環状線を1周となるとき又は一部若しくは全部が復乗となるときは、環状線を1周となる駅又は折返し乗車となる駅の前途区間に対しては、乗車変更の取扱をしない。

(割引乗車券を所持する旅客に対する乗車変更の取扱制限)
第243条 等級・区間・経路等に制限のある種類の割引乗車券を所持する旅客に対しては、その制限をこえる乗車変更の取扱をしないことがある。

(列車指定乗車券類を所持する旅客に対する乗車変更の取扱制限)
第244条 乗車船する列車等を指定した乗車券類を所持する旅客が、乗車変更をする場合は、変更しようとする列車等に相当の座席又は寝台の余裕がある場合に限つて取り扱う。

(継続乗車船中の旅客に対する乗車変更の禁止)
第245条 通用期間を経過した乗車券を使用して継続乗車船中の旅客に対しては、上級変更以外の乗車変更の取扱をしない。

(乗車変更の取扱をした場合の乗車券の通用期間)
第246条 乗車変更の取扱をした場合に交付する乗車券の通用期間は、原乗車券の通用期間から既に経過した日数(取扱の当日は含めない。)を差し引いた残余の日数とする。但し、上級変更又は乗越の取扱をする場合に、原乗車券が、通用当日限りとして発売した普通乗車券であるときは、上級変更又は乗越をする区間に対する第154条所定の日数とし、又、回数乗車券であるときは1日限りとする。
2 前項本文の規定により通用期間を計算する場合において、乗越区間又は変更区間に対する第154条所定の日数から原乗車券の通用期間の経過日数(取扱の当日は含めない。)を差し引いた残余の日数を通用期間としたほうが通用日数が多くなるときは、この残余の日数を通用期間とする。

(別途乗車)
第247条 旅客が、乗車変更の請求をした場合において、その所持する乗車券が、乗車変更の取扱について制限のあるものであるとき又は旅客運賃計算の打切り等によつて旅客の希望する通りの変更の取扱ができないものであるときは、その取扱をしない等級・区間又は種類について、別途乗車として、その区間に対する相当の旅客運賃を収受して取り扱う。

第2款 上級変更

(上級変更)
第248条 旅客は、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、所持する乗車券(定期乗車券及び貸切乗車券を除く。)・急行券・座席指定券又は寝台券に表示された等級から上級の車船室又は寝台に変更(この変更を「上級変更」という。)することができる。但し、団体乗車券を所持する旅客に対しては、鉄道区間にあつては全員が乗り換えるときで、旅客が運送引受変更の承諾を受けた場合、航路区間にあつては上級船室に座席の余裕がある場合に限つて取り扱う。
2 普通乗車券・回数乗車券・急行券・座席指定券又は寝台券についての上級変更の場合は、次の各号による旅客運賃・急行料金・座席指定料金又は寝台料金と原乗車券類1枚ごとに手数料10円をあわせて収受する。この場合、回数乗車券の旅客運賃は普通旅客運賃によつて計算する。
(1) 原乗車券類が無割引のものであるとき
 上級変更区間に対して、乗り換える上級等級の普通旅客運賃・料金から原等級の普通旅客運賃・料金を差し引いた額
(2) 原乗車券類が割引のもので、その割引が乗り換える等級に適用のあるとき
 上級変更区間に対して、乗り換える上級等級の相当の割引率を適用した割引の普通旅客運賃・料金から原等級の原乗車券類と同じ割引率を適用した割引の普通旅客運賃・料金を差し引いた額
(3) 原乗車券類が割引のもので、その割引が乗り換える等級に適用のないとき
上級変更区間に対して、乗り換える上級等級の普通旅客運賃・料金から原等級の原乗車券類と同じ割引率を適用した割引の普通旅客運賃・料金を差し引いた額
3 団体乗車券についての上級変更の場合は、次の各号による旅客運賃・急行料金・座席指定料金又は寝台料金と原乗車券類1枚ごとに手数料10円をあわせて収受する。
(1) 鉄道区間
 上級変更区間に対して、当該団体旅客の全員に対する乗り換える上級等級の団体旅客運賃・料金から原等級の団体旅客運賃・料金を差し引いた額
(2) 航路区間
イ 当該団体の全員が乗り換える場合は、当該団体旅客の全員に対する乗り換える上級等級の団体旅客運賃から原等級の団体旅客運賃を差し引いた額
ロ 当該団体の一部の人員が乗り換える場合は、乗り換える人員に対する乗り換える上級の普通旅客運賃から原等級の普通旅客運賃(学生団体の場合はその割引率を適用した割引の普通旅客運賃)を差し引いた額

(他経路乗車船中の旅客に対する上級変更の取扱方)
第249条 第285条に規定する他経路乗車船の取扱を受けて乗車船中の旅客が、他経路乗車船区間において上級変更をする場合には、当該他経路乗車船の経路のキロ程によつて上級変更区間に対する旅客運賃の計算をする。
2 前項の規定による場合において、上級変更区間が他経路乗車船区間の全区間にまたがるときで、原乗車券の経路のキロ程が他経路船車乗区間のキロ程よりも短いときはその短いキロ程を、又、上級変更区間が他経路乗車船区間内の一部となるとき又はこれと原券区間とにまたがるときで、他経路乗車船区間に対応する原乗車券の経路のキロ程が、他経路乗車船区間中の上級変更区間のキロ程よりも短いときは、その短いキロ程を他経路乗車船区間の上級変更区間のキロ程として旅客運賃の計算をする。

第3款 乗越

(乗越)
第250条 旅客は、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、所持する乗車券(定期乗車券及び回数乗車券を除く。)・急行券・座席指定券又は特別2等車券に表示された着駅を、当該着駅をこえた駅に変更(この変更を「乗越」という。)することができる。
(注) このような場合、定期乗車券又は回数乗車券を所持する旅客に対しては、別途乗車として取り扱う。
2 乗越の取扱をする場合は、次の各号による旅客運賃・料金を収受する。
(1) 乗車券
イ 乗越区間に対する普通旅客運賃を収受する。この場合、原乗車券が割引普通乗車券であつて、その割引が原乗車券の発駅から乗越着駅までの区間に対しても適用のあるものであるときは、乗越区間に対する普通旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算する。
ロ イの場合において、原乗車券が普通乗車券であつて、原乗車券区間と乗越区間とのキロ程を通算して鉄道区間のキロ程が150キロメートル以内のときは、当該鉄道区間に対しては、原乗車券に対する既に収受した旅客運賃と、原乗車券の鉄道区間と乗越区間とを通算したキロ程に対する普通旅客運賃との差額を収受する。この場合、原乗車券が割引普通乗車券であつて、その割引が原乗車券の発駅から乗越着駅までの区間に対しても適用のあるものであるときは、原乗車券の鉄道区間と乗越区間とを通算したキロ程に対する普通旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算する。
(2) 急行券又は特別2等車券
 原急行券又は特別2等車券に対する既に収受した急行料金又は特別2等車料金と、原急行券又は特別2等車券の発駅から乗越着駅までのキロ程に対する急行料金又は特別2等車料金との差額を収受する。
(3) 座席指定券
 前号に規定する特別2等車券の料金同額地帯内の乗越のものに準ずる。

第4款 方向変更及び経路変更

(方向変更及び経路変更)
第251条 旅客は、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、1回に限つて、所持する乗車券(定期乗車券及び回数乗車券を除く。)に表示された着駅を、当該着駅と異なる方向の駅に変更(この変更を「方向変更」という。)し、又はその経路を、当該経路と異なる経路に変更(この変更を「経路変更」という。)することができる。
2 前項の取扱をする場合は、次の各号による旅客運賃を収受する。
(1) 第156条第2号に規定する電車特定区間内にある駅相互発着の普通乗車券によつて、同区間内の方向変更又は経路変更をする場合は、原乗車券の区間に対する既に収受した旅客運賃と、実際の乗車区間に対する普通旅客運賃とを比較して、不足額は収受するものとし、過剰額は払いもどしをしない。この場合、原乗車券が割引普通乗車券であつて、その割引が実際に乗車する区間に対しても適用のあるものであるときは、実際の乗車区間に対する普通旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算する。
(2) 前号以外の場合は、変更区間(変更区間が2区間以上あるときで、その変更区間の間に、原乗車券の区間があるときは、これを変更区間とみなす。)に対する普通旅客運賃に原乗車券1枚につき手数料10円を合計した額と、原乗車券の変更開始駅以後の不乗車船区間に対する普通旅客運賃とを比較し、不足額は収受するものとし、過剰額は払いもどしをしない。この場合、原乗車券が割引普通乗車券であるときは、原乗車券の変更開始駅以後の不乗車船区間に対する普通旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算し、又、その割引が原乗車券の非変更区間と変更区間とを通じた区間に適用されるものであるときは、変更区間に対する普通旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算する。
(3) 前号の場合において、旅客の所持する原乗車券が、変更を取り扱う日において発売の日から2日以内(前売の乗車券については、通用開始の日から2日以内)であつて、且つ、変更開始駅以後の原乗車券区間のキロ程が300キロメートルをこえる普通乗車券である場合には、当該乗車券を変更開始駅において第274条の規定によつて旅客運賃の払いもどしをするものとみなした場合の払いもどし額(手数料を差し引かない額。この場合、原乗車券が割引乗車券で、割引について制限のある場合には既乗車船区間と変更区間とを通じた区間について割引条件をみたすときに限り割引普通旅客運賃によつて計算する。)と、変更開始駅以後の区間に対する旅客運賃に原乗車券1枚につき手数料10円を加えた額とを比較して旅客運賃の計算を行い、過剰額を生ずるときは、駅で払いもどしの取扱をする。
3 旅客は、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、所持する乗事券(定期乗車券及び回数乗車券を除く。)に表示された発駅を、当該発駅と異なる方向の駅に変更することができる。この場合は、前各項の規定に準じて取り扱う。

(特定区間等の途中駅が変更の開始又は終了となる方向変更又は経路変更の場合の旅客運賃の計算方)
第252条 第69条に規定する特定区間又は第157条に規定する選択乗車船区間の適用のある乗車券を所持する旅客が、当該特定区間又は選択乗車船区間の途中駅が変更の開始又は終了となる方向変更又は経路変更をする場合は、旅客運賃計算の変更開始駅又は変更終了駅を次の各号の駅として旅客運賃の計算をする。
(1) 第69条の特定区間の場合は、特定区間内の分岐となる駅とする。
(2) 第157条の選択乗車船区間内の場合は、旅客運賃計算経路の駅が変更の開始又は終了となる場合はその駅とし、旅客運賃計算経路でない一方の経路の駅が変更の開始又は終了となる場合は、その選択乗車船区間が開始又は終了となる駅とする。
2 第70条に規定する特定区間の適用のある乗車券を所持する旅客が、同区間内の駅を変更開始駅とし、同区間外にまたがる方向変更又は経路変更をする場合は、同区間内における入口の駅を旅客運賃計算の変更開始駅として旅客運賃の計算をする。

(特定区間等の一部を異級とする乗車券で他の一方の経路を乗車する場合の取扱方)
第253条 第70条に規定する特定区間又は第157条に規定する選択乗車船区間を通過する乗車券であつて、当該特定区間又は選択乗車船区間中の一部の区間を異級とするものを所持する旅客が、当該上級旅客運賃計算経路でない他の一方の経路を乗車する場合は、当該区間の全部を下級等級によつて乗車する場合を除いて、あらかじめ係員に経路変更の取扱を請求しなければならない。
2 前項の規定による場合の旅客運賃の計算方は、第251条第2項に規定する計算方を適用する。但し、この条による経路変更の取扱は、取扱制限回数には導入しない。

第5款 種類変更

(種類変更)
第254条 旅客は、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、所持する急行券の種類(乗車列車を指定しないもの相互間となるものに限り、又、普通急行券の300キロ地帯のものと準急行券の150キロ地帯のものとの相互の変更の場合を除いて、相当キロ地帯相互間となるものに限る。)又は寝台券の寝台の種類(室別又は段別)の変更(これらの変更を「種類変更」という。)をすることができる。
2 前項の取扱をする場合は、すでに収受した急行料金又は寝台料金と、変更する急行料金又は寝台料金に原乗車券類1枚ごとに手数料10円を加えた額とを比較して、不足額は収受し、過剰額は寝台券の種類変更の場合を除いて払いもどしをする。

第6款 列車変更

(列車変更)
第255条 旅客は、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、所持する特別急行券・座席指定券・特別2等車券又は寝台券が、指定の乗車船月日の8日前の日以前のものであるとき又は発売の日から2日以内で原乗車券類に表示された列車等が乗車船する駅を出発する2時間前までのものであるときは、1回に限つて、当該乗車券類に表示された乗車船する月日又は列車等を、当該乗車券類の発売の日に発売のできる日の他の日又は他の列車等の同一の種類(寝台券の室別・段別はこの限りでない。)・方向又は等級のものに変更(これらの変更を「列車変更」という。)することができる。
2 前項の取扱をする場合は、既に収受した急行料金・座席指定料金・特別2等車料金又は寝台料金と、変更する急行料金・座席指定料金・特別2等車料金又は寝台料金に原乗車券類1枚ごとに手数料30円を加えた額とを比較して、不足額は収受するものとし、過剰額は払いもどしをしない。

第7款 上級変更・乗越・方向変更・経路変更等の競合

(上級変更・乗越・方向変更・経路変更・種類変更・列車変更の競合)
第256条 旅客は、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、所持する乗車券類について、上級変更・乗越・方向変更・経路変更・種類変更又は列車変更の2以上の取扱を同時に行うことができる。この場合の手数料は、原乗車券類1枚ごとに、列車変更をあわせて行つたものについては30円、その他のものにあつては10円とする。

第8款 定期乗車券変更

(定期乗車券の種類の変更)
第257条 旅客は、その所持する定期乗車券を発行駅に提出し、1回に限り、その種類の変更をすることができる。この場合、通勤定期乗車券又は通学定期乗車券に変更するときは、第36条に規定する相当の証明書を差し出さなければならない。
2 前項の取扱をする場合は、原定期乗車券の通用期間と同じ期間の変更しようとする定期旅客運賃と、旅客から既に収受した定期旅客運賃との差額に、定期乗車券の未使用期間の日数(変更当日は、未使用期間に算入する。)を乗じ、定期乗車券の総日数で除した額をは数計算した金額を、収受のときは手数料30円を加え、払いもどしのときは手数料30円を差し引いて、収受又は払いもどしをする。この場合、原定期乗車券が通用期間6箇月の通勤定期乗車券又は通学定期乗車券であつて、変更しようとする定期乗車券が普通定期乗車券であるときは、変更しようとする普通定期乗車券の旅客運賃を3箇月の普通定期旅客運賃の2倍の額によつて計算する。

(定期乗車券の等級の変更)
第258条 旅客は、その所持する普通定期乗車券を発行駅に提出し、1回に限り、その等級を変更することができる。
2 前項の取扱をする場合は、前条第2項の規定を準用して定期旅客運賃の収受又は払いもどしをする。

(定期乗車券の区間の変更)
第259条 旅客は、その所持する定期乗車券を発行駅に提出し、変更区間中の1駅以上の駅が原定期乗車券の区間中にある場合、1回に限つて、区間又は経路の変更をすることができる。この場合、通勤定期乗車券及び通学定期乗車券を使用する旅客は、変更を必要とする事由を証明できる相当証明書類を提出しなければならない。
2 前項の取扱をする場合は、変更発着区間に対する原定期乗車券の通用期間と同じ期間の定期旅客運賃と、旅客から既に収受した定期旅客運賃とを比較して、差額のある場合にはその差額に定期乗車券の未使用期間の日数(変更当日は、未使用期間に算入する。)を乗じ、定期乗車券の総日数で除し、これをは数計算した金額を、収受のときは手数料30円を加え、払いもどしのときは手数料30円を差し引いて、収受又は払いもどしをし、又、差額のない場合には、手数料30円だけを収受する。

(定期乗車券の種類等の変更をしない場合)
第260条 均一普通定期乗車券を使用する旅客は、第257条から第259条までの規定にかかわらず、その種類・等級又は区間の変更をすることができない。
2 定期乗車券(均一普通定期乗車券を除く。)を使用する旅客は、第257条の規定にかかわらず、その定期乗車券を均一普通定期乗車券への種類の変更をすることができない。

第3節 旅客の特殊取扱

第1款 通則

(旅客運賃・料金の払いもどしに伴う割引証等の返還)
第261条 旅客は、割引証等を提出して購求した乗車券類について払いもどしの取扱をうけた場合は、既に提出した割引証等の返還を請求することができない。

(乗車変更の手数料の払いもどし)
第262条 旅客は、国鉄が乗車変更等の際に収受した手数料は、払いもどしを請求することができない。

(旅客運賃・料金の払いもどしをしない場合)
第263条 旅客は、第148条の規定により小児が大人用の乗車券類を使用して乗車船した場合の旅客運賃・料金の差額については、払いもどしを請求することができない。

第2款 無札

(無札旅客に対する旅客運賃・増運賃の収受)
第264条 旅客が、次の各号の1に該当する場合は、無札旅客として、当該旅客の乗車船駅からの普通旅客運賃と、その2倍に相当する額(普通旅客運賃に通行税が含まれているものにあつては、免税の普通旅客運賃の2倍に相当する額とする。)の増運賃とをあわせ収受する。但し、自動車線のみを乗車する場合は、当該旅客の乗車駅からの普通旅客運賃と、これと同額の増運賃とをあわせ収受する。
(1) 係員の承諾を受けず、乗車券を所持しないで乗車船したとき。
(2) 別に定める場合を除いて、乗車券を入鋏を受けないで乗車船したとき。但し、旅客に悪意がなく、その証明のできる場合は、この限りでない。
(3) 第167条又は第169条の規定によつて無効となる乗車券(偽造の乗車券を含む。)で乗車船したとき。
(4) 乗車券改札の際にその呈示を拒み、又はその取集めの際に引渡しをしないとき。
(5) 乗車船する列車等を指定した定期乗車券を使用して指定以外の列車等に乗車船したとき。
2 旅客が、第167条第1項第6号の規定により無効となる回数乗車券で乗車船した場合は、前項の規定にかかわらず各回数乗車券の券面に表示された区間と、区間外を通じた区間を、その回数乗車券の使用された券片の少い方の使用ずみ券片に対して1券片ごとに1回ずつ乗車船したものとして計算した前項の規定による旅客運賃及び増運賃を、当該旅客から収受する。
3 団体旅客が、その乗車券の券面に表示された事項に違反して乗車船した場合は、第4項に該当するときを除き、これを第1項第3号の無札旅客として、その全乗車人員について計算した第1項の規定による旅客運賃及び増運賃を、その団体申込者から収受する。
4 団体旅客が、乗車券面に表示された人員を超過して乗車船し、又は小児の人員として大人を乗車船させたときは、第167条の規定にかかわらず、その超過人員又は大人だけを、第1項第1号の無札旅客として、その団体申込者から第1項本文の規定による旅客運賃及び増運賃を収受する。

(定期乗車券不正使用旅客に対する旅客運賃の収受)
第265条 第168条第1項の規定により定期乗車券を無効として回収した場合(第168条第2項において準用する場合を含む。)は、当該旅客から次の各号による普通旅客運賃と、その2倍に相当する額(普通旅客運賃に通行税が含まれているものにあつては、免税の普通旅客運賃の2倍に相当する額とする。)の増運賃とをあわせ収受する。但し、旅客運賃の計算区間が自動車線のみの場合の増運賃の額は、普通旅客運賃と同額とする。
(1) 第168条第1項第1号から第5号までの1に該当する場合はその定期乗車券の効力が発生した日(第5号に該当する場合で効力の発生した日が異なるときは、発見日に近い日)から、同項第7号に該当する場合はその使用資格を失つた日から、同項第8号に該当する場合はその発売の日から、同項第9号に該当する場合はその通用期間満了の日の翌日からそれぞれその無効の事実を発見した当日まで、その定期乗車券を使用して券面に表示された等級によつて、券面に表示された区間(同項第5号の場合においては、各定期乗車券の券面に表示された区間と区間外とを合わせた区間、又、均一普通定期乗車券にあつては、延長区間(27キロメートル分とする。))を、1日1往復(又は2回)ずつ乗車船したものとして計算した普通旅客運賃
(2) 第168条第1項第6号に該当する場合であつて、回数乗車券を使用したときは、定期乗車券及び回数乗車券の券面に表示された区間と、その区間外とを通じた区間を、その回数乗車券の使用された券片に対して1券片ごとに1回ずつ往復乗車船したものとして計算した普通旅客運賃
(3) 第168条第1項第6号に該当する場合であつて普通乗車券を使用したとき及び同項第10号から第12号までの1に該当する場合は、その乗車船した区間に対する普通旅客運賃

(無札旅客の乗車船駅又は等級の不明の場合)
第266条 第264条の無札旅客について、その乗車船駅が判朋しない場合は、その列車等の出発駅(出発駅の異なる2個以上の列車を併結運転している場合は、その最遠の出発駅。又、接続列車等のある場合でその接続列車等に乗車船したことが明らかなときは、その接続列車等の出発駅)から、又、その乗車船等級が判明しない場合は、その列車又は連絡船の最上の等級によつてそれぞれ乗車船したものとみなして同条の規定を適用する。

(急行列車・寝台等利用旅客に対する無札の場合の取扱方)
第267条 第264条及び第266条の規定は、急行券・指定券及び寝台券に準用する。この場合、急行料金・指定料金又は寝台料金に通行税が含まれているものに対する増料金については、通行税を免除された場合の料金の2倍に相当する額とする。

第3款 紛失

(乗車券類紛失の場合の取扱方)
第268条 旅客が、旅行開始後、乗車券類を紛失した場合であつて、係員がその事実を認定することができないときは、既に乗車船した区間については、無札旅客として第264条第266条又は前条の規定による旅客運賃・料金及び増運賃・増料金を、前途の乗車船区間については、これに相当する普通旅客運賃・料金を収受し、又、係員がその事実を認定することができるときは、その全乗車船区間に相当する普通旅客運賃・料金を収受して、増運賃及び増料金は収受しない。
2 前項の場合、旅客は、再収受証明書の交付を請求することができる。但し、定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客は、この限りでない。
3 第1項後段及び前項の規定は、旅客が旅行開始前に、乗車券類(定期乗車券及び回数乗車券を除く。)を紛失した場合に準用する。

(再収受した旅客運賃・料金の払いもどし)
第269条 前条の規定によつて普通旅客運賃・料金及び増運賃・増料金を支払つた旅客は、紛失した乗車券類を発見した場合は、その乗車券類と再収受証明書とをもより駅に差し出して、再収受証明書1枚につき手数料10円を支払い、その旅客運賃・料金について払いもどしの請求をすることができる。但し、再収受証明書の発行日の翌日から起算して1箇年を経過したときは、これを請求することができない。

(団体乗車券・貸切乗車券・特別急行券又は寝台券紛失の場合の取扱方)
第270条 旅客が、団体乗車券・貸切乗車券・特別急行券又は寝台券を紛失した場合であつて、係員がその事実を認定することができるときは、第268条の規定にかかわらず、別に旅客運賃又は料金を収受しないで、相当の団体乗車券・貸切乗車券・特別急行券又は寝台券の再交付をすることがある。但し、再交付の請求をしたときにおいて、当該乗車券類について既にその旅客運賃・料金の払いもどしをしている場合を除く。

第4款 任意による旅行の取りやめ

(旅行開始前の旅客運賃の払いもどし)
第271条 旅客は、旅行開始前に、乗車券(定期乗車券及び回数乗車券を除く。)が不要となつた場合は、その乗車券の券片が入鋏前で、且つ、通用期間内(前売の乗車券については、通用開始前を含む。)であるときに限つて、これを駅に差し出して既に支払つた旅客運賃の払いもどしを請求することができる。この場合、旅客は、手数料として、乗車券1枚につき10円(保証金を充当して発行した団体乗車券又は貸切乗車券の場合は、保証金の額に相当する額)を支払うものとする。但し、不要となつた事由が第282条第1号又は第2号の規定による場合は、手数料を必要としない。
2 乗車船する列車等を指定して発売した乗車券について、前項の払いもどし請求をしようとするときは、その列車等が、乗車券面に表示された乗車船駅を出発する時刻の2時間前(団体乗車券については、当該旅客の始発駅出発時刻前)までにこれをしなければならない。
3 第1項の規定により払いもどしの請求をした乗車券が往復又は連続乗車を発売条件として発売した割引乗車券であつて往片等その一部を使用している場合の払いもどし額は、同項の規定にかかわらず、既に収受した往復旅客運賃又は連続旅客運賃から既に使用した往片等の券片に対する無割引の普通旅客運賃を差し引いた残額とする。

(使用開始前の定期旅客運賃・回数旅客運賃及び急行料金の払いもどし)
第272条 前条の規定は、通用期間開始前の定期乗車券・使用開始前の回数乗車券並びに使用開始前の乗車列車を指定しない普通急行券及び準急行券について準用する。但し、定期乗車券についての手数料は、1枚につき30円とし、その取扱駅は発行駅に限る。

(特別急行料金その他の料金の払いもどし)
第273条 旅客は、特別急行券・自動車急行券・指定券又は寝台券が不要となつた場合は、その指定を受けた列車等(第255条の規定により後の列車に列車変更の取扱をしたものにあつては、変更前の列車等)がその乗車船駅を出発する時刻の2時間前までに、これを駅に差し出したときに限つて、既に支払つた急行料金・指定料金又は寝台料金から次の各号に定める額(は数計算したもの)を手数料として差し引いた残額の払いもどしを請求することができる。但し、特別急行列車の寝台券については、特別急行券と同時に請求した場合に限つてこの取り扱いをするものとし、この場合の特別急行券に対する払いもどし手数料は1枚につき10円とする。
(1) 出発する日の2日前までに請求したときは、既に支払つた料金の2割に相当する額
(2) 出発時刻の2時間前までに請求したときは、既に支払つた料金の4割に相当する額
2 前項の規定は、乗車列車の指定を受けて購求した普通急行券又は準急行券が不要となつた場合の急行料金の払いもどしについて準用する。
3 第64条の規定によつて発売した乗車券類の払いもどしを請求する旅客は、前各号の規定による外、これらの乗車券類と同時に発売した乗車券類について同時に旅客運賃・料金の払いもどしを請求しなければならない。

(旅行開始後の旅客運賃の払いもどし)
第274条 旅客は、普通乗車券を使用して旅行を開始した後、任意に旅行を中止した場合は、その乗車券が、発売の日から2日以内(前売りの乗車券については、通用開始の日から2日以内)であつて、且つ、その乗車船しない区間が、300キロメートルをこえるとき(乗車変更の取扱をしたため300キロメートルをこえる場合を除く。)に限つて、これをその旅行を中止した駅に差し出し、既に支払つた旅客運賃から既に乗車船した区間の普通旅客運賃(当該乗車券が割引乗車券で、旅行を中止しても既に乗車船した区間だけでその割引条件を満たすときは、割引普通旅客運賃)を差し引いた残額の払いもどしを請求することができる。この場合、旅客は、手数料として、乗車券1枚につき10円を支払うものとする。
2 往復乗車券又は連続乗車券の未使用券片については、前項の規定にかかわらず、第271条の規定を適用する。
3 旅客は、第1項の規定により残額の払いもどしを請求する場合で、係員の請求があるときは、払いもどしの請求書を提出しなければならない。

(不乗区間に対する旅客運賃の払いもどしをしない場合)
第275条 第155条の規定によつて継続乗車船中の旅客が、旅行を中止した場合の不乗区間に対しては、旅客運賃の払いもどしをしない。

(不乗区間に対する旅客運賃・料金の払いもどしをしない場合)
第276条 旅客は、第148条の規定により乗車券類の券面に表示された発着区間内の途中駅から任意に旅行を開始し、又は同区間内の途中駅で車下した後に前途の駅から任意に乗車船した場合の不乗区間について、旅客運賃・料金の払いもどしを請求することができない。

(定期乗車券使用開始後の旅客運賃の払いもどし)
第277条 旅客は、定期乗車券の使用を開始した後、その定期乗車券が不要となつた場合は、通用期間内であるときに限つて、これを発行駅に差し出して、既に支払つた定期旅客運賃から、使用経過月数に相当する定期旅客運賃を差し引いた残額の払いもどしを請求することができる。この場合、旅客は、手数料として、乗車券1枚につき30円を支払うものとする。
2 前項の計算については、払いもどし請求の当日は経過日数に算入し、又、1箇月未満の経過日数は1箇月として計算する。
3 第1項の定期乗車券の経過月数に相当する定期旅客運賃は、次の各号によつて計算する。
(1) 使用経過月数が1箇月又は3箇月のときは、各その月数に相当する定期旅客運賃
(2) 使用経過月数が2箇月のときは、1箇月に相当する定期旅客運賃の2倍の額
(3) 使用経過月数が4箇月のときは、3箇月と1箇月に相当する定期旅客運賃の合算額
(4) 使用経過月数が5箇月のときは、3箇月と1箇月の2倍に相当する定期旅客運賃の合算額

(旅行中止による通用期間の延長及び旅客運賃の払いもどし)
第278条 旅客は、旅行開始後、次の各号の1に該当する場合であつて、且つ、その所持する乗車券が通用期間内であるときは、1回に限つて、第283条の規定によつて定める日数の乗車券の通用期間の延長を請求し、又は既に支払つた旅客運賃から既に乗車船した区間の普通旅客運賃を差し引いた残額の払いもどしをその旅行を中止した駅に請求することができる。この場合、払いもどしを受ける旅客は、手数料として乗車券1枚につき10円を支払うものとする。
(1) 傷い疾病によつて旅行を中止したとき。
(2) >司法権又は国会からの喚問その他これに類する行政権の発動によつて、旅行を中止したとき。
2 前項の規定による通用期間の延長の請求は、旅行開始前の乗車券についても、これを準用する。
3 定期乗車券・回数乗車券・団体乗車券又は貸切乗事券を使用する旅客は、前2項の請求をすることができない。
4 第1項の規定による旅客運賃の払いもどしを請求する旅客は、その所持する急行券(乗東列車を指定したものを除く。)についても既に支払つた料金から既に乗車した区間の料金を差し引いだ残額の払いもどしを請求することができる。この場合、旅客は、手数料として急行券1枚につき10円を支払うものとする。

(傷い疾病等の場合の証明)
第279条 旅客は、前条の規定により通用期間の延長又は旅客運賃の払いもどしを請求する場合は、その原因が外傷等で一見してその事実が認定できる場合を除き、医師の診断書等これを証明するに足りるものを呈示するものとする。

(通用期間の延長及び旅客運賃の払いもどしの特例)
第280条 発行当日限り有効の乗車券を所持する旅客は、当日最終の列車又は自動車に乗りおくれた場合は、直ちに当該乗車券を係員に呈示して通用期間の延長又は旅客運賃の払いもどしを請求することができる。この場合はその翌日まで通用期間を延長又は手数料10円を収受して旅客運賃の払いもどしの取扱をする。但し、当該乗車券が乗車列車を指定したものであるときは、この取扱はしない。

第5款 下級変更

(下級変更)
第281条 旅客(定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客を除く。)は、その所持する乗車券の等級に相当する車船室の設備がないとき若しくは満員のとき又は車両の故障のときその他旅客の責任とならない事由によつてその乗車券の等級に相当する車船室に乗車船することができない場合(着駅共通乗車券を所持する旅客がその共通着駅区間内のみについて乗車券相当等級の車室に乗車できないとき及び第87条の規定によつて発売した乗車券を所持する旅客が当該乗車券に表示された東京都区内・大阪市内若しくは東京電車環状線内のみについて乗車券相当等級の車室に乗車できないときを除く。)で、あらかじめ係員に申し出てその承諾を受け下級の車船室に変更したときは、その変更区間(変更区間が同一券片について2区間以上あるときは、これらの区間のキロ程を通算する。又、第87条の規定によつて発売した乗車券を所持する旅客が、当該乗車券に表示された東京都区内・大阪市内又は東京電車環状線内にまたがつて下級変更した場合は、東京駅又は大阪駅を起点又は終点としたキロ程を限度として計算をする。)に対してその使用する乗車券又は急行券の等級による普通旅客運賃・料金と下級の普通旅客運賃・料金との差額(当該乗車券類が割引の乗車券類であるときは、割引条件のいかんにかかわらず、割引の普通旅客運賃・料金と割引の普通旅客運賃・料金との差額)の払いもどしを、変更終了後の途中駅又は着駅において、請求することができる。この場合、旅客は、乗車船の変更を終了する駅に至る区間において列車又は連絡船内の係員から下級変更証明書の交付を受け、差額の払いもどしを請求する際、これを提出しなければならない。
2 前項の規定は、旅客の責任とならない事由によつて、上級の寝台から下級の寝台に、又は料金の高額な寝台から低額な寝台に変更をする場合に準用する。
3 旅客は、前各項の場合を除き、下級等級に乗車船したことを事由として、旅客運賃・料金の差額の払いもどしを請求することはできない。

第6款 運行不能及び遅延

(列車等の運行不能又は遅延の場合の取扱方)
第282条 旅客(定期乗車券を使用する旅客を除く。)は、旅行開始後、次の各号の1に該当する場合は、第283条の規定によつて定める日数の乗車券の通用期間の延長、第284条の規定による無賃送還(第2号の場合を除く。)又は旅行を中止して既に支払つた旅客運賃から既に乗車船した区間に対する普通旅客運賃を差し引いた残額の払いもどしを請求することができる。但し、回数乗車券を使用する旅客は、無賃送還以外の取扱を請求することができない。
(1) 列車等が運行不能となつたとき。
(2) 車両の故障その他旅客の責任とならない事由によつて乗車券面に表示された等級の車船室に乗車船することができないため、旅行を中止したとき。
(3) 列車等が運行時刻より遅延し、そのため接続駅で、接続予定の列車等の出発時刻から2時間以上にわたつて、目的地に出発する列車等に接続を欠いたとき若しくは欠くことが確実であるとき又は着駅到着時刻に2時間以上遅延したとき。

(乗車券通用期間延長の取扱方)
第283条 乗車券の通用期間の延長の取扱は、次の各号に定めるところによる。
(1) 旅客は、乗車券の通用期間の延長を請求しようとするときは、関係の駅に申し出るものとする。この場合は、その乗車券を駅に預けるものとする。
(2) 通用期間の延長は、次の期間とし、旅客は、この期間内に旅行を継続するものとする。
イ 第278条第1項各号の場合は、乗車券を預けた日から30日以内。但し、通用期間を延長する事由のなくなつたときは、延長期間は、その事由のなくなった日までとする。
ロ 前条第1号の場合は、開通の日から5日以内
ハ 前条第2号及び同条第3号の場合は、1日
(3) 延長をする通用期間は、乗車券を預けた日から旅行を継続する日の前日までの期間に相当する期間とする。
(4) 旅客は、旅行を継続する際、乗車券面に通用期間延長の証明を受けるものとする。
(5) 旅客が、延長した期間内に旅行を継続しなかつたときは、その乗車券は無効として回収する。

(無賃送還の取扱方)
第284条 旅客の無賃送還の取扱は、次の各号に定めるところによる。
(1) 無賃送還は、その事実が発生した際使用していた乗車券の券片に表示された発駅までとする。この場合、当該乗車券が発駅共通のものであるときは、発駅共通区間内の旅客の希望駅までとする。
(2) 無賃送還は、最近の時刻に乗車券面に表示された発駅に向けて出発する列車等(急行列車及び急行自動車を除く。)による。
(3) 無賃送還は、乗車券面に表示された等級及び経路による。但し、その列車若しくは連絡船に相当等級の車船室がないときは上級の車船室に、上級の車船室がないときは下級の車船室に、又、やむを得ない事由によつて、乗車券面に表示され経路によつて無賃送還を行うことができないときは他の経路による。
(4) 無賃送還中は、途中下車の取扱をしない。
(5) 旅客が、第2号及び第3号による乗車船を拒んだときは、無賃送還の取扱をしない。
2 前項の無賃送還を行つた場合は、次の各号の定によつて旅客運賃の払いもどしをする。但し、回数乗車券を使用する旅客については払いもどしの取扱をしない。
(1) 乗車券面に表示された発駅まで送還したときは、既に収受した旅客運賃の全額。但し、旅客が当該券片を使用して途中下車していた場合は、既に収受した旅客運賃から、その発駅と最終途中下車駅間に対する普通旅客運賃(原乗車券が割引の乗車券であるときは、割引普通旅客運賃)を差し引いた残額
(2) 旅客の請求によつて、乗車券面に表示された発駅に至る途中駅まで送還したときは、既に収受した旅客運賃から乗車券面に表示された発駅と、その途中駅との間の普通旅客運賃を差し引いた残額。但し、無賃送還区間内の駅で、当該券片を使用して途中下車した場合は前号但書による額
3 第1項の無賃送還を行つた場合、回数乗車券を使用する旅客は、当該券片をその後1回に限り、その券面表示事項に従つて使用することができる。

(運行不能の場合における他経路乗車船の取扱方)
第285条 列車等が運行不能となつた場合、その事故の発生前に購求した乗車券を所持する旅客は、同一目的地(不通区間以遠の駅において途中下車を予定していた場合は、その駅を含む。)に至る最短経路による列車等(急行列車及び急行自動車を除く。)に乗車船することを請求することができる。この場合、定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客は、他の経路による乗車船中に、途中下車することができない。
2 前項の取扱をする場合は、既に収受した旅客運賃と実際乗車船した区間の旅客運賃とを比較して、過剰額は払いもどしをするものとし、不足額は収受しない。
3 定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客について第1項の取扱をする場合は、前項の規定にかかわらず、過剰額の払いもどし及び不足額の収受をしない。
4 第1項の規定により定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客が他経路を乗車船中に途中下車した場合は、他経路への分岐駅から下車駅までの区間に対する普通旅客運賃を収受する。

(運行不能の場合の旅客運賃・料金の払いもどし駅)
第286条 第282条第284条又は前条の規定により、旅客運賃・料金の払いもどしを受けようとする旅客は、次の各号に定める駅で旅客運賃・料金の払いもどしを請求しなければならない。
(1) 無賃送還の取扱を受けない旅客は、旅行中止駅
(2) 無賃送還の取扱を受ける旅客は、送還を終えた駅
(3) 他の経路を乗車船する取扱を受けた旅客は、旅行を終えた駅

(運行不能区間の旅客運賃の払いもどし)
第287条 列車等が運行不能となつた場合で、その事故発生前に購求した乗車券によつて旅行する旅客(定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客を除く。)が不通区間を任意に国鉄線によらないで旅行し、乗車券の通用期間内に、前途の駅から乗継をするときは、係員にその旨を申し出て不乗証明書の交付を受け、不通区間の旅行を終えた後、乗車券にその証明書を添えて前途の駅に差し出し、当該不通区間に対する旅客運賃の払いもどしを請求することができる。

(運行休止の場合の旅客運賃の払いもどし)
第288条 定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客は、列車等が運行休止のため、引き統き5日以上その乗車券を使用できなくなつた場合は、その乗車券を発行駅に差し出して、相当日数の通用期間の延長を請求し、又は次の各号に定める金額の払いもどしを請求することができる。
(1) 定期乗車券については、使用しない区間(2区間以上ある場合は、その区間のキロ程を通算する。)の原定期乗車券と同一の種類・期間及び等級による定期旅客運賃に休止日数を乗じて通用総日数で除して、は数計算した額
(2) 回数乗車券については、回数旅客運賃に残余の券片数を乗じこれを総券片数で除しては数計算した額

(急行料金の払いもどし)
第289条 急行券を所持する旅客は、次の各号の1に該当する場合は、その急行料金全額の払いもどしを請求することができる。
(1) 運輸上の支障その他国鉄の責に帰する事由によつて、指定された急行列車又は急行自動車にその全部又は一部を乗車することができなくなつたとき。
(2) 急行列車の運行不能又は遅延のため、第282条の規定によつて発駅まで無賃送還の取扱を受けたとき。
(3) 急行列車が到着時刻又は出発時刻に2時間以上遅延したとき。
2 旅客は、急行券購求の際に急行列車が2時間以上遅延すること又は一部区間が不通であることを承諾して購求した急行券については、前項の規定にかかわらず、急行料金の払いもどしを請求することができない。
3 乗越区間について急行列車が2時間以上遅延することを承諾した旨の表示のある急行券を所持する旅客は、当該列車が乗越着駅に2時間以上遅延したときは、原発駅・乗越着駅間に対する急行料金から、乗越区間に対して支払った急行料金を差し引いた残額の払い戻しを請求することができる。

(指定料金及び寝台料金の払いもどし)
第290条 指定券又は寝台券を所持する旅客は、運輸上支障その他国鉄の責に帰する事由によつて、座席又は寝台を使用することができなくなつた場合(一部不使用の場合を含む。)は、その指定料金又は寝台料金の全額の払いもどしを請求することができる。

第7款 誤乗及び誤購求

(誤乗車区間の無賃送還)
第291条 旅客(定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客を除く。)が、乗車券面に表示された区間外に誤つて乗車船した場合において、係員がその事実を認定したときは、その乗車券の通用期間内であるときに限つて、最近の列車等(急行列車及び急行自動車を除く。)によつて、その誤乗車区間について、無賃送還の取扱をする。
2 前項の取扱をする場合の誤乗区については、別に旅客運賃を収受しない。

(誤乗区間無賃送還の取扱方)
第292条 前条の規定による無賃送還の取扱は、次の各号に定めるところによる。
(1) 無賃送還中の乗車船の等級は、原乗車券の等級と同一又はそれ以下の等級とする。
(2) 無賃送還中は、途中下車の取扱をしない。
2 旅客が無賃送還中途中駅に下車したときは、誤つて乗車船した区間及び既に送還した区間に対して、それぞれ普通旅客運賃を収受する。

(乗車券又は急行券の誤購求の場合の取扱方)
第293条 旅客が、駅名の同一類似その他の事由により誤つてその希望するものと異なつた着駅若しくは経路の乗車券若しくは急行券を購求した場合又は近接する時間に同一目的地に向う普通急行列車と準急行列車があるため、誤つてその希望するものと異つた種類の急行券を購求した場合であつて、係員がその事実を認定したときは、正当な乗車券又は急行券に変更の取扱をする。
2 前項の場合は、既に収受した旅客運賃又は急行料金と正当な旅客運賃又は急行料金とを比較し、不足額は収受し、過剰額は払戻をする。

第8章 入場券及び入浴券

第1節 入場券

(入場券の発売)
第294条 乗車船以外の目的で乗降場に入場しようとする者は、入場券を購求し、これを所持していなければならない。但し6才以上の入場券所持者が随伴する6才未満の者2人までについては、この限りではない。

(入場券の種類及び料金)
第295条 入場券は、普通入場券及び定期入場券の2種とし、その料金は、普通入場券は1枚につき10円、定期入場券は1枚につき300円とする。
2 定期入場券を購求しようとする者は、次の様式による定期入場券購求申込書に使用者の住所・氏名及び年齢を記入のうえ、提出しなければならない。

備考 第33条第2項に規定する定期乗車券購求申込書をもつてこの申込書に代用することができる。

(入場券の効力)
第296条 普通入場券は発売駅で発売当日中に1人1回に限つて、定期入場券は、発売日から1箇月間発売駅において、記名人に限つて使用することができる。
2 入場券所有者は、列車等に立ち入ることができない。

(入場券が無効となる場合)
第297条 入場券は、次の各号の1に該当する場合は、無効として回収する。
(1) 券面表示事項をぬり消し、又は改変して使用したとき。
(2) 発売駅以外の駅で使用したとき。
(3) 定期入場券をその記名人以外の者が使用したとき。
(4) その他入場券を不正行為の手段として使用したとき。
2 前項の規定は、偽造の入場券を使用して入場した場合に準用する。
3 定期入場券が、第1項の規定によつて無効として回収された場合は、その記名人に対して以後定期入場券の発売をしないことがある。

(入場券の様式)
第298条 入場券は次の様式により印刷したものに、普通入場券にあつてはその表面左端に発行日付印を押したものとし、定期入場券にあつてはその所定欄に駅名・有効期限・氏名・年齢及び発行年月日をそれぞれ記入したものとする。
(1) 普通入場券
備考
(1) 表面中央に赤色の横線1条を印刷する。
(2) 連絡船の発着する駅で発売するものについては、「客車内」を「客車又は連絡船内と印刷する。
(2) 定期入場券
備考
(1) 表面に淡赤色で第186条の字模様を印刷する。
(2) 必要により駅名を印刷する。

(入場券の改札及び引渡し)
第299条 入場券は、入場の際に、係員に呈示して改札を受け、且つ、普通入場券については入鋏を受けるものとする。
2 入場券は、その使用を終えたときは、直ちに係員に引渡すものとする。その効力を失つた場合もまた同じ。

(無札入場者)
第300条 乗車船以外の目的によつて、入場券を所持しないで入場した場合又は第297条第1項の規定により入場券(定期入場券を除く。)を無効として回収した場合は、当該入場者から第295条の規定による普通入場料金を収受する。
2 第297条第1項の規定により定期入場券を無効として回収した場合、当該入場者から当該入場券の効力の発生した日から無効の事実を発見した当日まで毎日1回ずつ入場したものとして、前項の規定を準用する。
3 前各項の規定は、第297条第2項の規定により偽造の入場券を回収した場合に準用する。

(入場料金の払いもどし)
第301条 第6条の規定により入場券の使用を制限し、又は停止した場合は、普通入場券を所持する者にあつては、入場料金額の払いもどしを、定期入場券を所持する者にあつては、引き続き5日以上制限し、又は停止したときに限り、1日につき10円の割で計算した入場料金の払いもどし又は相当日数の通用期間の延長を請求することができる。
2 前項による場合の外、入場料金の払いもどしはしない。

第2節 入浴券

(入浴券の発売及びその料金)
第302条 青森・函館間航路の2等寝台を使用する旅客は、その連絡船に設備してある旅客用浴室を使用しようとするときは、その連絡船内において入浴料金120円を支払つて、入浴券を購求しなければならない。

(入浴券の様式)
第303条 入浴券の様式は、次のものに発行日付を表示したものとする。

備考 表面左方上部に鉄道管理局の頭文字を表示する。

(入浴券の効力)
第304条 入浴券は、発売した連絡船の運航中に、1人1回に限つて使用することができる。

(入浴券の改札及び引渡し)
第305条 入浴券は、入室の際に入鋏を受け、使用を終えたときは、これを係員に引き渡さなければならない。

(入浴料金の払いもどし)
第306条 入浴料金の払いもどしをしない。

第9章 手回り品

(手回り品及び持込禁制品)
第307条 旅客は、第308条又は第309条に規定するところにより、その携行する物品を手回り品として車船内に持ち込むことができる。但し、次の各号の1に該当する物品は、車船内に持ち込むことができない。
(1) 別表第2号に掲げるもの(以下「危険品」という。)及び他の旅客に危害を及ぼすおそれがあるもの
(2) 暖炉及びこん炉(乗車船中に使用するおそれがないと認められるもの及び懐炉を除く。)
(3) 死体
(4) 動物(少数量の小鳥・小虫類・初生ひな及び魚介類で容器に入れたもの又は第309条第2項の規定により持込の承諾を受けた動物を除く。)
(5) 不潔又は臭気のため、他の旅客に迷惑をかけるおそれがあるもの
(6) 車両又は船舶を破損するおそれがあるもの
2 旅客が、手回り品中に危険品を収納している疑があるときは、その旅客の立合を求め、手回り品の内容を点検することがある。
3 前項の規定により手回り品の内容の点検を求めた場合、これに応じない旅客は、前途の乗車船をすることができない。

(無料手回り品)
第308条 旅客は、次の各号の区分によりその携行する物品を無料で車船内に持ち込むことができる。但し、長さ1メートルをこえる物品は、車船内に持ち込むことができない。
(1) 通勤定期乗車券又は通学定期乗車券を使用するとき
 容積0.025立方メートル以内、重量10キログラム以内の1個
(2) 前号以外の乗車券を使用するとき
容積0.025立方メートル以内及び0.05立方メートル以内のものそれぞれ1個。但し、その総重量が20キログラムをこえないもの。
2 通勤定期乗車券又は通学定期乗車券とその他の乗車券とを併用して旅行する場合は、その全乗車船区間について、前項第2号に規定する範囲内のものを持ち込むことができる。
(注)旅客が、自己の身の回り品として携帯する傘・つえ・ハンドバッグ・ショルダーバッグ等は、第1項に規定する個数制限にかかわらず、これを車船内に持ち込むことができる。

(有料手回り品及び手回り品料金)
第309条 旅客は、前条第1項に規定する制限をこえる物品であつても、次の各号の1に該当するものは、持込区間・持込日その他持込に関する必要事項を申し出たうえで、鉄道・航路区間と自動車線区間とを各別に国鉄の承諾を受け、手回り品料金を支払つて、これを車船内に持ち込むことができる。
(1) 巡回医療員又は災害救助員が携行するレントゲン機械類及び医療器具類
(2) 巡回映画員が携行する映写機械類及び映画用フイルム
(3) 自転車振興会連合会の発行した選手登録証票を所持するものが携行する解体して帆布製の袋に収納した競輪用自転車
(4) 前各号の外、第336条第1項第1号から第3号までに規定する制限内程度の物品であつて、国鉄が特に持込を承諾したもの
2 旅客は、小犬、猫・はと又はこれらに類する小動物(猛獣及びへびの類を除く。)であつて、次の各号に該当するものは、前項の規定に準じて国鉄の承諾を受け、手回り品料金を支払つて車船内に持ち込むことができる。
(1) 長さ70センチメートル以内、容積0.025立方メートル以内の容器に収納したもので、且つ、他の旅客に危害を及ぼし、又は迷惑をかけるおそれがないと認められるもの
(2) 容器に収納した重量が10キログラム以内のもの
(3) 持込区間が100キロメートル程度までのもの
3 手回り品料金は、旅客の1回の乗車船ごとに、次の各号の料金とし、鉄道・航路区間と自動車線区とは、各別に支払うものとする。
(1) 鉄道・航路区間  1個について  60円
(2) 自動車線区間   同       20円

(注)有料手回り品の持込区間が、鉄道・航路区間の間に自動車線区間を介在するときは、前後の鉄道・航路区間は各別に手回り品料金を収受する。自動車線区間の間に鉄道・航路区間が介在するときの前後の自動車線区間についてもまた同じ。

(有料手回り品切符)
第310条 前条の規定により手回り品料金を支払つて、有料手回り品を車船内に持ち込む旅客に対しては、有料手回り切符又はこれに代る証票を交付する。
2 有料手回り品切符の様式は、次の通りとする。
(1) 鉄道・航路用有料手回り切符
第1種 専用切符
備考
(1) 甲及び乙2片制とし、甲片を旅客に交付する。
(2) 赤色刷りとする。
(3) 番号は、1,000号から1,999号までとし、支社長が指定したときは、番号の左方に「い・ろ・は」の例により記号をつける。
(4) 甲・乙両片にわたり、直径2センチメートルの動輪を淡赤色で表示する。
(5) 紙質は、B模造80斤とする。
(6) 上部の両面に、はと目紙をつける。
第2種 共用切符

備考
(1) 甲・乙及び丙の3片制複写式とし、乙片を旅客に交付する。
(2) 乙片は洋紙で、他は藻用紙とする。
(3) 番号は、800号から899号までとする。
(4) 紙質は、洋紙は、B模造80斤とし、藻用紙は1号品とする。
(5) 乙片の裏面上部に、はと目紙をつける。
(2) 自動車線用有料手回り品切符
備考
(1) 点線の箇所から切り離して旅客に交付する。
(2) 番号は、1号から20号までとする。
(3) 乗車券に表示する字模様を赤色で表示するか、又は各券片の点線の箇所に直径2センチメートルの動輪を赤色で表示する。
(4) 紙質は、B模造80斤とする。

(注)「有料手回り品切符に代る証票」とは、第192条に規定する車内片道乗車券又は第226条に規定する車内補充券をいう。以下同じ。

第311条 有料手回り品切符又はこれに代わる証票は、切符又は証票に表示された条件に従つて当該有料手回り品を車船内に持ち込む場合に限つて有効とする。但し、途中下車をしたときは、その効力を失う。
2 有料手回り品切符又はこれに代る証票は、次の各号により係員の検査を受けるとともに、途中下車又は下車船の際に、これを係員に引き渡さなければならない。
(1) 前条第2項第1号の規定による有料手回り品切符は、有料手回り品を持ち込む際に係員に呈示してその下部に入鋏を受けた後、当該有料手回り品にくくりつけておき、係員から請求があるときはいつでもこれを呈示する。
(2) 前条第2項第2号の規定による有料手回り品切符又は有料手回り品切符に代る証票は旅客がこれを携帯し、係員から請求があるときは、いつでもこれを呈示する。

(持込禁制品又は制限外手回り品を持ち込んだ場合の処置)
第312条 旅客が、第307条第1項但書の規定による車船内に持ち込むことのできない物品又は第308条の規定による持込制限をこえる物品を国鉄の承諾を受けないで車船内に持ち込んだ場合は、旅客を最近の駅に下車船させ、且つ、次の各号により荷物運賃及び増運賃を収受する。
(1) 第307条第1項但書第1号から第5号までの規定による物品を持ち込んだとき
当該物品1個ごとの重量によつて計算した相当小荷物運賃(危険品にあつては、第376条第2号の規定による10割増の割増小荷物運賃を適用する。)及びその10倍に相当する増運賃を収受する外、危険品にあつては、第435条第2項に規定する増運賃を合わせて収受する。
(2) 前号の外、車船内に持ち込むことのできない物品を持ち込んだとき
 車船内に持ち込んだ物品の総重量によつて計算した相当小荷物運賃(持込物品が2個以上であつて、それぞれ適用する小荷物運賃を異にするときは、その全部を最高賃率のものによつて計算する。)及びその2倍に相当する増運賃を収受する。但し、増運賃は、旅客が、物品の無賃運送を図り荷物運賃を免かれる意思が明らかであるときに限つて収受する。
2 前項に規定する荷物運賃及び増運賃を計算する場合のキロ程は、次の各号による。
(1) 前項第1号のときは、乗車券に表示された区間のキロ程によつて計算する。但し、旅客が有効の乗車券を所持しないとき又はその乗車船区間が判明しないときは、列車等の運転区間のキロ程による。
(2) 前項第2号のときは、乗車券に表示された発駅(旅客が有効の乗車券を所持していないときは、列車等の発駅)と、旅客を下車船させた駅との間のキロ程によつて計算する。
3 着駅において、旅客が第307条第1項但書の規定による車船内に持ち込むことのできない物品又は第308条の規定による持込制限をこえる物品を国鉄の承諾を受けないで車船内に持ち込んだこと発見したときは、前2項の規定を準用する。

(持込禁制品を持ち込もうとした場合の処置)
第313条 旅客が、第307条第1項但書第1号から第5号までの規定による物品を車船内に持ち込もうとした場合は、前条の規定を準用することがある。
2 前項の規定により荷物運賃及び増運賃を計算する場合のキロ程は、当該物品を持ち込もうとした駅と乗車券に表示された着駅との間のキロ程による。但し、旅客が有効の乗車券を所持していないときは、当該物品を持ち込もうとした駅と列車等の終着駅との間のキロ程による。

(旅客運送の伴わない物品を持ち込んだ場合の処置)
第314条 旅客運送の伴わない物品を、手回り品のように装う等の手段により物品の無賃運送を図つた場合は、無賃運送を図つた者に対し、当骸物品の運送区間について第312条第1項第1号の規定を準用する。

(手回り品の保管)
第315条 手回り品は、旅客において保管の責任を負うものとする。

(準用規定) 
第316条 手回り品に関する容積・キロ程及び荷物運賃の計算並びに荷物運賃及び増運賃を収受する場合の証票については、別に定がある場合を除いて、荷物運送に関する規定を準用する。


第3編 荷物運送

第1章 通則

(荷物の扱種別)
第317条 荷物は、託送の条件に応じて手荷物と小荷物とに区分して取り扱う。
2 小荷物は、荷送人の選定又は別に定める手続を経ることにより、次の各号の扱種別に区分して取り扱う。
(1) 普通扱
 第2号以下に掲げる扱種別以外の小荷物
(2) 代金引換扱
 小荷物の運送に附帯して荷送人の指定する代金を国鉄が代わつて荷受人から取り立てる小荷物
(3) 特別扱
 新聞紙又は雑誌であつて、第353条の規定により特別の取扱をする小荷物
(4) 貸切扱
 荷物車を貸し切つて運送する小荷物

(荷物の取扱時間)
第318条 荷物の取扱時間は、当該駅に掲示する。

(貴重品)
第319条 貴重品として取り扱う荷物の品目は、別表第3号に掲げるところによる。

(荷物の容積)
第320条 荷物の容積は、幅・厚さ及び長さの各辺ともその最長部分によつて測定し、これを乗じて計算する。

(荷物の荷造)
第321条 荷物は、その性質・形状・重量・運送距離及び積換回数に応じ、運送中の取扱に耐えるとともに、自他の荷物の損害を防止し、且つ、積卸し等に不便でない荷造をしなければならない。但し、とう製のいす・鉄棒その他の物品で、国鉄が運送上支障がないと認めるものは、なわ締めとすることができる。

(荷物の荷札及びあて先の表示)
第322条 荷物(特別扱小荷物及び貸切扱小荷物を除く。)の荷送人は、荷造の表面又は荷物自体に、次の各号に掲げる事項を記載する外、同一事項を記載した荷札1枚を荷物自体に記載できなければならない。但し、荷造の表面又は荷物自体に記載できないときは、荷札2枚以上をつけて、これに代えることができる。
(1) 発駅名・着駅名及びその所属線名。但し、着駅名は、駅留荷物に限つて記載する。
(2) 荷送人及び荷受人の住所及び氏名又は商号
(3) 品名。但し、2品以上を混入したときは、「何々(おもな荷物の品名)外」
(4) 個数。但し、2個以上を1口とするときに限つて記載する。
(5) 駅留又は配達の別
2 荷札の様式は、次の通りとする。(様式省略)
3 駅留荷物の荷送人は、第1項の規定にかかわらず、荷受人の住所の記載を省略することができる。
4 国鉄は、前各項に規定する荷札又はあて先等の表示事項について不備があつた場合、その不備によつて生じた損害に対しては責任を負わない。
(注)荷受人の住所は、到着通知の発信又は、配達に支障のないように町名・字名・丁目・番地等まで記載し、荷受人が同居者のときは、「何某方」と肩書を記載するものとする。

(特別扱小荷物のあて先等の表示)
第323条 特別扱小荷物の荷送人は、荷造の表面に、次の各号に掲げる様式のあて先紙をはりつけ、必要事項を表示しなければならない。
(1) 特別扱小荷物の新聞紙(様式省略)
(2) 特別扱小荷物の雑誌(様式省略)
2 荷送人は、国鉄が運送上の必要により、前項のあて先紙又は荷造用の紙若しくは布について、着駅所属線別又は区間別に着色することを指定したときは、指定の区分に応じて着色をするものとする。
3 前条第4項の規定は、前各項に規定するあて先紙又はその表 示事項に不備があつた場合に準用する。

(荷物の積卸し又は積換)
第324条 荷物の積卸し又は中継のための積換は、次の各号の小荷物を除いて、国鉄において負担する。
(1) 第342条第2項の規定によつて受託する小荷物であつて、次に該当するもの
イ 死体
ロ 1個の重量が100キログラムをこえるもの
(2) 貸切扱小荷物

(運送責任期間)
第325条 国鉄は、荷物受取の日から起算して、次の各号の日数を合算した期間内にその運送を完了する。但し、国鉄の責任とならない事由によつて運送が遅延したときは、その遅延日数だけこの期間に加算する。
(1) 発送期間 1日
(2) 輸送期間
イ 鉄道及び自動車線
 荷物運賃計算の経路の鉄道営業キロ程及び自動車線キロ程(航路を中間に介在するときは、その前後の鉄道又は自動車線のキロ程は通算する。)により、400キロメートルまでごとに1日
ロ 航路
(イ) 青森・函館間航路 2日
(ロ) その他の航路   1日
(3) 配達期間(配達荷物に限つて加算する。) 1日
2 荷物の運送は、国鉄の貢任となる亭由があるときを除いて各号の区分にしたがい、当該各号に定める時に完了する。
(1) 駅留荷物
イ 手荷物 引渡しの準備を完了した時
ロ 小荷物 到着通知を発した時。但し、到着通知を要しないものにあつては、引渡しの準備を完了した時とする。
(2) 配達荷物
 荷受人に引き渡した時。但し、届先の誤記その他の事由により届先が不明のため配達に着手できない荷物にあつては、前号ロの規定を準用し、配達に着手したが届先の不明・転居・受取拒絶等のため持ちもどつた荷物にあつては、届先まで配達を行つた時とする。
3 2個以上を1口とした荷物を分割して荷受人に引き渡す場合は、前項の規定にかかわらず分割して引き渡した荷物の運送を完了したものとする。
(注)着駅変更又は発駅返送のさしずに応諾した場合の輸送期間は、荷物所在駅前後の荷物運送区間のキロ程を通算して計算する。この場合、原着駅又は荷物所在駅における滞留日数は、国鉄の責任とならない事由による限り、運送責任期間に加算する。満期返送の取扱をする場合もまた同じ。

(証票の交付)
第326条 荷物の運送に関して荷物運賃・料金その他の費用を収受する場合、この規則において荷主に交付する証票について別段の定をしていないときは、諸料金切符・荷物賃訂正通知書又はこれらに代る証票を交付する。
2 諸料金切符・荷物賃訂正通知書又はこれらに代る証票の様式は、別に定めるところによる。

第2章 受託

第1節 通則

(荷物の提示・内容の申出及び点検)
第327条 荷送人は、荷物託送の際、別に定める場合を除き、荷物を係員に提示し、その種類及び性質を申し出るものとする。
2 前項の申出について疑があると認めるときは、荷送人の立会を求めて、荷物の内容を点検することがある。但し、手荷物については、危険品を収納している疑があると認めるときに限つて、内容の点検を行う。
3 荷送人から荷物の種類及び性質の申出がなく、且つ、その在中品が判明しないときは、これを受託しない。

(移動禁止物品の受託)
第328条 法令によつて移動を禁止されている物品は、受託しない。

(荷物の計算)
第329条 荷物の重量は、受託の際に国鉄において計量する。但し、特別扱小荷物及び貸切扱小荷物の重量は、荷送人において託送前に計量して申し出るものとする。
2 特別扱小荷物の重量については、必要に応じ、荷送人において発送原簿その他の提示をうけて検量することがある。

(配達の取扱) 
第330条 荷送人(特別扱小荷物及び貸切扱小荷物の荷送人を除く。)は、荷物託送の際に、第383条に規定する配達料を支払つて、荷物の配達を請求することができる。但し、荷物の届先が国鉄の定める配達区域外であるとき又は荷物が次の各号に掲げる物品であるときは、配達の請求をすることができない。
(1) 手荷物
 1個の重量が50キログラムをこえるもの
(2) 小荷物
イ 1個の重量が50キログラムをこえるもの
ロ 貴重品
ハ 20割増の割増小荷物運賃を適用する物品
ニ 貨物引換証又は船荷証券を発行するもの
ホ 動物(かめ類・えさに用いる小虫類及び水に入れない魚介類を除く。)
ヘ 死体及び遺骨
ト 自転車
チ 第346条の規定により運送列車を指定するもの
2 配達荷物の着駅は、国鉄が選定する。
3 荷物の配達区域は、荷物集配区域表に記載して、関係駅に備え付ける。
4 運輸上支障がある場合は、配達の取扱を制限し、又は停止することがある。

(条件付の配達取扱)
第331条 前条の規定により荷送人から配達の請求があつた場合において、受託の際その届先が配達区域内であるかどうか明らかでないときは、荷送人において特にその届先が配達区域内であることを申し出、且つ、次の各号の条件を承諾するときに限つて配達の取扱をする。
(1) 着駅に到着後、その届先が他駅の配達区域内であることが判明した場合は、国鉄において当該駅に転送し、荷物の全運送区間に対する荷物運賃・料金を計算(転送区間の荷物運賃計算キロ程(第370条の規定によるキロ程をいう。以下同じ。)と原運送区間の荷物運賃計算キロ程とは通算し、又、原扱が手荷物であるときは、手荷物として荷物運賃・料金を計算する。)し、既に収受した荷物運賃・料金に不足を生ずるときは、これを収受する。
(2) 着駅に到着後、その届先が配達区域外であるときは、駅留に訂正し、配達料の払いもどしをする。
(注) この条に規定する条件付の配達取扱は、配達を行うさしずの請求の場合においても適用することができる。

(要償額の表示)
第332条 荷送人は、荷物託送の際に、第384条に規定する要償額表示料を支払つて、荷物1口全部に対し、要償額の表示をすることができる。

(引渡証明の請求)
第333条 荷送人は、荷物託送の際に、第385条に規定する引渡証明料を支払つて、荷物の引渡完了後、その引渡しの事実を証する証明書の交付を請求することができる。
2 荷主は、荷物託送後であつても、託送後3箇月以内であるときは、発駅又は着駅に対して、前項の規定に準じ、引渡証明の請求をすることができる。

(荷物受取の時期)
第334条 荷物の運送を引き受けたときは、直ちに、その荷物の引渡しを受ける。但し、第324条の規定によつて荷送が積込を負担する小荷物は、積込を完了した後にその引渡しを受ける。

第2節 手荷物の受託

(手荷物の託送)
第335条 乗車券(通勤定期乗車券及び通学定期乗車券を除く。)を所持する族客は、第336条第1項各号に掲げる物品を除いて、次の各号により手荷物を託送することができる。
(1) 託送に際して乗車券を呈示する。
(2) トランク・かばん・行り・携帯木箱・布製袋その他これらに類するものに収納した旅客自用の物品に限る。但し、次に掲げる物品の荷造については、この限りでない。
イ 運動用具
ロ 身体障害者又は、病患者が乗用する特殊車両
ハ 学生又は学徒用の机・いす・腰掛・本箱及び本だな
(3) 託送回数は、旅客1人について1回(普通定期乗車券による場合は、1回の乗車船について1回に)限る。
(4) 託送個数は、旅客1人について3個(普通定期乗車券による場合は、1個)以内に限る。但し、2個以上を託送する場合は、荷送人・荷受人・託送区間・配達又は駅留・配達のときの届先その他の運送条件を同じくしなければならない。
(5) 託送区間は、乗車券に表示された区間内(旅行開始後であるときは、乗車船していない区間内)に限る。
(6) 託送期間は、乗車券の通用期間内とする。但し、前売乗車券(普通定期券を除く。)については、通用開始日前に託送することができる。
2 旅客は、連続した2区間以上の乗車券を併用して、その全区間を通じ、前項の規定により手荷物を託送することができる。
この場合、普通定期乗車券とその他の乗車券を併用する場合の託送個数は、旅客1人について3個までとする。
3 国鉄において特に必要があると認めるときは、託送個数の制限をこえる物品についても手荷物として取り扱うことがある。

(手荷物の託送範囲)
第336条 手荷物として託送することのできる物品は、次の各号の1に該当しないものに限る。
(1) 1個の長さが2メートル(運動用具・つり道具及び天幕生活用品を除く。)をこえるもの
(2) 1個の容積が0.5立方メートルをこえるもの
(3) 1個の重量が30キログラムをこえるもの
(4) 他の物品を汚損するおそれがあるもの
(5) 臭気を発するもの又は不潔なもの
(6) 荷造が不完全なもの
(7) 危険品
(8) 動物(水に入れない魚介類を除く。)
(9) 前号の外、別表第4号に掲げるもの(前条第1項第2号但書に規定する物品を除く)
(10) 死体及び遺骨
2 国鉄において特に必要があると認めるときは、前項第1号から第3号までに規定する制限をこえる物品についても手荷物として取り扱うことがある。

(1口の範囲)
第337条 手荷物は、旅客1人の託送するものを1口とする。但し、2人以上の旅客の代表者から手荷物託送の申出がある場合で、荷送人・荷受人・託送区間・配達又は駅留・配達のときの届先その他の運送条件を同じくし、20個以内を同時に託送するものであるときは、代表者の請求によつてこれを1口として取り扱うことができる。

(手荷物の再託送)
第338条 旅客は、乗車券に表示された区間の一部区間だけ手荷物を託送する場合は、託送の際に、残余の前途区間に対し手荷物の託送を留保することを請求することができる。
2 前項の留保の請求に応じた場合は、次の様式による再託送証明書を交付する。但し、団体乗車券又は貸切乗車券によつて託送があつた場合は、乗車券に手荷物の託送区間を証明して再託送証明書の交付に代える。(様式省略)
3 旅客が、前各項の規定によつて残余の前途区間に手荷物を再託送する場合は、次の各号によるものとする。
(1) 当初の着駅又はこれより前途区間寄りの駅から再託送する。但し、当初の託送に当つて第339条に規定する特殊扱の適用を受けたときは、その届先の市町村内(東京都区内を含む。)に所在する駅若しくはその市町村内(東京都区内を含む。)に配達区域を持つ駅又はこれらの駅より前途区間寄りの駅から再託送することができる。
(2) 乗車券を呈示する外、前項但書の規定による場合を除いて、再託送証明書を提出する。
(3) 新たに手荷物運賃・料金を支払う。

(配達手荷物の特殊扱)
第339条 手荷物について配達の請求がある場合において、国鉄の選定する着駅が、乗車券に表示されている区間外の駅となるときであつても、届先の市町村内(東京都区内を含む。)に所在する駅又はその市町村内(東京都区内を含む。)に配達区域を持つ駅のいずれかが乗車券に表示された区間内の駅であるときは、配達手荷物として取り扱う。

(駅員無配置駅等から乗車する旅客の手荷物の取扱)
第340条 駅員無配置駅(手荷物の取扱をしない駅を含む。)から乗車する旅客が、手荷物として託送する物品を携行する場合は、もよりの手荷物取扱駅又はもよりの接続駅において託送するものとし、その託送駅までは、乗務員において第309条及び第310条の規定に準じ有料手回り品として取り扱う。
2 前項に規定する取扱を受けた旅客が、手荷物を託送するときは、有料手回り品切符又はこれに代る証票の提出を受け、手荷物運賃・料金と既に収受した手回り品料金との差額を収受又は払いもどしをする。
3 前項の場合の手荷物運賃は、手荷物を持ち込んだ駅から託送があつたものとして計算する。

(手荷物切符)
第341条 手荷物を受託するときは、次の各号の区分により手荷物切符を交付する。但し、第1種手荷物切符に代えて第2種手荷物切符を交付することがある。
(1) 1口1個の手荷物であつて、第375条第1号ロに規定する手荷物運賃だけを収受するもの
 第1種手荷物切符
(2) 前号以外のもの
 第2種手荷物切符
2 手荷物切符の様式は、次の通りとする。
(1) 第1種手荷物切符(様式省略)
(2) 第2種手荷物切符(様式省略)

第3節 小荷物の受託

第1款 普通扱小荷物の受託

(普通扱小荷物の託送範囲)
第342条 荷送人は、次の各号の1に該当する物品を除いて、普通扱小荷物として託送することができる。
(1) 1個の長さが2メートルをこえるもの
(2) 1個の容積が0.3立方メートルをこえるもの
(3) 1個の重量が20キログラムをこえるもの
(4) 他の物品を汚損するおそれがあるもの
(5) 臭気を発するもの又は不潔なもの
(6) 荷造が不完全なもの
(7) 危険品
(8) 猛獣及びへびの類
(9) 死体
2 前項の規定にかかわらず、国鉄において特に承諾した場合は、次の各号に規定する物品を、普通扱小荷物として取り扱う。
(1) 特に急送を要する物品であつて、前項第1号から第3号までに規定する制限をこえるもの
(2) 死体

(1口の範囲)
第343条 普通扱小荷物は、1個を1口とする。但し、貨物引換証又は船荷証券を発行しないものであつて、品名・荷造・発着区間・荷送人・荷受人・駅留又は配達・配達のときの届先その他の運送条件が同一のものを、2個以上20個まで同時に託送する場合には、荷送人の請求によつて、これを1口として取り扱う。
2 運輸上支障がある場合は、前項但書に規定する取扱をしない。

(死体託送の場合の提出書類)
第344条 死体を普通扱小荷物として託送しようとする荷送人は、死亡証書(死亡診断書・検案書・火葬若しくは埋葬許可書又は改葬許可証)及びその写をあらかじめ託送駅に提出し、第342条第2項の規定により国鉄の承諾を受けなければならない。
2 前項に規定する死亡証書及びその写の提出は、その死体が学術研究・犯罪捜査又は裁判上の鑑定に供するものであるときは、関係官公署又は学校が発行した証明文書及びその写を提出してこれに代えるものとする。

(犬箱) 
第345条 荷送人が犬を託送しようとする場合は、駅備付の犬箱又は次の各号に該当する私有の犬箱を使用しなければならない。但し、重量(容器及び荷造の重量を含む。)15キログラム以内の小犬を託送しようとするときは、第2号に該当する便宜の容器を使用することができる。
(1) 駅備付の犬箱と同一寸法のもの
(2) 構造が堅固で運送中に破損するおそれがないもの
2 前項の私有の犬箱は、所有者の専用として駅に留置することができる。但し、この場合には、私有犬箱留置申込書2通を駅に提出して承諾を受けるとともに、その犬箱の見やすい箇所に#何駅何某専用#と表示しなければならない。

(特別急行列車による運送の請求)
第346条 普通扱小荷物の荷送人は、託送の際、第386条に規定する運送列車指定料を支払い、特別急行列車を指定し、その指定列車によつて運送することを請求することができる。但し、指定列車の停車駅相互間発着となる普通扱小荷物に限つて、この請求を行うことができるものとする。
2 前項の規定による運送列車指定の請求に応じた場合において、当該小荷物を指定列車によつて運送することができなかつたとき又は指定列車が運行時刻より2時間以上遅伸して着駅に到着したときは、既に収受した運送列車指定料の払いもどしをする。
3 荷送人の指定する特別急行列車が、託送の際、既に運行時刻に2時間以上遅延しているときは、前項の規定にかかわらず、指定列車の遅着による運送列車指定料の払いもどしをしないことを荷送人が承諾したときに限つて、第1項に規定する運送列車指定の請求に応ずる。
4 運輸上支障を生ずるおそれがあると認める場合は、第1項に規定する運送列車指定の請求に応じないことがある。

(貨物引換証及び船荷証券の発行及び様式)
第347条 普通扱小荷物の荷送人は、託送の際、第387条に規定する証券手数料を支払い、次の各号の区分により貨物引換証又は船荷証券の発行を請求することができる。
(1) 青森・函館間航路だけを運送する場合は、船荷証券
(2) 前号以外の場合は、貨物引換証
2 自動車線と航路にまたがつて運送し、鉄道によつて運送する区間がない普通扱小荷物に対しては、貨物引換証又は船荷証券の発行をしない。
3 貨物引換証及び船荷証券の様式は、次の通りとする。
(1) 貨物引換証(様式省略)
(2) 船荷証券(様式省略)

(普通扱小荷物切符)
第348条 普通扱小荷物を受託するときは、次の各号に掲げる物を除いて、普通扱小荷物切符を交付する。
(1) 貨物引換証又は船荷証券を発行するもの
(2) 無賃の取扱をする特別扱小荷物の新聞紙荷造用布
(3) 無賃の取扱をする空犬箱
2 普通扱小荷物切符の様式は、次の通りとする。(様式省略)

第2款 代金引換扱小荷物の受託

(代金引換扱小荷物の託送範囲及び手数料)
第349条 荷送人は、次の各号の1に該当する物品を除いて、第342条の規定により普通扱小荷物として託送できる範囲の物品を、代金引換扱小荷物として託送することができる。
(1) 魚介類(干したものを除く。)・野菜(干したものを除く。)その他腐敗変質しやすいもの
(2) 動物
(3) 植木・盆栽・生花及び苗
(4) 貨物引換証又は船荷証券を発行するもの
2 代金引換扱小荷物の荷送人は、代金の取立に関する手数料として、第388条に規定する代金引換手数料を支払うものとする。

(引換代金額の表示及び制限)
第350条 代金引換扱小荷物の荷送人は、小荷物の荷造の表面又は荷札に引換代金額を表示して提出するものとする。
2 引換代金額は、その最高を500,000円とし、5円・10円単位としたものに限る。

(1口の範囲)
第351条 代金引換扱小荷物は、1個を1口とする。

(代金引換扱小荷物切符)
第352条 代金引換扱小荷物を受託するときは、荷送人に対し、代金引換扱小荷物を交付する。
2 代金引換扱小荷物の様式は次の通りとする。(様式省略)

第3款 特別扱小荷物の受託

(特別扱)
第353条 国鉄が特別扱の承認をした新聞紙又は雑誌は、荷送人があらかじめ国鉄との間に特別扱運送の契約を締結し、この契約に基いて託送するときに限り、特別扱小荷物として、受託・運送・引渡し・運賃計算等について特別の取扱をする。
(注) 新聞紙又は雑誌について、国鉄の特別扱の承認を受けようとするときは、国鉄の定めるところにより、申請書及び見本を鉄道管理局長に提出するものとする。

(特別扱運送の申込)
第354条 特別扱運送の契約を締結しようとする荷送人は、鉄道管理局長に対して、次の書式による特別扱運送申込書2通を提出するものとする。(様式省略)
  (注)小荷物運賃・料金について後払の取扱をうけようとする荷送人は、小荷物運賃料金後払規則(昭和33年9月日本国有鉄道公示第329号)に定める小荷物運賃料金後払申込書を別に提出するものとする。

(特別扱運送契約の締結)
第355条 特別扱運送の契約は、鉄道管理局長が提示する次の各号の事項に関する契約内容について、荷送人に異議のないときに限つて締結し、鉄道管理局長と荷送人とが契約書を交換する。
(1) 託送駅・託送品の範囲・要償額の表示・託送手続その他託送方法に関する事項
(2) 運送列車その他運送方法に関する事項
(3) さしずの請求に関する事項
(4) 小荷物運賃・料金の支払方法・支払時期及び支払箇所に関する事項
(5) 担保及び遅延利息に関する事項(小荷物運賃・料金を後払とする場合に限る。)
(6) 解約の申入れ及び契約内容の変更に関する事項
(7) 小荷物運賃・料金の後払又は特別扱運送の取扱停止、契約の解除、荷物運賃・増運賃の収受その他契約に違反した場合の荷送人の責任に関する事項
(8) 国鉄の定める規程の適用及び遵守に関する事項
(9) 荷送人の届出義務に関する事項
(10) 発送原簿等の備付及び閲覧に関する事項
(11) 契約期間及びその更新に関する事項
2 特別扱運送の契約は、同一の荷送人が託送するものであつても、新聞紙と雑誌とに区分して契約を締結する。

(特別扱小荷物の託送範囲)
第356条 特別扱運送の契約を締結した荷送人は、国鉄が特別扱の承認をした新聞紙又は雑誌であつて、次の各号の1に該当し、且つ、1個の重量が30キログラム以内のものを特別扱小荷物として託送することができる。但し、新聞紙にあつては発行の日から5日以内、雑誌にあつては発行の日から30日以内のもので、且つ、直接販売のため託送される場合に限る。
(1) 新聞紙の本紙又は雑誌の本誌であつて、新聞紙にあつては初ページの、雑誌にあつては表紙第1面の上部に「何年何月何日国鉄何局特別扱承認新聞紙又は雑誌第何号」の文字を表示(以下この条において「承認番号等の表示」という。)したもの
(2) 新聞紙の号外であつて、本紙と同性質の記事を掲載し、且つ、初ページの上部に承認番号等の表示に合わせ、「号外」の文字を表示したもの
(3) 雑誌の臨時増刊号であつて、国鉄が特別扱を承認し、且つ、表紙第1面の上部に承認番号等の表示に合わせ、「何年何月何日国鉄何局増刊号承認第何号」の文字を表示したもの
(4) 新聞紙又は雑誌の附録であつて、次の条件を具備するもの
イ 本紙又は本誌と同性質の記事・書・画又は図を紙に印刷(国鉄が特に認めて紙以外のものを一部に使用したものを含む。)したもの。但し、新聞紙の附録にあつては、冊子としないものに限る。
ロ 本紙又は本紙に添附し、これと同一こん包として託送し、旦つ、そのこん包の際の底面積が、木紙又は本誌の底面積をこえないもの
ハ 1個の附録の容積のうち4割以上が空間とならないもの
ニ 本紙又は本誌の1部について附録の重量が250グラム以内(国鉄が特に必要と認めたときは、この重量をこえて承認することがある。)で、且つ、本紙又は本誌の重量をこえないもの。この場合、木誌と一括してとじ込んでいないものは、すべて附録であるとみなす。
ホ 承認番号等の表示に合わせ、「本紙又は本誌の題号・発行年月日及び附録」の文字を表示(国鉄が特に紙以外のものの使用又は重量の超過を認めた附録については「何年何月何日国鉄何局附録材質又は重量承認第何号」の文字を合わせて表示)したもの

(1口の範囲)
第357条 特別扱小荷物は、新聞紙又は雑誌ごとに、荷送人・荷受人・発着区間その他の運送条件が同一であつて、同時に託送できる場合は、これを1個として取り扱う。

(新聞紙と雑誌の合装禁止)
第358条 同一の荷送人が、新聞紙と雑誌について特別扱運送の契約を締結した場合においても、同一のこん包中に新聞紙と雑誌を混入し、これを特別扱小荷物として託送することはできない。

(特別扱小荷物託送書の提出)
第359条 特別扱小荷物の荷送人は、託送の都度、新聞紙にあつては、これを運送する列車等が出発する2時間前、雑誌にあつては、その発送日の2日前までに特別扱小荷物託送書を託送駅に提出しなければならない。
2 特別扱小荷物託送書の様式及び作成方は、次の通りとする。
(1) 様式(様式省略)
(2) 作成方
 特別扱小荷物託送書は、荷送人が特別扱運送の契約又は新聞紙若しくは雑誌の題号を異にするものごとに区分し、次により必要事項を記入して作成し、その乙片及び丙片を提出するものとする。但し、特別扱運送の契約を同じくするものは、同時に託送する場合に限り、題号を異にするものであつても、題号欄に#何々(数量が多いものの題号。但し、第379条第1号ロの規定により最低運賃を異にするときは、最低運賃が高額であるものの題号)外#と記入し、一括して1託送書に記入して作成することができる。
イ 国鉄線だけを運送するものと、連絡運輸を必要とするものとは、別葉を使用し、連絡運輸を必要とするものにあつても着又は通過となる連絡運輸機関所属線(以下この条において「社線」という。)を異にするときは、社線を異にするごとに別葉を使用して記入する。
ロ 1口ごとに1行に記入する。
ハ キログラム未満の重量は、1キログラムに切り上げて記入し、2個以上を1口をするときは、1口の総重量を記入する。
ニ 2ページ以上にわたるときは、初ページに個数及び重量の総計を記入する。
ホ 自動車線若しくは社線着となるとき又は着駅名であつて他に紛らわしい駅名があるときは、着駅所属線名(社線にあつては、社線名)を、社線通過となるときは、通過社線名を記事欄に記入する。
第440条の規定により代品を託送するときは、別に託送書を作成し、その余白に「代品託送のため再製」と記入する。

(特別扱小荷物託送書提出の特例)
第360条 小荷物運賃・料金を後払とする日刊新聞紙の荷送人は特別扱運送の契約によつて鉄道管理局長が指定したときは、次の各号により特別扱小荷物託送書を作成し、その乙片及び丙片を毎月27日まで(2月にあつては25日まで)に託送駅に提出して、前条に規定する特別扱小荷物託送書の提出に代えるものとする。
(1) 朝刊及び夕刊を託送するときは、朝刊・夕刊別に、定期的に建ページ数が異動するものを託送するときは、建ページ数の異なるものごとに、翌月1日分の託送数量について、前条第2項第2号の規定に準じて作成する。
(2) 初ページの上部に「何月分」と記入する。
(3) 初ページの記事欄に「朝刊何ページ」の例によりその要旨を記入する外、定期的に建ページ数の異動するものについては基本建ページの分については「(基本)」と、基本よりも増又は減となる建ページの分については「(増又は減ページ)」と記入し、その託送日を附記する。
2 前項の規定により特別扱小荷物託送書を提出した後、託送数量に異動を生じたときは、荷送人は、直ちに次の各号により特別扱小荷物託送書を作成し、その乙片及び丙片を託送駅に提出するものとする。
(1) 定期的に建ページ数が異動するものについて、前項第3号の規定により附記した託送日を変更するときは、「何日朝刊何ページを何ページに変更」の例により記入する。
(2) 前号の外、個数及び重量に異動を生ずるときは、1口ごとに増又は減となる分について、個数及び重量欄に「+」又は「?」を附して前条第2項第2号の規定に準じて作成する外、記事欄に「何日から異動」又は「何日分のみ異動」の例により移動の生ずる日を附記する。

(小荷物運賃・料金の後払若しくは特別扱運送の取扱停止又は特別扱運送の契約解除)
第361条 国鉄は、荷送人に次の各号の1に該当する行為があつたときは、直ちに小荷物運賃・料金の後払若しくは特別扱運の取扱を停止し、又は特別扱運送の契約を解除することがある。
(1) 指定期日までに後払した小荷物運賃、料金を支払わないとき。
(2) 特別扱小荷物として取り扱わない物品を、特別扱小荷物として託送したとき。
(3) 品名又は数量を偽つて託送したとき。
(4) 同一こん包中に新聞紙と雑誌を混入し、特別扱小荷物として託送したとき。
(5) 前各号の外、特別扱運送契約に違反したとき。
2 前項の規定により特別扱運送の契約を解除した荷送人に対しては、その解除後3箇月間は、特別扱運送の申込に応じないことがある。

第4款 貸切扱小荷物の受託

(貸切扱小荷物の託送範囲)
第362条 荷送人は、次の各号に掲げる物品を除いて、品名・発着区間及び荷受人を同じくする物品を、貸切扱小荷物として託送することができる。
(1) 長さ又は容積が長大であるため、荷物車に積載することができないもの
(2) 重量が荷物車の標記荷重トン数をこえるもの
(3) 危険品
(4) 自動車線又は航路(青森・函館間航路及び宇野・高松間航路を除く。)区間を運送するもの
2 前項の規定にかかわらず、発着区間又は荷受人を異にする物品であつても、貨切扱小荷物として託送することを認めることがある。

(荷物車貸切申込書)
第363条 貸切扱小荷物の荷送人は、次の書式の荷物車貸切申込書をあらかじめ託送駅に提出し、国鉄の承諾を受けなければならない。(様式省略)

(積込通知及び積込時間)
第364条 貸切扱小荷物の受託準備を完了したときは、荷送人に対して積込の通知を発する。
2 前項の規定により積込通知を発した後、6時間以内に積込を完了しない場合は、荷送人の責任とならない事由による場合を除き、その後の時間について、第389条に規定する貨物車留置料を収受する。
3 運輸上支障を生ずるおそれがあると認める場合は、前項に規定する積込時間を短縮することがある。

(貸切扱小荷物積付)
第365条 貸切扱小荷物は、次の各号によつて貸切荷物車に積み付けなければならない。
(1) 片積を避ける。
(2) 積重ねをするときは、転落のおそれがないようにする。
(3) 貸切荷物車の標記荷重トン数をこえて積付しない。

(荷物車貸切申込の取消) 
第366条 貸切荷物車を他駅から回送した後、荷送人の責任となる事由によつて、その申込を取り消した場合は、第390条に規定する荷物車回送料を収受する。

(1口の範囲)
第367条 貸切扱小荷物は、貸切荷物車1車ごとに1口とする。

(死体託送の場合の提出書類)
第368条 死体を貸切扱小荷物として託送しようとする荷送人は、第344条の規定に準じ死亡証書・証明文書及びこれらの写をあらかじめ託送駅に提出しなければならない。

(貸切扱小荷物切符)     
第369条 貸切扱小荷物を受託するときは、第348条第2項に規定する普通扱小荷物切符を交付する。

第3章 荷物運賃及び料金

第1節 通則

(荷物運賃計算キロ程)
第370条 荷物運賃は次の各号に掲げるキロ程によつて計算し、鉄道・航路又は自動車線にまたがつて運送するときのキロ程はこれを通算して計算する。
(1) 鉄道 鉄道営業キロ程
(2) 航路
青森・函館間  300キロメートル
宇野・高松間  50キロメートル
仁方・堀江間  250キロメートル
宮島口・宮島間   10キロメートル
大畠・小松港間   15キロメートル
(3) 自動車線 自動車線キロ程の5倍
2 経路が2途以上ある場合の荷物運賃を計算する経路は、次の各号によるものとする。但し、貸切扱小荷物の運賃は実際に運送する経路による。
(1) 鉄道及び航路区間だけを運送するときは鉄道及び航路の最短経路による。但し、大糸線を経由し、松本及び糸魚川両駅通過となる経路が最短経路となるときは、大糸線経由とならない他の最短経路による。
(2) 鉄道・航路区間と自動車線区間とにまたがつて運送するときは、次により別に定める接続駅を経由する経路による。
イ 鉄道及び航路区間は、前号に規定する経路による。
ロ 自動車線区間は、最短経路による。
(3) 自動車線区間だけを運送するときは、実際に運送する経路による。

(重量のは数処理)
第371条 荷物運賃を重量によつて計算する場合、1キログラム未満のは数が生じたときは、1キログラムに切り上げる。

(荷物運賃・料金のは数処理)
第372条 荷物運賃・料金を計算する場合に生じた5円未満のは数は5円に、5円をこえ10円未満のは数は10円に切り上げて計算(以下「は数処理」という。)する。

(小荷物運賃・料金の後払)
第373条 小荷物運賃・料金は、小荷物運賃料金後払規則の定めるところにより、後払とすることができる。

(託送後における荷物運賃・料金の収受又は払いもどし)
第374条 荷物の託送後において、さしずの請求その他の事由により、荷物運賃・料金を国鉄が収受し、又は払いもどしをする必要が生じた場合は、小荷物運賃・料金を後払としたものを除いて、その原因が生じた際、直ちに荷主は支払を行い、国鉄は払いもどしを行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、荷主は、荷物託送後に生じた荷物運賃・料金の支払を荷物受取の際に行うこと(以下「着払」という。)を請求することができる。但し、次の各号の1に該当する場合は、この請求を行うことができないものとする。
(1) 荷物の価格が、荷主の支払う荷物運賃・料金に充当できないと認めたとき。
(2) 荷物について第424条第1項第4号から第7号まで又は第430条に規定するさしずの請求を行うとき。
(3) 事故荷物について第436条に規程する回送の請求を行うとき。

第2節 手荷物運賃

(手荷物運賃)
第375条 手荷物運賃は、次の通りとする。
(1) 1口の総重量が、旅客1人につき30キログラムの割合で計算した重量を超過しないときは、旅客1人につき次の運賃とする。
イ 自動車線だけを運送する手荷物
 運送距離の遠近にかかわらず  50円
ロ その他の手荷物
 運送距雌の遠近にかかわらず  115円
(2) 1口の総重量が旅客1人につき30キログラムの割合で計算した重量を超過するときは、超過する重量に対する通常小荷物運賃に相当する額と、前号の運賃との合算額とする。

第3節 小荷物運賃

(昔通扱小荷物及び代金引換扱小荷物の運賃)
第376条 普通扱小荷物及び代金引換扱小荷物に対しては、次の各号に掲げる運賃を適用する。
(1) 通常小荷物運賃
 次の通りとし、割増小荷物運賃が適用されない物品に対して適用する。
 距離  100Km まで  200Km まで  300Km まで  400Km まで  500Km まで  750Km まで  1,000Km まで  1,500Km まで  2,000Km まで  2,500Km まで  3,000Km まで  以上500Kmまでを増すごとに
 重量  円  円  円  円  円  円  円  円  円  円  円  円
 10Kgまで  80  100  120  135  145  175  205  265  325  385  445  60
 15 〃  115  140  165  185  200  240  280  360  440  520  600  80
 20 〃  145  175  205  230  250  300  350  450  550  650  750  100
 25 〃  180  215  250  280  305  365  425  545  665  785  905  120
 30 〃  210  250  290  325  355  425  495  635  775  915  1,055  140
 35 〃  245  290  335  375  410  490  570  730  890  1,050  1,210  160
 40 〃  275  325  375  420  460  550  640  820  1,000  1,180  1,360  180
 50 〃  340  400  460  515  565  675  785  1,005  1,225  1,445  1,665  220
 以上10Kgまでを増すごとに  130  150  170  190  210  250  290  370  450  530  610  80
(2) 割増小荷物運賃 
 通常小荷物運賃の5割増・10割増又は20割増とし、別表第4号に掲げる物品に対して適用する。

(通常小荷物運賃及び割増小荷物運賃の計算)
第377条 通常小荷物運賃及び割増小荷物運賃は、次の各号によつて計算する。
(1) 死体及び自転車の運賃計算重量は、次による。
イ 死 体 1体について 500キログラム
ロ 自転車 1両について 20キログラム
(2) 通常小荷物運賃又は割増小荷物運賃を割引するときの最低運賃は、次による。
イ 通常小荷物運賃を適用するもの 1個について  50円
ロ 割増小荷物運賃を適用するもの
  (イ) 通常小荷物運賃の5割増のとき 1個について 75円
  (ロ) 通常小荷物運賃の10割増のとき 同 100円
  (ハ) 通常小荷物運賃の20割増のとき 同 150円
(3) 2個以上を1口としたときは、1口の総重量を総個数で除した重量(以下「平均重量」という。)によつて計算した金額を合算する。この場合、通常小荷物運賃又は割増小荷物運賃を割引するときは、平均重量によつて計算した金額から割引額を控除し、は数処理を行つたもの(最底運賃に満ないときは、最低運賃とする。)を合算する。
(4) 1個の荷物中に小荷物運賃の適用が異なる物品を混じたときは、その物品中の最も高い小荷物運賃を適用して計算する。但し、貴重品と貴重品でない物品とを混じた荷物で、容器又は荷造の重量を加えた1キログラムの価格が20,000円の割合をこえないときは、この荷物に対して貴重品としての割増小荷物運賃を適用しない。

(特別扱小荷物の運賃)
第378条 特別扱小荷物に対しては、新聞紙と雑誌の区分に応じて、次の各号の賃率によつて計算した特別扱新聞紙運賃又は特別扱雑誌運賃を適用する。
(1) 特別扱新聞紙運賃の賃率
 運送運賃にかかわらず、1キログラムについて1円85銭
(2) 特別扱雑誌運賃の賃率
 運送運賃にかかわらず、1キログラムについて4円90銭

(特別扱新聞紙運賃及び特別扱雑誌運賃の計算)
第379条 特別扱新聞紙運賃及び特別扱雑誌運賃は、次の各号によつて計算する。
(1) 前払とするもの
イ 託送の都度、賃率に特別扱小荷物託送書記載の総重量を乗じて計算し、は数処理を行う。
ロ 最低運賃は、1発駅及び1特別扱小荷物託送書ごとに次の重量によつて計算し、は数処理を行つた運賃とする。但し、最低運賃適用の異なるものを同一の特別扱小荷物託送書によつて託送するときは、最低運賃の高額なものを適用する。
(イ) 1日1回以上定期に発行するもの 60キログラム
(ロ) 1旬1回以上定期に発行するもの 600キログラム
(ハ) その他のもの 1,800キログラム
(2) 後払とするもの
イ 賃率に、1発駅1日分の特別扱小荷物託送書記載の総重量を乗じて計算し、は数処理を行う。
第359条第1項の規定により特別扱小荷物託送書を提出するものと、第360条第1項の規定により特別扱小荷物託送書を提出するものとを1契約としている場合は、各別にイによつて計算を行う。
第360条第2項の規定により託送数量異動の通知があつたときは、賃率に1発駅1日分の異動重量を乗じて計算し、は数処理を行う。
ニ 特別扱新聞紙運賃及び特別扱雑誌運賃は、暦月により1箇月ごとに精算するものとし、1契約1箇月の最低運賃は、1,800キログラムの重量によつて計算した運賃とする。この場合、後払の契約の始期又は終期の属する月は、その日数にかかわらず、1箇月として最低運賃を適用し、臨時の休刊その他の事由により1箇月間の託送が皆無であるときは、運賃を収受しない。

(貸切扱小荷物の運賃)
第380条 賃切扱小荷物に対しては、次の各号の賃率によつて計算した荷物車貸切運賃を適用する。
(1) 貸切扱小荷物が貴重品である場合の賃率
イ 全車貸切のとき 1車1キロメートルについて 420円
ロ 半車貸切のとき 同 270円
(2) 貸切扱小荷物が貴重品以外の物品である場合の賃率
イ 全車貸切のとき 1車1キロメートルについて 210円
ロ 半車貸切のとき 同 135円
2 貸切荷物車を急行列車に連結する場合は、貸切荷物車の全運送区間に対する荷物車貸切運賃に、急行列車連結区間について、前項の規定により計算した荷物車貸切運賃の5割に相当する額(は数処理を行う。以下「急行加算貸切運賃」という。)を加算する。

(荷物車貸切運賃の計算)
第381条 荷物車貸切運賃は、次の各号によつて計算する。
(1) 荷物車貸切運賃を計算する場合の最低運賃は、50キロメートル分の運賃とする。但し、急行加算貸切運賃を計算する場合の急行列車連結区間に対する荷物車貸切運賃は、実際のキロ程によつて計算した運賃とし、最低運賃を適用しない。
(2) 貸切荷物車を2区間以上急行列車に連結する場合は、各区間ごとに急行加算貸切運賃を計算(各区間ごとには数処理を行う。)する。

(小荷物運賃割引又は無賃の取扱)
第382条 国鉄において必要と認めたときは、小荷物の品名・託送区間・託送期間・託送数量等を定めて、小荷物運賃の割引を行う。
2 国鉄は、次の各号の小荷物を無賃で運送する。但し、第1号及び第3号の小荷物については、あらかじめ国鉄の承諾を受けなければならない。
(1) 返送する特別扱小荷物の新聞紙荷造用布であつて、その表面に、原荷送人の氏名又は商号及び原発駅名を表示したもの
(2) 第345条第2項に規定する私有犬箱であつて、返送又は転送するときの空犬箱
(3) 災害り災者に対する救じゆつ用の寄贈品及び救護材料
3 第1項に規定する小荷物運賃割引の取扱又は第2項第1号若しくは第3号に規定する小荷物について無賃の取扱を受けようとする荷送人(第2項第1号に規定する小荷物にあつては、原荷送人)は、鉄道管理局長又は地方自動車事務所長に小荷物運賃割引の取扱又は無賃の取扱の申請書を提出しなければならない。

第4節 料金

(配達料)
第383条 配達料は、次の通りとする。
(1) 手荷物 1個について 30円
(2) 小荷物 同 25円

(要償額表示料)
第384条 要償額表示料は、次の通りとする。
(1) 手荷物 表示額1,000円までごとに 1円
(2) 小荷物
イ 貴重品 表示額1,000円までごとに 1円
ロ 動 物 同 3円
ハ その他 同 50銭
2 前項の規定による要償額表示料は、荷物1口ごとに計算する。

(引渡証明料)
第385条 引渡証明料は、1件について70円とする。

(運送列車指定料)
第386条 運送列事指定料は、その小荷物の重量及び運送区間の荷物運賃計算キロ程によつて計算した通常小荷物運賃と同額とする。
2 前項に規定する運送列車指定料の計算については、荷物運賃の計算に関する規定を準用する。

(証券手数料)
第387条 証券手数料は、貨物引換証又は船荷証券1通について70円とする。

(代金引換手数料)
第388条 代金引換手数料は、次の通りとする。
 引換代金額  代金引換手数料
 2,500円までのとき  50円
 5,000円までのとき  100円
 7,500円までのとき  150円
 10,000円までのとき  200円
 20,000円までのとき  300円
 30,000円までのとき  400円
 30,000円をこえるとき  500円

第389条 荷物車留置料は、1車2時間までごとに510円とする。

(荷物車回送料)
第390条 荷物車回送料は、1車1キロメートルについて50円とする。
2 前項に規定する荷物車回送料については、回送区間及び返送区間の全キロ程について、各区間ごとに打ち切つて各別に計算する外、第370条第1項及び第2項但書の規定を準用する。

(保管料)
第391条 荷物の保管料は、次の通りとする。
(1) 手荷物 1個1日について 15円
(2) 小荷物
イ 貴重品・割増小荷物運賃を適用する動物及び同車両 1個1日について 30円
ロ その他 同   15円

(さしず手数料)
第392条 さしず手数料は、次の通りとする。
(1) 託送取消のさしず 1口について  50円
(2) 前号以外のさしず
イ 荷物発送前 1口1回について 50円
ロ 荷物発送後 同 100円
2 国鉄が、第434条第1項に規定する事故を発見した後、託送取消の請求があつた場合は、前項第1号に規定する料金に、第435条の規定により計算した増運賃の2分の1に相当する額を加算する。
3 同一の荷物に対して、同時に2以上のさしずの請求がある場合も、1回分のさしず手数料だけを収受する。

第4章 運送

(手荷物の運送)
第393条 手荷物は、運輸上支障がない限り、旅客の乗車船する列車等によつて運送する。
2 手荷物の運送経路が2途以上ある場合は、旅客の乗車船する列車等によつて運送するときを除き、次の各号の経路によつて運送する。
(1) 鉄道・航路だけで運送する経路と鉄道・航路と自動車線とにまたがつて運送する経路とがあるときは、鉄道・航路だけで運送する経路による。
(2) 前号以外のときは、国鉄の定める経路による。

(小荷物の運送)
第394条 小荷物は、旅客を運送する列車等によつて運送する。但し、運輸上の支障のためやむを得ない場合は、その他の方法で運送することがある。
2 小荷物の運送経路が2途以上ある場合は、前条第2項の規定を準用する。

(特別扱小荷物の運送) 
第395条 特別扱小荷物の運送については、運送する列車等又は同小荷物の発送日時を指定することがある。

(貸切荷物車の施封及び開封)
第396条 貸切扱小荷物(付添人があるものを除く。)の荷送人は、発駅において積込を完了したとき又は着駅において取卸しを開始するときは、国鉄に貸切荷物車の施封又は開封を請求し、且つ、これに立ち会わなければならない。
2 荷送人は、前項に規定する施封の外、貸切貨物車に鎖錠をすることができる。

(付添人)
第397条 荷送人、は次の各号に掲げる場合には、その小荷物に付添人をつけなければならない。
(1) 死体(学術研究・犯罪捜査又は裁判上の鑑定に供するものを除く。)を小荷物として託送したとき。
(2) 金銀塊・補助貨幣・紙幣又は銀行券を貸切扱小荷物として託送したとき。
2 前項の規定による外、貸切扱小荷物を託送した場合又は金銀塊・補助貨幣・紙幣又は銀行券を託送した場合は、国鉄の承諾を受けて、付添人をつけることができる。
3 前2項に規定する付添人は、その小荷物の積載車船室に乗車船してこれに対する看守又は保護の責任を負うものとする。但し、付添人の請求があるときは、小荷物の看守又は保護の責任を負うことを条件として、3等車船室に乗車船することを認めることがある。
4 前項の規定にかかわらず、死体を他の荷物と荷物車室に混載する場合は、付添人はその荷物車室に乗車することができない。

(付添人の運賃)
第398条 貸切扱小荷物の付添人は、2人まで無賃とする。但し、国鉄において特に必要があると認めた場合は、2人をこえて無賃の取扱をすることがある。
2 無賃の取扱を受けない付添人は、付添区間の3等乗車券(乗車列車が急行列車であるときは、急行券とも)を購求しなければならない。
3 前項の規定による乗車券は、付添人が乗車船駅で入鋏を受け、着駅に引き渡さなければならない。
4 第264条第266条及び第267条の規定は、付添人について準用する。

(貸切荷物車の留置)
第399条 貸切荷物車を、同一駅に6時間をこえて滞留させる場合は、荷主の責任とならない事由による場合を除き、その後の時間について、第389条に規定する荷物車留置料を収受する。

第5章 引渡し及び引換代金の支払

第1節 通則

(掲示による到着通知)
第400条 国鉄は、荷受人に対して到着通知を発する場合において、国鉄の責任とならない事由によりこれを発することができないときは、駅内の見やすい場所に、7日間その旨を掲示して、この通知に代える。
2 前項の規定により掲示をした場合は、掲示をした時に到着通知を発したものとみなす。

(荷受人の支払う引換代金)
第401条 荷受人は代金引換扱小荷物受取の際、その引換代金を現金をもつて支払うものとする。但し、国鉄において特に認めた小切手・郵便為替証書又は郵便振替貯金払証書をもつて支払うことができる。

(引渡証明書)
第402条 第333条の規定により引渡証明の請求があつた荷物については、その引渡事実について、次の様式による荷物引渡証明書を交付する。(様式省略)

(荷物の分割引渡し)
第403条 2個以上を1口とした荷物が、運送上の都合その他の事由により同時に着駅に到着しない場合は、1口全部の荷物の到着をまつて引渡しをする。但し、荷受人から先着した荷物について引渡しの請求があるときは、一般の例に準じて引渡しを行う。

(引渡支障荷物)
第404条 着駅に到着した荷物について、次の各号の1に該当する引渡しの支障が生じた場合は、手荷物であつて荷送人を確知するとができないと認められるときを除いて、期間を定め発駅を経て荷送人の指示を求める。
(1) 到着通知を発することができないため、掲示をもつてこれに代えたとき。
(2) 到着通知を発したが、荷受人の住所又は所在が不明であるとき。
(3) 到着通知を発した後(到着通知を要しない荷物にあつては、到着した後)相当の期間を経過しても引渡しの請求がないとき。
(4) 配達荷物の届先の誤記その他の事由により届先が不明のため、配達に着手することができないとき。
(5) 配達荷物について配達に着手したが、届先の不明又は転居のため、持ちもどつたとき。
(6) 引渡しに関して争があるとき。
(7) 荷受人が受取を拒絶したとき。
2 前項第3号又は第5号の規定に該当する場合は、荷受人に対して引取りの催告又は通知を同時に行い、前項第4号の規定に該当する場合は、荷受人に対して到着通知を発した後、同項の規定によつて処理することがある。
(注)第1項第7号に規定する「荷受人が受取を拒絶したとき。」には、金繰り等の都合で、代金引換扱小荷物を直ちに受け取らないときを含む。

(小荷物の満期返送)
第405条 引渡しに支障を生じた小荷物であつて、前条第1項の規定により荷送人の指示を求めても指示がなく、且つ、次の各号に掲げる期間を経過しても荷受人に引き渡すごとができない小荷物は、同期間満了の日の翌日、荷送人の費用で発着駅に返送する。
(1) 駅留小荷物(第420条第1項第1号及び第3号の規定に該当する小荷物を含む。)
到着通知を発した日(到着通知を要しないものは、到着した日)から15日
(2) 第420条第1項第2号の規定に該当する小荷物引渡不能のため駅に持ちもどつた日から15日
2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる小荷物については、発駅へ返送する取扱をしない。
(1) 荷送人の住所又は所在が不明であるもの
(2) 貨物引換証又は船荷証券を発行したもの
(3) 第417条又は第420条第3項の規定により転送の取扱をしたもの
(4) 特別扱小荷物及び貸切扱小荷物
3 第1項の規定にかかわらず、代金引換扱小荷物の荷受人は、1回に限り、着駅において、次に掲げる日数に対し第391条に規定する保管料を支払い、その保管料支払い日数だけ発駅へ返送する期日の延期を請求することができる。
(1) 第1項第1号の規定による小荷物
 到着通知を発した日(到着通知を要しないものは、到着した日)から延期の請求をした日の前日までの日数
(2) 第1項第2号の規定による小荷物
 引渡不能のため駅に持ちもどつた日から延期の請求をした日の前日までの日数
4 前項に規定する荷受人の請求に応じた場合であつても、第424条第1項の規定によるさしずの請求を行うことをさまたげない。
(注) 第1項第1号及び第2号の場合、第424条第1項第2号及び同項第4号から第6号までに規定するさしずの請求に応じた小荷物について、「到着通知を発した日(到着通知を要しないものにあつては、到着した日)」又は「引渡不能のため駅に持ちもどつた日」とは、さしずの請求により新たにこれらの処置をした日又は事実のあつた日をいう。

(満期返送の場合の荷物運賃・料金の計算)
第406条 前条の規定により小荷物を発駅へ返送する場合は、荷送人に対し第426条第1の第1号及び同条第2の第1号の規定による発駅返送の請求があつたときによつて計算した荷物運賃・料金の収受又は払いもどしをする。但し、さしず手数料は収受しない。
2 前項の規定による荷物運賃・料金は、後払の場合を除いて、着払として取り扱う。

第2節 駅留荷物の引渡し

(駅留手荷物の引渡し)
第407条 駅留手荷物は、手荷物切符と引換に引渡しをする。
2 手荷物切符の紛失その他の事由によりこれを提出できない場合は、荷受人から次の書式による在中品明細書の提出を受け、国鉄において正当権利者であると認めたときは、その受領印によつて引渡しをする。(様式省略)

(駅留小荷物の到着通知)
第408条 駅留小荷物が到着した時は、次の各号小荷物を除いて、荷受人に対して遅滞なく到着通知を発する。
(1) 第322条第3項の規定によつて荷受人の住所記載を省略した小荷物
(2) 特別扱小荷物
(3) 付添人のついている小荷物

(駅留普通扱小荷物の引渡し)
第409条 駅留普通扱小荷物は、次の各号によつて引渡しをする。
(1) 貨物引換証又は船荷証券を発行した小荷物
イ 貨物引換証又は船荷証券の裏面に受取の年月日・住所・氏名又は商号の記入押印を受け、これと引換に引渡しをする。
ロ 貨物引換証の紛失その他の事由によりこれを提出できないときは、鉄道運輸規程(昭和17年鉄道省令第8号)のところにより引渡しをする。
(2) 前号以外の小荷物
イ 小荷物切符と引換に引渡しをする。
ロ 小荷物切符の紛失その他の事由によりこれを提出できないときは、荷受人から小荷物到着通知書又はその他の参考書類の提出を受け、国鉄において正当権利者と認めたときは、その受領印によつて引渡しをする。

(駅留普通扱小荷物引渡しの特例)
第410条 前条の規定にかかわらず、国鉄が特に必要と認める場合は、荷受人から届出のあつた印章による受領印を受けて、駅留普通扱小荷物(貨物引換証又は船荷証券を発行した小荷物を除く。)の引渡しをすることがある。
2 前項に規定する取扱を受けようとする荷受人は、あらかじめ国鉄の承諾を受けたうえで、次の書式の普通扱小荷物受領印章届を着駅に提出するものとする。(様式省略)

(駅留代金引換扱小荷物の引渡し)
第411条 駅留代金引換扱小荷物は、引換代金を受領のうえ、荷受人の受領印を受けて引渡しをする。
2 前項の場合、国鉄において正当権利者であると認めることが困難であるときは、小荷物到着通知書又はその他の参考書類の提出を求めることがある。

(特別扱小荷物の引渡し)
第412条 特別扱小荷物は、第410条第2項の規定に準じてあらかじめ荷受人から特別扱小荷物受領印章届の提出を受け、この届出による印章の受領印を受けて引渡しをする。

(貸切扱小荷物の引渡し)
第413条 貸切扱小荷物の引渡しについては、第409条第2号の規定を準用する外、貸切荷物車から取卸しを完了したときに引き渡したものとする。
(注) 貸切扱小荷物の一部を途中駅において取り卸す場合は、付添人の責任においてこれを行うものとする。

(保証書による引渡し)
第414条 荷受人が、荷物切符の紛失その他の事由により、これを提出することができない場合であつて、国鉄において正当権利者であると認めることが困難であるときは、資力信用が十分であると認める者を保証人とする保証書と引換に荷物の引渡しをする。
2 保証書の書式は、次の通りとする。(様式省略)

(駅留荷物の無料保管期間)
第415条 荷受人が、次の各号に掲げる期間を経過した後に駅留荷物を受け取るときは、同期間満了の日の翌日から荷物を受け取るまでの日数に対して、第391条に規定する保管料を収受する。
(1) 手荷物
 到着した日から2日間
(2) 小荷物
イ 死体
 到着した日
ロ その他の小荷物
 到着通知を発した日(到着通知を要しないものは、到着した日)から2日間。但し、第405条第3項の規定により発駅へ返送する期日を延期したものにあつては、延期の請求があつた日から2日間
2 1口中の一部が先着した場合は、最後に到着したものに対して到着通知を発した日(到着通知を要しないものは、最後のものが到着した日)から、前項の期間を起算する。
3 貨物引換証又は船荷証券を発行した小荷物については、その証券所持人が証券面記載の荷受人でない場合であつても、証券面の荷受人に対して到着通知を発した日から、第1項の期間を起算する。
(注)死体を到着した時から6時間以内に受け取らない場合は、鉄道運輸規程第69条の規定により、その旨を所轄警察署に届け出る。

(貸切扱小荷物の取扱時間)
第416条 貸切扱小荷物に対して到着通知を発した時(到着通知を要しないものは、取卸しの準備を完了した時)から6時間以内に取卸しを完了しない場合は、荷受人の責任とならない事由による場合を除き、その後の時間について第389条に規定する荷車留置料を収受する。 

(荷受人のする配達又は転送の請求)
第417条 駅留荷物の荷受人は、第407条及び第409条の規定に準じ、荷物切符・在中品明細書・小荷物到着通知書又はその他の参考書類を着駅又は着駅以外の駅に提出して、次の各号により荷物の配達又は着駅以外の駅への転送を請求することができる。
(1) 配達の請求は、第330条第1項の規定により配達の取扱ができる荷物に限つて行うことができる。
(2) 転送の請求は、手荷物又は普通扱小荷物(貨物引換証又は船荷証券を発行したものを除く。)であつて、荷受人が一旦荷物の引渡しを受け、再託送の手続を行うことが困難であるときに限つて行うことができる。
2 荷受人が、前項の規定により配達又は転送の請求を行う場合は、次の各号に掲げるを配達料又は小荷物運賃を支払う外、荷主の責任とならない事由による場合を除いて、第391条に規定する保管料(無料保管期間満了の翌日から請求のあつた日までの日数について計算する。)を支払わなければならない。但し、転送の請求を行う場合は、第374条第2項の規定により着払いの請求をすることができる。
(1) 配達の請求の場合
 第383条に規定する配達料
(2) 転送の請求(配達の請求を同時に行うときを含む。)の場合
 転送区間の荷物運賃計算キロ程に対して計算した通常小荷物運賃又は割増小荷物運賃(配達の請求を同時に行うときは、第383条第2号に規定する配達料を合わせて収受する。)
3 第1項の規定による配達又は転送の請求がある場合において、国鉄において正当権利者であると認めることが困難であるときは、第414条の規定を準用する。
4 運輸上支障を生ずるおそれがあると認められる場合には、第1項に規定する配達又は転送の請求に応じないことがある。

第3節 配達荷物の引渡し

(配達荷物の引渡し)
第418条 配達荷物は、その届先で、荷受人の受領印を受けて引渡しをする。但し、代金引換扱小荷物は、引換代金を受領のうえ、受領印を受けて引渡しをする。

(荷受人のする配達取消等の請求)
第419条 配達荷物の荷受人は、第407条第409条及び第411条の規定に準じ、荷物切符・在中品明細書若しくはその他の参考書類又は引換代金を着駅に提出して、配達前の荷物に対し、配達の取消の請求を行うことができる。
2 前項の規定により配達の取消の請求に応じて着駅において荷物を引き渡す場合は、既に収受した配達料を荷受人に払いもどす。
3 配達荷物の荷受人は、第1項の規定に準じ、配達荷物の届先の変更を請求することができる。但し、変更届先が着駅の配達区域内である場合に限つて、その請求に応ずる。
(注) 第3項に規定する届先変更の請求がある場合、その届先が着駅以外の駅の配達区域内であるときは、第417条の規定によるものとする。

(配達不能荷物・引渡不能荷物等の処置)
第420条 配達荷物であって、次の各号の1に該当する場合は、以駅留に訂正し、駅留荷物に準じて引渡しを行う。但し、第1号又は第2号の場合であつて、第404条の規定により荷送人又は荷受人から別に指示があつたときは、この限りでない。
(1) 届先の誤記その他の事由によの届先が不明のため、着駅において配達に着手することができないとき。
(2) 配達に着手したが、届先の不明・転居・受取拒絶等のため、持ちもどつたとき。
(3) 駅留承知の条件による配達荷物の届先が、着駅において配達区域外であることが判明したとき。
2 前項第1号及び第2号に規定する場合は、引渡支障荷物として第404条の規定によつて処理し、前項第3号に規定する場合は、荷受人に対して到着通知を発する外、引渡しの際既に収受した配達料の払いもどしをする。但し、前項第2号に規定する場合で引渡不能が荷主の責任となるときは、配達料の払いもどしをしない。
3 第1項各号に規定する荷物の荷受人は、第417条の規定に準じ配達・再配達又は着駅以外の駅への転送を請求することができる。

(配達不能荷物・引渡不能荷物等の無料保管期間)
第421条 荷受人が、前条の規定により駅留に訂正した荷物を、次の各号の期間を経過した後に受け取るときは、同期間満了の日の翌日から荷物を受け取る日までの日数に対して、第391条に規定する保管料を収受する。
(1) 前条第1項第1号及び第3号の規定に該当する荷物
 到着通知を発した日から2日間
(2) 前条第1項第2号の規定に該当する荷物
 引渡不能のため駅に持ちもどつた日(荷受人に対して通知を発したものにあつては、通知を発した日)から2日間

第4節 引換代金の支払

(引換代金支払の通知)
第422条 代金引換扱小荷物の荷受人から引換代金を収受したときは、発駅から荷送人に対して引換代金支払の通知を発する。

(引換代金の支払)
第423条 荷送人は、前条の通知を受けたときは、代金引換証を発駅に提出し、これと引換に引換代金を受け取るものとする。
2 前項の場合荷送人が代金引換証の紛失その他の事由により、これを提出することができないときは、第414条の規定に準じ保証書を提出しなければならない。
  

第6章 さしず

(さしずの請求及び範囲)
第424条 荷送人又は貨物引換証若しくは船荷証券の所持人(以下この章において「荷主」という。)は荷物切符・特別扱小荷物託送書又は貨物引換証若しくは船荷証券(乗車券の呈示を求められたときは、乗車券とも)を呈示して、次の各号に掲げるさしずの請求をすることができる。但し、第1号及び第7号のさしずの請求は、発駅に限って行うことができる。
(1) 託送取消
(2) 着駅変更
(3) 発駅返送
(4) 荷受人変更
(5) 届先変更
(6) 配達若しくは再配達の請求又は配達の取消
(7) 代金引換の取消又は引換代金の減額
2 次の各号に掲げるさしずの請求については、着駅変更又は配達若しくは配達の取消の請求がなされない場合であつても、当該各号に定めるところにより取り扱う。
(1) 着駅の変更を要する届先変更(再配達となるときを含む。)又は配達の請求があつたときは、着駅変更の請求があつたものとみなす。
(2) 配達着手前の配達荷物(第420条第2項の規定により配達料の払いもどしを要する荷物を含む。)について、着駅変更又は発駅返送の請求があつたときは、配達の取消の請求がない限り新着駅又は原発駅におけるを達の請求があつたものとみなす。但し、新着駅又は原発駅において配達の取扱ができないときは、配達の取消の請求があつたものとみなす。
3 第346条の規定により運送列車を指定した小荷物に対する着駅変更又は発駅返送の請求は、次の各号によつて行うものとする。
(1) 同一の指定列車によって新着駅まで運送することができるときは、新着駅までの運送は指定列車による。
(2) 前号の外、新着駅又は原発駅までの転送又は返送は、列車指定の方法によらない。
4 荷物切符又は特別扱小荷物詫送書の紛失その他の事由により、荷主においてこれを提出することができない場合は、第414条の規定に準じ保証書を提出してこれに代えることができる。
5 運輸上支障を生ずるおそれがあると認める場合は、第1項に規定するさしずの請求に応じないことがある。

(託送取消の場合の荷物運賃・料金の計算)
第425条 託送取消の請求に応じた場合は、第392条に規定するさしず手数料を収受し、既に収受した荷物運賃・料金は、要償額表示料及び証券手数料を除いて払いもどしをする。但し、荷主の責任とならない事由による場合は、既に収受した荷物運賃・料金は、要償額表示料を除いて払いもどしをし、且つ、さしず手数料を収受しない。

(着駅変更又は発駅返送の場合の荷物運賃・料金の計算)
第426条 着駅変更又は発駅返送の請求に応じた場合は、次の各号によつて荷物運賃・料金の収受又は払いもどしを行うものとする。
第1 荷物運賃の収受又は払いもどし
(1) 荷主の責任となる事由による場合
イ 手荷物のとき
(イ) 旅客運賃支払区間のキロ程が、手荷物運送区間の荷物運賃計算キロ程と同一であるとき又はこれをこえるときは、手荷物運送区間の荷物運賃計算キロ程に対する手荷物運賃と、既に収受したた手荷物運賃との差額の収受又は払いもどしをする。
(ロ) 旅客運賃支払区間のキロ程が、手荷物運送区間の荷物運賃計算キロ程に満たないときは、その差のキロ程に対する通常小荷物運賃(2個以上を1口とした場合は、平均重量によつて計算する。)と、旅客運賃支払区間のキロ程に対する手荷物運賃との合算額と、既に収受した手荷物運賃との差額の収受又は払いもどしをする。
ロ 小荷物のとき
 小荷物運送区間の荷物運賃計算キロ程に対する相当小荷物運賃と、既に収受した小荷物運賃との差額の収受又は払いもどしをする。但し、特別扱小荷物に対して発駅返送の請求に応じた場合は、荷物所在駅と原発駅との間の荷物運賃計算キロ程に対する通常小荷物運賃(2個以上を1口とした場合は、平均重量によつて計算する。)を収受する。
(2) 荷主の責任とならない事由による場合
イ 着駅変更の請求のとき
 原発駅と新着駅との間の荷物運賃計算キロ程に対する相当荷物運賃(手荷物にあつては手荷物運賃、小荷物にあつては相当小荷物運賃とする。)と既に収受した荷物運賃との差額の収受又は払いもどしをする。
ロ 発駅返送の請求のとき
 無賃で返送し、既に収受した荷物運賃の払いもどしをする。
第2 料金の収受又は払いもどし
(1) 荷主の責任となる事由による場合
第392条に規定するさしず手数料の外、荷物が原着駅に所在するときは、次に掲げる日数に対し第391条に規定する保管料を収受する。但し、第405条第3項の規定により発駅へ返送する期日を延期をしたものにあつては、延期の請求があつた日から起算して保管料を収受する。
(イ) 駅留荷物(第420条第1項第1号及び第3号の規定に該当する荷物を含む。)
 到着通知を発した日(到着通知を要しないものは、到着した日)から原着駅において、さしずの手続を開始した日までの日数
(ロ) 第420条第1項第2号の規定に該当する荷物
 引渡不能のため駅に持ちもどつた日から原着駅においてさしずの手続を開始した日までの日数
ロ 既に収受した料金については、次の場合を除き、収受又は払いもどしをしない。
(イ) 発駅返送の請求に応じたときは、既に収受した代金引換手数料及び引渡証明料の払いもどしをする。
(ロ) 配達着手前の配達荷物(第420条第2項の規定により配達料の払いもどしを要する荷物を含む。)について、着駅変更又は発駅返送の請求に応じたときで、新着駅又は原発駅において駅留荷物とするときは、既に収受した配達料の払いもどしをする。
(ハ) 第346条の規定により運送列車を指定した小荷物について、指定列車による運送区間に異動を生じたときは、指定列車による運送区間(運送区間が延伸したときは、荷物運賃計算キロ程を通算する。)について、新たに計算した運送列車指定料と既に収受した運送列車指定料との差額の収受又は払いもどしをする。
(2) 荷主の責任とならない事由による場合
 次に掲げる場合を除いて、料金の収受又は払いもどしをしない。
イ 発駅返送の請求に応じたときは、既に収受した代金引換手数料・引渡証明料及び証券手数料の払いもどしをする。
ロ 第1号ロの(ロ)の規定に準じ、既に収受した配達料の払いもどしをする。
ハ 既に収受した運送列車指定料は払いもどしをする。

第427条 小荷物運賃の割引をした小荷物について、着駅変更又は発駅返送の請求に応じた場合は、前条第1の第1号ロの規定による小荷物運送区間の荷物運賃計算キロ程に対する相当小荷物運賃及び同第2号イの規定による原発駅と新着駅との間の荷物運賃計算キロ程に対する相当小荷物運賃について、次の各号に掲げる場合に限り、割引を適用して計算を行うものとする。

(1) 発着駅を限定しないで割引を適用しているとき。
(2) 発着駅を限定して割引を適用しているときであつて、着駅変更の請求による新着駅についても割引の適用があるとき。

(着駅変更又は発駅返送の場合の荷物の引渡し)
第428条 着駅変更又は発駅返送の取扱をした荷物の引渡しについては、前章の規定を準用する。但し、発駅返送の取扱をした代金引換扱小荷物は、受領印を受けて荷物の引渡をし、代金引換証の返付を受けるものとする。

(荷受人変更等の場合の料金計算)
第429条 第424条第1項第4号から第7号までのさしずの請求に応じた場合は、次の各号により料金の収受又は払いもどしをする。
(1) 荷主の責任とならない事由による場合を除いて、第392条に規定するさしず手数料及び第426条第2の第1号イの規定に準じて保管料を収受する。
(2) 配達又は再配達の請求に応じた場合は、第383条に規定する配達料を収受し、配達の取消の請求に応じた場合は、既に収受した配達料の払いもどしをする。但し、荷主の責任とならない事由により再配達の請求をしたときは、配達料を収受しない。
(3) 代金引換の取消の請求に応じた場合は、既に収受した代金引換手数料の払いもどしをし、引換代金の減額の請求に応じた場合は、減額した引換代金に対する代金引換手数料と既に収受した代金引換手数料との間に差があればその差額の払いもどしをする。

(手荷物の原着駅渡しの場合の荷物運賃・料金の計算)
第430条 発駅において旅行を見あわせ、又は途中駅において旅行を中止した旅客が、旅客運賃の払いもどしを受けるため、既に託送した手荷物について、これを原着駅において受け取ることを申し出た場合は、次の各号によつて荷物運賃の収受又は払いもどしをする。
(1) 発駅で旅行を見合わせた場合
イ 旅客の全部が旅行を見合わせたとき
手荷物運送区間の荷物運賃計算キロ程に対する通常小荷物運賃(2個以上を1口とした場合は、平均重量によつて計算する。)に相当する額と既に収受した手荷物運賃との差額の収支又は払いもどしをする。
ロ 旅客の一部が旅行を見合わせたとき
手荷物運送区間の荷物運賃計算キロ程に対し、実際乗車船人員により計算した手荷物運賃と既に収受した手荷物運賃との差額の収受又は払いもどしをする。
(2) 途中駅で旅行を中止した場合
イ 旅客の全部が旅行を中止したとき
 第426条第1の第1号イの規定を準用して荷物運賃の収受又は払いもどしをする。
ロ 旅客の一部が旅行を中止したとき
 前号ロの規定を準用して荷物運賃の収受又は払いもどしをする。
2 方向変更又は経路変更の取扱を受ける旅客が、手荷物を原着駅において受け取ることを申し出た場合は、手荷物について手荷物運賃の収受又は払いもどしを要しない。但し、方向変更の取扱を受ける旅客が、第251条の規定により旅客運賃の払いもどしを受けるときは、第426条第1の第1号イの規定を準用して、荷物運賃の収受又は払いもどしをする。
3 第1項及び前項但書の規定により取り扱う場合、同時に荷受人変更・配達の請求又は配達の取消の請求があるときは、第429条の規定により料金の収受又は払いもどしを行い、これに応ずることがある。
4 第1項及び第2項但書に規定する取扱をする場合は、さしずの請求があつたものとみなして取り扱い、第392条に規定するさしず手数料を収受する。

(荷物さしず切符)
第431条 さしずの請求を受けて荷物及び荷物運賃・料金を処理する場合は、荷物さしず切符を発行し、荷物運賃・料金を払いもどすときは、荷物さしず切符に受領印を受け、荷物運賃・料金を収受するときは、荷物さしずの切符を交付する。
2 荷物さしず切符の様式は、次の通りとする。(様式省略)

第7章 事故及び錯誤

(事故又は錯誤の場合の処置の特例)
第432条 この章において荷送人について規定した指示・通知及び荷物運賃・料金等の収受又は払いもどしは、手荷物にあつては、次の各号によつて取り扱う。
(1) 荷送人の指示を求めるときは、着駅を経て荷受人の指示を求める。但し、荷送人を確知できると認められるときは、発駅を経て荷送人の指示を求める。
(2) 荷送人に通知するときは、着駅を経て荷受人に通知する。但し、前号但書の規定により荷送人の指示を受けた事項に関しては、発駅を経て荷送人に通知する。
(3) 荷送人に対して荷物運賃・増運賃・料金・国鉄が立て替えて支払つた費用及び公売代金を収受又は払いもどしをするきは、荷受人に対して収受又は払いもどしをする。但し、荷送人からさしずの請求があつたときは、さしずの請求に対する一般の例によつて処置する。
2 前項の規定は、小荷物の荷送人と荷受人が同一人であるとき又は小荷物の荷送任が8発地に所在しないと認められるときに準用することがある。

(荷物の受託後における内容点検)
第433条 荷物の受託後において、次の各号の1に該当すると認める場合は、荷送人・荷受人又はこれらの指示する第三者の立会を求めて、荷物の内容を点検することがある。
(1) 荷物に危険品を収納している疑があるとき。
(2) 特別扱小荷物の内容が、第356条に規定する範囲外のものである疑があるとき又は新聞紙と雑誌とを同一こん包中に混入している疑があるとき。
(3) 前各号の外、小荷物の内容が、小荷物切符・特別扱小荷物託送書・荷札等の記載又は荷送人の申出による品名と相違している疑があるとき。
2 前項の規定により内容点検を行つた結果、荷物運賃・料金に異動を生ずることが判明した場合は、立会者が荷送人であるとき又は直ちにその処理ができるときを除いて、次の書式による荷物内容確認書の提出を受けるものとする。(様式省略)

第434条 荷物の受詫後において、次の各号の事故を発見した場合は、直ちに期間を定め発駅を経て荷送人の指示を求める。但し、運送途中である場合は、危険品を収納しているとき又は運輸上支障があるときを除いて、そのまま運送を継続し、着駅到着後、荷物運賃・料金の収受・払いもどし等の処理をすることがある。
(1) 荷物に危険品を収納していたとき。
(2) 第335条及び第336条の規定により手荷物として託送できないものを手荷物としたとき。
(3) 第356条に規定する特別扱小荷物の託送範囲外のもの又は新聞紙と雑誌とを同一こん包として特別扱小荷物としたとき。
(4) 貸切荷物者の標記荷重トン数をこえて貸切扱小荷物を積載したとき。
(5) 前各号の外、荷物の品名・個数・重量その他荷物運賃・料金計算の基礎となる事項が、荷物切符・特別扱小荷物託送書・荷札等の記載又は荷送人の申出と相違し、荷物運賃・料金に異動を生ずるとき。
2 前項に規定する事故を発見した場合は、発駅と事故発見当時の着駅との間の荷物計算した荷物運賃料金を正当荷物運賃計算キロ程により、次の各号によつて計算した荷物運賃・料金を正当荷物運賃・料金とし、既に収受した荷物運賃・料金との差額を荷送人に対して収受又は払いもどしをする。
(1) 前項第1号の規定に該当するときは、危険品を収納していた荷物1個ごとに計算した通常小荷物運賃と既に収受した荷物運賃・料金との合算額
(2) 前項第2号及び同項第3号の規定に該当するときは、普通扱小荷物としての相当小荷物運賃・料金。但し、2個以上を1口としたときであつて、原扱種別によることのできるものがあるときは、当該荷物に対する原扱種別による相当荷物運賃・料金とその他の荷物に対する普通扱小荷物としての相当小荷物運賃・料金との合算額とする。
(3) 前項第4号の規定に該当するときは、過積の荷物に対する普通扱小荷物としての相当小荷物運賃と既に収受した荷物車貸切運賃・料金との合算額
(4) 前項第5号の規定に該当するときは、正当な品名・個数・重量その他荷物運賃・料金計算の基礎となる事項によつて計算した相当荷物運賃・料金。但し、特別扱小荷物の重量超過については、普通扱小荷物としての相当小荷物運賃・料金とする。
(5) 第2号から第4号までに規定する荷物運賃・料金の計算は、1口として取り扱うことのできる荷物ごとに別口として計算し、又、数量の相違と品名等の相違とが競合したときは、まず数量の相違について計算をした後、これに基いて品名等の相違について計算する。
3 第1項に規定する事故を発見した場合において、その処置のため特に費用を要したときは、その費用は荷送人の負担とする。
4 取扱上の錯誤により第1項に規定する事故が生じた場合においても、第2項に規定する例により、荷送人に対して荷物運賃・料金の収受又は払いもどしをする。

(品名・数量等が相違する場合の増運賃)
第435条 前条第1項に規定する事故が、荷送人の申出特別扱小荷物託送書の記載その他荷送人の責任となる事由によつて生じた場合は、同条第2項の規定により収受する荷物運賃の10倍に相当する増運賃を荷送人から収受する。但し、第356条に規定する特別扱小荷物の託送範囲外のものを特別扱小荷物として託送したときは、当日その荷送人が託送した特別扱小荷物の、全部を普通扱小荷物とみなし、これによつて計算した通常小荷物運賃の5倍に相当する増運賃を収受する。
2 前項の規定により増運賃を収受する場合、その事故が前条第1項第1号に該当するときは、次の各号に掲げる危険品造運賃を合わせて収受する。但し、1個の荷物中に危険品と危険品以外の物品とを混じたときは、危険品の重量(容器又は荷造の重量を含む。)だけに対して計算する。
(1) 火薬類 1キログラムについて 100円
(2) その他の危険品 同 30円

(事故荷物の保管及び回送)      
第436条 次の各号の1に該当する荷物は、事故荷物として、事故発見駅・着駅又は国鉄が指定した駅において保管する。
(1) 荷物切符・荷札等を伴わない荷物又は脱出品であつて、荷送人又は荷受人を確知することができないもの
(2) 駅留手荷物(第420条第1項の規定により駅留とした荷物を含む)であつて、着駅に到着した日から20日を経過しても引渡しの請求がないもの
(3) 第404条の規定により荷送人の指示を求めた小荷物であつて、その後引渡しの請求がなく、且つ、荷送人の住所又は所在が不明であるもの
2 前項に規定する事故荷物について、正当権利者が引取のため着駅以外の駅へ回送の請求をした場合は、運輸上支障のない限り、着駅変更又は発駅返送のさしずの請求に準じて取り扱う。

(荷物の公売処分)
第437条 着駅到着後又は運送途中の荷物(貨物引換証又は船荷証券を発行したものを除く。)であつて、次の各号の1に該当するため、公売に附する必要がある場合は、期間を定め発駅を経て荷送人の指示を求めたうえ、公売に附する。但し、指示期間内に指示がないとき又は荷物の性質上荷送人の指示を待つことができないときは、国鉄において公売に附することがある。
(1) 腐敗変質のおそれがあるとき。
(2) 日時の経過により著しく価格を減ずるおそれがあるとき。
(3) 保管のため過分の費用を要するとき。
2 荷物を公売に附した場合の費用は、荷送人の負担とする外、着払とした荷物運賃・料金、保管料その他国鉄が立て替えて支た費用は、公売代金から控除し、残額があるときは荷送人に交付し、不足額があるときは、荷送人から収受する。
3 荷物を公売に附した場合は、直ちに発駅及び着駅を経て荷送人及び荷受人に通知する。

(滅失・破損等の事故が発生した場合の処置)
第438条 荷物に滅失・破損その他の損害を発見した場合は、必要に応じてその概要を荷送人又は荷受人に通知する。
2 前項の場合、事故の程度・性質等により重大と認めるときは運送を中止し、その処置について期間を定め、発駅を経て荷送人の指示を求める。但し、荷送人の指示を待つことができないときは、国鉄が適当と認める処置をしたうえ、その要旨を通知することがある。国鉄の定めた期間内に荷送人の指示がないときもまた同じ。
3 線路その他運輸上の支障により、相当の期間内に運送を完了する見込がないと認める場合は、前項の規定を準用する。
4 前各項に規定する事故が荷送人の責任となる事由によつて生じた場合は、荷物の手当その他に要した費用は荷層人の負担とする。

(荷物事故の証明)
第439条 荷物に減失・破損・延着その他の損害が発生したことを事由として、荷送人又は荷受人から、その数量・状態又は引渡日時の証明について請求があるときは、別に定めるところによリ、荷物の引渡しの際に、自己証明証を交付する。運送責任期間を通過しても、荷物の全部を引き渡すことができないときもまた同じ。

(不着新聞紙の代品の無賃扱)
第440条 特別扱小荷物の新聞紙が不着のため、その代品を託送するときは、無賃で運送する。

(荷物の押収又は差押)
第441条 荷物の受託後に、その荷物が犯罪の証拠物と認められ、裁判官の発行した押収に関する礼状に基いて司法警察職員に押収された場合は、次の各号によるものとする。
(1) 国鉄は押収された荷物に対する運送の責任を負わない。但し、荷物の一部が押収されたときは、その残余のものに対しては、これを運送する。
(2) 前号但書の場合において、荷物の改装を行つたときは、改装に要した費用を荷送人から収受する。
(3) 押収された荷物に対する荷物運賃・料金は、払いもどしをしない。
2 前項の規定は、荷物の受託後に、その荷物が国税徴収法(明治30年法律第21号)その他の法令の定めるところにより収税官吏等に差し押さえられた場合に準用する。

第8章 携帯品の一時預り及び遺失物の回送

第1節 携帯品の一時預り

(一時預りの取扱駅・取扱範囲及び取扱時間)
第442条 旅客の携帯品は、駅(別に定める駅を除く。)において、一時預りの取扱をする。但し、次の各号の1に該当する物品については、一時預りの取扱をしない。
(1) 1個の長さが2メートル(運動用具・つり道具及び天幕生活用品を除く。)
(2) 1個の容積が0.5立方メートルをこえるもの
(3) 1個の重量が30キログラムをこえるもの
(4) 他の物品を汚損するおそれがあるもの
(5) 臭気を発するもの又は不潔なもの
(6) 腐敗又は変質しやすいもの
(7) 荷造が不完全なもの
(8) 危険品
(9) 貴重品
(10) 動物
(11) 死体
2 自転車は、前項第2号に規定する容積制限にかかわらず、別に定める駅に限つて、一時預りの取扱をする。
3 一時預りの取扱時間は、当該駅に掲示する。

(種類及び性質の申出)
第443条 旅客は、携帯品預入れの際に、その種類及び性質を申し出るものとする。
2 容器・荷造等から携帯品の内容が判明せず、且つ、旅客の申出に疑があるときは、旅客においてその内容を明らかにした場合に限つて、一時預りの取扱をする。

(1口の範囲)
第444条 一時預り品は、1個を1口とする。但し、集団の旅客から同時に携帯品二個以上の一時預けの申出があつた場合で、預け日数その他の取扱条件を同じくするときは、これらを1口として取り扱うことがある。

(一時預り料)
第445条 携帯品について一時預りの取扱をする場合は、次の各号の一時預り料を収受する。但し、預入れの日から6日以後は、その2倍とする。
(1) 自転車  1両1日について  30円
(2) 前号以外のもの  1個1日について  15円
2 前項の規定による料金は、携帯品預入れの際に、預入れ当日1日分の相当額を収受し、預け日数が2日以上のものは、その残額を一時預かり品引渡しの際に収受する。

(一時預り切符)
第446条 携帯品の一時預りを受け付けるときは、一時預り切符を交付する。
2 一時預り切符の様式は次の通りとする。
 第1種 専用切符
備考
(1) 甲及び乙の2片制とし、後編を預け主に交付する。
(2) 甲片の上部左方並びに乙片上部中央及び左方に直径4ミリメートルの穴をあける。
(3) 番号は、1号から10,000号までとする。
(4) 青色刷りとする。
(5) 甲及び乙の両辺にわたつて、番号(初号ゴジツク活字)を赤色で表示する。
(6) 紙質は、B模造60斤とする。


 第2種 共用切符(この様式は、第310条第2項第1号に規定する鉄道・航路用有料手回り品切符第2種共用切符の様式同一とする。但し、乙片に代えて甲片を旅客に交付する。)

(一時預り期間)
第447条 預け主は、預入れの日から15日以内に、一時預り品を引き取らなければならない。
2 前項に規定する期間内に一時預り品を引き取らない場合は、事故荷物として、頂け駅又は国鉄が指定した駅において保管する。

(一時預り品の引渡し)
第448条 一時預り品は、一時預り切符と引換に引渡しをする。但し、国鉄が正当権利者であると認めるときは、その受領印を受けて引渡しをする。
2 前項但書の規定による場合は、第407条第2項又は第414条の規定を準用する。

(準用規定)
第449条 第319条第320条第436条第437条第439条及び第441条規定は一時頂り品について準用する。

第2節 遺失物の回送

(遺失物の回送)
第450条 携帯品の遺失者は、その遺失物が普通扱小荷物として託送できる物品である場合は、駅留普通扱小荷物に準じて、その指定する駅まで回送の請求をすることができる。
2 前項の規定により回送の取扱をする場合は、遺失物1個を1口とて取り扱い、回送区間の荷物運賃計算キロ程により計算した通常小荷物運賃又は割増小荷物運賃相当額を遺失物引渡しの際に収受する。
3 第332条第408条及び第415条の規定は、前各項の規定により遺失物を回送する場合に準用する。
4 遺失物の所有権を取得した拾得者は、前各項の規定に準じ、その物品を指定する駅まで回送の請求をすることができる。

(遺失物回送の特例)
第451条 前条第1項及び第2項の規定にかかわらず、遺失物が傘・つえ・帽子・ハンドバツグその他これに類する身の回り品であつて、重量が5キログラム以内で、且つ、普通扱小荷物として託送できる範囲内の物品であるときは、1回に限り、遺失者の請求によりその指定する駅まで無賃で回送の取扱をする。但し、国鉄は、その物品に滅失・破損等の損害が発生した場合でも、故意又は重大な過失があるときを除いて、賠償の責任を負わない。
2 第408条及び第415条の規定は、前項の規定により遺失物を回送する場合に準用する。

(物品の無賃運送を図つた場合の処置)
第452条 旅客又は公衆が、その携帯品を遺失物のように装つて物品の無賃運送を図つた場合は、当該物品の運送区間について、第312条第1項第1号の規定を準用する。

附則

1 この公示は、昭和33年10月1日から施行する。但し、列車寝台の2等のA個室については、昭和33年9月30日から施行する。
2 旅客及び荷物運送規則(昭和25年5月日本国有鉄道公示第110号。以下「旧公示」という。)は、廃止する。
3 この公示の施行日前に契約をした旅客及び荷物の運送等については、旧公示第215条及び同第218条の規定による特別扱運送の契約を除いて、なお従前の例による。
4 乗車券・急行券・特別2等車券・特別2等船室券・寝台券・入場券・有料手回り品切符・手荷物切符・小荷物切符・一時預り切符・その他旅客及び荷物の運送等に関連する証票は、当分の間、旧公示による様式のものを使用することがある。


別表第1号 イ

鉄道の大人普通定期旅客運賃(3等)
キロ程 1箇月 3箇月 キロ程 1箇月 3箇月 キロ程 1箇月 3箇月
キロメートル キロメートル キロメートル
1-3 400 1,080 36 1,310 3,540 69 2,450 6,620
4 420 1,130 37 1,340 3,630 70 2,490 6,720
5 460 1,230 38 1,370 3,700 71 2,530 6,830
6 550 1,480 39 1,400 3,780 72 2,560 6,910
7 670 1,800 40 1,420 3,830 73 2,590 6,990
8 720 1,930 41 1,460 3,940 74 2,630 7,100
9 770 2,090 42 1,490 4,020 75 2,670 7,210
10 820 2,220 43 1,530 4,130 76 2,700 7,290
11 870 2,340 44 1,570 4,240 77 2,740 7,400
12 910 2,440 45 1,610 4,350 78 2,780 7,510
13 940 2,540 46 1,630 4,400 79 2,810 7,590
14 970 2,620 47 1,670 4,510 80 2,840 7,670
15 1,000 2,690 48 1,710 4,620 81 2,880 7,780
16 1,020 2,760 49 1,740 4,700 82 2,920 7,880
17 1,040 2,810 50 1,780 4,810 83 2,940 7,940
18 1,060 2,860 51 1,810 4,890 84 2,980 8,050
19 1,080 2,920 52 1,850 5,000 85 3,020 8,150
20 1,100 2,980 53 1,880 5,080 86 3,060 8,260
21 1,120 3,030 54 1,920 5,180 87 3,090 8,340
22 1,140 3,080 55 1,960 5,290 88 3,130 8,450
23 1,160 3,120 56 2,000 5,400 89 3,170 8,560
24 1,170 3,150 57 2,020 5,450 90 3,200 8,640
25 1,180 3,190 58 2,060 5,560 91 3,230 8,720
26 1,190 3,210 59 2,100 5,670 92 3,270 8,830
27 1,200 3,240 60 2,140 5,780 93 3,310 8,940
28 1,210 3,270 61 2,170 5,860 94 3,350 9,050
29 1,220 3,290 62 2,200 5,940 95 3,370 9,100
30 1,230 3,320 63 2,240 6,050 96 3,410 9,210
31 1,240 3,350 64 2,270 6,130 97 3,450 9,320
32 1,250 3,370 65 2,310 6,240 98 3,480 9,400
33 1,260 3,400 66 2,350 6,350 99 3,520 9,500
34 1,270 3,440 67 2,390 6,450 100 3,560 9,610
35 1,290 3,480 68 2,410 6,510      


別表第1号 ロ

鉄道の大人普通定期旅客運賃(2等)
キロ程 1箇月 3箇月 キロ程 1箇月 3箇月 キロ程 1箇月 3箇月
キロメートル キロメートル キロメートル
1-3 1,000 2,700 36 6,590 17,800 69 12,520 33,800
4 1,040 2,810 37 6,760 18,260 70 12,700 34,290
5 1,080 2,920 38 6,930 18,720 71 12,880 34,780
6 1,160 3,140 39 7,100 19,180 72 13,060 35,270
7 1,370 3,700 40 7,270 19,630 73 13,250 35,760
8 1,600 4,320 41 7,440 20,090 74 13,430 36,250
9 1,880 5,060 42 7,620 20,580 75 13,610 36,740
10 2,150 5,800 43 7,800 21,070 76 13,790 37,230
11 2,400 6,480 44 7,980 21,560 77 13,970 37,720
12 2,600 7,030 45 8,160 22,040 78 14,150 38,210
13 2,780 7,500 46 8,350 22,530 79 14,330 38,700
14 2,950 7,960 47 8,530 23,020 80 14,520 39,190
15 3,110 8,400 48 8,710 23,510 81 14,700 39,680
16 3,280 8,850 49 8,890 24,000 82 14,880 40,170
17 3,450 9,310 50 9,070 24,490 83 15,060 40,660
18 3,610 9,760 51 9,250 24,980 84 15,240 41,150
19 3,780 10,210 52 9,430 25,470 85 15,420 41,640
20 3,950 10,670 53 9,620 25,960 86 15,600 42,130
21 4,120 11,130 54 9,800 26,450 87 15,790 42,620
22 4,290 11,580 55 9,980 26,940 88 15,970 43,110
23 4,450 12,020 56 10,160 27,430 89 16,150 43,600
24 4,610 12,450 57 10,340 27,920 90 16,330 44,090
25 4,780 12,900 58 10,520 28,410 91 16,510 44,580
26 4,940 13,340 59 10,700 28,900 92 16,690 45,070
27 5,110 13,810 60 10,890 29,390 93 16,870 45,560
28 5,280 14,270 61 11,070 29,880 94 17,060 46,050
29 5,450 14,720 62 11,250 30,370 95 17,240 46,540
30 5,620 15,170 63 11,430 30,860 96 17,420 47,030
31 5,790 15,620 64 11,610 31,350 97 17,600 47,520
32 5,950 16,060 65 11,790 31,840 98 17,780 48,010
33 6,110 16,510 66 11,980 32,330 99 17,960 48,500
34 6,270 16,940 67 12,160 32,820 100 18,140 48,990
35 6,430 17,370 68 12,340 33,310      


別表第1号 ハ

鉄道の大人通勤定期旅客運賃
キロ程 1箇月 3箇月 6箇月 キロ程 1箇月 3箇月 6箇月 キロ程 1箇月 3箇月 6箇月
キロメートル キロメートル キロメートル
1-3 260 700 1,320 36 1,050 2,830 5,340 69 1,990 5,370 10,130
4 280 760 1,380 37 1,080 2,910 5,490 70 2,020 5,440 10,280
5 290 780 1,420 38 1,110 2,980 5,640 71 2,040 5,520 10,430
6 300 820 1,440 39 1,130 3,060 5,790 72 2,070 5,600 10,580
7 350 950 1,750 40 1,160 3,140 5,930 73 2,100 5,680 10,720
8 420 1,140 2,160 41 1,190 3,200 6,050 74 2,130 5,750 10,870
9 490 1,330 2,520 42 1,220 3,280 6,200 75 2,160 5,830 11,020
10 540 1,470 2,780 43 1,240 3,360 6,350 76 2,190 5,910 11,160
11 590 1,600 3,030 44 1,270 3,440 6,500 77 2,220 5,990 11,310
12 630 1,710 3,230 45 1,300 8,520 6,640 78 2,250 6,070 11,460
13 660 1,780 3,370 46 1,330 3,590 6,790 79 2,280 6,140 11,600
14 690 1,860 3,510 47 1,360 3,670 6,940 80 2,300 6,220 11,750
15 710 1,920 3,620 48 1,390 3,750 7,090 81 2,330 6,300 11,900
16 730 1,980 3,740 49 1,420 3,830 7,230 82 2,360 6,380 12,040
17 750 2,030 3,830 50 1,440 3,890 7,340 83 2,390 6,450 12,190
18 770 2,080 3,930 51 1,470 3,970 7,490 84 2,420 6,530 12,340
19 790 2,130 4,020 52 1,500 4,040 7,640 85 2,450 6,610 12,480
20 810 2,190 4,140 53 1,530 4,120 7,780 86 2,480 6,690 12,630
21 830 2,250 4,260 54 1,560 4,200 7,930 87 2,510 6,770 12,780
22 850 2,300 4,350 55 1,580 4,280 8,080 88 2,530 6,840 12,930
23 860 2,330 4,410 56 1,610 4,350 8,230 89 2,560 6,920 13,070
24 870 2,360 4,460 57 1,640 4,430 8,370 90 2,590 7,000 13,220
25 880 2,380 4,500 58 1,670 4,510 8,520 91 2,620 7,080 13,370
26 890 2,410 4,540 59 1,700 4,590 8,670 92 2,650 7,150 13,510
27 900 2,430 4,580 60 1,730 4,670 8,810 93 2,680 7,230 13,660
28 910 2,450 4,630 61 1,760 4,740 8,960 94 2,710 7,310 13,810
29 920 2,480 4,690 62 1,790 4,820 9,110 95 2,740 7,390 13,950
30 930 2,510 4,740 63 1,810 4,900 9,250 96 2,760 7,460 14,100
31 940 2,530 4,780 64 1,840 4,980 9,400 97 2,790 7,540 14,250
32 960 2,590 4,890 65 1,870 5,050 9,550 98 2,820 7,620 14,390
33 980 2,640 4,990 66 1,900 5,130 9,690 99 2,850 7,700 14,540
34 1,000 2,700 5,090 67 1,930 5,210 9,840 100 2,880 7,780 14,690
35 1,020 2,760 5,220 68 1,960 5,290 9,990        


別表第1号 ニ

鉄道の通学大人定期旅客運賃
キロ程 1箇月 3箇月 6箇月 キロ程 1箇月 3箇月 6箇月 キロ程 1箇月 3箇月 6箇月
キロメートル キロメートル キロメートル
1-3 160 430 800 36 500 1,340 2,540 69 910 2,460 4,650
4 170 460 860 37 510 1,360 2,570 70 930 2,500 4,710
5 180 500 930 38 510 1,380 2,600 71 940 2,540 4,780
6 200 550 1,040 39 520 1,400 2,630 72 950 2,570 4,850
7 220 590 1,110 40 530 1,430 2,700 73 960 2,610 4,920
8 250 670 1,260 41 540 1,470 2,770 74 970 2,640 4,990
9 280 740 1,400 42 550 1,500 2,830 75 990 2,670 5,060
10 300 810 1,530 43 560 1,530 2,900 76 1,010 2,710 5,130
11 330 880 1,660 44 580 1,570 2,970 77 1,020 2,750 5,190
12 350 940 1,770 45 600 1,600 3,040 78 1,030 2,790 5,260
13 370 990 1,880 46 610 1,640 3,100 79 1,040 2,820 5,330
14 380 1,030 1,960 47 620 1,680 3,160 80 1,050 2,860 5,390
15 390 1,060 2,010 48 630 1,720 3,230 81 1,070 2,890 5,460
16 400 1,090 2,050 49 640 1,750 3,300 82 1,080 2,920 5,520
17 410 1,110 2,090 50 660 1,780 3,370 83 1,100 2,960 5,590
18 420 1,130 2,130 51 670 1,820 3,440 84 1,110 3,000 5,660
19 430 1,150 2,160 52 690 1,850 3,510 85 1,120 3,040 5,730
20 430 1,170 2,200 53 700 1,890 3,570 86 1,130 3,070 5,800
21 440 1,180 2,230 54 710 1,930 3,640 87 1,150 3,110 5,870
22 440 1,190 2,250 55 720 1,960 3,710 88 1,160 3,140 5,930
23 450 1,200 2,270 56 740 2,000 3,780 89 1,180 3,180 6,000
24 450 1,210 2,290 57 750 2,040 3,840 90 1,190 3,210 6,070
25 450 1,230 2,310 58 770 2,070 3,910 91 1,200 3,240 6,130
26 460 1,240 2,330 59 780 2,100 3,970 92 1,210 3,280 6,200
27 460 1,250 2,350 60 790 2,140 4,040 93 1,230 3,320 6,270
28 460 1,260 2,370 61 800 2,170 4,110 94 1,240 3,360 6,330
29 470 1,270 2,390 62 820 2,210 4,180 95 1,260 3,390 6,400
30 470 1,280 2,410 63 830 2,250 4,250 96 1,270 3,430 6,470
31 470 1,290 2,430 64 850 2,290 4,320 97 1,280 3,460 6,540
32 470 1,300 2,450 65 860 2,320 4,380 98 1,290 3,490 6,610
33 480 1,310 2,470 66 870 2,350 4,450 99 1,310 3,530 6,680
34 480 1,320 2,490 67 880 2,390 4,520 100 1,320 3,560 6,740
35 490 1,330 2,510 68 900 2,420 4,590        


別表第1号 ホ

航路の大人定期旅客運賃表
等級別 3等 2等
種別 普通 通勤 通学 普通
期間別 1箇月 3箇月 1箇月 3箇月 6箇月 1箇月 3箇月 6箇月 1箇月 3箇月
航路別
宇野−高松 1,470 3,970 1,070 2,890 5,450 590 1,590 3,000 3,020 8,150
宮島口−宮島 700 1,890 480 1,300 2,440 260 700 1,330    
大畠−小松港 900 2,430 720 1,950 3,680 400 1,080 2,040    
下関−門司港 1,200 3,240 960 2,590 4,900 520 1,400 2,650    


別表第1号 ヘ

自動車線の大人定期旅客運賃(その1)
キロ程 通勤 通学
1箇月 3箇月 6箇月 1箇月 3箇月 6箇月
キロメートル
1 400 1,000 2,000 240 690 1,300
2 400 1,000 2,000 240 690 1,300
3 400 1,000 2,000 240 690 1,300
4 540 1,440 2,780 330 940 1,780
5 660 1,880 3,560 410 1,170 2,210
6 780 2,220 4,210 480 1,370 2,590
7 910 2,590 4,910 550 1,570 2,970
8 1,040 2,960 5,601 610 1,740 3,300
9 1,170 3,330 6,310 680 1,940 3,680
10 1,300 3,700 7,010 750 2,140 4,050
11 1,410 4,020 7,620 810 2,310 4,380
12 1,520 4,330 8,210 860 2,460 4,650
13 1,620 4,620 8,750 910 2,600 4,920
14 1,720 4,900 9,290 960 2,740 5,190
15 1,820 5,180 9,830 1,000 2,850 5,400
16 1,910 5,440 10,320 1,040 2,960 5,610
17 1,990 5,670 10,750 1,080 3,070 5,840
18 2,070 5,900 11,180 1,110 3,160 6,010
19 2,140 6,100 11,560 1,140 3,250 6,180
20 2,210 6,300 11,940 1,170 3,340 6,340
21 2,280 6,500 12,310 1,200 3,430 6,500
22 2,350 6,700 12,960 1,230 3,520 6,660
23 2,420 6,900 13,070 1,260 3,610 6,820
24 2,490 7,100 13,450 1,290 3,700 6,980
25 2,550 7,270 13,780 1,320 3,790 7,140
26 2,600 7,440 14,100 1,350 3,870 7,300
27 2,670 7,610 14,420 1,380 3,950 7,450
28 2,730 7,780 14,740 1,410 4,030 7,620
29 2,790 7,950 15,060 1,440 4,110 7,780
30 2,850 8,120 15,380 1,470 4,190 7,940
31 2,950 8,410 15,930 1,520 4,340 8,210
32 3,050 8,690 16,470 1,570 4,480 8,480
33 3,150 8,980 17,010 1,620 4,620 8,750
34 3,250 9,260 17,550 1,670 4,760 9,020
35 3,350 9,550 18,090 1,720 4,910 9,290
36 3,450 9,830 18,630 1,770 5,050 9,560
37 3,550 10,120 19,170 1,820 5,190 9,830
38 3,650 10,400 19,710 1,870 5,330 10,100
39 3,750 10,690 20,250 1,920 5,480 10,370
40 3,850 10,970 20,790 1,970 5,620 10,640
41 3,950 11,260 21,330 2,020 5,760 10,910
42 4,050 11,540 21,870 2,070 5,900 11,180
43 4,150 11,830 22,410 2,120 6,050 11,450
44 4,250 12,110 22,950 2,170 6,190 11,720
45 4,350 12,400 23,490 2,220 6,330 11,990
46 4,450 12,680 24,030 2,270 6,470 12,260
47 4,550 12,970 24,570 2,320 6,620 12,530
48 4,650 13,250 25,110 2,370 6,760 12,800
49 4,750 13,540 25,650 2,420 6,900 13,070
50 4,850 13,820 26,190 2,470 7,040 13,340

(注)この表の適用路線は、別表第1号ヘの自動車線の大人定期旅客運賃(その2)を適用する路線以外の路線とする。
 

自動車線の大人定期旅客運賃(その2)
キロ程 通勤 通学
1箇月 3箇月 6箇月 1箇月 3箇月 6箇月
キロメートル
1 370 1,050 2,000 210 600 1,140
2 370 1,050 2,000 210 600 1,140
3 370 1,050 2,000 210 600 1,140
4 480 1,370 2,590 270 770 1,460
5 590 1,680 3,190 340 970 1,840
6 700 2,000 3,780 400 1,140 2,160
7 810 2,310 4,370 460 1,310 2,480
8 910 2,590 4,910 510 1,450 2,750
9 1,010 2,880 5,450 560 1,600 3,020
10 1,100 3,140 5,940 610 1,740 3,290
11 1,190 3,390 6,430 660 1,880 3,560
12 1,280 3,650 6,910 700 2,000 3,780
13 1,360 3,880 7,340 740 2,110 4,000
14 1,440 4,100 7,780 780 2,220 4,210
15 1,520 4,330 8,210 810 2,310 4,370
16 1,590 4,530 8,590 840 2,390 4,540
17 1,660 4,730 8,960 870 2,480 4,700
18 1,720 4,900 9,290 900 2,570 4,860
19 1,780 5,070 9,610 930 2,650 5,020
20 1,840 5,240 9,940 950 2,710 5,130
21 1,890 5,390 10,210 970 2,760 5,240
22 1,940 5,530 10,480 980 2,790 5,290
23 1,990 5,670 10,750 990 2,820 5,350
24 2,070 5,900 11,180 1,040 2,960 5,620
25 2,160 6,160 11,660 1,080 3,080 5,830
26 2,250 6,410 12,150 1,120 3,190 6,050
27 2,330 6,640 12,580 1,170 3,330 6,320
28 2,420 6,900 13,070 1,210 3,450 6,530
29 2,510 7,150 13,550 1,250 3,560 6,750
30 2,590 7,380 13,990 1,300 3,710 7,020
31 2,680 7,640 14,470 1,340 3,820 7,240
32 2,760 7,870 14,900 1,380 3,940 7,450
33 2,850 8,120 15,390 1,430 4,080 7,720
34 2,940 8,380 15,880 1,470 4,190 7,940
35 3,020 8,610 16,310 1,510 4,300 8,150
36 3,110 8,860 16,790 1,560 4,450 8,420
37 3,200 9,120 17,280 1,600 4,560 8,640
38 3,280 9,350 17,710 1,640 4,670 8,860
39 3,370 9,600 18,200 1,680 4,790 9,070
40 3,460 9,860 18,680 1,730 4,930 9,340
41 3,540 10,090 19,120 1,770 5,040 9,560
42 3,630 10,350 19,600 1,810 5,160 9,770
43 3,720 10,600 20,090 1,860 5,300 10,040
44 3,800 10,830 20,520 1,900 5,420 10,260
45 3,890 11,090 21,010 1,940 5,530 10,480
46 3,970 11,310 21,440 1,990 5,670 10,750
47 4,060 11,570 21,920 2,030 5,790 10,960
48 4,150 11,830 22,410 2,070 5,900 11,180
49 4,230 12,060 22,840 2,120 6,040 11,450
50 4,320 12,310 23,330 2,160 6,160 11,660

(注) この表の適用路線は、次の通りとする.
札樽線、江別線、空知線、石狩線、長広線、羊蹄線、日勝線、十勝線、美瑛線、旭川線、北十勝線、南十勝線、当麻線、厚岸線、釧根線、古川線、白中線、吾妻線、多古線、北倉線、浜名線、天竜線、京鶴線、近城線、熊野線、園篠線、園福線、阿波線


別表第2号

危険品

第1 鉄道及び自動車線区間
項目番号 危険品の品目 適用除外の物品
1 火薬類品
(1) 火薬
イ 黒色火薬、その他硝酸塩を主とする火薬
ロ 無煙火薬、その他硝酸エステルを主とする火薬
ハ 過塩素酸塩を主とする火薬
(2) 爆薬
イ 雷こう、その他の起爆薬
ロ 硝安爆薬
ハ 塩素酸カリ爆薬
ニ カーリツト
ホ その他の硝酸塩、塩素酸塩又は過塩素酸塩を主とする爆薬
ヘ 硝酸エステル
ト ダイナマイト類
チ ニトロ化合物とこれを主とする爆薬
(3) 火工品
雷管、実包、空包、信管、火管、導爆線、雷管又は火管付薬きよう、火薬又は爆薬を装てんした弾丸類、星火を発する榴弾、救命索発射器用ロケツト、その他の火工品
次の各号に掲げる物品は、手回り品として車内に持ち込むことができる。
(1) 銃用火薬で、容器・荷造ともの重量が1キログラム以内のもの。但し、自動車線区間を除く。
(2) 振動・衝撃等によつて発火するおそれのない容器に収納した次に掲げるもの。
イ 鉄道区間 銃用雷管又は銃用雷管付薬きようで400個以内のもの。
ロ 自動車線区間 銃用雷管又は信号雷管で、その実重量が300グラム以内のもの。
(3) 銃用実包又は銃用空包で、弾帯又は薬ごうにそう入し、又は振動、衝撃等によつて発火するおそれのない容器に収納した次の数量以内のもの。
イ 鉄道区間    200個
ロ 自動車線区間   50個
2 高圧ガス
(1) 圧縮ガス
アセチレンガス、天然ガス、水素ガス、硫化水素ガス、一酸化炭素ガス、石炭ガス、水性ガス、空気ガス、アンモニアガス、塩素ガス、酸素ガス、窒素ガス、炭酸ガス(二酸化炭素)、亜酸化窒素ガス(笑気ガス)、ホスゲンガス、オゾン、ヘリウム、アルゴン、オネンガス、その他の圧縮ガス
(2) 液化ガス
液体空気、液体窒素、液体酸素、液体アンモニア、液体塩素、液化プロパン、液体炭酸、液体亜硫酸、フレオン―12、フレオン―22、液化シアン化水素(液体青酸)、塩化エチル、塩化メチル(メチルクロライド)、液化酸化エチレン、塩化ビニルモノマ、液体メタン、その他の液化ガス
次の各号に掲げる物品は、手回り品として車内に持ち込み、又は荷物として託送することができる。
(1) 医療用又は携帯用酸素容器に封入した酸素ガスで2本以内のもの。
(2) 消火器内に封入した炭酸ガスで2本以内のもの。
3 マツチと軽火工品
(1) マツチ
安全マツチ、硫化リンマツチ、黄リンマツチ
(2) 軽火工品
導火線、電気導火線、信号えん管、信号火せん、発煙信号かん(発煙筒を含む。)、発煙剤、煙火、がん具煙火、競技用紙雷管(大形紙雷管を含む。)、がん具用軽火工品、始動薬、冷始動薬(始動栓、発火薬又は着火器ともいう。)、冷始動発熱筒、始発筒、その他の軽火工品
次の各号に掲げる物品は、手回り品として車内に持ち込むことができる。
(1) 安全マツチで、次の数量以内のもの。
イ 鉄道区間 容器・荷造ともの重量が3キログラム
ロ 自動車線区間 実重量が500グラム
(2) 導火線又は電気導火線で、容器・荷造ともの重量が3キログラム以内のもの。但し、自動車線区間を除く。
(3) がん具煙火、競技用紙雷管及びその他のがん具用軽火工品で、次の数量以内のもの。
イ 鉄道区間 容器・荷造ともの重量が1キログラム
ロ 自動車線区間 実重量が100グラム
(4) 信号えん管及び信号火せんで実重量が500グラム以内のもの。
(5) 始動薬、冷始動薬、冷始動発熱筒及び始発筒で、容器・荷造ともの重量が3キログラム以内のもの。但し、自動車線区間を除く。
4 油紙、油布類
(1) 油紙・油布とその製品
(2) 擬ウールじゆうとその製品
(3) 動植物油脂ろうを含有するその他の動植物性繊維
容器・荷造ともの重量が5キログラム以内のものは、手回り品として車内に持ち込むことができる。但し、自動車線区間を除く。
5 可燃性液体
(1) 鉱油原油、揮発油、ソルベントナフタ、コールタール軽油、ベンゼン(ベンゾール)、トルエン(トルオール)、キシレン(キシロール又はザイロール)、メタノール(メチルアルコール又は木精)、アルコール(変性アルコールを含む。)、アセトン、二硫化炭素、酢酸ビニルモノマ、エーテル、コロジオン、クロロシラン、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ジエチルアルミニウム・モノクロライド、モノメチルアミン、トリメチルアミンの水溶液、ジメチルアミン、ピリジン、酢酸アルミ、酢酸エチル、酢酸メチル、義酸エチル、プロピルアルコール、ビニルメチルエーテル、臭化エチル(エチルプロマイド)、酢酸ブチル、アルミアルコール、ブタノール(ブチルアルコール)、フーゼル油、松根油、テレビン油(松精油)、燈油(石油)、軽油(ガス油)、重油(バンカー油、デイーゼル重油)、ペンキ、その他の可燃性液体及びその製品
(2) ニトロベンゼン(ニトロベンゾール)
(3) ニトロトルエン(ニトロトルオール)
(1) ペンキであつて密封した容器に収納した1個の重量が10キログラム以内のものは、手回り品として車内に持ち込み、又は荷物として託送することができる。
(2) 可燃性液体(ペンキ、ニトロベンゼン(ニトロベンゾール)、ニトロトルエン(ニトロトルオール)を除く。)及びその製品で、次に掲げるものは手回り品として車内に持ち込むことができる。
イ 鉄道区間 容器・荷造ともの重量が3キログラム以内のもの。
ロ 自動車線区間 密閉した容器に収納し、且つ、破損のおそれのないよう荷造した0.5リツトル以内のもの。
6 可燃性固体 金属カリウム、金属ナトリウム(金属ソーダ)、カリウムアマルガム、ナトリウムアマルガム、マグネシウム(粉状、箔状又はひも状のものに限る。)、アルミニウム粉、黄リン、硫化リン、ニトロセルローズ、硝石(硝酸カリウム)、硝酸アンモニウム(硝酸アンモン又は硝安)、ピクリン酸、ジニトロベンゼン、ジニトロナフタリン、ジニトロトルエン、ジニトロフエノール、その他の可燃性固体及びその製品 次の各号に掲るげ物品は、手回り品として車内に持ち込むことができる。
(1) 写真用せん光粉(マグネシウム粉)又はアルミニウム粉で飛散するおそれのない容器に密閉したもので、その実重量が500グラム以内のもの。
(2) 可燃性固体を主剤とする薬品類で、容器・荷造ともの重量が3キログラム以内のもの。但し、自動車線区間を除く。
7 吸湿発熱物 ハイドロサルハイト、生石灰(酸化カルシウム)、低温焼成ドロマイト、リン化カルシウム、カーバイド(炭化カルシウム) 乾燥した状態のカーバイドで、破損するおそれのない容器に密閉した1個の重量が20キログラム以内のものは、手回り品として車内に持ち込むことができる。
8 酸類
(1) 強酸類
硝酸、硫酸、塩酸、塩化スルホン酸(塩化スルフリルを含む。)、沸化水素酸
(2) 薬液を入れた鉛蓄電池
次の各号に掲げる物品は、手回り品として車内に持ち込むことができる。
(1) 酸類で、密閉した容器に収納し、且つ、破損するおそれのないよう荷造した0.5リツトル以内のもの。
(2) 薬液を入れた鉛蓄電池で、堅固な木箱に入れ、且つ、端子が外部に露出しないように荷造したもの。
9 酸化腐しよく剤
(1) 塩素酸カリウム、塩素酸バリウム(塩酸バリウム)、塩素酸ナトリウム、(塩素酸ソーダ)、過塩素酸アンモニウム(過塩素酸アンモン)、塩化リン、過酸化ナトリウム(過酸化ソーダ)、過酸化バリウム、晒粉、臭素(ブロム、)、塩素酸カルシウム、塩素酸銅、塩素酸ストロンチウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過酸化亜鉛、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化アンモニウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、臭化ベンジル、青臭化ベンジル、塩化アセトフエノン(クロルアセトフエノン)、ジニトロソレゾルシン鉛、パラトルオールスルホクロリツト、四塩化チタン、三酸化クローム(無水クロム酸)、過酸化ベンゾイル、シリコンAC87、その他の酸化腐しよく剤及びその製品
(2) 自動車線区間においては、前号の外、水酸ナトリウム(苛性ソーダ)、水酸化カリウム(苛性カリ)及び過酸化水素を危険品とする。
(1) 次に掲げる物品は、手回り品として車内に持ち込むことができる。
イ 酸化腐はく剤で、密閉した容器に収納し、且つ、破損するおそれのないよう荷造した0.5リツトル以内のもの。
ロ 晒粉及び酸化腐しよく剤製品で、容器・荷造ともの重量が3キログラム以内のもの。但し、自動車線区間を除く。
(2) 水酸化カリウム(苛性カリ)で、密閉した容器に収納し、且つ、破損するおそれのないよう荷造した実重量が25グラム以内のものは、自動車線区間であつても車内に持ち込むことができる。
10 揮散性毒物 硫酸ジメチル(ジメチル硫酸)、フエロシリコン、塩化硫黄、クロルピクリン、四エチル鉛、クロロホルム、ホルマリン、メチルクロライド、液体青酸、その他の揮散性毒物 次の各号に掲げる物品は、手回り品として車内に持ち込むことができる。
(1) クロロホルム、ホルマリノ及び液体青酸で、密閉した容器に収納し、且つ、破損するおそれのないよう荷造した0.5リツトル以内のもの。
(2) 揮散性毒物のうち試薬として用いるもので、容器・荷造ともの重量が3キログラム以内のもの。但し、自動車線区間を除く。
11 放射性物質 核燃料物質、放射性同位元素(ラジオ・アイソトープ)  
12 セルロイド類 セルロイド素地、セルロイドくず、セルロイド製品及び同半成品 次の各号に掲げる物品は、手回り品として車内に持ち込み、又は荷物として託送することができる。
(1) 実重量が300グラム以内のもので適宜の荷造資材によつて荷造したもの。但し、自動車線区間にあつては、可燃性セルロイド(ニトロセルロースを原料とするもの。)に限り、紙箱等の電気絶縁物質性容器に収納したものに限る。
(2) 実重量が300グラムをこえるもので、次により荷造したもの。但し、映画用フイルムを除く。
イ 不燃性セルロイド(酢酸セルロースを原料とするもの。)
適宜の荷造資材によつて荷造したもの。
ロ 可燃性セルロイド
厚さ9ミリメートル以上の用材を使用したすきまのない木箱に入れたもの。但し、自動車線区間を除く。
(3) 実重量が300グラムをこえる映画用フイルムで、次により荷造したもの。
イ フアイバー等の不燃性気絶縁物質性容器に収納し、振動衝撃等によりふたが開くことのないように荷造したもの。
ロ フイルム容器に入れ、且つ、帆布製の袋(JES繊維3,101の上綿布8号若しくは並綿8号又はこれらと同等以上の厚さ及び強度を有する帆布を使用したもので、二重底とし、上ぶた布又は中ぶた布をつけたもので、且つ、金属製品を使用しないものに限る。)に入れたもの。
ハ フイルム容器に入れ、且つ、直径約9ミリメートルのわらなわ又はこれと同等以上の強度を有する綱等で中ゆわきをし、次の規格による用紙で包装したうえ、中ゆわきと同等以上の強度を有する綱3本を十文字にかけ、2箇所の胴じめをし、手さげをつけたもの。但し、自動車線区間を除く。
(イ) 強度
クラフト紙70斤以上のものを2枚貼り合せ、且つ、しわよせしたもので、縦、横いずれの方向に対しても6kg/cmの抗張力を有するもの。
(ロ) 防火性
マツチ1本で点火した場合、着火しない程度の防火剤を塗布したもの。
(ハ) 包装用紙の証明
包装用紙の表に、製作者が(イ)及び(ロ)に規定する規格に基いて製作したものであることを表示する「映画用フイルム包装用紙国鉄規格品」の字句及び製作者名が印刷してあるもの。 
この包装用紙が不適格であつたため、運送中自他に損害を及ぼす事故が発生したときは、その荷送人がすべての責任を負うものとする。
13 農薬 銅剤、水銀剤、硫黄剤、ホルマリン剤、ジネブ剤、石灰剤、砒素剤、除虫菊剤、ニコチン剤、デリス剤、BHC剤、DDT剤、アルカリ剤、鉱油剤、クロールデン剤、燐剤、浮塵子駆除油剤、DN剤、燻蒸剤、殺鼠剤、除草剤、展着剤
(1) 農薬取締法(昭和23年法律第82号)の適用を受けないものは、手回り品として車内に持ち込み、又は荷物として託送することができる。
(2) 拡散用高圧容器に封入した農薬で2本以内のものは、手回り品として車内に持ち込むことができる。但し、自助車線区間を除く。

備考 この表において、「実重量が何グラム以内」の例により表示された重量は、その内容物の実重量を示すもので、容器・荷造等の重量は含まない。

第2 航路区間

(1) 手回り品
イ 危険物船泊運送及び貯蔵規則(昭和32年運輸省令第30号)第2条別表第1から第9までに掲げる物品及び放射性物質は、危険品とする。
ロ 警察官等が職務のため所持する実包又は空包及び持込について船長の許可を受けた次に掲げる物品は、イの規定にかかわらず、船内に持ち込むことができる。
危険品の品目 持込許容数量
火薬類 猟用の実包又は空包 200個以内
猟用の雷管又は猟用の雷管付薬きよう 400個以内
猟用無煙火薬又は黒色猟用火薬 1キログラム以内
導火線又は電気導火線 3キログラム以内
がん具用煙火 1キログラム以内
高圧ガス 消火器 2本以内
殺虫剤 2本以内
腐しよく性物質 消火剤 3キログラム以内
電池類(乾電池を含まない。) 2個以内
薬品類 3キログラム以内
揮散性毒物 試薬として使用されるもので、危険物船舶運送及び貯蔵規則第2条別表第4のうち等級がB級又はC級に該当するもの。 3キログラム以内
可燃性液体 可燃性液体 3キログラム以内
薬品類 3キログラム以内
水又は空気と作用して危険となる物資 高度さらし粉 3キログラム以内
普通さらし粉 3キログラム以内
酸化性物質 薬品類 3キログラム以内
可燃性固体 映画用フイルム 20キログラム以内
始動薬 3キログラム以内
セルロイド類又はその加工品 1キログラム以内
ナフタリン 5キログラム以内
安全マツチ 3キログラム以内
薬品類 3キログラム以内
有害性物質 油紙又は油布 5キログラム以内
カンフア(しようのう) 5キログラム以内
コルク 5キログラム以内
セラツク 5キログラム以内
飼料 5キログラム以内
写真用せん光電球 5キログラム以内
繊維 5キログラム以内
電池部品 5キログラム以内
ドライアイス 5キログラム以内
のこぎりくず、かんなくず 5キログラム以内
空びん類(危険物の運送に使用したもので、未洗浄のもの。) 5キログラム以内
ぼろ 5キログラム以内
ふとん綿、ふとん綿くず 5キログラム以内
木毛 5キログラム以内
毛髪 5キログラム以内
備考 この表に示す重量は、容器・荷造ともの重量を示す。
(2) 荷物
イ 次に掲げる物品は、危険品とする。
(イ) 第1に規定する物品のうち鉄道区間に対する危険品
(ロ) (イ)に規定する危険品以外の物品で、危険物船舶運送及び貯蔵規則第2条別表第1から第9までに掲げる物品
ロ 次に掲げる場合は、イの(ロ)の規定にかかわらず、荷物として託送することができる。
(イ) 航送荷物車に積載して運送する場合
(ロ) 可燃性の映画用フイルムで、防火剤を塗布した80斤以上のクフフト紙2枚以上をはり合わせたもので荷造したもの
ハ 荷送人は、荷物を航路区間又は航路区間にまたがる区間に託送しようとするときは、ロの規定に該当する場合を除き、イの(ロ)の規定に該当しない物品であることを申し出なければならない。この申出に誤りがあり航路区間を運送中自他に損害を及ぼす事故が発生したときは、その責任はすベて荷送人が負うものとする。


別表第3号

貴重品

(1) 貨幣・紙幣及び銀行券
(2) 印紙及び郵便切手
(3) 公債証書・大蔵省証券・株券・債券・手形・商品券その他の有価証券(当せん金付証票法(昭和23年法律第144号)に基いて発行した宝くじ等の未抽せん証票を含む。
(4) 金・銀・白金その他の責金属及びその製品
(5) イリジウム・タングステンその他のまれな金属及びその製品
(6) 金剛石・紅玉・緑柱石・その他の宝玉石及びその製品
(7) こはく・真珠・さんご・象げ・ベつ甲及びその製品
(8) 美術品及び骨とう品
(9) 容器・荷造を加え1キログラムの価格が20,000円の割合をこえる物品。但し、動物を除く。
(10) 貴重品と貴重品でない物品を混じた場合において、容器・荷造を加え1キログラムの価格が20,000円の割合をこえるときは、これを貴重品とする。


別表第4号
割増小荷物運賃を適用する物品及び割増率

割増率 適用品目
5割増
(1) ボストンバツグ(折りたたんだものを除く。)、トランク、行り及びバスケツト
(2) 乾のり(味付のり及び焼のりを含み、砕いたもの及びびん詰・化粧箱入り又は化粧缶入りのものを除く。)及び麩(ふ)
(3) 綿の類(ふとん等の製品を除く。)及び繭類
(4) ゴム発泡( はっぽう )体及びアルフレツクスの類
(5) 人形(木・竹又は布製等のもので、がん具とみなされるものを除く。)及びセルロイド製がん具
(6) ちようちん類(直径15インチメートル以下のがん具とみなされるものを除く。)
(7) 箱(キヤビネツトを含む。)、たる、木製のおけ、木製のたらい、缶類、かご及びざる(箱・たる・木製のおけ・缶類・かご及びざるで、原発駅へ空容器として返送するものを除く。)、紙筒(紙管及び紙缶を除く。)
10割増
(1) 貴重品
(2) 動物(かめ類・食用がえる・伝書ばと・魚介類・初生ひな・えさに用いる小虫類及び蚕種を除く。)
(3) 車両(小児用遊戯車・がん具車等チエーンのないもの及び車輪のないものを除く。)及びそり
(4) 植木(苗木を除く。)、盆栽、生花(華道用枝及び葉を含み、こも等で圧縮して縛つたもの及び圧縮して丈夫な箱又はかごに入れたものを除く。)、造花(くす玉等の飾付用品を含み枝・葉・花等を圧縮して丈夫な箱に入れたものを除く。)及び花輪
(5) 寒天(粉状りものを除く。)
(6) 中折帽、山高帽、パナマ帽、麦わら帽及び笠
(7) 机、テーブル、いす、腰掛、衣こう箱・本箱・整理箱の類(机・テーブル・いす・腰掛・本箱等には組み立ててないもの及び折りたたんだものを除く。)、戸、障子・ふすま、びようぶ、ついたて、鏡台、げた箱・戸だなの類、仏だん、たんす、茶だんす、ガス台・調理台・文化流しの類及びこたつやぐら
(8) ガラスびん類、ガラス入りケース・ガラス製ほや、鏡(懐中鏡及び手鏡を除く。)及び板ガラス
(9) けい光燈(発光管のないものを含む。)電気スタンド・シヤンデリヤの類、真空管、電球(電球用ガラスを含む。)及び洋燈(ランプ )(折りたたんだものを除く。)
20割増
(1) けい光燈発光管、ネオンチユーブ、太陽燈発光管及びレントゲン管球
(2) 太陽燈・レントゲン機械、水銀整流器の類及びテレビ受像機
(3) ガラス製の笠及びガラス製のグローブ