第一編 総則

(この規則の目的)
第一条 この規則は、日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)の、旅客及び荷物の運送が利用者に便利であるとともに、能率的に遂行されることを、目的とする。

(この規則の適用範囲)
第ニ条 国鉄が経営する鉄道・航路・自動車線による旅客及び荷物の運送並びにこれに附帯する入場券の発売・携帯品の一時預り等の事業については、別に定める場合を除いて、この規則による。

(用語の意義)
第三条 この規則において、使用する用語の意義は、次の通りとする。
一 「国鉄線」とは、国鉄の経営する鉄道・航路及び自動車線をいう。
二 「駅」とは、旅客・荷物の取扱をする停車場・営業所・駅派出鉄道案内所及びさん橋待合所をいう。
三 「列車」とは、蒸気列車・電気列車・電車・蒸気動車・ガソリン動車・ディーゼル動車をいう。
四 「急行列車」とは、特別急行列車・普通急行列車及び準急行列車をいう。
五 「キロ」又は「キロ程」とは、鉄道営業キロ程・航路営業キロ程及び自動車線営業キロ程をいう。
六 「乗車券」とは、乗車券・乗船券及び乗車船券をいう。
七 「旅行開始」とは、旅客が旅行を開始する駅において、乗車券の検査を受けて入場することをいう。但し、駅員を配置していない駅から旅客が乗車する場合は、その乗車することをいう。
八 「荷物」とは、手荷物及び小荷物をいう。
九 「荷物切符」とは、手荷物切符及び小荷物切符をいう。
十 「危険品」とは、別表第二号に掲げる物品をいう。

(運行不能の場合の取扱方)
第四条 列車・汽船又は自動車の運行が不能となつた場合は、その不通区間を通過しなければならない旅客・荷物の取扱をしない。但し、地方鉄道・軌道・自動車・船舶等の運輸機関によるか又はその他の方法によつて連絡の施設をして、その旨を関係駅に掲示したときは、その不通区間は開通したものとみなして、旅客又は手荷物の取扱をする。
2 前項本文の場合であつても、運輸上支障のない場合で、且つ、旅客が次の各号に掲げる条件を承諾するときは、その不通区間を通して乗車券を発売し又は手荷物の受託をする。
一 不通区間については、任意に旅行すること。
二 不通区間に対する旅客運賃の払いもどしの請求をしないこと。
三 手荷物は、開通後に運送すること。

(キロ程のは数計算方)
第五条 キロ程を用いて、旅客運賃、荷物運賃又は料金を計算する場合の一キロ未満のは数は、これを一キロに切り上げる。乗車券の通用期間を計算する場合のキロ程についてもまた同じ。

(期間の計算方)
第六条 期間の計算をする場合は、その初日は時間の長短にかかわらず、一日として計算する。荷物又は一時預り携帯品の引渡しの当日についてもまた同じ。

(諸料金切符の発行方)
第七条 旅客・荷物の運送につい、運賃・料金を収受する場合であつて、旅客又は荷主に交付する証票を別に定めていない場合は、諸料金切符を発行するする。
2 諸料金切符の様式は、別に定めるところによる。

(旅客・荷主等の提出する書類)
第八条 旅客又は荷主は、国鉄に差し出す運送契約に関係した証明書類又はその訂正箇所について、各相当の証印を押すものとする。


第二編 旅客運送

第一章 通則

(旅客の区別)
第九条 旅客はこれを次によつて、大人・小児・幼児及び乳児に区別して取り扱う。
  大人 十二才以上の者
  小児 六才以上十二才未満の者
  幼児 一才以上六才未満の者
  乳児 一才未満の者
2 前項規定の幼児であつても、次の各号の一に該当する場合は、これを小児とみなして取り扱う。
一 乗車券を所持している者に同伴されないとき。
二 乗車券を所持している者に同伴されている場合でも、一人をこえた者であるとき。
三 団体旅客として乗車船するとき又は団体旅客に同伴されるとき。
四 割当発売をする座席又は寝台を幼児だけで使用するとき。
3 前項の規定は、乳児が前項第四号に該当する場合に準用する。

(列車・汽船及び自動車の等級)
第十条 列車又は汽船には、その設備によつて、列車にあつては一等・二等及び三等の等級を設ける。自動車は設備上三等として取り扱う。
2 旅客は、列車・汽船又は自動車に乗車船する場合は、その乗車船する等級に有効な乗車券を所持しなければならない。

(異級乗車船)
第十一条 旅客は、継続する旅行区間中の一部を、異なつた等級によつて旅行することができる。但し、定期乗車券及び回数乗車券による場合は、上級車船室の設備がある区間とその他の区間とにまたがり旅行するときに限る。
2 前項本文の場合において、旅客が、乗車券・急行券購求前に異級乗車線を請求したときは、異級の乗車券・急行券を発行し、乗車券・急行券購求後に請求したときは、等級変更として取り扱う。

(旅客及び荷物の運送等の制限又は停止)
第十ニ条 旅客運送の円滑な遂行を確保するため必要があるときは、次の各号に掲げる制限又は停止をすることがある。
一 乗車券の発売駅・発売枚数・発売時間・発売方法の制限又は発売の停止
二 乗車船区間・乗車船経路・乗車船方法又は乗車船する列車・汽船及び自動車の制限
三 急行券・特別二等車券及び寝台券券の発売駅・発売枚数・発売時間又は発売方法の制限
四 手回品の数量の制限
2 前項の取扱をする場合は、その旨を関係駅に掲示する。

(駅員無配置駅の旅客の取扱方)
第十三条 駅員を配置していない駅から乗車する旅客の取扱は、列車又は自動車の乗務員が行う。

第二章 乗車券

第一節 通則

(乗車券の発売箇所)
第十四条 乗車券は、駅、又、国鉄が乗車券の発売を委託したものが営む営業所において、当該駅または当該営業所の所属する駅から有効な乗車券に限つて、これを発売する。但し、次に掲げた場合は、本条本文の駅以外の駅から有効な乗車券を発売することがある。
一 団体乗車券または貸切乗車券を発売する場合
二 駅員無配置駅発の乗車券を発売する場合
三 乗車券所持の旅客からて、その券面の未使用区間の駅を発駅とする前途の駅に対して乗車券発売の請求があつたとき、普通乗車券の代用として特殊補充券を発売する場合
四 委託乗車券類を発売する場合
2 前項の規定にかかわらず、列車・汽船または自動車内においては、その乗務員が、駅員無配置駅発の旅客及び無札の旅客に対して、普通乗車券を発売する。

(乗車券の種類)
第十五条 乗車券の種類は、次の通りとする。
一 普通乗車券
  片道乗車券
  往復乗車券
  回遊乗車券
二 定期乗車券
  通勤定期乗車券
  通学定期乗車券
三 回数乗車券
  普通回数乗車券
  均一回数乗車券
四 団体乗車券
五 貸切乗車券

(乗車券の券面表示事項)
第十六条 乗車券類の券面には、次の各号に掲げる事項を表示する。
一 等級
二 旅客運賃額
三 発着区間(経路の表示を必要とする場合は、その経路)
四 通用期間
五 発行年月日
六 発行駅
2 臨時に発売する乗車券その他の特殊の乗車券は、前項の表示事項の一部を省略し又はその他の必要事項を追加することがある。この場合は、その旨を関係駅に掲示する。

第二節 乗車券の様式

(普通乗車券の様式)
第十七条 普通乗車券の様式は、次の通りとする。
一 常備片道乗車券の様式
第一種 大人小児用(この乗車券を小児用として発売する場合は、次の様式の小児断線から切断して、甲片だけを旅客に交付する。以下、本節において規定する大人小児用乗車券についてもまた同じ。)
  (様式省略)
第二種 小児用
第三種 学生生徒用(第七十三条によつて旅客運賃の割引をする学生・生徒に対して発売する。以下、本節において規定する学生生徒用乗車券についてもまた同じ。)
  (様式省略)
第四種 電車区間大人小児用
第五種 電車区小児用
二 指定片道乗車券(この乗車券を発売する場合は、次の様式の乙片を切断して甲片だけを旅客に交付する。)
  大人小児用(様式省略)
三 補充片道乗車券(この乗車券を発売する場合は、次の様式の乙片を切断して甲片だけを旅客に交付する。)
  第一種 大人用
  第二種 小児用
  (様式省略)
四 車内乗車券
  第一種 常備片道鉄道大人用(様式省略)
  第二種 常備片道自動車線大人用(様式省略)
  第三種 補充片道鉄道用(様式省略)
  第四種 補充片道自動車線用(様式省略)
  第五種 特殊片道自動車線用(様式省略)
五 常備往復乗車券
  第一種 大人小児用
  (様式省略)
  第二種 小児用
  第三種 学生生徒用
  (様式省略)
  第四種 電車区間大人小児用
  第二種 電車区間小児用
  (様式省略)
六 指定往復乗車券(この乗車券を発売する場合は、次の様式の乙片を切断して甲片だけを旅客に交付する。)
  第一種 大人用
  第二種 小児用
  (様式省略)
七 補充往復乗車券(この乗車券を発売する場合は、次の様式の乙片を切断して甲片だけを旅客に交付する。)
  第一種 大人用
  第二種 小児用
  (様式省略)
八 常備回遊乗車券
  第一種 大人用
  第二種 小児用
  (様式省略)
八 補充回遊乗車券
  第一種 大人用
  第二種 小児用
  (様式省略)

(定期乗車券の様式)
第十八条 定期乗車券の様式は、次の通りとする。
一 常備定期乗車券
  第一種 通勤大人用
  第二種 通学大人用
  第三種 通学小児用
  (様式省略)
二 指定定期乗車券(この乗車券を発売する場合は、次の様式の甲片下部の相当月数及び旅客運賃額の欄の下から切断して甲片だけを旅客に交付する。)
  第一種 通勤大人用
  第二種 通学大人用
  (様式省略)
三 補充定期乗車券(この乗車券を発売する場合は、次の様式の甲片下部の相当キロ別欄の下から切断して甲片だけを旅客に交付する。)
  第一種 通勤大人用
  第二種 通学大人用
  第三種 通学小児用
  (様式省略)

(回数乗車券の様式)
第十九条 回数乗車券の様式は、次の通りとする。
一 常備普通回数乗車券
  第一種 三等大人用
  第二種 三等小児用
  (様式省略)
  第三種 二等大人用
  第四種 二等小児用
  (様式省略)
二 補充普通回数乗車券(この乗車券を発売する場合は、次の様式の報告用片だけを切断して、旅客に交付する。)
  第一種 三等大人用
  第二種 三等小児用
  (様式省略)
  第三種 二等大人用
  第四種 二等小児用
  (様式省略)
三 均一回数乗車券の様式は、次の通りとする。(様式省略)

(団体乗車券の様式)
第二十条 団体乗車券の様式は、次の通りとする。(様式省略)

(貸切乗車券の様式)
第二十一条 貸切乗車券の様式は、前条の団体乗車券の様式のうち、団体の文字を貸切と訂正したものとする。

(乗車券の様式の補足)
第二十二条 乗車券の様式については、次の各号によつて、これを補う。
一 乗車券を、小児用又は学生生徒用として発売するものには、用途に従つてその表面に「小」又は「学」の文字を、又、定期乗車券の通学大人用には、「学生」の、通学小児用には、「学小」の文字を表示する。
二 第五十二条の場合の乗車券の発駅名又は着駅名は、「東京電車環状線内」のように表示し又はその略図を表示する。
三 旅客運賃が同額地帯のため二駅以上を共通の着駅とした場合の乗車券の着駅名又はその方向の表示は、「笠寺枇杷島間ゆき」又は「」若しくは「」の例によつて表示する。
四 必要がある場合は、この節に規定する乗車券の様式中の表示事項の配列を変更することがある。

第三節 乗車券の有効条件

(乗車券の有効条件)
第二十三条 乗車券は、その券面に表示された等級・通用期間・発着区間・発着の順序・経由すべき経路が表示されている場合は、その経路及び大人・小児の区別その他の指定事項に従つて使用する場合に限つて、これを有効とする。但し、上級の等級の乗車券によつて下級の等級の車船室に乗車船し、又は小児が大人用普通乗車券をもつて乗車船する場合は有効として取扱う。

(通用期間)
第二十四条 乗車券の通用期間は、別に定める場合の外は、次の各号による。
一 普通乗車券
イ 片道乗車券
(イ) 鉄道及び航路の通用期間は、キロ程が二百キロまでは二日とし、200キロをこえるものは、200キロまでを増すごとに、これに一日を加える。但し、第二十九条第一号に定める電車区間内相互発着の乗車券の通用期間は、一日とする。
(ロ) 自動車線内相互発着の乗車券の通用期間は、二日とする。
(ハ) 鉄道・航路と自動車線との相互発着(自動車線を通過となる場合を含む。)の乗車券の通用期間は、鉄道・航路の通用期間に一日を加えたものとする。
ロ 往復乗車券 片道乗車券の通用期間の二倍とする。
ハ 回遊乗車券 各券片について、片道乗車券の計算方法によつて計算した通用期間を合計した期間とする。
二 定期乗車券 一箇月、三箇月又は六箇月(三等に限る。)とする。
三 回数乗車券 一箇月とする。
四 団体乗車券
その都度定める。
五 貸切乗車券
その都度定める。
2 第四十九条から第五十四条までの規定によつて、旅客運賃の計算をする普通乗車券の通用期間は、その旅客運賃を計算する場合のキロ程によつて計算する。
3 旅客運賃額が同額のため、着駅を共通とした乗車券の通用期間は、最遠駅までのキロ程によつて計算する。
4 普通乗車券について、等級変更・乗越・方向変更又は経路変更の取扱をする場合に交付する乗車券の通用期間は、原乗車券の通用期間から既に経過した日数(取扱の当日は含めない。)を差し引いた残余の日数とする。

(通用期間の起算日)
第二十五条 乗車券の通用期間は、通用開始日を指定して発売したものの外、乗車券を発行した当日から起算する。

(通用期間経過後の継続乗車船の取扱方)
第二十六条 通用期間内に旅行を開始した旅客が所持している乗車券は、乗車船中にその期間が経過した場合であつても、継続して乗車船する場合は、その継続乗車船中に限つて、第二十三条の規定にかかわらず、これを有効として取り扱う。
2 前項の場合の乗車券を所持する旅客を、接続駅において設備又は時間の関係上、一時出場させて、列車・汽船又は自動車の接続のため待合せをさせるときは、指定した列車・汽船又は自動車に乗り継ぐ場合に限つて、前途に対してその乗車券を有効として取り扱う。

(小児用乗車券類の効力の特例)
第二十七条 小児用乗車券は、通用期間中に、その使用旅客の年齢が十二才に達した場合であつても、第二十三条の規定にかかわらず、これを有効として取り扱う。

(途中下車)
第二十八条 旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によつて、別に定める場合を除いてその券面に表示された発着区間内の着駅以外の任意の駅に下車して出場した後、再び列車・汽船又は自動車に乗り継いで旅行することができる。

(途中下車の禁止)
第二十九条 旅客は、次の各号に定める駅において、前条の途中下車をすることができない。
一 電車区間(東京附近にあつては、東海道本線中東京大船間及び横浜桜木町間、南武線、鶴見線、横浜線、横須賀線、中央本線中東京浅川間、三鷹武蔵野競技場前及び国分寺東京競馬場前間、青梅線、五日市線、東北本線中東京大宮間及び日暮里赤羽間、山手線、常磐線中日暮里取手間並びに総武本線中御茶ノ水千葉間、大阪附近にあつては、東海道本線中京都神戸間、西成線、山陽本線中神戸明石間及び明石西明石間、片町線中長尾片町間、城東線並びに阪和線)内の駅相互間発着の普通乗車券を使用する場合は、その区間内の駅
二 第五十一条又は第五十二条の場合の乗車券を使用する場合は、乗車券面に表示された都区内・市内又は環状線内にある駅
三 普通乗車券使用する場合は、自動車線区間内の駅員を配置していない駅。但し、国鉄が指定した駅を除く。
四 回数乗車券を使用する場合は、その券面に表示された区間内の駅
五 特に途中下車駅を指定した場合は、その指定以外の駅

(不乗船区間の取扱方)
第三十条 旅客は、第二十三条の規定にかかわらず乗車券面に表示された発着区間内の途中駅から旅行を開始し又は途中下車をした後に前途の駅から乗継ぎをすることができる。但し、不乗車船区間の乗車船は請求することができない。
2 前項但書の規定は、往復乗車券の復片から先に使用した場合の往片、回遊乗車券の第二券片以下の券片から使用した場合の使用順序によらない券片について準用する。

(選択乗車船)
第三十一条 旅客は、次の各号に掲げる各駅相互間(略図中の実線による複線区間以遠の駅と、実線による太線区間以遠の駅若しくは◎印駅相互間)を、普通乗車券によつて旅行する場合は、その所持する乗車券の券面に表示された経路にかかわらず、各号の末尾に記載したかつこ内の区間又は経路の、いずれか一方を選択して乗車船することができる。
一 仙台以遠(北仙台又は長町方面)の各駅と、西塩竃、本塩竃、東塩竃又は塩竃駅との相互間(岩切経由・仙石線経由)
二 成田以遠(久住方面)の各駅と、日暮里以遠(鶯谷、田端又は尾久方面)の各駅又は両国以遠(浅草橋方面)の各駅との相互間(柏及び三河島経由・酒々井、四街道及び錦糸町経由)
三 千葉以遠(西千葉方面)の各駅と、成東以遠(松尾方面)の各駅との相互間(四街道経由・誉田経由)
四 拓植以遠(加太方面)の各駅と、大阪以遠(塚本又は福島方面)の各駅との相互間(草津線及び東海道本線経由・関西本線及び城東線経由)
五 奈良以遠(木津方面)の各駅と、高田以遠(大和新庄方面)の各駅との相互間(関西本線及び和歌山線経由・桜井線経由)
六 平野以遠(加美方面)の各駅と、塚本以遠(尼崎方面)又は東淀川以遠(吹田方面)の各駅との相互間(城東線経由・天王寺湊町間)
七 紀伊中ノ島以遠(田井ノ瀬又は六十谷方面)の各駅と、和歌山市・和歌山又は東和歌山以遠(紀三井寺方面)の各駅との相互間(紀伊中ノ島和歌山市間・紀伊中ノ島和歌山東和歌山間・紀伊中ノ島東和歌山間)
八 綾部以遠(梅迫方面)の各駅と、大阪以遠(天満・福島方面)又は尼崎以遠(立花・金楽寺方面)の各駅との相互間(福知山線及び山陰本線経由・東海道本線及び山陰本線経由)
九 石見益田以遠(石見津田方面)の各駅と、厚狭以遠(埴生方面)の各駅との相互間(山陰本線及び美祢線経由・山口線及び山陽本線経由)
十 石見益田以遠(石見津田方面)の各駅と、幡生以遠(下関方面)の各駅との相互間(山陰本線経由・山口線及び山陽本線経由)
十一 正明市以遠(仙崎又は長門三隅方面)の各駅と、幡生以遠(下関方面)の各駅との相互間(山陰本線経由・美祢線及び山陽本線経由)
十二 中田以遠(地蔵橋方面)の各駅と、小松島駅又は南小松島駅との相互間(中田小松島間・中田南小松島間)
十三 下関以遠(幡生方面)の各駅と、門司以遠(小倉方面)の各駅との相互間(ずい道線経由・下関門司港間航路及び鹿児島本線経由)
十四 下関以遠(幡生方面)の各駅と、門司港駅との相互間(下関門司港間航路・下関門司間ずい道線及び門司門司港間)
十五 小倉以遠(門司方面)の各駅と、伊田以遠(後藤寺方面)の各駅との相互間(日豊本線及び田川線経由・鹿児島本線、筑豊本線及び伊田線経由)
十六 遠賀川以遠(海老津又は古月方面)又は中間以遠(筑前垣生又は新手方面)の各駅と、若松又は戸畑以遠(小倉方面)の各駅との相互間(折尾若松間、折尾戸畑間)
十七 博多以遠(筑前箕島方面)及び吉塚以遠(原町又は御手洗方面)の各駅と、直方以遠(中泉方面)の各駅との相互間(折尾及び筑豊本線経由・原田及び筑豊本線経由)
十八 山本以遠(相知・肥前久保又は牟田部方面)の各駅と、唐津・西唐津又は東唐津以遠(虹ノ松原方面)の各駅との相互間(山本と唐津又は西唐津間・山本東唐津間)
十九 肥前山口以遠(牛津方面)の各駅と、岩松、竹松間各駅との相互間(早岐経由、諫早経由)
二十 加治木以遠(帖佐方面)の各駅と、霧島神宮以遠(北永野田方面)の各駅又は牧園以遠(大隅横川方面)の各駅との相互間(隼人牧園間、隼人霧島神宮間)

(特定区間を通過する場合のう回乗車)
第三十二条 旅客は、普通乗車券・回数乗車券又は団体乗車券によつて、次に掲げる区間(略図中太線区間)を通過する場合には、その乗車券に表示された経路にかかわらずう回して乗車することができる。

(特定区間発着の場合のう回乗車)
第三十三条 前条に規定する区間内にある駅発又は着の乗車券(定期乗車券及び団体乗車券を除く。)を所持する旅客は、その区間内においては、その乗車券の券面に表示された経路にかかわらず、う回して乗車するとができる。但し、う回乗車区間内では、途中下車をすることができない。
2 前条に規定する区間内にある駅相互発着の乗車券を使用して前項の規定によりう回乗車中に任意に下車したときは、方向変更として取り扱う。

(定期乗車券による急行列車及び急行自動車乗車の禁止)
第三十四条 旅客は、定期乗車券を使用して、急行列車及び急行自動車に乗車船することはできない。

(改氏名の場合の定期乗車券の書替)
第三十五条 定期乗車券の使用者が、氏名を改めた場合は、これを発行駅に差し出して、その氏名の書換を請求しなければならない。

(効力のない乗車券)
第三十六条 乗車券は、その様式が整つていないとき又はその券面表示事項が不明となつたときは、使用することができない。但し、定期乗車券についてはその券面表示事項が不明となつたときでも、これをその発行駅に差し出して書換を請求することができる。

(乗車券が前途無効となる場合) 
第三十七条 乗車券(往復・回遊又は回数乗車券については、その使用する券片)は、次の各号の一に該当する場合は、その後の乗車船については無効として回収する。
一 旅客が途中下車のできない駅に任意に下車したとき。
二 旅客が第百六十九条(??)第一項第一号及び第二号・第百七十条(??)又は第百七十一条(??)の取扱を受けたとき。
三 鉄道営業法(明治三十三年法律第65号)第四十一条の規定によつて途中で下車をさせられた場合又は同法第四十二条の規定によつて車外に退去させられたとき。

(前途無効となる乗車券の特例)
第三十八条 旅客が第三十三条第三十二条に規定する区間内相互発着の場合を除く)・第五十一条及び第五十二条の場合の乗車券を使用して、発駅と同一の都区内・市内・環状線内又は第三十二条の特定区間内にある駅に下車した場合であつて、実際の乗車駅と下車駅との区間に対する普通旅客運賃を支払つた場合は、前条の規定にかかわらず、その乗車券を有効として取り扱う。

(乗車券が無効となる場合)
第三十九条 乗車券(定期乗車券を除く。)は、次の各号の一に該当する場合は、その全券片を無効として回収する。
一 係員の承諾を得ないで、第二十三条の規定に違反して乗車券を使用したとき。但し、第二十六条第二十七条及び第三十八条の場合を除く。
二 第三十六条の規定に違反し又は押なつされた途中下車印若しくは[手]印が、不明となつた乗車券を使用したとき。
三 乗車券の券面表示事項(途中下車印[手]印等を含む。)を、ぬり消し、又は改変して使用したとき。
四 使用を開始した乗車券を他人から譲り受けて使用したとき。
五 その他乗車券を不正乗車船の手段として使用したとき。

(定期乗車券が無効となる場合及び旅客運賃の追徴方)
第四十条 定期乗車券は、次の各号の一に該当する場合、無効として回収する。但し、旅客に悪意がなく、その証明ができる場合は、この限りではない。
一 係員の承諾を得ないで、第二十三条及び第三十六条の規定に違反して乗車券を使用したとき。但し、第二十六条及び第二十七条の場合を除く。
二 使用資格・氏名・年令・区間又は通学の事実を偽つて購求し、使用したとき。
三 定期乗車券の券面に表示された事項をぬり消し又は改変して使用したとき。
四 区間の連続していない二枚以上の定期乗車券を使用して、その各券面に表示された区間と区間との間を乗車船したとき。
五 定期乗車券の区間と連続してない普通乗車券又は回数乗車券を使用して、その各券面に表示された区間と区間との間を乗車船したとき。
六 通学定期乗車券を使用する旅客が、その使用資格を失つた後に使用したとき。
七 通用期間開始前は有効とならない定期乗車券を、その期間開始前に使用したとき。
八 通用期間満了後の定期乗車券を、その期間満了後に使用したとき。
九 通学定期乗車券を使用する旅客であつて、第七十一条の規定によつて身分証明書を携帯しなければならない者が、これを携帯していないとき。
十 その他定期乗車券を、不正乗車船の手段として使用したとき。
2 前項第一号から第四号に該当する場合は、その定期乗車券の効力が発生した日から、第六号に該当する場合はその使用資格を失つた日から、第七号に該当する場合はその発売の日から、第八号に該当する場合はその通用期間満了の日の翌日から、それぞれその無効の事実を発見した当日まで、その定期乗車券を使用して、券面に表示された等級によつて、券面に表示された区間(第四号の場合においては、各定期乗車券の券面に表示された区間と区間外とを合わせた区間)を、毎日一回ずつ往復乗車船したものとして、第五号に該当する場合であつて、回数乗車券を使用した場合は、定期乗車券の券面に表示された区間と、その区間外の乗車船した区間とをあわせた区間を、その回数乗車券の使用された券片に対して、一券片ごとに一回ずつ往復乗車船したものとして、又、第五号に該当する場合であつて、普通乗車券を使用した場合及び第九号又は第十号に該当する場合は、その乗車船した区間にについて、それぞれ第百二十一条の規定を準用する。

(切り離された回数乗車券の効力)
第四十一条 回数乗車券は、旅行開始前にその券片を切り離した場合、当該券片を無効として回収する。

(乗車券不正使用未遂の場合の取扱方)
第四十一条 旅客が、その乗車船について効力のない乗車券で、乗車船しようとした場合は、不正行使の意思が明らかと認められる場合に限つて、これを使用したものとみなし、無効として回収する。

第四節 乗車券の検査及び回収

(乗車券類の改札)
第四十三条 旅客は、次の各号に従つて、乗車券の検査を受けなければならない。
一 旅行を開始する際は、乗車券を係員に呈示して、入鋏を受けること。但し、定期乗車券・団体乗車券又は貸切乗車券については、入鋏を必要としない。
二 途中下車をするときは、当該下車駅において、乗車券を係員に呈示して、これに途中下車印の押印を受け、乗継のときは、更にこれを係員に呈示すること。
三 旅行を終了したときは、乗車券(定期乗車券は、通用期間が満了のとき。)を係員に引き渡すこと。
四 前各号以外の場合であつても係員の請求があるときは、いつでも乗車券を呈示すること。

(乗車券類の回収)
第四十四条 旅客は、その所持する乗車券類が効力を失い若しくは不用となつた場合又はその乗車券類を使用する資格を失つた場合は、これを係員に引き渡さなければならない。

第三章 旅客運賃

第一節 通則

(鉄道及び航路の旅客運賃の等級)
第四十五条 鉄道及び航路の旅客運賃は、一等・二等又は三等の等級に従つて定める。

(通行税)
第四十六条 一等及び二等の旅客運賃の中には、通行税法(昭和十五年法律第四十三号)の規定による通行税を含むものとする。

(鉄道の旅客運賃の計算に使用するキロ程)
第四十七条 鉄道の旅客運賃を計算する場合に使用するキロ程は、国鉄の線路が連続する限り、これを通算する。但し、旅客が環状線を一周する場合又はその発着区間の全部若しくは一部が復乗となる場合は、環状線が一周となる駅又は復乗が開始される駅において打ち切つて各別に計算する。
2 旅客が航路・自動車線又は国鉄と通過連絡運輸を行う地方鉄道・軌道・航路若しくは自動車線が鉄道線路の中間に介在する発着区間を乗車船する場合の旅客運賃の計算には、その前後の鉄道線路は連続しているものとみなして、キロ程を通算する。

(異級の普通旅客運賃計算の特例)
第四十八条 旅客(定期乗車券及び回数乗車券を所持する旅客を除く。)が、一等又は二等によつて、次に掲げる図の太線区間を通過し又はその区間内にある駅と、区間外にある駅との相互間を発着する場合の旅客運賃は旅客が異級乗車の請求をしない限り、太線区間に一等及び二等の設備のあるものとみなして計算する。

(特定区間における旅客運賃計算のキロ程)
第四十九条 旅客が、次の各号に掲げる区間を乗車する場合の鉄道の普通旅客運賃は、各号の末尾のかつこ内の線路のいずれを経由する場合であつても、○印の線路のキロ程によつて計算する。この場合に発売する普通乗車券については、かつこ内の線路について、経路の指定を行わない。
一 長万部以遠(中の沢方面)の各駅と、岩見沢以遠(峰延、萱野方面)の各駅との相互間
( 函館本線)
(○室蘭本線)
二 福島以遠(金谷川方面)の各駅と、青森又は津軽線及び北海道線内の各駅との相互間
( 奥羽本線)
(○東北本線)
三 日暮里・田端又は赤羽以遠(上野・駒込又は十条方面)の各駅と、岩沼以遠(増田方面)の各駅との相互間
( 常磐線)
(○東北本線)
四 三原以遠(糸崎方面)の各駅と、海田市以遠(向洋方面)の各駅との相互間
( 呉線)
(○山陽本線)
五 岩国以遠(大竹又は岩日線方面)の各駅と、櫛ケ浜以遠(徳山方面)の各駅との相互間
( 山陽本線)
(○岩徳線)
六 肥前山口以遠(牛津方面)の各駅と、諫早以遠(喜々津方面)の各駅との相互間
( 佐世保線、大村線)
(○長崎本線)
七 谷山以遠(五位野方面)の各駅と、八代以遠(千丁方面)の各駅との相互間
( 鹿児島本線)
(○肥薩線、日豊本線及び鹿児島本線)
八 鹿児島及び鹿児島古江間航路経由古江以遠(荒平方面又は国分本線)の各駅と、八代以遠(千丁方面)の各駅との相互間
( 鹿児島本線)
(○肥薩線及び日豊本線)
九 軍川以遠(渡島大野方面)の各駅と、森以遠(石倉方面)の各駅との相互間
( 東森駅経由函館本線)
(○大沼駅経由函館本線)
十 岩切以遠(東仙台方面)の各駅と、品井沼以遠(鹿島台方面)の各駅との相互間
( 陸前山王駅経由東北本線)
(○利府駅経由東北本線)
十一 赤羽以遠(川口方面)の各駅と、日暮里以遠(上野又は北千住方面)の各駅との相互間
( 尾久駅経由東北本線)
(○王子駅経由東北本線)
2 前項本文の規定は、第九号から第十一号までの区間に対して発売する定期乗車券について準用する。

第五十条 旅客が、次に掲げる区間を乗車する場合の鉄道の普通旅客運賃は、末尾のかつこ内の線路のいずれを経由する場合であつても、○印の線路経由で、鹿児島発着のキロ程によつてこれを計算する。この場合に発売する普通乗車券については、かつこ内の線路について、経路の指定を行わない。
西鹿児島と八代以遠(千丁方面)の各駅との相互間
( 鹿児島本線経由)
(○肥薩線、日豊本線経由)

(東京都区内・大阪市内発又は着の普通旅客運賃)
第五十一条 旅客が、次の図に掲げる東京都区内又は大阪市内にある駅を、発駅又は着駅とする場合であつて、且つ、東京又は大阪から鉄道の旅客運賃計算のキロ程が片道百一キロ(第六十一条及び第六十二条の規定によつて旅客運賃が百一キロの場合と同額になる地帯を含む。)以上の区間を、乗車船する場合の鉄道の普通旅客運賃は、東京又は大阪発若しくは着のキロ程によつて計算する。

(東京電車環状線内発又は着の普通旅客運賃)
第五十二条 旅客が、前条の図中の太線区間(以下「東京電車環状線」という。)内にある駅発または着の場合であつて、且つ、東京から鉄道の旅客運賃計算のキロ程が片道五十一キロ(第六十一条及び第六十二条の規定によつて旅客運賃が五十一キロの場合と同額になる地帯を含む。)以上の区間を乗車する場合の鉄道の普通旅客運賃は、東京発又は着のキロ程によつて計算する。

(特定区間のキロ程)
第五十三条 次の図に掲げる区間において、旅客運賃を計算するキロ程については、その営業キロ程にかかわらず、次の図に示したキロ程による。但し、定期旅客運賃を計算する場合はこの限りでない。

(キロ程を定めていない区間の旅客運賃の計算方)
第五十四条 キロ程を定めていない場所において旅客の乗降を認める場合又は車船内において等級変更その他の取扱をする場合であつて、その取扱場所が駅と駅との中間にある場合の旅客運賃は、その乗降場の外方にある駅発又は着のキロ程によつて計算する。
2 前項の規定は、第六十四条別表に掲げる駅以外の駅又は別に定める自動車線の乗降場において乗降する旅客に対する旅客運賃(定期旅客運賃を除く。)について準用する。

(鉄道・航路又は自動車線の相互にまたがる旅客運賃)
第五十五条 鉄道・航路又は自動車線の相互にまたがつて乗車船をする場合の旅客運賃は、各その旅客運賃を合計した額とする。

(異級乗車の普通旅客運賃の計算方)
第五十六条 異級乗車をする場合の鉄道の旅客運賃(定期旅客運賃を除く。)は、全乗車区間に対する下級旅客運賃に、上級乗車区間に対する上級旅客運賃と、下級旅客運賃との差額を加算した額とする。この場合に上級乗車区間が二区間以上あるときは、これを合計して旅客運賃を計算する。
2 二・三等の異級となる鉄道の定期旅客運賃は、場合は、二等区間のキロ程に対する二等定期旅客運賃と、三等区間のキロ程に対する三等定期旅客運賃とを合計した額とする。この場合に同一等級区間が二区間以上あるときは、同一等級のキロ程は、これを合計して旅客運賃を計算する。

(小児・幼児及び乳児の旅客運賃の計算方)
第五十七条 小児の旅客運賃は、第八十六条の規定によつて団体旅客運賃を計算する場合を除き、普通旅客運賃にあつては大人片道普通旅客運賃を、回数旅客運賃及び定期旅客運賃にあつてはそれぞれの大人旅客運賃をそれぞれ折半して、その一円未満のは数はこれを一円単位に切り上げて計算(以下このは数の計算方法を「は数計算」という。)した額とする。但し、自動車線内相互発着となる小児の普通旅客運賃は、大人普通片道旅客運賃を折半して、そのは数を五円・十円単位(中間は数は、上下いずれかの最近の単位に切り上げ又は切り下げる。中間は数が上下単位のちようど中間にあるときは、これを上位の単位に切り上げる。)とする。
2 幼児の旅客運賃は、第九条第二項に該当する場合を除き、又、乳児の旅客運賃は、第九条第三項に該当する場合を除き無賃とする。

(割引旅客運賃の計算方)
第五十八条 割引旅客運賃は、普通旅客運賃から割引額を差し引いて、は数計算した額とする。
2 鉄道・航路又は自動車線の相互にまたがてて乗車船する場合の割引旅客運賃は、割引率の同じときはその各普通旅客運賃の合計額から割引額を差し引いて、は数計算した額とする。
3 往復又は回遊乗車券に対して旅客運賃(第八十六条の規定によつて団体旅客運賃を計算する場合を除く。)の割引をする場合は、各券片ごとに前各項によつて計算した割引旅客運賃を合計した額とする。

(片道最低旅客運賃)
第五十九条 旅客運賃の片道の最低額は、第五十八条の規定にかかわらず、次の通りとする。
    三等   二等   一等
大人  十円   二十円  四十円
小児  五円   十円   二十円
2 鉄道・航路又は自動車線相互にまたがつて乗車船する場合の旅客運賃の片道の最低額は、各別に前各項の規定を適用した額を合算したものとする。

第二節 普通旅客運賃

(鉄道の三等普通旅客運賃の賃率)
第六十条 鉄道の大人三等普通旅客運賃の賃率は、次の通りとする。
百五十キロ以下のキロ程 一キロにつき 一円八十五銭
五百キロ以下のキロ程  同      一円三十銭
千キロ以下のキロ程   同      七十銭
千キロをこえるキロ程  同      四十五銭

(鉄道の三等普通旅客運賃)
第六十一条 鉄道の大人三等普通旅客運賃は、旅客の乗車する発着区間のキロ程を、前条のキロ程にしたがつて区分し、これを各その賃率に乗じた額を合計し、そのは数を円位において四捨五入して計算した額とする。

(鉄道の二等及び一等の大人片道普通旅客運賃)
第六十二条 鉄道の二等大人普通旅客運賃は、三等大人普通旅客運賃の二倍、一等大人普通旅客運賃は、三等大人普通旅客運賃の四倍とする。

(航路の大人片道普通旅客運賃)
第六十三条 航路の大人片道普通旅客運賃は、次の通りとする。
       三等    二等    一等
青森函館間  二百円   四百円   千四百円
宇野高松間  四十円   八十円
仁方堀江間  二百六十円
宮島口宮島間 十円
大畠小松港間 二十円
下関門司港間 二十円
2 前項の旅客運賃中には、食費を含まない。

(自動車線の普通旅客運賃)
第六十四条 自動車線の大人普通旅客運賃は、別表の通りとする。
2 別表は、関係の駅に備えつける。

(二以上の自動車線又は区間にまたがる場合の普通旅客運賃の計算)
第六十五条 二以上の自動車線又は区間にまたがる場合の普通旅客運賃は、各別に前条別表の自動車普通旅客運賃を併算したものとする。

第三節 回数旅客運賃

(普通回数旅客運賃)
第六十六条 旅客が、次の各号の区間を二等(2・三等の異級となるものを含む。)又は三等によつて乗車船する場合には、二等(2・三等の異級となるものを含む。)にあつてはその乗車船区間の大人普通旅客運賃を二十倍した額によつて二十二券片の、三等にあつてはその乗車船区間の大人普通旅客運賃を十倍した額によつて十一券片の普通回数乗車券を発売する。
一 鉄道(二等にあつては国鉄が指定した区間に限る。)の普通旅客運賃計算のキロ程片道百キロ以内の各駅相互間
二 宇野高松間(二等にあつては国鉄が指定した場合に限る。)・大畠小松港間航路・下関門司港間及び宮島口宮島間
三 自動車線内各駅相互間
2 前項の場合において、旅客運賃計算上回遊となるものは、発売しない。
3 第一項の規定にかかわらず、国鉄が特に認める場合は、百キロをこえる鉄道区間を乗車する旅客に対しても、普通回数乗車券を発売することがある。

(均一回数旅客運賃)
第六十七条 第五十一条の規定による東京都区内(この場合は吉祥寺を含む)・第五十二条の規定による東京電車環状線内及び宇品線内にある駅相互間を乗車する旅客に対しては、次に定めるところによつて、大人に限つて、十一券片の三等均一回数乗車券を発売する。
東京都区内均一回数乗車券    二百五十円
東京電車環状線内均一回数乗車券 百二十円
宇品内均一回数乗車券      百円

第四節 定期旅客運賃

(定期旅客運賃)
第六十八条 旅客が、次の各号により、通勤(通勤に準ずるものを含む。以下同じ。)又は通学するために乗車船する場合には、別表第一号に定める定期旅客運賃を収受して、定期乗車券を発売する。
一 鉄道(二等にあつては国鉄が指定した区間に限る。)の百キロ以内の各駅相互間を、二等(二・三等の異級となる場合を含む。)によつて通勤又は三等によつて通勤・通学するとき。
二 宇野高松間・大畠小松港間航路・下関門司港間及び宮島口宮島間を、三等によつて通勤・通学するとき。
三 自動車線五十キロ以内の各駅相互間を、通勤・通学するとき。
四 前各号の相互にまたがり、百キロ以内の各駅相互間を、通勤・通学するとき。但し、自動車線のキロ程は、五十キロ以内である場合に限る。

(定期乗車券の発売条件)
第六十九条 定期乗車券は、旅客が、定期乗車券購求申込書を差し出した提出した場合に限つて、これを発売する。この場合通学定期乗車券については、次の各号の一に該当する学校(以下「指定学校」という。)に通学するために乗車船する学生・生徒又は児童であつて、その学校を代表する責任者が発行する通学証明書を差し出さなければならない。
一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校・中学校・高等学校・大学・ろう学校・養護学校及び幼稚園。但し、通信教育の学校にあつては、国鉄が指定した学校であつて、面接授業又は試験を行う期間の初日の十日前から終了日の五日後までの期間中に限る。
二 前号以外の国公立の学校(修業期間が一箇年以上で、且つ、一箇年の授業時間七百時間以上のもの。)であつて、国鉄が指定したもの。
三 学校教育法第八十三条の規定によつて設立した私立学校(設立認可後一箇年以上を経過し、修業期間が一箇年以上で、且つ、一箇年の授業時間七百時間以上のもの。)であつて、国鉄が指定したもの。
2 前項の定期乗車券発行申込書の様式は、次の通りとする。(様式省略)
3 第一項の通学証明書は、次の各号に掲げる事項を記載したものでなければならない。
一 住所・氏名・年令・在学の部科及び学年
二 通学区間・通用期間・通用開始日
三 通学する学校の名称及びその所在地
四 証明の年月日・学校長氏名及び学校長公印
五 前各号の外、学校種別及び指定番号

(指定学校以外の学校の学生・生徒が通学する場合に発売する定期乗車券)
第七十条 指定学校以外の学校に通学する学生・生徒に対しては、通勤定期乗車券を発売する。

(資格証明書の携帯及び呈示の義務)
第七十一条 旅客が、通学定期乗車券を使用する場合は、常に、その通学する指定学校を代表する責任者の発行した次の様式による身分証明書を携帯して、係員の請求があるときは、いつでも呈示しなければならない。(様式省略)
2 前項の旅客が、第六十九条第一項第一号但書による通信教育の学校の学生又は生徒であるときは、その学校を代表する責任者の発行した面接授業又は試験の期間を証明する証明書類をあわせ携帯しなければならない。

(定期乗車券紛失の場合の届出義務)
第七十二条 旅客が、定期乗車券を紛失した場合は、直ちに、その旨をその定期乗車券を発行した駅に、届け出なければならない。

第五節 特殊割引旅客運賃

(学生割引)
第七十三条 指定学校の学生・生徒が、旅客運賃の計算のキロ程が片道百一キロ(第六十一条の規定によつて旅客運賃が百一キロの場合と同額になる地帯を含む。)以上の区間を三等によつて旅行する場合で、第七十三条の二の規定による割引証を差し出したときは、大人普通旅客運賃の五割(自動車線の普通旅客運賃にあつては、二割)を割引する。但し、大人旅客に限る。

(割引証の交付)
第七十三条の二 指定学校の学生・生徒に対する旅客運賃割引証は、国鉄において作製し、監督官庁を経て指定学校に配布し、指定学校はこれに必要事項を記入して、学生又は生徒に交付する。
2 割引証の様式は、次の通りとする。
 一般学校用(様式省略)
 通信教育学校用(様式省略)

(資格証明証の携帯及び呈示の義務)
第七十四条 前条の規定によつて旅客運賃割引の取扱を受けて旅行する旅客に対しては、第七十一条の規定を準用する。

(被救護者割引)
第七十五条 次の各号の一に該当する施設であつて、国鉄の指定したものから救護又は保護を受ける者(以下「被救護者」という。)が、三等によつて旅行する場合で、第七十六条の規定による割引証を差し出したときは、大人普通旅客運賃の五割を割引する。但し、被救護者が、行商その他営利を目的とする旅行を行う場合は、この取扱をしない。
一 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第十七条に規定する児童相談所附設の一時保護所並びに同法第四十一条から第四十四条までに規定する養護施設・精神薄弱児施設・盲ろう唖児施設・虚弱児施設・し体不自由児施設及び教護院
二 社会福祉事業法(昭和二十六年法律第四十五号)第二条に規定する養老院・救護所及び宿泊所
三 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第三十八条に規定する保護施設
四 少年院法(昭和二十三年法律第百六十九号)第一条に規定する少年院及び同法第十六条に規定する少年保護鑑別所
五 犯罪者予防更生法(昭和二十四年法律第百四十二号)第二十一条に規定する少年保護観察所及び同法第二十二条に規定する成人保護観察所
2 被救護者が老幼・不具のため又は逃亡のおそれがあるため、国鉄において、これに付添人を必要と認めるときは、その付添人の旅行について、前項の規定を準用する。

(割引証の交付)
第七十六条 被救護者に対する旅客運賃割引証は、国鉄において作製し、監督官庁を経て前条の施設又は団体に配布し、その施設又は団体はこれに必要事項を記入して、被救護者に交付する。
2 割引証の様式は、次の通りとする。(様式省略)

(通学証明書及び割引証発行の監査)
第七十七条 国鉄は、必要に応じてにおいて通学証明書及び旅客運賃割引証の出納又は発行の適否、所定の者以外に対する発行の有無、その他正規に反する取扱の有無等について監査をするものとする。

(割引証不正発行又は不正使用に対する制裁)
第七十八条 第七十三条の二及び第七十六条の規定による旅客運賃割引証を使用資格者以外の者に発行し又は使用資格者に対し発行した割引証を、記名人以外のものに使用させたときは、その学校・施設又は団体に対して、第六十九条第一項又は第七十五条の規定による指定の取消しを行い又はその学校の学生・生徒・児童若しくは施設・団体の被救護者(第七十五条第二項の規定の場合を含む。)に対して、第七十三条若しくは第七十五条の規定による旅客運賃割引の取扱又は第六十九条の規定による通学定期乗車券の発売の停止を行うことがある。

(発行者に対する制裁)
第七十九条 通学証明書及び旅客運賃割引証を発行者が使用資格者以外の者に発行し又は記名人以外のものに使用させたときは、第四十条及び第百二十一条の規定によリ収受する旅客運賃及び増運賃をその発行者から収受することがある。

(割引証が無効となる場合)
第八十条 旅客運賃割引証は、次の各号の一に該当する場合に無効として回収する。
一 発行者が記入しなければならない事項を記入していないとき。
二 使用者氏名・年令又は身分証明書番号が不明となったとき。
三 表示事項をぬり消し、又は改変して使用したとき。
四 記載事項を訂正した場合で、これに相当の証明がないとき。
五 有効期間を経過したものを使用したとき。
六 記名人以外の者が使用したとき。

第六節 団体旅客運賃

(団体旅客の旅客運賃割引) 
第八十一条 旅客が、等級・発着駅及び目的を同じくして、三十人以上一団となつて旅行する場合で、あらかじめその人員・行程・乗車すべき列車・汽船又は自動車その他輸送計画に必要な事項を申し出て、国鉄の承認を受けた場合は、これに対して、次の各号に定めるところによつて普通旅客運賃の割引をする。
一 指定学校の学生・生徒又は児童(幼稚園の幼児を含む。)とその付添人及び教職員(学校において嘱託している医師及び看護婦を含む。)によつて構成された団体で、当該学校の教職員が引率するもの。
大人 5割引(自動車線2割引)
小児 3割引(   同   )
二 その他の団体で、責任のある代表者が引率するもの。
イ 鉄道及び航路 各等
 輸送期間  三十人以上  百人以上
 第一期  一月一日から同月十日まで
三月一日から同月三十一日まで
五月一日から同月三十一日まで及び
七月一日から十二月三十一日まで
 一割引  一割二分引
 第二期  一月十一日から二月末日まで及び
六月一日から同月三十日まで
 一割五分引  二割引
 第三期  四月一日から同月三十日まで  一割引  一割引
 団体旅客の一発着区間(運賃一計算区間)が二以上の輸送期間にまたがるときは、その区間の旅行開始の時を基準とする。
ロ 自動車線 一割引
2 前項第一号の付添人は、団体旅客が次の各号の一に該当する場合に、その旅客一人につき一人を限つて、これを認める。
一 旅客が十才以下の者であるとき。
二 旅客が不具又は虚弱のため、付添人が必要であると国鉄が認めるとき。
3 小学校児童により構成された第一項第一号の団体旅客中に十二才以上の児童がある場合は、その児童は小児とみなして取り扱う。

(特殊団体に対する旅客運賃割引) 
第八十二条 国鉄が特に必要と認める場合は、団体旅客に対し、旅行目的又は割引を受ける者の資格等定めて、前条の割引率と異なる割引をすることがある。

(団体取扱条件の指定) 
第八十三条 団体旅客の乗車船方法その他の取扱条件は、その都度定める。

(団体旅客の責任人員)
第八十四条 団体旅客の輸送について、臨時列車の設定又は客車の増結等の特別の手配を必要とするときは、その団体旅客の申込人員の八割に相当する人員を責任人員とし、実際乗車人員がこれに満たない場合であつても、責任人員に相当する団体旅客運賃を、申込者から収受する。

(団体旅客運賃の予納)
第八十五条 国鉄が必要と認めるときは、団体旅客の申込者から、その申込人員に相当する団体旅客運賃の一割以内の額を、予納金として収受することがある。
2 前項の予納金は、申込者がその申込を取り消した場合は、返付しない。

(団体旅客運賃の計算方)
第八十六条 団体旅客運賃は、その全行程に対する一人当り大人普通旅客運賃から割引額を差し引き(小児の場合はこれを折半する。)、その残額に団体総人員を乗じた額を十円単位に四捨五入したものとする。
2 前項の一人当りの団体旅客運賃を計算する場合、割引率を異にするときは各区間各別に割引額を差し引いたうえ合計する。

第6節 貸切旅客運賃

(客車・車船室の貸切旅客運賃)   
第八十七条 旅客が、あらかじめその人員・行程その他輸送計画に必要な事項を申し出て国鉄の承認を受けた場合は、次の各号に定める人員に相当する大人普通旅客運賃を収受して、客車又は車室の貸切の取扱をする。
一 一等客車
 一等 二十二人分
二 二等客車
 二等 五十人分 但し、特別二等車は四十八人分、電車は六十人分とする。
三 二等客車
 三等 八十人分 但し、電車及び気動車は百人分とする。
四 合造車室
 各等車室について、前各号に定める旅客運賃収受定員の二分の一に相当する人員分。
2 一等船室の貸切の取扱をする場合は、その定員に対する大人普通旅客運賃を収受する。
3 貸切車を急行列車に連結する場合は、その旅客運賃収受定員に対する大人急行料金を収受する。
4 特別二等車(特別急行列車に連結する場合を除く。以下同じ。)を貸切とする場合は、その旅客運賃収受定員に対する大人特別二等車料金を収受する。
5 寝台車又はその車室を貸切とする場合は、寝台を使用するときに限つて、その寝台定員に対する寝台料金を収受する。

(病客車の貸切旅客運賃)   
第八十八条 病客車を貸切とする場合は、次の各号に定める人員に相当する大人普通旅客運賃を収受する。
一 特別病客車 一等 二十人分
二 二等病客車 二等 二十人分

(荷物車の貸切旅客運賃)   
第八十九条 旅客輸送のため荷物車又は荷物室を貸切とする場合は、一車について、次の各号に定める人員に相当する大人普通旅客運賃を収受する。
一 荷物車              三等 三十人分
二 客室又は郵便室との合造車の荷物室 同  十五人分

(定員超過の場合の貸切旅客運賃・料金)   
第九十条 前三条の規定によつて、客車(荷物車を含む。)又は車室を貸切とする場合においては、実際乗車人員が、各その旅客運賃収受定員を超過するときは、実際乗車人員に相当する大人の普通旅客運賃・急行料金及び特別二等車料金を収受する。但し、特別二等車料金については、その車両の座席定員を限度とする。

(貸切旅客運賃の最低額)
第九十一条 客車又は車室の貸切旅客運賃の最低額は、その貸切区間のキロ程が五十キロに満たない場合であつても、前四条の規定によつて計算した五十キロ分の旅客運賃とする。

(貸切旅客運賃の予納)
第九十二条 第八十五条の規定は、この節による旅客について準用する。

(貸切車の留置料)
第九十三条 貸切車を、申込者の都合によつて、同一駅に六時間をこえて滞留させる場合は、その超過時間について、次の各号に定める留置料を収受する。
一 機関車  一両 二時間までごとに 千二百円
二 電車   同  同        四百円
三 気動車  同  同        四百円
四 客車   同  同        四百円
五 荷物車  同  同        四百円

(貸切扱取消の場合の回送料)
第九十四条 客車その他の車両を貸切とする場合であつて、これを他駅から回送した後、申込者の都合によつてその申込を取り消した場合は、その回送区間及び返送区間の全キロ程について、次の各号に定める車両回送料金を収受する。
一 機関車  一両 一キロにつき   七十円
二 電車   同           二十円
三 気動車  同           二十円
四 客車   同           二十円
五 荷物車  同           二十円

(列車又は汽船の貸切)
第九十五条 旅客の申込によつて、臨時に列車又は汽船を運行して、貸切の取扱をする場合の旅客運賃その他の取扱条件は、その都度定める。

第四章 急行券及び急行料金

(通行税)
第九十六条 一等・二等の急行料金の中には、通行税法の規定による通行税を含むものとする。

(列車の急行料金)
第九十七条 急行列車に乗車する旅客は、次の各号に定める急行料金を支払い、特別急行列車については、その乗車する日の列車及び乗車区間を、又、普通急行列車及び準急行列車については、その乗車する駅の指定された、各相当の急行券を購求しなければならない。
一 特別急行料金
   六百キロまで 千二百キロまで 千二百一キロ以上
三等 五百円    七百五十円   千円
二等 千円     千五百円    二千円
一等 千五百円   二千二百五十円 三千円
二 普通急行料金
   三百キロまで 六百キロまで  千二百キロまで 千二百一キロ以上
三等 百五十円   二百五十円   四百円     五百円
二等 三百円    五百円     八百円     千円
一等 四百五十円  七百五十円   千二百円    千五百円
三 準急行料金
   百五十キロまで 三百キロまで 六百キロまで  六百一キロ以上<
三等 五十円     八十円    百三十円    二百円
二等 百円      百六十円   二百六十円   四百円
一等 百五十円    二百五十円  三百九十円   六百円
2 小児の急行料金は、前項の料金の半額とする。
3 急行料金算出のキロ程は、普通旅客運賃計算の場合のキロ程による。但し、第五十一条及び第五十二条の場合は、旅客が実際に急行列車に乗降する駅を起点又は終点として計算したキロ程による。
4 同一急行列車で異級乗車する場合の急行料金は、第五十六条の規定による計算方を準用する。但し、全区間の上級急行料金がこれより定額の場合は、この上級急行料金による。

(自動車の急行料金)
第九十八条 急行自動車に乗車する旅客は、次の各号に定める急行料金を支払い、乗車する日の自動車及び乗車駅の指定された急行券を購求しなければならない。
   七十キロまで 七十一キロ以上
三等 五十円    百円
2 小児の急行料金は、前項の料金の半額とする。

(急行券の様式)
第九十九条 急行券の様式は次の通りとする。但し、料金欄には、各相当の急行料金額(大人小児用には大人急行料金額)を表示する。
一 特別急行券
 第一種 六百キロまでの大人小児用(表面左方下部から右方上部まで幅〇・一センチメートルの赤色斜線三條を印刷する。)
 第二種 千二百キロまで大人小児用(同右)
 第三種 千二百一キロ以上の大人小児用(同右)
 (様式省略)
二 普通急行券
 第一種 三百キロまでの大人小児用(表面左方下部から右方上部まで幅〇・一センチメートルの赤色斜線二條を印刷する。)
 第二種 六百キロまで大人小児用(同右)
 第三種 千二百キロまで大人小児用(同右)
 第四種 千二百一キロ以上の大人小児用(同右)
 (様式省略)
三 準急行券
 第一種 百五十キロまでの大人小児用(表面左方下部から右方上部まで幅〇・一センチメートルの赤色斜線一條を印刷する。)
 第二種 三百キロまで大人小児用(同右)
 第三種 六百キロまで大人小児用(同右)
 第四種 六百一キロ以上の大人小児用(同右)
 (様式省略)
四 自動車急行券
 第一種 七十キロまでの大人小児用(自動車急行券名の下部に横線一條を印刷する。)
 第二種 七十一キロまで大人小児用(第一種に準じ、横線二條を印刷する。)
 (様式省略)

(特別急行券・自動車急行券の発売日)
第百条 特別急行券及び自動車急行券は、乗車日の七日前から国鉄が指定した駅で発売する。

(急行券の有効条件)
第百一条 第二十三条の規定は、急行券について準用する。但し、急行券面の途中駅から乗車することができる。

(急行券の効力)
第百二条 旅客は、特別急行券又は自動車急行券を使用して、その券面に指定された特別急行列車又は急行自動車に、又、普通急行券又は準急行券を使用して、その発売の日(通用開始日を指定して発売したものにあつては、通用開始の日)から二日以内の普通急行列車又は準急行列車に、一回に限つて、乗車することができる。
2 座席を指定した特別急行券は、その指定の駅で乗車しない場合、他の旅客に発売することがある。

(急行券の検査及び回収)
第百三条 旅客は、急行列車及び急行自動車に乗車するときは、急行券に入鋏を受け、又、下車したときは、これを係員に引き渡さなければならない。急行券の効力を失つた場合もまた同じ。
2 旅客は、係員の請求があつたときは、いつでも急行券を呈示し、検査を受けなければならない。

(急行券が無効となる場合)
第百四条 急行券は、次の各号の一に該当する場合無効として回収する。
一 券面に指定された急行列車(乗車列車を指定しない急行券にあつては、有効期間内の急行列車)・急行自動車以外の急行列車・急行自動車に乗車したとき。
二 券面に表示された事項をぬり消し又は改変して使用したとき。
三 大人が小児用急行券を使用したとき。
四 乗車月日・乗車列車・発売日又は乗車駅が不明となつた急行券を使用したとき。但し、旅客に悪意がなく、その証明方法がある場合は、この限りではない。
五 その他不正乗車の手段に使用したとき。

第四章の二 特別二等車券及び特別二等車料金

(特別二等車料金)
第百四条の二 特別二等車券に乗車する旅客は、次に定める特別二等車料金を支払い、その乗車する日の列車及び乗車区間を指定された相当の特別二等車券を購求しなければならない。
三百キロまで 六百キロまで 千二百キロまで 千二百一キロ以上
二百円    三百円    四百円     五百円
2 小児の特別二等車料金は、前項料金の半額とする。
3 特別二等車料金算出の場合のキロ程は、第九十七条第三項の規定を準用する。

(特別二等車券の様式)
第百四条の三 特別二等車券の様式は次の通りとする。但し、料金欄には、各相当料金額(大人小児用には大人特別二等車料金額)を表示する。
 第一種 三百キロまでの大人小児用
 第二種 六百キロまで大人小児用
 第三種 千二百キロまで大人小児用
 第四種 千二百一キロ以上の大人小児用
 (様式省略)

(特別二等車券の発売日)
第百四条の四 特別二等車券は、乗車日の七日前から国鉄が指定した駅で発売する。

(特別二等車券の有効条件)
第百四条の五 第二十三条の規定は、特別二等車券について準用する。

(特別二等車券の効力)
第百四条の六 旅客は、特別二等車券を使用して、その券面に指定された特別二等車乗車することができる。
2 特別二等車券は、その指定の駅で乗車しない場合は、他の旅客に発売することがある。

(特別二等車券の検査及び回収)
第百四条の七 特別二等車券を所持している旅客が、その列車に乗車したときは、直ちに、係員に特別二等車券を呈示してその確認を受け、又、下車したときは、これを係員に引き渡さなければならない。特別二等車券の効力を失つた場合もまた同じ。
2 旅客は、係員の請求があつたときは、いつでも特別二等車券を呈示し、検査を受けなければならない。

(特別二等車券が無効となる場合)
第百四条の八 特別二等車券が無効となる場合については、第百四条の規定を準用する。

第五章 寝台券及び寝台料金

(通行税)
第百五条 一等・二等の寝台料金の中には、通行税法の規定による通行税を含むものとする。

(寝台料金)
第百六条 寝台を使用する旅客は、次の各号に定めた寝台料金を支払い、その乗車船する日の列車又は汽船の、乗車船駅・使用区間・等級及び寝台の種類の指定された、各相当の寝台券を購求しなければならない。
一 列車寝台料金
二等(特別室を除く。) 一夜につき一個 上段 千円
                    下段 千三百円
二等特別室       同       上段 千二百円
                    下段 千五百円
一等(特別室を除く。) 同       上段 千五百円
                    下段 二千円
一等特別室       同       上段 二千二百五十円
                    下段 三千円
二 汽船寝台料金
二等(青森函館間航路)一個 上段 四百円
             下段 五百円

(寝台使用証)
第百七条 列車の二等寝台を使用する旅客は、次の様式の寝台使用証に所定の事項を記入して、これに使用の証印を受けなければならない。(様式省略)

(寝台券の様式)
第百八条 寝台券の様式は次の通りとする。但し、料金欄には、各相当寝台料金額を表示する。
一 列車寝台券
 第一種 一等寝台下段用
 第二種 一等寝台上段用
 第三種 二等寝台下段用
 第四種 二等寝台上段用
 (様式省略)
二 汽船寝台券(汽船内発売用)
 第一種 二等寝台下段用
 第二種 二等寝台上段用
 (様式省略)
三 汽船寝台券(駅発売用)
 第一種 二等寝台下段用
 第二種 二等寝台上段用
 (様式省略)

(寝台券の発売日)
第百九条 列車寝台券は、その列車の出発の日の七日前から、又、汽船寝台券は、その汽船に接続する列車の出発の日の三日前から、国鉄の指定した駅で発売する。

(寝台券の効力)
第百十条 旅客は、列車の二等寝台では、寝台使用証に記載された事項にしたがつて、これに指定された寝台を、又、その他の寝台券では、その券面に指定された寝台を使用することができる。

(寝台券が無効となる場合)
第百十一条 寝台券の表示事項をぬり消し、若しくは、改変して使用したとき、又、列車の二等寝台にあつては、寝台使用証の記載事項に違反して使用したときは、その寝台券は無効として回収する。

(寝台券の呈示及び回収)
第百十二条 寝台券を所持している旅客が、その列車又は汽船に乗車船したときは、直ちに、係員に寝台券を呈示してその確認を受けなければならない。
2 寝台券及び寝台使用証は、その使用を終えて下車船するときは、係員に引き渡さなければならない。寝台券の効力を失った場合もまた同じ。

(寝台の使用制限)
第百十三条 同一寝台券によつて、二人以上の旅客が、一個の寝台を使用することはできない。但し、小児だけで使用する場合小児二人まで、大人と小児が使用する場合は大人一人と小児一人までは、この限りでない。

(寝台の使用時間)
第百十四条 寝台の使用時間は、次の通りとする。但し、季節によつて変更することがある。
一 列車の寝台  二十一時から七時までの列車の運転時間中
二 連絡船の寝台 汽船の運航時間中

第五章 入浴券

(入浴料金)
第百十五条 青森・函館間航路の一等旅客及び二等寝台を使用する旅客が、その汽船に設備してある旅客用浴室を使用しようとするときは、その汽船の事務長に入浴料金百二十円を支払つて、入浴券を購求しなければならない。

(入浴券の様式)
第百十六条 入浴券の様式は、次のものに発行日付を表示したものとする。但し、料金欄には、入浴料金額を表示する。(様式省略)

第六章 旅客運賃及び料金の追徴・払い戻し

第一節 通則

(係員の承諾を得て、乗車券を所持しないで乗車船した場合の旅客運賃・料金の支払方)
第百十七条 旅客は、その責任にならない事由によつて又は係員の承諾を得て、乗車券・急行券・特別二等車券又は寝台券を購求しないで乗車船したときは、乗務員に、旅客運賃・急行料金・特別二等車料金又は寝台料金を支払わなければならない。この場合は、車内補充券を発行して乗車券・急行券・特別二等車券又は寝台券に代用する。
2 前項の場合にやむをえない事由によつて、乗務員に旅客運賃又は料金の支払いをすることができないときは、係員の承諾を得て、下車船駅でこれを支払わなければならない。

(車内補充券及び特殊補充券による代用)
第百十八条 無札・乗車券・急行券・特別二等車券又は寝台券の紛失・上級変更・種類変更・乗越・方向変更・経路変更・乗車券誤購求等の場合に各相当の取扱をするときは、車内補充券又は特殊補充券を発行して乗車券・急行券・特別二等車券又は寝台券に代用する。

(車内補充券の様式)
第百十九条 車内補充券の様式は、次の通りとする。
  第一種 一般用(様式省略)
  第二種 電車区間用
   一 東京附近のもの(様式省略)
   二 大阪附近のもの(様式省略)

(特殊補充券の様式)
第百二十条 特殊補充券の様式は、次の通りとする。

(船内乗換券)
第百二十条の二 汽船内で、その汽船のみの上級乗換の取扱をする場合は、船内乗換券を発行する。
2 船内乗換券の様式は、次の通りとする。
  第一種 三等から二等乗換大人小児用
  第二種 二等から一等乗換大人小児用
  第三種 三等から一等乗換大人小児用
  (様式省略)
3 船内乗換券は、原乗車券とともに所持する場合に限り有効とする。
2 船内乗換券は、下船の際乗務員に引き渡さなければならない。

第二節 無札

(無札旅客に対する旅客運賃・増運賃の収受)
第百二十一条 旅客が、次の各号の一に該当する場合は、無札旅客として、当該旅客の乗車船駅からの普通旅客運賃及びその2倍の金額を増運賃として、併せて収受する。但し、自動車線のみを乗車する場合は、当該旅客の乗車駅からの普通旅客運賃及びそれと同額の増運賃とをあわせ収受する。
一 係員の承諾を受けず、乗車券を所持しないで乗車船したとき。
二 別に定める場合を除いて、乗車券を入鋏を受けないで乗車船したとき。但し、旅客に悪意がなく、その証明方法のある場合は、この限りでない。
三 第三十九条の規定によつて無効となる乗車券で乗車船したとき。
四 乗車券検査の際にその呈示を拒み又は取集めの際に引渡しをしないとき。
2 団体旅客が、その乗車券の券面に表示された事項に違反して乗車船した場合は、これを前項第三号の無札旅客として、その全乗車人員について、前項の規定による旅客運賃及び増運賃を、その団体申込者から収受する。
3 団体旅客が、乗車券面に表示された人員を超過して乗車船し又は小児の人員として大人を乗車船させたときは、第三十九条の規定にかかわらず、その超過人員又は大人だけを、第一項第一号の無札旅客として、その団体申込者から第一項本文の規定による旅客運賃及び増運賃を収受する。
4 前項の規定は、貸切旅客が、乗車券の券面に表示された旅客運賃支払い人員をこえて乗車船した場合に準用する。

(無札旅客の乗車船駅又は等級の不明の場合)
第百二十二条 前条の無札旅客について、その乗車船駅が判朋しない場合は、その列車・汽船又は自動車の出発駅(出発駅の異なる2個以上の列車を併結運転している場合は、その最遠の出発駅)から、又、その乗車船等級が判明しない場合は、その列車又は汽船の最上の等級によつて、それぞれ乗車船したものとみなして前条の規定を適用する。

(急行列車・特別二等車又は寝台利用旅客が無札の場合の取扱方)
第百二十三条 前二条の規定は、急行券・特別二等車券及び寝台券に準用する。

第三節 乗車券・急行券・特別二等車券及び寝台券の紛失

(乗車券・急行券・特別二等車券紛失の場合の取扱方)
第百二十四条 旅客が、旅行開始後、その乗車券・急行券・特別二等車券を紛失した場合であつて、係員がその事実を認定することができないときは、既に乗車船した区間については、第百二十一条から第百二十三条までの規定による旅客運賃・急行料金・特別二等車料金・増運賃及び増料金を、前途の乗車船区間については、これに相当する普通旅客運賃・急行料金・特別二等車料金を収受し、又、係員がその事実を認定することができるときは、その全乗車船区間に相当する普通旅客運賃・急行料金・特別二等車料金を収受して、増運賃・増料金を収受しない。
2 前項の場合に旅客は、再徴証明書の交付を請求することができる。但し、定期乗車券又は回数乗車券使用の旅客は、この限りでない。
3 第一項後段及び前項の規定は、旅客が旅行開始前に、乗車券・急行券・特別二等車券を紛失した場合に準用する。

(再徴した旅客運賃・料金の払いもどし)
第百二十五条 前条の規定によつて普通旅客運賃・急行料金・特別二等車料金・増運賃及び増料金を支払つた旅客が、紛失した乗車券・急行券又は特別二等車券を発見した場合は、その乗車券、急行券又は特別二等車券と再徴証明書とを最近駅に差し出して、再徴証明書一枚につき手数料十円を支払い、その旅客運賃・急行料金・特別二等車料金・増運賃又は増料金の払いもどしを請求をすることができる。但し、再徴証明書の発行の日から一箇年を経過したときは、これを請求することができない。

(団体乗車券・貸切乗車券又は寝台券紛失の場合の取扱方)
第百二十六条 旅客が、次の各号の一に該当する場合であつて、係員がその事実を認定することができる場合は、第百二十三条及び第百二十四条の規定にかかわらず、別に旅客運賃又は料金を収受しないで、相当の団体乗車券・貸切乗車券又は寝台券の再交付を請求をすることができる。
一 輸送する列車・汽船又は自動車を指定した団体乗車券又は貸切乗車券を紛失したとき。
二 寝台番号を指定した寝台券を紛失したとき。

第四節 等級及び種類変更

(上級乗換)
第百二十七条 旅客は、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、所持する乗車券の等級から上級の車船室に乗換えることができる。この場合は、その乗換区間に対して、上級の普通旅客運賃・急行料金とその所持する普通旅客運賃・料金との差額を収受する。但し、旅客が定期乗車券・回数乗車券・等級に制限のある割引乗車券を使用するとき又は第二十六条の規定によつて継続乗車船するときを除く。

(下級乗換)
第百二十八条 旅客(定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客を除く。)は、その所持する乗車券の等級に相当する車船室の設備がないとき若しくはこれが満員のとき又は車両の故障のときその他旅客の責任とならない事由によつて、その乗車券に相当する等級の車船室に乗車船することができない場合、あらかじめ係員の承諾を受け下級の車船室に乗り換え、その乗換区間に対してその所持する乗車券・急行券の等級による相当旅客運賃・急行料金と下級の相当旅客運賃・急行料金との差額の払いもどしを、乗換終了後の途中駅又は着駅において、請求することができる。
2 前項の規定は、旅客の責任とならない事由によつて、上級の寝台から下級の寝台に又は料金の高額な寝台から低額な寝台に変更をする場合に準用する。

(種類変更)
第百二十九条 旅客は、係員の承諾を受けた場合、その所持する普通急行券・準急行券の種類の変更(第十二条第二号(??)の規定によつて乗車列車を指定したものを除く。)又は寝台券の寝台の種類の変更をすることができる。この場合は、既収の急行料金又は寝台料金と、変更する急行料金又は寝台料金とを比較して、不足額は追徴し、過剰額は寝台の種類変更の場合を除き払いもどしをする。

第五節 乗越・方向変更及び経路変更

(乗越)
第百三十条 旅客は、あらかじめ係員に申し出て、次の各号による旅客運賃・急行料金又は特別二等車料金を支払い、乗車券面に表示された着駅を乗り越して乗車することができる。但し、特別急行列車又は特別二等車による場合は、座席に余裕があるときに限る。
一 旅客運賃
 乗越区間に対する普通旅客運賃
二 急行料金・特別二等車料金
 既に支払った急行料金又は特別二等車料金と、実際の乗車区間に対する急行料金又は特別二等車料金との差額

(方向変更及び経路変更)
第百三十一条 旅客(定期乗車券及び回数乗車券を使用する旅客除く。)は、あらかじめ係員に申し出てる乗車券面に表示された着駅と異なる方向に又は乗車券面に表示された経路と異なる経路に一回に限つて変更の取扱を請求することができる。但し、この場合これによつて、既に乗車した区間と変更区間とが復乗となるときは、この取扱を請求することができない。
2 前項の取扱をする場合は、変更区間の普通旅客運賃と不乗車船区間の普通旅客運賃とを比較して、不足額は追徴し、過剰額は払いもどしをしない。この場合に、変更区間が二区間以上あるときであつて、その変更区間の間に、旅客の所持する乗車券の券面の区間があるときは、これを変更区間とみなして、旅客運賃を計算する。

(乗越・方向変更及び経路変更の特例)
第百三十二条 鉄道区間において、普通乗車券によつて乗越をする場合で、原券区間と乗越区間とを通算したキロ程が百五十キロ以内であるとき又は第二十九条第一号に規定する電車区間内にある駅相互発着の普通乗車券によつて同区間内の方向変更及び経路変更をするときは、前二条の規定にかかわらず、原券の区間に対する普通旅客運賃と、実際乗車区間の普通旅客運賃とを比較して、不足額は追徴し、過剰額は払いもどしをしない。

(方向変更及び経路変更の取扱をしない場合)
第百三十三条 第二十六条の規定によつて継続乗車船中の旅客に対しては、方向変更及び経路変更の取扱をしない。

(定期乗車券の区間及び経路の変更)
第百三十四条 旅客が、定期乗車券の使用開始後、その通勤・通学の区間又は経路を変更しようとするときは、変更を必要とする事由を証明する相当証明書類を発行駅に差し出して、一回に限つて、その変更を請求することができる。但し、変更区間中の一駅以上の駅が原定期乗車券の区間中である場合に限る。
2 前項の場合は、変更しようとする発着区間に対する原定期乗車券の通用期間と同じ期間の定期旅客運賃と、旅客から既に収受した定期旅客運賃とを比較して、差額のある場合にはその差額に定期乗車券の未使用期間の日数(変更当日は、未使用期間に算入する。)を乗じ、定期乗車券の総日数(一箇月は三十日、二箇月は六十日、三箇月は百八十日として計算する。)で除した額をは数計算した金額を、追徴し又は払いもどしをする。

第六節 旅客運賃の払いもどし及び通用期間の延長

(旅行開始前の旅客運賃の払いもどし)
第百三十五条 旅客は、旅行開始前に、乗車券(定期乗車券及び回数乗車券を除く。)が不要となつた場合は、その乗車券の券片が入鋏前で、且つ、通用期間内であるときに限つて、これを差し出して既に支払つた旅客運賃の払いもどしを請求することができる。この場合、旅客は、手数料として、乗車券一枚につき十円を支払わなければならない。但し、不要となつた事由が第百四十一条第三号及び第百四十二条第一号の規定による場合は、手数料を必要としない。
2 乗車船する列車・汽船又は自動車を指定して発売した乗車券について、前項の払いもどし請求をしようとするときは、その列車・汽船又は自動車が、乗車券面に表示された乗車船駅を出発する時刻の二時間前までにこれをしなければならない。

(使用開始前の定期旅客運賃・回数旅客運賃及び急行料金の払いもどし)
第百三十六条 前条の規定は、通用期間開始前の定期乗車券・使用開始前の回数乗車券・普通急行券及び準急行券について準用する。この場合、定期乗車券については、その発行駅に差し出さなければならない。

(急行料金その他の料金の払いもどし)
第百三十七条 旅客は、特別急行券・自動車急行券・特別二等車券又は寝台券が不要となつた場合は、その指定を受けた列車・汽船又は自動車がその乗車船駅を出発する時刻の二時間前までに、これを最近の駅に差し出した場合に限つて、既に支払つた急行料金・特別二等車料金又は寝台料金から、各その五割に相当する手数料を差し引いた残額の払いもどしを請求することができる。
2 前項の規定は、第十二条第二号(??)の規定によつて、乗車列車の指定を受けて購求した普通急行券・準急行券が不要となつた場合の急行料金・準急行料金の払いもどしについて準用する。

(旅行開始後の旅客運賃の払いもどし)
第百三十八条 旅客が、普通乗車券を使用して旅行を開始した後、任意に旅行を中止したときは、その乗車券が、発売の日から2日以内(前売りの乗車券については、通用開始の日から二日以内)であつて、且つ、その乗車船しない区間が、三百キロ以上である場合に限つて、これをその旅行を中止した駅に差し出し、既に支払つた旅客運賃から既に乗車船した区間の普通旅客運賃を差し引いた残額の払いもどしを請求することができる。この場合に、旅客は、手数料として、乗車券一枚につき十円を支払わなければならない。

(不乗船区間に対する旅客運賃の払いもどしをしない場合)
第百三十九条 第二十六条の規定によつて、継続乗車船中の旅客が、旅行を中止した場合の不乗船区間及び第三十条の規定による不乗船区間に対しては、旅客運賃の払いもどしをしない。

(定期乗車券使用開始後の旅客運賃の払いもどし)
第百四十条 旅客は、定期乗車券の使用を開始した後、その定期乗車券が不要となつたときは、通用期間内である場合に限つて、これを発行駅に差し出して、既に支払つた定期旅客運賃から、使用経過月数に相当する定期旅客運賃を差し引いた残額の払いもどしを請求することができる。この場合に、旅客は、手数料として、乗車券一枚につき十円を支払わなければならない。
2 前項の計算については、払いもどし請求の当日は経過日数に算入し、又、一箇月未満の経過日数は一箇月として計算する。
3 第一項の定期乗車券の経過月数に相当する定期旅客運賃は、次の各号によつて計算する。
一 使用経過月数が一箇月又は三箇月のときは、各その月数に相当する定期旅客運賃
二 使用経過月数が二箇月のときは、一箇月に相当する定期旅客運賃の2倍の額
三 使用経過月数が四箇月のときは、三箇月と一箇月に相当する定期旅客運賃の合算額
四 使用経過月数が五箇月のときは、三箇月と一箇月の二倍に相当する定期旅客運賃の合算額

(旅行中止による通用期間の延長及び旅客運賃の払いもどし)
第百四十一条 旅客は、旅行開始後、次の各号の一に該当する場合であつて、且つ、その所持する乗車券が通用期間内であるときは、一回に限つて、第百四十三条の規定によつて定められた日数の乗車券の通用期間の延長を請求し、又、その乗車券について、既に支払つた旅客運賃から既に乗車船した区間の普通旅客運賃を差し引いた残額の払いもどしを請求することができる。この場合、第一号又は第二号の事由によつて払いもどしを受ける旅客は、手数料として乗車券一枚につき十円を支払わなければならない。
一 傷い疾病によつて旅行を中止したとき。
二 司法権又は行政権の発動によつて、旅行を中止したとき。
三 車両の故障その他旅客の責任とならない事由によつて、乗車券面に表示された等級の車船室に乗車船することができないで、旅行を中止したとき。
2 定期乗車券・回数乗車券・団体乗車券又は貸切乗事券を使用する旅客は、前項の請求をすることができない。但し、団体乗車券又は貸切乗事券を使用する旅客については、前項第三号の場合を除く。

(列車の運行不能又は遅延の場合の取扱方)
第百四十二条 旅客(定期乗車券を使用する旅客を除く。)は、旅行開始後、次の各号の一に該当する場合は、第百四十三条の規定によつて定められた日数の、乗車券の通用期間の延長若しくは第百四十五条の規定による無賃送還又は旅行を中止して第百四十五条の規定による旅客運賃の払いもどしを請求することができる。但し、回数乗車券使用の旅客は、無賃送還以外の取扱を請求することができない。
一 列車・汽船又は自動車が運行不能となつたとき。
二 列車・汽船又は自動車が運行時刻より遅延し、そのため接続駅で、接続予定の列車・汽船又は自動車の出発時刻から二時間以上にわたつて、目的地に出発する列車・汽船又は自動車に接続を欠いたとき又は着駅到着時刻に二時間以上遅延したとき。

(乗車券通用期間延長の取扱方)
第百四十三条 乗車券の通用期間の延長の取扱は、次の各号に定めるところによる。
一 旅客は、乗車券の通用期間の延長を請求しようとするときは、関係の駅に申し出るものとする。この場合は、その乗車券を駅に預けるものとする。
二 通用期間の延長は、次の期間とし、旅客は、この期間内に旅行を継続しなけらばならない。但し、通用期間を延長する事由のなくなつたときは、延長期間はその事由のなくなった日までとする。
(一) 第百四十一条各号の場合は、乗車券を預けた日から三十日以内。
(二) 第百四十二条第一号の場合は、開通の日から五日以内
三 延長をする通用期間は、乗車券を預けた日から旅行を継続する日の前日までに相当する期間とする。
四 旅客は、旅行を継続する際、乗車券面に通用期間延長の証明を受けなけらばならない。
五 旅客が、第二号に定めた期間内に旅行を継続せず、且つ、乗車券面に表示された通用期間が経過したときは、その乗車券は無効として回収する。

(無賃送還の取扱方)
第百四十四条 旅客の無賃送還の取扱は、次の各号に定めるところによる。
一 無賃送還は、乗車券面に表示された発駅までとする。
二 無賃送還は、最近の時刻に乗車券面に表示された発駅に向けて出発する列車(急行列車を除く。)・汽船又は自動車(急行自動車を除く。)による。
三 無賃送還は、乗車券面に表示された等級又は経路による。但し、やむを得ない事由によつて、乗車券面に表示され経路によつて無賃送還を行うことができないときは他の経路に、又、その列車若しくは汽船に相当等級の車船室がないときは上級の車船室に、上級の車船室がないときは下級の車船室による。
四 無賃送還中は、途中下車の取扱をしない。
五 旅客が、第二号によつて指定した列車・汽船又は自動車に乗車船を拒んだときは、無賃送還の取扱をしない。
2 前項の無賃送還を行つた場合は、次の各号の定めによつて旅客運賃の払いもどしをする。但し、回数乗車券を使用する旅客についてはこの限りでない。
一 乗車券面に表示された発駅まで送還したときは、既に収受した旅客運賃の全額。
二 旅客の請求によつて、乗車券面に表示された発駅に至る途中駅まで送還したときは、既に収受した旅客運賃から乗車券面に表示された発駅と、その途中駅との間の普通旅客運賃を差し引いた残額

(第百四十二条の場合の旅客運賃の払いもどし)
第百四十五条 第百四十二条の場合に払いもどしをする旅客運賃は、旅客が、既に支払った旅客運賃から、既に乗車船した区間の相当旅客運賃を差し引いた残額とする。

(運行不能の場合における他経路乗車船の取扱方)
第百四十六条 列車・汽船又は自動車が運行不能となつた場合、その事故の発生前に購求した乗車券を所持する旅客は、同一目的地に至る最短経路による列車・汽船又は自動車に乗車船することを請求することができる。この場合、定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客は、他の経路によつて乗車船中に、途中下車することができない。
2 前項の取扱をする場合は、既に収受した旅客運賃と実際乗車船した区間の旅客運賃とを比較して、過剰額は払いもどし、不足額は追徴しない。
3 定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客について第一項の取扱をする場合は、前項の規定にかかわらず、旅客運賃の払いもどしをしない。

(運行不能の場合の旅客運賃払いもどし駅)
第百四十七条 前三条の規定によつて、旅客運賃・料金の払いもどしを受けようとする旅客は、次の各号に定める駅で旅客運賃・料金払いもどしを請求しなければならない。
一 無賃送還の取扱を受けない旅客は、旅行中止駅
二 無賃送還の取扱を受ける旅客は、送還を終えた駅
三 他の経路を乗車船する取扱を受けた旅客は、旅行を終えた駅

(運行不能区間の旅客運賃の払いもどし)
第百四十八条 列車・汽船又は自動車が運行不能となつた場合は、その事故発生前に購求した乗車券によつて旅行する旅客(定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客を除く。)が不通区間を任意に国鉄線によらないで旅行し乗車券の通用期間内に、前途の駅から乗継をする場合には、係員にその旨を申し出て証明書の交付を受け、不通区間の旅行を終えた後、乗車券にその証明書を添えて差し出し、当該不通区間に対する旅客運賃の払いもどしを請求することができる。

(運行休止の場合の旅客運賃の払いもどし)
第百四十九条 列車・汽船又は自動車の運行を、引き統き五日以上休止した場合、定期乗車券又は回数乗車券を使用する旅客は、その乗車券を発行駅に差し出して、相当日数の通用期間の延長を請求し、又は次の各号に定める金額の払いもどしを請求することができる。
一 定期乗車券については、使用しない区間の定期旅客運賃を日割によつて計算し、これをに休止日数を乗じては数計算した額
二 回数乗車券については、回数旅客運賃を総券片数で除した額に残余の券片数を乗じては数計算した額

(急行料金の払いもどし)
第百五十条 旅客は、次の各号の一に該当する場合は、その急行料金全額の払いもどしを請求することができる。
一 運輸上の支障その他自己の責任とならない事由によつて、指定された急行列車又は急行自動車に乗車することができなくなつたとき。
二 急行列車の遅延したため、第百四十二条の規定によつて発駅まで無賃送還の取扱を受けたとき。
三 急行列車が到着時刻又は出発時刻に、ニ時間以上遅延したとき。但し、急行券購求の際に既にニ時間以上遅延しているることが明らかな場合は、この限りでない。

(特別二等車料金・寝台料金の払いもどし)
第百五十一条 特別二等車券又は寝台券を所持する旅客は、運輸上の支障又は自己の責任とならない事由によつて、座席又は寝台を使用することができなくなつた場合は、その特別二等車料金又は寝台料金の全額の払いもどしを請求することができる。

第七節 誤乗及び過誤によつて乗車券を購求した場合

(誤乗車区間の無賃送還)
第百五十二条 旅客が、乗車券面に表示された区間外に誤つて乗車船した場合において、係員がその事実を認定したときは、その乗車券の通用期間内であるときに限つて、最近の列車(急行列車を除く。)・汽船又は自動車(急行自動車を除く。)によつて、その誤乗車区間について、無賃送還の取扱をする。但し、定期乗車券及び回数乗車券を使用する旅客を除く。

(誤乗区間無賃送還の取扱方)
第百五十三条 前条の規定による無賃送還の取扱は、次の各号に定めるところによる。
一 無賃送還中の乗車船の等級は、原乗車券の等級と同一又はそれ以下の等級とする。
二 無賃送還中は、途中下車の取扱をしない。
2 旅客が前項第二号の規定にかかわらず、送還中途中駅に下車したときは、誤つて乗車船した区間及び既に送還した区間に対して、それぞれ普通旅客運賃を収受する。

(乗車券誤購求の場合の取扱方)
第百五十四条 旅客が、駅名の同一若しくは類似又はその他の事由によつて、誤つて異なつた着駅又は経路の乗車券を購求した場合であつて、係員がその事実を認定したときは、既に収受した旅客運賃と正当発着区間の旅客運賃とを比較して、不足額は追徴し、過剰額は払もどしをする。

第八章 入場券及び入場料金

(入場券の発売)
第百五十五条 乗車船以外の目的によつて、乗降場に入場しようとする者は、入場料金十円を支払い、普通入場券を購求しなければならない。但し、入場券所持者が随伴する六才未満の者は、この限りではない。
2 定期入場券の料金は、一箇月三百円とし、特に、承認した者に対して、これを発売する。

(入場券の発売制限)
第百五十六条 入場券は、取締上又は運輸上の支障がある場合、発売を制限し又は停止することがある。この場合は、その旨を関係駅に掲示する。

(入場券の様式)
第百五十七条 入場券の様式は、次の通りとする。但し、料金欄には入場料金額を表示する。
一 普通入場券(様式省略)
二 定期入場券(様式省略)

(入場券の効力)
第百五十八条 普通入場券は発売駅で発売当日中に一回を限つて、定期入場券は、発売日から一箇月間発売駅において、記名人に限つて使用することができる。
2 入場券所有者は、列車・汽船又は自動車に立ち入ることができない。

(入場券が無効となる場合)
第百五十九条 入場券は、次の各号の一に該当する場合は、無効として回収する。
一 券面表示事項をぬりけし又は改変して使用したとき。
二 発売駅以外の駅で使用したとき。
三 定期入場券をその記名人以外の者が使用したとき。
四 前各号の外、不正の手段として使用したとき。
2 定期入場券が、前項の規定によつて無効として回収された場合は、その所持者に対して以後定期入場券の発売を承認しないことがある。

(入場券の検査及び回収)
第百六十条 入場券は、入場の際に、係員に呈示して検査を受け、且つ、普通入場券については入鋏を受けなければならない。
2 入場券は、その使用を終えたときは、係員に引渡さなければならない。その効力を失つた場合もまた同じ。

(無札の入場者の取扱方)
第百六十一条 乗車船以外の目的によつて、入場券を所持しないで入場した者に対しては第百五十五条の規定による普通入場料金を収受する。

(定期入場券紛失の場合の届出義務)
第百六十二条 定期乗車券を紛失した者は、その発行駅にその旨を申し出なければならない。この場合、入場券再発行の取扱をしない。

(入場料金の払いもどし)
第百六十三条 入場料金は、払いもどしをしない。